Earth Operaのベスト5歌謡曲


1 恋のダウンタウン/平山三紀 橋本淳/筒美京平 1973
Earth Opera: 「真夏の出来事」以来のお気に入り。独特の乗りと捨て鉢な歌唱スタイルが新しかった。
米国のブロンディというグループのデボラ某はどこかで彼女を聴き、影響を受けていると私は信じています。「女の部屋のハハハンまぼろしね」のハハハンが大好きです。
伽 羅: 外国のバンドの人が影響を・・・(@@)。
歌はわかりませんが、平山三紀さんの独特のボーカルがインパクトありそうですネ〜。
ターミー: Earth Operaさん、真面目に歌謡曲を考察しているのが素晴しいですね。
平山さんが影響を与えている一人に、郷ひろみもあげられると思う。
特に初期の彼の歌い方は、彼女のコピーかと思うくらいですよね。
アブラヤ: 成る程。そう云われてみれば平山さんと初期の郷ひろみの歌い方は相通じるモノがありますよね?何て言えば良いのか見当がつきませんが…あ、個性的なカエルさんを彷彿させるような歌い方ですよね?嗚呼…しかし、これって彼等に対して非常に失礼な表現なのかしらん?でも私はカエルさんが大好きなのであります。許して!!(^^;)

テリー:

洋楽がご専門のアースオペラさん。さすがに60〜70年代歌謡も鋭く分析されています。
当時も今も京平先生を語るとき、ソウルからの影響ってのははずせないんですけど、平山作品に一番それを強く感じる気がするんですよ。なぜかしら?

2 ふりむかないで/ザ・ピーナッツ 岩谷時子/宮川泰 1962
Earth Opera: コニー・フランシスに匹敵する「情熱の花」など、海外訳詞ものが本来の持ち味でしょうが「恋のフーガ」や「心の窓に灯を」などとともに日本語ポップスの王道といえるでしょう。「ふりむかなははぁいで」の部分に、大滝氏や桑田氏さらに矢沢氏が取り組んだ、日本語をリズムに乗せるという命題の回答が既に示されています。
テリー: なるほど、大滝、桑田ときましたか。これは完全に曲先でしょうねえ。
訳詞家で有名な岩谷さんですが、なるほど「日本のロック」を造り上げる過程で、実は一役かっていたのかもしれませんね。
アブラヤ: うんうん(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)。まったくEarth Operaさんやテリーさんの意見に同感です。
もともと岩谷時子さんは、60年代初頭に漣健児(さざなみ けんじ)氏や音羽たかし氏等と共に海外のポップスに日本語の歌詞を付けて沢山のヒット曲を手がけていました。
♪ふりむかな〜はは〜い〜で〜♪なんていう言語感覚?は、当時の流行歌としては画期的だったのではないかと思いますが、この一連の和製ポップスが桑田氏などに与えた影響は計り知れないモノが有るのではないかと勝手に想像しています。おそらく岩谷さん達がいなければ現在のJ-POPシーンも全然違った形になっていたかもしれませんよね?(o^^o)
伽 羅: いいですね〜。王道とおっしゃるの、わかる気がします。
カバーされて知ったところですが。

ターミー:

ザ・ピーナッツというと歌もいいけど、どうしても「シャボン玉ホリデー」になっちゃう。ハナ肇(病気の父)「お前たちにはいつも世話ばかりかけるな〜」、ザ・ピーナッツ(その娘)「おとっつぁん、それは言わない約束でしょ」の決まり文句ではじまるコントにはいつも笑わされた。
その後同じ渡辺プロのキャンディーズがこの歌って笑える路線を踏襲することになります。

3 伊勢佐木町ブルース/青江三奈 川内康範/鈴木庸一 1968
Earth Opera: ジャズ的な乗りと歌唱に関しては、阿川某さん等のような所謂ジャズ歌手のごまかしを寄せ付けぬ天賦の才能を高く評価しています。
「しゅどぅび どぅび どぅび どぅびどぅわあー灯がともるう」はやはり凄い。
ターミー: 「しゅどぅび どぅび どぅび どぅびどぅわあー」も川内さんが考えたのだろうか?
もしそうならば、これは天才を通り越していると言っていいですね。青江さんがはそこらの女性ジャズシンガーと違うところは、何と言ってもその圧倒的な声量ですよね。
かすれ声なんだけど、ボリュームがある。そして、彼女のまったりとした唇にも圧倒されますね。(^^)
伽 羅: 紅白が見直された時にまっさきにやり玉にあがってしまったような気がします。
この歌、誰でもは歌えませんよね〜。
テリー: ひゃはは…これわたしの十八番なのら〜!もう何も言いません!(^^)
アブラヤ: はい!昨年のオフ会の際にテリーさんの歌う「伊勢佐木町ブルース」をしっかりと堪能させて頂きましたですよん。(o^^o)ところで、この「どぅびどぅわ系」の元祖と云えば勿論ルイ・アームストロングなのでしょうが、伝え聞いた話に依れば彼がスタジオでレコーディングしてた際に、いざサビの部分を歌おうとしたところ、彼の猛烈な鼻息でスコアがスッ飛んでしまい肝心な歌詞が分からずに、咄嗟のアドリブで出てきたのが♪しゅどぅび どぅび どぅび どぅびどぅわあー♪だったそうな…。(笑)

