HAGGYのベスト5歌謡曲

はじめまして。私は1971年生まれの28歳、埼玉県民です。単に好きな歌謡曲を5曲に絞り込むのは難しいので、今回は「女性アイドル作品」に限定し、さらに90年代の作品をはずしてセレクトしました。
それでも難しかったのですが、以下の5曲を選びました。順位はありません。年代順です。(by HAGGY)

1 恋の売り込み/伊東ゆかり あらかはひろし/E.ホッジス 1963
HAGGY: 歌謡曲ではなく、カバーポップスです。原曲はエディ・ホッジス。
60年代のカバーポップスは、弘田三枝子・坂本九・中尾ミエ作品などに、原曲を上回るものが数多く存在しますが、大抵は高度な歌唱力や訳詞のユニークさ、ハマリ具合で勝負しているのに対し、この曲はアレンジが原曲を凌いでいる点が評価できます。重っくるしく垢抜けない原曲のアレンジを、スピーディで軽快に仕立て、規則的な目覚し時計のベル音の入れ方もランダムにしてメリハリを利かせています。
伽 羅: HAGGYさんはまだ生まれていない・・・(笑)。
いくらなんでも私だって生まれてないぞ!(←どうでもいい)
タイトルがなかなかすごいと思うのですが・・・。
「アレンジが原曲を凌いでいる」というのも、時代を考えるとすごいかなあ。
ターミー: カバーポップスの訳詞で有名なのは、漣健児さんだけど、訳詞というよりも超訳と言っていい。当時のカバーポップスも立派な一ジャンルでメリーホプキンスが来日したときは、自分のオリジナル大ヒット「悲しき天使」を日本語で歌ってたような記憶が...。
アブラヤ: おおっ!「悲しき天使」は懐かしいっすね!私も昔にシングル盤を持っていましたよ。しかし…訳詞もののポップスって、現在ではものの見事に壊滅状態ですよね。そして、それに歩調を合わせたかのように壊滅状態なのは、アメリカ産ホームドラマ(ビーバーちゃん、愉快なブレディ家etc…)だったりするような気がするのですが…どうなんだろうか?どちらも、豊かで自由な国、亜米利加をお茶の間で垣間見れる事が出来たような気がします。でも国産のポップスやドラマが自活?出来るようになって、必然的に訳詞もののポップスもお呼びでなくなっちゃったのかなー。(-。-)y-゚゚゚

テリー:

60年代の洋楽カバーものは近年企画CDもバラバラ出て、活況を呈していますね。
訳詞の話がでましたが、例えば岩谷時子さんとかおられましたが、直訳するにしろ、変えちゃうにしろ、「筋が通っていた」ような気がします。今訳詞というと「王様」(案の定消えたね!)のようにギャグ半分になる。ま、それはそれでいいんですけど、訳詞で泣かせるくらいのが欲しい。訳詞も作詞と同様に、あるいはそれ以上に、創造的な仕事なのにね。

2 森を駈ける恋人たち/麻丘めぐみ 山上路夫/筒美京平 1973
HAGGY: 村井邦彦が山上路夫のことを「日本語を乗せにくいメロディに、巧く日本語をハメることができる作詞家」と称していたのですが、この作品はそんな彼の代表作だと思います。
ロック調の曲・アレンジもカッコイイのですが、やはりこの作品の肝は歌詞です。
よーく聞いてもらえれば、いかに歌詞の持つ語感がメロディラインにハマっているかがわかるかと思います。こんな職人芸こそ歌謡曲の真髄です。
テリー: 「木立ぬ〜けてはし〜るのっよ、森の中ふったっり」っていうやつですね。
確かにおっしゃる通り良くメロに乗ってますね。曲先でしょうねこれも。
メロの高低と、シンコペを考慮したリズム面と、両方に気をつけて言葉をあてはめ、しかも意味が通るだけでなく、ひっぱったり落としたり、感動させなきゃいけない。
うーん、訳詞もだけど、作詞もやっぱ高度な創造作業なのでしゅ。
ターミー: ちなみに、村井邦彦/山上路夫コンビには赤い鳥「忘れていた朝」というカッコいい曲がある。HAGGYさんがおっしゃる通り、僕も山上さんの詞のウマさには脱帽なんですが、中でも由紀さおりの「生きがい」なんかは凄みさえある。流行作家としてもツボを心得ていて、森田公一コンビによるアグネスの「小さな恋の物語」や天地真理の「虹をわたって」など70年代には欠かせぬ一人ですよね。
アブラヤ: そっか…「忘れていた朝」も山上さんの作詞だったのか…すると「翼をください」もそうなのかな?いや、本当に…見事にメロに乗っかりながらも、しっかりと言葉の意味を伝える事に成功している曲だと今更ながら吃驚しています。本当の意味でプロフェッショナルだと思いますわ。そうそう…麻丘めぐみさんって当時は本当に可愛かったなー。(o^^o)

