はんそで王の豪州ひとり旅
2009 Pacific Rim InterNational Broomball Tournament in Australia

某サイトより転載
(めんどくさいので専門用語が出てきても説明しません)

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Pac Rim BB/その0 (ナリタの無料インターネットより)
2009/09/08 18:25

まだ成田をうろうろしております。

20時発のフライトは一日が有効に使えるようで、実はそんなことはぜんぜんないなあ。明日朝にはシドニー着。とりあえず時差がないのはありがたい。

それはそれとして。

前回(07)のチームは15人の3セット回し&若手がたくさんいた。今回もそんなもんだろうと気楽に考えていたら、直前になって「10人 &爺さんばっかりチーム」だという話が飛び込んで来た
! しかもDFをやれと言う! コンタクト有りでメンズのDFなんてやったら死んじゃうよ! 金曜なんて朝7時から4試合もあるのに!

…ちゃんと生きて帰ってこれるのかしら…

(さらにはACもやれとのお達しもあった。しかし審判に日本語で抗議してもいいものか?)

つづく (←生きながらえた場合)

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Pac Rim BB/その1 約束の地

1日目

9/9(水)
JAL夜行便。JALウエイズ運行便なのでCAは台湾系タイ系。けっこうな眼福でございました。が。となりの席が初海外旅行の関西人で「わ、これなんなん?」「へっえー、すごいわあ」「ちょちょちょちょちょ、なになになに?」とうるさくてかなわん。
お前はNONSTYLE石田か!

そんなこんなであんまり眠れないまま0640シドニー着(日本との時差プラス1時間)。ど快晴(25℃)。オーストラリアは食品持ち込みについて超厳しいので(前回体験済)きちんと申告書類(フリーズドライライス/ミソスープ/ライスクラッカー)を書いておいたのだが、ノーチェックで税関通過。なんか損した気分。いやまぁ、それはそれでありがたいことなのだが。

さてと。空港から開催地ペンリス(Penrith)までは電車(CityRail)で1時間半で着いてしまう。いま7時半。さすがにこの時間ではまだチェックインできないので、空港で時間つぶし。というか、とりあえず持ってきたオーストラリアドルと日本円の入れ替えをしなくちゃな、と封筒を開けると、そこにあったのは

カナダドル!!!!

ままままままままままままままままままま、まちがえた!?!?!?!?!?!?!?!?!?

しばし放心状態。

せっかく交換レートのいい時($1/¥75くらい)に買っておいたはずのオーストラリアドルは自宅の引き出しの中なのか!? しかし……ないものはしかたがない。この空港で両替するしかないので別の封筒を開いたら、うわぁ、そこにオーストラリアドルの束が入っていた。

はー、よかった……そうか、出国前に「なんで俺はオーストラリアドルを800も持ってるんだろう?」と数えた半分はカナダドルだったのだな……しかしまぁ、入っててよかったよ……。

なんかいやーな疲れを引きずったまま、電車で郊外へ。ペンリス着11時10分。2年ぶり。なつかしいなあ。ここから徒歩でホテルまで40分(歩けるところは歩く!)。快晴の中、大荷物ゴロゴロ引っぱって歩く。湿度がないので気持ちがいい。

宿はQuality Inn(大手チェーン)の名はあるもののパブに隣接したモーテル形式。オーストラリアにはこういうホテルが多くて、本質は「宿泊もできる酒場」なのである。もちろん酒屋(Liquor Shop)も付属している。ちょっとした楽園なのだ。しかもここはリンク(Penrith Ice Palace)とほぼ背中合わせに建っている。徒歩3分。ブルームボールとビールを愛する人間にはほんとの天国みたいなものだよ。

で、到着してそのままフロント入ったら「まだクリーニングが済んでないので2時まで待って」と言われ、荷物だけ預けて町中へ戻る。途中で発見したオープンマーケット覗いたり、駅前のモール行ったり、スーパーで買い物したりして帰還(というか、既に朝から10キロくらい歩いてるんですが)。やっと部屋入って、シャワーとビール(速攻で買い込んだ)と飯(持ってきた親子丼)。寝る。