4 くれないホテル/西田佐知子 橋本淳/筒美京平 1969
Earth Opera: ジャージーな声質 歌唱に曲と演奏がぴったりマッチ。テレヴィジョンというNY PUNKグループの『アドヴェンチャー』のジャケットを彷彿とさせる彩りを感じさせます。
紅と暮れないというダブル・ミーニングを感じさせる詞は、ディランもヴァーラインも敬服するはずです。
テリー: たしかいしだあゆみさんもこのコンビでしたよね?一番上の平山さんもそうだけど。
名曲多いなあ。そしてこの歌唱。あゆみさんの「ほんわか」(?)とはまた違って暗いけど、よいです。
ターミー: 曲の最後のところ、<<くれな〜い ホ・テ・ル〜>>の部分のリスムと旋律は、ものすごく粋で最高にしびれますよね。橋本淳さんのこの頃の詞は、Earth Operaさんがおっしゃる通り、すごい。言葉一つひとつ吟味しきっているのに、ちょっと聴いただけではなんでも無い表現だったりするので、うかつには聴けません。
伽 羅: えっとー。ううっ、わかりません〜。人もわかんないかも。ごめんなさい。
コーヒールンバの人?違ったらすみません。
アブラヤ: 成る程…鋭い考察をしていますね?Earth Operaさん、本当に恐れ入りました。m(__)m
たしかにダブル・ミーニングのセンスっていうのは大事だと思います。言葉の響き、幾通りにでも解釈できる意味が歌に奥行きを与えるのではないでしょうか?
そういった意味に於いて、最近のJ-POPに歌われている殆どの歌詞はアウトですね…。
悲しいほどに貧困な想像力から生まれる、平坦で知性の欠片もない歌詞世界を耳にしては、この時期の作家達がそれこそ魂を削る思いで作った歌が心に染みます。

5 胸の振子/雪村いづみ サトウ・ハチロー/服部良一 1974
Earth Opera: 元祖三人娘のなかで今一つスタンスの定まらなかった人ですが、その弱点を逆手にとって キャラメル・ママと共演、服部メロディーを唄った74年のアルバムの中の一曲。
キャラメル・ママが、リズムに特徴のあるリトル・フィートという米国の楽団のコピーに腐心していた時期で、リズミカルな東京ブギウギなどでは、その乗りを無視するいづみとのミスマッチが奇妙な味になっています。
この曲はとても可愛い仕上がりで霧島オリジナルを凌駕。
テリー: どんな仕上がりになってるか興味深いですね。雪村さん。
最後の三人娘になっちゃったけど、昔からその中では一番自然にジャズしてた。
ちょっとマニアックになるけど、この人のシングルで詩人の谷川俊太郎が歌詞を書いた、「今はバラ色が好き」というのを探してるんですよ。今いずこ?
伽 羅: 絵の上手い人ですね?・・・(^^;)歌は知りません、すみません〜。
(ひえ〜すみませんばっかりですみません〜^^;)
ターミー: キャラメル・ママは74年当時、シンシアの「夏の感情」やアグネス・チャンの「ポケットいっぱいの秘密」など、スタジオ・ミュージシャンとして歌謡曲シーンにしばしば出てくるけど、当時のアイドルがボーカルとして全然位負けしていないのが、凄い。
雪村さんあたりになると、それ以上に自分の世界に回りを巻き込んでしまうんだろうなあ。
アブラヤ: 実は私、高校時代にキャラメル・ママ(=ティンパンアレイ)にハマっていました。
そんな私にとって、吉田美奈子のファーストや荒井由美時代のユーミンのアルバムなどは格好のサウンドでありましたっけ。その頃のスタジオ・ミュージシャン集団では彼等は日本最先端だったのではないかと思っているのですが、彼等の存在がなければ現在の歌謡曲シーンは全然違ったものになっていたのではないかと思います。(あれ?上の方にも似たような事を書いたっけ…)戦前世代の服部良一、戦中世代の雪村いづみ、戦後世代のキャラメル・ママという異なった環境で音楽体験をしてきた3世代が絶妙にブレンドしたのがこの作品なのでしょうね。(o^^o)


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