Japanese Cacti & Succulents Information


H. maughanii(万象) < Part 1 >

 

 万象は、日本ではもっともポピュラーなハオルチアです。というより、日本の栽培家の大半は、この万象のほか、玉扇、コレクタ、ピクタなど限られた数種類しか興味を持ちません。これらの品種に特徴的なのは、葉のガラス面(窓)に浮き出た紋様で、この紋様の白さ、濃さ、パターンなどに美しさを見出すわけです。従って、同じ万象であっても、紋様が地味で平凡な植物には誰も見向きもしません。一方で、何百、何千本の苗から選りすぐられた個性的な個体には数十万円の値が付きます。最近では、窓の紋様に加えて、葉の形(丈低く、窓が大きく、ずんぐりしているものがよい)や肌色なども重視されるようです。 

 日本では、万象のほかにも有名になったサボテンの兜などのように、人工的に選抜淘汰し作り出された園芸種が蒐集の主眼とされる場合が多いのですが、一方で、野生の植物がそもそも持っている個性を尊重する姿勢には乏しいのが実状です。ですから、かつて無数の山採り植物が輸入されたにもかかわらず、産地データにもとづいた系統的な標本植物が保存されているケースがほとんどないのは残念なことです。とはいえ、ここにあげたような、選びに選び抜かれた植物の美しさは、何時間眺めていても飽きることのないものでしょう。

 


<ある例会の出展作品より>

 

稲 妻

     

 

 

青木万象

高麗

紫万象

   

All photograph were taken by Shabomaniac!


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