6時にパブでチームメイトと集合。前回はサウスオーストラリア(アデレード)のチームだったが、今回はサウスオーストラリアとクインズランド(タウンズビル)の合同チーム。10人。俺はDFで、3人回しでやるらしい。ほんとに大丈夫なのかものすごい不安。

なんだかんだで結局たくさんビールを飲んで(皆様楽しそうに談笑してたが俺が理解できるのは1割くらい)、11時頃に解散。爆睡。

というわけでまだBroomballやってない1日目。

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Pac Rim BB/その2 歩いて歩いて、飛ばされて

2日目
9/10(木)

快晴。前夜それなりに飲んだわりにはお目覚めすっきり。

本日夜から開幕となる。Webには全試合スケジュールが出たらしいのだが確認する術がない(後刻、駅前モールにインターネットブースがあることが判明)。
この時点で聞いているのは

・夜8時に第一試合がある。そのあと今夜もう1試合。
・明日は朝7時から、全4試合やる。
・最終日にプレイオフで1試合やる。

という必要最小限のことだけ。
しかしどう考えても今夜以降はBroomball以外できそうにないので、なにかするとしたら今日の昼間しかない。
たまには観光的なことでもするか?

ペンリスは観光地ではないので特に名所とかはない(らしい)のだが、リバーウォーク(The Great River Walk)というものが名物らしい。
町中を流れるネピアン川(Nepean River)沿いに遊歩道があって、そこを歩くのだ。というか、それだけかい! まぁいいや、行ってみよう。

というわけでただの小散歩のつもりだったのだが、これは素晴らしかった。
清々しい陽光の中、ちょっとした角度でさまざまな姿を見せる川の流れの美しきことよ。ほとんど人と行き交うこともないので、風光明媚独り占め。

ホテルから町中へ下る道筋でもあり、そのままダウンタウンへ。
ついでなので消防博物館(Museum of Fire)というところを覗いて、結局また町を一周する形で歩いた。
2日間で20キロくらい歩いてるな。まだ試合前だってのに足がパンパンだよ。で、帰ってビール飲んで昼寝。
さて、いよいよ大会。

【2009 Pacific Rim International Broomball Tournament】

今回(第二回)はMens/4チーム、LADIES/4チーム。インターナショナルとはいっても海外参加チームはゼロ。
海外からの参加選手は3名(!!)。
ビールばっかり飲んでる年齢不詳の日本人(しかもたいして上手くもない)と、いつもいるのっぽのイタリア人青年(トップレベル)と、ワーホリでブリスベンにいるというメガネのカナダ娘(そこそこ上手い)。
オーストラリア国内大会となにが違うんだという感じで、日程も当初の5日間から3日間に短縮されている。
ところが日程は短縮されているのに試合数は変わらない。
その結果として「朝7時から、全4試合」なんていう日本人の体力を無視したスケジュールが組まれてしまっているのである。
今日はまだいいよ。2試合だから。でも「Mensでコンタクト有り」って超キツイんだよ。
プレイの瞬間毎にげそげそと体力が削られていくんだからね。それで明日4試合……

うちのチーム名はSA/QL Ravens。レイブンは大ガラス。総員10名。若い(20代)のが3人ばかりいるが、あとはみんなじじい。
全員の年齢を聞いたわけではないから、もしかしたらそんなにトシではないのかもしれないが…… 

第一試合
20:00 vs. ACT Flames

先取点を獲った(大会第一ゴール)ものの、逆転負け。たぶん1-4。
ACTは数年前まで豪州国内10連覇をしていた強豪(03年にJapan-Amで対戦経験有り)。しかしみんな老けたなぁ。パワーは相変わらずたいしたもの(かつ乱暴)だが、スピードがなかった。
とりあえずひと試合やって、DFとしては「よくやってるよ」という評価をチームメイトからいただいたが、フェンス際では潰され、オープンではひっくり返され、こちらから当たりに行けば飛ばされるという散々な目に遭いました。
音にすると「ぐしゃ」「どしゃーん」「ぐわらべぎゅ」。ただ、カウンターでボール持ってゴール前に上がる場面があって、そこは相手がびっくりしたのか背後から当たられてファウルを取った。結果的にはナイスプレイだったと思う。

