草プロエッセイ

 

丸岡俊行

エッセイ集

村上龍の部屋

丸岡俊行

 
 言うまでもなく、われらの世代の作家の代表選手である。旗手といっていい。そして、それは現在も続いている。
 彼の「ブルー」でのデビューの鮮烈さは今も忘れない。と言うより、忘れられない。それほどに衝撃であったし、劇的だった。というのは、当時、新聞などに若い作家の不在を嘆く記事が頻繁に出ていたと記憶している。だから、ならば自分がという気持で、時期ははっきりしないが、意気込んで、東京の出版社に原稿を持ち込んだ。当時、編集者は親切だったし、おおむね好評は得た。しかし、言われたけれども、書き直して再び持っていくことはなかった。というか、生活に追われたのである。(そのうちの一社で相手をしてくださった編集の方は、その後、編集長になられたようである。それで、気持的にますます行きにくくなった。などの思い出がある。若気の至りであった)
 脱線した。映画監督やメールマガジンの発行、テレビ出演など、多才な氏にはいつまでも頭が上がらない感じがする。今でも、せめて、そのメールマガジンの読者になって(JMM)、氏の活動の一環にでも少しでもつながっていられればいいと思っている。

 

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