伽 羅:

HAGGYさんはまだ2歳・・・(笑)。私は・・・うふっ(ーー;)。
でも覚えてはいませんね〜。めぐみファンの皆様ごめんなさい。
聴いたことはあるのかなあ〜。

3 涙を海に返したい/杏里 尾崎亜美/尾崎亜美 1979
HAGGY: この頃は半分アイドルでした。公平にみて作曲家・尾崎亜美の代表作でしょう。
スゴイ名曲だと思います。歌詞もシチュエーションがちょっと判りにくいが、伝わってくるものはあるし、まあまあでしょう。ただ、アレンジが安っぽいのが唯一の泣き所です。
それゆえに同時期の尾崎作品である「オリビアを聞きながら」や金井夕子の「パステル・ラブ」、高橋真梨子の「あなたの空を翔びたい」、南沙織の「春の予感」などに比べて影が薄いのかもしれません。それにしても杏里は歌が上手い!音程の良さではトップでしょう。
自作自演にとらわれず、昔のように他人の曲も積極的にトライしてほしいものです。
伽 羅: おっしゃる通り、オリビアやパステルラブ、あなたの空を・・・、春の・・・等はわかりますが、この曲はわからないです〜。
でも私の場合、キャッツアイまで杏里さんをまともに知らなかったという・・・(爆)。
ターミー: NHKの「青春のポップス」で聴いた亜美さんの「ソングフォーユー」には、涙した。
この番組に出てくる歌手は英語に気を取られて危なっかしい限りなんですが、彼女の場合、自分の中で歌を消化しきっていて、そのソウルフルな歌唱に思わず引き込まれた。
歌手「尾崎亜美」もスゴい。
テリー: 杏里については誰かにまかせて(笑)私が語るのは「亜美ちゅわん(はぁと)」でしょう!歌謡曲の作家としても、それこそ星の数程(大袈裟か?)書いてますが、「空前絶後の大ヒット!」というのは、ないんじゃないかしら。くやしいけど「オリビア」だって、そこまではいかない。「歌詞のシチュエーションが判りにくい」のは、亜美ちゃんの特徴で全部そうなんだけど、それ以外の点でも何か「他人が歌ってはちょっと……」っていう部分があるような気がする。その意味で彼女は「ユーミン以上にシンガー・ソングライター」だと思うし、歌謡曲ではなくロックフィールドだなと思う。
ジャンル別けって確かにくだらないけど、どうしてもひとつ、壁があるように思います。
アブラヤ: ありゃまっ!杏里について語る人が他に誰もいなくなったりして…こ、困ったな僕(笑)
この「涙を海に返したい」っていう曲自体も知らないからなー。かといって「涙」の主成分を分析して、果たして「海」からやってきたかどうかって能書き垂れるのもチト情けなさそうだし…。と、とても素敵な女性だと思いますー。(^^ゞ