試合後に左中指が変な形になっていたが、気にしないようにした。

インターバル
Mens 1試合をはさんでLADIES 2試合。じっくり見ました。
女子の部は皆様ご存知の代表組が各チームに分散しているので、ひとつひとつのレベル的には大したことはない。SQで参戦できたら相当いい勝負ができると思う。
ただ、常にゴールを狙うというアグレッシブな気持ちはやっぱり敵わないな。SQの今後の課題は攻撃力ということをあらためて痛感した次第です。

第二試合
23:00 vs. NSW Blue
地元ニューサウスウェールズ(NSW)は2チーム体制。そのうちの若手中心チームがBlue。

技術はそんなにないが、走りまくる。防戦一方だったが、なんとか凌いで0-0の引き分け。
ぐるぐる回る相手をカバーするのでへとへとだよ。
コンタクトプレイでは例によって何度も潰されたが、またしてもカウンターの場面でファウルを受けてペナルティとった。
どうやらこの日本人は突如として相手の予想外の動きをするらしい(自覚ゼロ)。
以下、本日の反省。もっと強く速く打たないとパスカットされる。つねに全力で打たんといかん。
フィジカルに勝る相手には当然のことながら、あらためて痛感。
とりあえず戦力になってるかは大いに疑問だが、足を引っ張ってたわけでもないのでひと安心(あぁ前回07年と同じだな)。 
このあとまだ女子の試合が夜中2時まであるのだが、そこまでは付き合いきれないので帰って寝る。

疲れた〜。 

というわけでやっぱりBroomballの海外試合は面白いなぁと多少まだ余裕ある2日目。

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Pac Rim BB/その3 試練! 4番勝負

3日目
9/11(金)

05:30起床。……2時間くらいしか寝てない……
トシがトシなので筋肉痛というものが出てくるのはまだ先の話だが、全身に疲労感たっぷり。腰痛は毎度のことだし、なんだか左手首が強烈に痛い。左手中指は変な形のまま変な色になっている。寝ぼけたまま雑炊とバナナと牛乳。朝焼けの中、6時半にはリンクへ。途中、ゴミ収集の人に「仕事か?  ゲームか?」と聞かれた。あまりに朝早かったので彼にもどっちだか判断がつかなかったのかもしれない。

07:15 vs. NSW Orange
Orangeはサクソン(Saxon Hooper)率いる優勝本命チーム。ベテラン中心? 持って切れ込むよりパス回ししてくる。なんかサクソンとのマッチアップばっかりで何回かはパスカットできたが、一度止めてもすぐ拾われるということが多かった。これは「瞬時に次のプレイに移れるかどうか」の差だよ。俺にはもうそんな動きは無理。試合は 0-3で敗戦。朝からへとへとになった。
DF3人回しというのがボディブローのように効いてきている。しかもここから2時間おきに試合が続くことになる。一度部屋帰って寝ることも考えたが「ここで寝たら更に動けなくなる」と思ってリンクで待機。

インターバル
LADIES 2試合。女子チームは昨夜よりちょっと人数増えてるかな? 各チームとも2セット回しの余裕がある。代表組(Tracy、Kerry、Kate Irvine、Vost、Alana、Cecilia Kim、、、)はやっぱり動きがいい。で、ちょっと驚いたのは全然見たことないのに相当上手い選手が数人いたこと。経験はありそうだったので、おそらく「Broomballは面白いけど海外行ってやるほど熱心ではない」という人たちなのだろうな。さすがにスポーツ馬鹿の国はほんとに層が厚いなあ。女子の試合は全体的にはトップレベルではなかったけれども、見てて面白かった。瞬間瞬間には場内を沸かせる場面も多かったし。あー、皆様を連れて来てやりたい! というようなことを考えられる程度にはまだ気持ちに余裕のあった朝でした。

