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状況をひらく人間像
「武蔵」2003年NHK大河ドラマ
第1回 このまま最終回までいって欲しいです。これだけ言えば、あとは何も言うことはないのです。あえて言えば、演出の方は、黒澤明が大好きなのでしょう、場面もそうですし、映像的にもははんというところがありましたが、わかっていてやっているわけですから、それも心良かったです。
第2回 お通が大活躍。米倉涼子さんにはこれからもがんばって欲しいです。期待しています。
第3回 やはりお通さんでした。
第11回 構成その他は好きではないが、今回は最後に恋愛ドラマになったので、まあ満足。いずれにしても、お通は大事にしてほしい。大事な人は二人といないのだから。
第27回(2003.7.6) 演出に緩みがなかった。
  いろいろなところで言われているのでしょうが、読売7月13日付にも批判的にかつ希望的に書かれていた。改善するには、一言でいえば、武蔵の人間性をもっと明るく、のびやかにするだけでいいのではないか。それには脚本にそのように書きこむだけでいい。配役は間違っていない。武蔵が明るくなればドラマが明るくなる。テレビを見る人はドラマに基本的には暗さは求めない。希望を見たいのである。希望のあるドラマなら人は見るはずである。
 そもそも、武蔵は状況をひらいた明るい人だったのではないか。でなければ歴史にも残らないし、吉川英治も書く気にはならなかったのではないか。
 2003.12.8 昨日、最終回が放送されました。最後は宗矩との対決というストーリーは、(たとえ第1回で、宗矩が、戦場で武蔵たちを蹴散らすように馬で駆け抜けて行くシーンとつながっている、つまり、脚本の構成上は起承転結の起と結という形でははっきりしているとはいいながら)武蔵が単に宗矩という個人と対決しただけの人間でしかないという印象を受けやすいので、ストーリーのありかたとしては、あまり好きではないですが、概ね脚本は好みで、大体、毎回、熱心に見ました。鎌田敏夫氏は好きな作家です。それにしても、スタッフの方々はお疲れ様でした。(2004.1.20一部修正)
  2004.1.20 今日、残念なニュースがありました。以下、asahi.comから引用します。
 「昨年放送されたNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の第1回放送が、故・黒沢明監督の映画「七人の侍」に酷似しているとして、同監督の長男で映画プロデューサーの久雄氏らが、NHKや脚本家鎌田敏夫氏を相手に1億5400万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こし、20日、第1回口頭弁論が開かれた。

 久雄氏らは、ドラマの再放送、ビデオ化の差し止めも請求している。

 訴状によると、問題になったのは昨年1月5日の放送分。関ケ原の戦いを終えたばかりの主人公・武蔵らが、盗賊に狙われた民家を助ける場面で、11のシーンの演出が「七人の侍」に似ている、と主張した。

 NHK側は「著作権侵害はない」と答弁し、争う姿勢を見せた。

 「武蔵」は吉川英治原作の歴史小説「宮本武蔵」のドラマ化作品。

 NHK広報局は「著作権は侵害していないと考えており、こちらの主張は裁判で明らかにしていく」と話している。 (01/20 11:55) 」

  エム研の見解は第1回放送時点で書いた通りです。その後、変わっていません。NHKの大河ドラマ「武蔵」は黒澤明監督を尊敬しているからこそああいう形になったと思います。これからも、黒澤明監督に影響を受けた映画、ドラマ、小説などは続々と出てくると思われます。
  訴状を読んでいないので、うかつなことは言えませんが、裁判で争うほどのことではないと思います。裁判がどうなるにしても、こういう形で争うのは徒労です。万一、勝訴したとしても、和解したとしても、黒澤明監督は喜ばないでしょう。映画、ドラマなどの発展のためにもならないでしょう。
  NHKの方がこのHPにアクセスされたようです。 
 

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