最近、新しい治療薬が続々開発されています。
わが国では、米国より11年遅れてはいるが、MTXも1999年にリウマチに対する適応が承認されました。
その間に、米国では1998年にレフルノミド(商品名アラバ)、エタネルセプト(商品名エンブレル)、1999年にはインフリキシマブ(商品名レミケード)がリウマチの治療薬として承認されていますので、それらの薬について少し記しておきます。

アラバは、2003年9月 発売開始。
レミケードは、2003年7月、リウマチにも認可されました。
エンブレルは、2005年3月30日発売されました
エンブレル・・・一般名 エタネルセプト
リウマチの病巣では、関節を含む薄い膜である滑膜細胞がTNFといわれる物質によって異常に増殖して骨を破壊する事が知られています。このTNFという物質の活動を抑える薬です。
現在、日本でも治験中です。2003年中には、認可が下りると言われていますが・・・
週2回皮下注射、副作用としての注射部位の発赤は1ヶ月くらいで消滅します。
また、風邪の症状を発生する人もいます。長期使用の副作用はまだわっかていませんが、劇的に効くことと安全性が高いとの事で、認可が待たれます。
フィリッピン在住のよしえさんが、2001年12月「よしこの掲示板」に使用経験を詳しく報告してくださっています。
2.その後の抜粋記事です
1.よしこの掲示板抜粋を載せました
また、2000年11月には米国在住の方が実際に使っておられ、お話を聞くことが出来ました。
(2000年11月.・よしこの掲示板・次のページに抜粋掲載)
リンパ球の増殖を抑えるとして、1998年9月、米国で承認されました。
MTXと同等もしくはそれ以上の有効性があるとされています。
MTXの副作用として重要視されている間質性肺炎はないようですが、肝臓や腎臓が悪い方は注意が必要です。
2003年9月発売。内服薬、1日1回服用。
最初3日間100mg服用。その後維持量として、20mg(程度により10m)服用。
レミケード・・・一般名 インフリキシマブ
炎症を起こすサイトカインと言う物質をブロックする治療法の一つ。抗TNFーα抗体。点滴による注射薬。米国で1999年承認され使用されています。
MTXとの併用で顕著な有効性が認められているが、蛋白製剤特有の問題点があるとのこと。
2003年7月、日本でもリウマチ治療薬として認可された。
しかし、重篤な副作用が出ることがあり、また高価でもあるので、慎重に使われている。
抗サイトカイン療法
リウマチの炎症は、指令を出すサイトカインという物質があり、その指令を受けるサイトカイン・レセプター(受容体)というものとが鍵と鍵穴のようになっています。
炎症を起こすサイトカインには、IL-1、IL-6、TNF-αなどがあり、炎症を抑えるサイトカインには、IL -1レセプター・アンタゴニスト、IL-10などがある。そして、炎症を抑えるサイトカインが勝つと炎症は自然に治まり、炎症を起こすサイトカインが強いといつまでも炎症が続き慢性炎症となってしまいます。そこで、炎症を起こすサイトカインが働かないようにしてやれば、炎症を抑えるサイトカインが優勢になり炎症が治まるのです。
これが、抗TNFーα抗体や抗IL-6レセプター抗体です。
抗TNFーα抗体(インフリキシマブ)はTNF-αという鍵に取り付いてTNFレセプターという鍵穴に差し込まれるのを邪魔する薬です。しかし、人のTNFーαに対する抗体は人からは出来ないのでマウスに作らせるため、このタンパク質が人にとって異物になり、人のリンパ球が抗体を作ってしまったり、アナフィラキシーショックなどを起こすことがあるので、安全性が大きな問題点となっている。
抗インターロイキン6(IL−6)レセプター抗体 [MRA]
抗サイトカイン療法として、日本で開発、現在治験中の薬です。
IL-6もIL-6レセプターというかぎあなにぴったりはまることによってさまざまな機能をはっきするが、IL-6レセプターは細胞表面にはめ込まれているだけでなく、細胞から離れて血液中を流れる事も出来る。
抗IL-6レセプター抗体は、細胞表面のIL-6レセプターにも血液中を流れているIL-6レセプターにも取り付き、IL-6がこれと結合するするのを阻止する。
マウスの抗体を基に作られているが、限りなく人の抗体に近いので、アナフィラキシーも起こり難いということです。
臨床試験も順調に進んでいるので、もうすぐ承認される事でしょう。
Anakinra・・・一般名Kineret 
2001年11月米国で承認された。IL1の阻害剤である。注射剤。