10:15 vs. NSW Blue
予選2ラウンド目に突入。いよいよ足が動かなくなってきた。止まってるプレイ(ゴール前カバーとか)には対応できているが、オープンでは全然走れない。なんかちょっとアウトドアリンクでやってる体感に近い。一回戦引き分けの相手に0-2で敗戦。2点目は友人のマーク(Mark Kuipers)に取られた。タテに走り込んでボール受けてダイレクトにスパーンというシュート。こいつは2年前のチームメイトで、その時に「マーク、お前はいいアスリートだがよぅ、Broomballプレイヤーとしてはまだまだだなぁ。もっと経験をつんどけや」とアドバイス(?)してやったっけなぁ。偉そうなこと言って申し訳なかったよ……今のお前は俺の100倍いい選手だ……

インターバル
なんかかなりガス欠状態。とりあえずバナナ。と、ユンケル(顆粒)。今回一番助けられたのはこのユンケル(顆粒)だったな。携帯にも便利、遠征での疲労回復にお勧めです。

13:15 vs. ACT Flames
暴力オヤジ軍団との2戦目。当たられたり押されたり倒されたり。まぁ連中も試合が終われば気のいい陽気なお父さんたちです。0-3で敗戦。試合のことは既にあんまり覚えていない。左手首の痛みもどこかへ消えた。というか、他の部位も同じくらい均等に痛くなって区別つかなくなってたのかもしれない。それかバカになってたか。

インターバル
疲労のピーク。とりあえずバナナ。と、ユンケル。女子の方も同じように試合数を重ねてるんだけどね、がんばってやってますわ。それだけでも頭が下がります。

15:30 vs. NSW Orange
今日最後の試合だー! 死ぬ気でやるぞー! 死んだー! 立ち止まると動けなくなりそうなので走りっぱなし、ベンチへ戻ると二度と立てなくなりそうなので出っぱなし。そんな4試合目でした。たぶん1-4の敗戦で、予選ラウンドは0勝5敗1分で4位。総じてDFは3人でよくがんばったと思うよ。問題は攻撃力/得点力のなさ。ハードヒッターが2人くらいいればなんとかなったんじゃないかな。いやまぁ、後ろからドカンと打つのはDFの仕事でもあるのだけれど。ぜいぜい。

さて……大会的には今日あと3試合あるのだが、個人的には倒れる寸前なので部屋に帰らせてもらうことにするよ。明日の試合もあるし。うぁー、疲れた!(でも面白かった! ←疲れすぎてハイになっている)。リンクから出ると夕陽というにはちょっと早いギラギラの太陽。そんな中、よたよたとホテルの部屋へ。階段上るのがきつい……。部屋に倒れ込んでシャワーとビールとビールと飯(明星しお焼きそば)とビール。更にビール。おっと、デジカメ充電しとかなくっちゃ、と変圧器を出すと、どひゃー! コンセント変換タップがない! 日本の差し込み口は ( | | )だ がオーストラリアのは ( ハ ) なのだ。そういえばタップをバッグに入れた記憶がない……うわー、まいった……。でもまぁそんな些細なことは明日考えよう、とベッドに倒れて、意識が消えた。

というわけで限界を超えてBroomballを満喫してしまった3日目。

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Pac Rim BB/その4 大会最終日(昼の部)