4 恋はサマー・フィーリング/石川秀美 伊藤アキラ/森田公一 1983
HAGGY: 海の似合う彼女。同じ彼女のビーチ物には「ゆれて湘南」という傑作があるのですが、彼女のイメージが「湘南海岸」よりも「三浦海岸」だし、「夏の終わり」よりも「夏、真っ盛り」という感じなので、ハマリ具合では「恋は〜」に軍配があがるのです。
違う言い方をすれば、この曲は石川秀美が唄うから傑作なのであり、他のひとが唄ったら駄作なのです。歌謡曲の鑑賞法としては間違っているかもしれませんが、ことアイドルに関してはレコードもキャラクターグッズの一環なので、こうしたワン・アンド・オンリーの魅力が明らかに存在します。これはその典型。
もしかしたら、森田公一最後のヒット曲なのでは?
伽 羅: 正直言って、デビュー当時の彼女を友達が気に入っていて、ええ〜?と思ったことが。
あんなにかわいくなるとは・・・。
湘南海岸と三浦海岸の違いがわからないよう〜えーん(行ったことないから)。
「レコードもキャラクターグッス」の一環というの、私も超納得です。
テリー: 「ゆ〜れてハウゆれて湘南」(BY伽羅)しか知らなかったりするけど(汗)
なるほど〜「はまり具合」と「キャラクターグッズの一環」には参りました。
アブラヤ: そっか…石川秀美が歌うから傑作なのか…。そしてレコードもキャラクターグッズなのか。う〜む…この曲は、彼女でしかリスナーをチャームする事が出来ない、代替えの効かない歌手なのか。な、なんか今日は勉強ばかりさせてもらって…有り難う御座います。m(__)m
ターミー: そう言えば石川秀美がめちゃめちゃ好きなやつが会社の同期にいた。
彼はその後親父の会社を受け継いで若社長やってるんだけど、嫁さん見てビックリした。
秀美ちゃんより美人.....クヤシい。苦手な80年代アイドル、駄文でゴメン。

5 MUGO・ん・・・色っぽい/工藤静香 中島みゆき/後藤次利 1988
HAGGY: 工藤本人が出演した化粧品のCMソングです。化粧品のコマソンは歌詞の制約が厳しいのですが、この作品はその制約の枠にきっちり収まっていながら、アイドル歌謡の定型をしっかり踏まえていて、なおかつ中島みゆきの個性が存分に発揮されており、しかも工藤静香にピッタリなのが本当にスゴイ!作詞家・中島みゆきの実力を思いっきり見せつけられました。曲・アレンジはあまり整理されているとは言えないが、静香向けのロック歌謡(?)だし、一度聞いたら忘れられないインパクトがあってCM向きです。同じような理由でセレクトするなら、中山美穂の「色・ホワイトブレンド」(竹 内まりや・作)でもよかった。
ターミー: HAGGYさん、詞に関して素晴しい考察をしていますね。(^^)
この曲が中島みゆき作詞とは知りませんでした。彼女の場合、「情念」みたいなイメージがあるので、意外でした。国語審議会の一人に選ばれるのも時代の流れなんでしょうね。
伽 羅: めっちゃ歌いまくったなあ〜。懐かしい。
割と「抱いてくれたらいいのに」とかちょっと年齢の割に背伸びしてるっぽい歌が多かったので初めて聴いた時、「こんなかわいい歌もうたえるんだ〜」と思ったものです。
アブラヤ: いや…HAGGYさんのコメントを聞いているだけでエンロールされてしまいそうです。
成る程な〜、私もターミーさん同様に中島みゆきさんの作詞だとは知りませんでした。
ま、たしかにCMソングは歌詞は勿論のこと、限られた時間内で消費者の心をグッと掴まなければならないのでしょが、そういう意味では大成功した歌だと思いますわ。
テリー: ん〜これもHAGGYさんの説明に大納得!「うしろ髪」のころから彼女の声って、言い方は変だけどミズっぽかった。だからみゆきがハマル!
私は怨念めいたみゆき節は実はダメだけど、静香のシリーズだったら聴けるな。歓迎です。


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