4日目
9/12(土)
目が覚めたら朝8時。12時間以上寝た(というか気絶してた)。立とうとすると体中の節々がギシギシ鳴る。いろんなところにアザができている。

今日の試合(3位決定戦)は14時からなので午前中はすることがない。寝ててもいいのだが「長時間横になっていると腰痛が出る」という因果な体質なので日本に忘れてきた「コンセント変換タップ」の代わりを探しに町に出てみることにした。
外に出るとまた本日も晴天。しかも暑い! なんとこの日は30度超えた。日本の季節的には3月初旬なのに、この暑さ(それでもカラっとしてるのでまだなんとかなるが)。昨夏のオーストラリアは猛暑であちこち大変なこと(40度超えたり山火事頻発したり)になってたが、地球温暖化が直撃しているのであろうか。20年前に初めて来て以来、オーストラリアに移住するということを考えたり考えなかったりしているのだが、こんな暑いところで生活するのはちょっと無理だなぁ。と、それはまた別の話。
強烈な日差しの中、通い慣れた道を歩いて駅前のショッピングモールへ。電気屋があったので入ってみると、いきなり変換タップを発見。そんな簡単に見つかるとは。多くの需要があるということなのか? まぁいいけど。
あっという間に用事がすんでしまったので、モール通路にあったインターネットブース(2ドル/20分)をいじってみる。メールチェックしたりファイターズの成績(連敗中…)を確認したり大会スケジュールを見てみたり(←いまさら)。ここのPCには日本語フォントが入ってるので便利だが、通路の真ん真ん中にあるのでHサイト見たりするのには不向きだよな、とか考えながら帰路につく。せっかくタップ買ったんだからいろいろ充電しなくちゃ。
あ、帰る途中でクリケットの試合をやっている場面に遭遇、初めて見る生試合なのでしばらく見ていたが、野球とはぜんぜん違うものであるということしか分からなかった。野球の原型がクリケットであるという説があるが、そんなことは絶対にないと断言しておこう。

それはさておき。大会最終日。
14:00 LADIES 3位決定戦
Hockey Roos vs. Femmes。どちらにも2〜3人はいい選手がいるが、エース不在。戦術もなく、ボール追いかけるてるだけ。ここのレベルならまず間違いなくSQで勝てるでしょう。というか、勝ってもらわないと困る。大方の予想に反して(?)寄せ集めのHockey Roosが2-0で勝利。

自分(Ravens)の最終戦
14:45 vs. ACT Flames / MENS 3位決定戦
ACTと三度目の対戦。他のチームと比べればスピードがないのでラクと言えばラク、かと思ったんだけど、どっちにしろ足が動かなかった。リンクに立ったとたんに、三日間の疲労が足に来た。前半5分過ぎからはもう不動のDF。石。とりあえず低く構えることだけ意識していた(←当たられるから)ものの、ちょっと走ろうとするとふらふらよれよれ。ゴール近辺のシュートブロックで観客席を何度か湧かせた(なにしろ石だから)が、一番ウケたのは終了間際にブルームはじかれて落としたので足でボール蹴ろうとして飛び込んだのにその足が届かず空を切ってそのままずるずる滑って行ったところだった気がする。あんまり嬉しくない……
試合は0-2で敗戦。ただし3回の対戦の中では一番拮抗緊迫したいい試合にはなってた。ということでチームはMENSの4位(=最下位)で終了。

15:30 LADIES 決勝
Silver Snipers vs. Crimson Furies。スナイパーズは皆様ご存知"でっかい33番"ケイト・アーバイン(Kate Irvine)のいるチーム。フューリーズはトレーシー、ケリーのいる地元代表チーム。予選から突出して強かった2チームの対決。試合は目まぐるしい展開でほぼ互角だったが、決勝点はやっぱりケイト・アーバインの一発。ゴール前からドカーンと打って、決めて、優勝(1-0)。
SQがそれぞれと対戦したらどうかな? スナイパーズはケイト(センター)さえ押さえ込んでしまえば(押さえ込めるのかはさておき)なんとかなりそうだが、フューリーズはゲームメイクできるトレーシーとケリーの2人(今回は共にDFポジション)がいるので苦戦しそう。とりあえずどちらのチームもボールに対する寄せが積極的で(2人、3人で取りに行く)、攻撃のリズムが速くて(一気に上がる)、更にしつこい(2次攻撃、3次攻撃)。見習いたいところはいっぱいある。ローカルチームでこれだもの、代表チームが強くなるわけだよなぁ。
逆に守備の穴は大きい。カウンターに対してはGK任せ運任せのところがある。SQが試合すれば、どちらとやっても「失点はしないが得点もできない」といういつものパターンになりそうだな。それでカウンター一発で点取れれば勝利。現時点ではそれしかない。持ち手は増やしたいところだが……あぁ、精進、精進。

16:15 MENS 決勝
NSW Orange vs. NSW Blue。地元チーム同士の決戦。格としてはオレンジが一軍、ブルーが二軍? 実際に対戦した感覚ではオレンジの方が強かったが、予選の対決ではブルーが勝っている。そして決勝でもブルーが先取点取って前半終了、リンク横で見ててオレンジの焦りがひしひしと伝わってくる(気がする)。後半に入ってオレンジはDFも積極的に上がって点を取りにくるが、カウンター突かれて失点。終了間際にブルーは「空飛ぶイタリアン」マービン・ドッシ(Marvin Dossi)が「自陣から片手で持って一直線に入ってそのまま片手打ち」というとんでもないゴールを決めて優勝を手中にした(3-0)。MVPはマービン。マービンはプレイにブランクがあったのか大会前半はあんまり動きがよくなかった(俺が楽々マークできたくらい)のだが、この日はスーパープレイ連発で文句なしのMVP獲得となった。前半は走れたのに後半は動けなくなった俺とはえらい違いだ。ま、奴は若いからな、ということにしておこう。

決勝終了後はリンク中二階のフロアで表彰式。前回(07年)は高級ホテルのパーティルームを借り切ってやったのだが、今回はいろいろと予算を切り詰めている。空間としてはまことにそっけない(椅子もない)。ただし、ビールは飲み放題! 氷と瓶ビールがぎっしり詰まったポリパケツがずらっと並んでいる。もちろんあっという間にどんどん消費されてしまう(当然俺もその一端を担っている)のだが、それに負けない勢いで次から次へと補充されているのが凄い。選手/関係者が100人いたとして、ひとり2本でも(←2本ですむわけがない!)200本はあったわけだからなぁ。仕入れも補充も全部BB選手がやっているわけで、手際のよさに感心しきり。場所代よりもビール代、しかもビールは冷えてなきゃダメ、というのはまことに人としてブルームボールプレイヤーとして正しいあり方であろう。

ふとビールバケツの横を見ると、そこには新品のブルームが20〜30本どさっと積んである。今回の大会はアカシアをスポンサーにつけていたので優勝チームへの賞品だろうと思っていたら、個人賞もあるという。かんけーねー、とビールを飲んでいたら名前 (Aussie Bob)を呼ばれてしまった。前に押し出されて、ブルームを渡されて、拍手されて、なんかよくわからないままオジギしてきました。敢闘賞みたいなものか? 正直、ブルームは荷物になるので非常に困った(しょせんアカシアのブルームだしな……)。

で、表彰式/閉会式は終了。これで終わりかな? あとはホテルのパブでだらだら飲む程度かな? と思っていたらトレーシーに「ではこれからダウンタウンのスポーツバーに行くので、とりあえずシャワー浴びてきなさい」と言われてホテルに送り返された。ここからまた狂乱の長い長い夜が訪れ、朝は朝でとんでもない緊急事態が俺を待っていることになるのだが、そんな未来を一体誰が知り得たであろうか……

というわけでBroomballでへとへとになってもビールは別腹という4日目(昼の部)。

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Pac Rim BB/その5 夜と朝のあいだに

4-5日目(夜の部〜翌朝)
9/12(土)〜13(日)

(承前)
リンクから部屋へ戻って(車で1分)シャワー浴びて(ビール飲んで)、用具を片付けて、着替えて、ひと息つく(ビール飲みつつ)。明朝の帰国便なのでパッキングしなきゃいけないのだが、まぁ後で帰ってきてからやればいいや。詰め込むだけだし。

ホテルからサクソン、トレーシーと共にタクシーでダウンタウンへ。いつも30分以上歩いている道が車だと10分かからない。モールと反対側なので来たことはない通りだが、土曜夜とあってそれなりに活気がある(たぶん19時くらいだったと思う)。
スポーツバーでビール(既に相当飲んでいるが)と飯(スペシャル・チキン・ラザニア←サクソンのオゴリ)するうちに選手たちが三々五々再集結。最終的にはブルームボール・プレイヤー50〜60人が店を占拠していたな。
"Aussie Bob"と呼ばれる俺はそれなりに人気者(というか珍獣扱い)なのでいろんな人に声をかけられ、肩を組まれ、いじられ、ビールを奢ってもらった(既に相当飲んでいるが)。ただ、何の話をしていたのかほとんど記憶がない。はたして英語で会話できていたのかも不明。
とりあえず「Australiaは5回目だが、そのうち3回はBroomball。Only Broomball、No sightseeing」と言うと一様に Crazy!! と言われたが、それはまぁ毎度のことだ。カナダでもアメリカでも同じ。なんだったら北海道でも言われかねない。

そのうちにカラオケ・タイムが始まった(カラオケ・マスターとかいうオヤジがいて曲出しとか調整とかするシステムなんだが、スポーツバーでカラオケというセッティングもちょっといかがなものか)。いきなり最初から優勝チームBlueによるQUEEN「WE ARE THE CHAMPIONS」。その気持ちはよく分かる。俺らも優勝したときに同じことやったよ。ま、君らよりは上手かったよ。
なんかそのままだと悔しかったのでソングブックを手に取って覗いてみたが、歌える曲はなかった。ちょっと残念。その後もコンスタントに歌う奴が出てきたが、総じてみんな下手。ただし周囲のノリはいい。というか良すぎるくらいだ。いきなりぐるぐる踊り出す。十何人もが輪になってぐるぐる踊り狂う様は壮観ではある。このぐるぐる踊りにはなにか意味があるのか? こっちで流行ってるのか? さっぱり分からない。中でも麦わら帽子にダンガリーシャツという謎のファッションでひときわ踊り狂う長髪のでかい青年がいるな、と思ったらケイトだった。面白すぎる。
アホアホダンサーズにはいつまでも構っていられないのでビアカウンターに戻ると、こっちはこっちで酔っぱらいオージー親爺の輪。「Bob! お前はオージービアは好きかぁ? 美味いだろ、わはは、これを飲め、あれを飲め」攻撃を喰らう。ただしこの攻撃は俺に対しては無効だ。出てくるビールは全部飲んでしまうからな。ぐびぐびぷはー。

だがしかし、はっ、と気がつくともう深夜1時を過ぎている! あ、朝は4時起きしないと飛行機に間に合わないのに! 日付が変わる前に部屋に帰るつもりだったのに……

いきなり正気に戻って皆様に別れを告げ、ケビン(Kevin Chen。プレイヤーではないのに毎大会いる謎の中国系豪州人)に車でホテルまで送ってもらった。いちいち一人一人と握手して「明日朝のフライト乗り遅れたらあんたの家に泊めてくれよな、わはははは」という酔っぱらいのしょうもないジョークを繰り返していたので実際に部屋に戻ったのは2時。おおまかにパッキングして、目覚まし3個かけて、寝た。ちょっとでも寝ないと死んでしまう。

朝4時起床。
自分が生きているのか確証ないままにパッキング仕上げ。電車は24時間動いているのだが、さすがにこの時間帯は1時間に1本くらいしかない。乗り遅れると大変なことになる。予定ではペンリス駅0537→セントラル駅0631→エアポート・インターナショナル駅0648で、順調にいけば0820発の JL772便(Webチェックイン済)の1時間前には出国手続きが終わっているは
ず。

順調にいけば……

結論から言って、順調にはいかなかった……
大変な目に遭った……

部屋を5時前に出て(前日清算済)、暗い道を駅まで歩く。なにしろペンリスは治安がいいので犯罪方面の心配はゼロ。昼間は30度でもさすがに朝方は空気が冷えていて、眠気覚ましにはちょうどいい。駅に着くと電車も時間通りちゃんと着く(シティレールは日本の鉄道並みにダイヤが正確だ)。時間通り過ぎて、階段でちょっと焦ったくらいだ。焦りつつ「この電車だよな?」とホームのモニター表示を見たときに「Rail Work」という字が見えた。
「??」
ドアが閉まる前にちょうどホームにいたシティレール職員に「これエアポートの方?」と聞くと「チェンジ、ァッ、バァックタン」と謎の返事が。
「??」
いや、方向はこれでいいはずだが、いまの言葉は何だ!? バァックタンとはブラックタウンのことか? ブラックタウンという駅は通るが(というか次の停車駅)、Change at BLACKTOWNと言ったのか? なんだなんだ?
冷えたはずの体に汗が噴き出してくる。
と、とりあえず客室の方に入るとそのブロックには2人の先客がいた。1人はバッグに航空会社のダグを付けっぱなしにしたおじさんだった。あ、空港行く人だ、と思ってここでほっと安心。とりあえずブラックタウンで何か動きがあるかどうか様子を見ることにした。
そして10分でブラックタウン駅着。
なんと! 乗客全員が降りてしまうではないか! なに!? どしたの!!? バッグのおじさんに「これ終点? あなたは空港行くですか? 私は空港」と聞くと「空港行くには、ここからバス乗り換えだよ」と言う。えぇー!?  Rail Workというのはこれのことだったのか! 路線工事……運行停止区間……そんなことは他の日にやってくれって……

いやしかし、止まっているものはしかたがない。とにかく俺は空港に行かねばならないのだ。荷物持って(重い!)改札口に上がって職員に「エアポート、エアポート」と言うと「54番のバスでストラスフィールド(STRTHFIELD) まで行きなさい」と言われる。バス乗り場の職員に「エアポート、エアポート」と言うと「このバスに乗ってストラスフィールド駅まで行きなさい。そこからまたシティレールが動いている」と言われる。もうしかたがないのでそのバスにのって、後は少しでも早くストラスフィールドに着いてくれることを祈るしかない。
俺と例のおじさんが最後の客だったらしく、バスはすぐ出発(考えてみるとこれもギリギリのタイミングだったのかもしれない)。一般道を走っているのでヤキモキするが、まもなく高速へ。電車だとブラックタウン〜ストラスフィールドは20分くらいだが、車だとどうなんだろう? スタートの時点でロスしているのでかなり遅れるのではないか? もしストラスフィールド着くのが6時半を大幅に過ぎるようならタクシーで空港向かった方がいいんだろうか? いや、そもそもブラックタウンでタクシー乗った方がよかったんじゃないのか!? うわー、も、もし飛行機乗り遅れたらどうしたらいいんだ!?!?!?!?!?

心臓ばくばくのまま、ストラスフィールド到着。時間は、0635。び、微妙。とにかくまずダイヤを確認しなければ。次のセントラル(エアポート線連絡駅) 方面は…8分後。よかった……ここからセントラルまで15分だから、エアポート駅着いて、JALカウンターには出発30分前までには着けるだろう…… はぁ……疲れた……
電車を乗り継いで、空港のJALカウンターに着いたのが0730過ぎ。なんと既に搭乗手続きをしている乗客は一人もいなかった。列に並ばないで手続きしたのは初めてだよ。嬉しくないシチュエーションだけど。

そのままダイレクトに出国ゲート入って、出発ゲート行って、飛行機乗って、寝た。

そして本日に至る。

今回の教訓
「海外旅行の際には時間に余裕を持って行動し、確実な移動手段を確保しておくようにしましょう」

というわけでそれはそれでBroomballの一部だと思いたい最終日。
でした。



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