塊茎・塊根多肉植物(コーデクス) その2
    Caudiciform Succulents part.2
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 コーデクス(塊茎・塊根植物)、その2です。あまり分類上の脈絡なく写真を並べましたが、それでもなんとなく似たムードの植物たちではあります。掲載写真の多くは、輸入植物ですが、サボテン類のように作落ちすることは稀で、適度な湿度、成長期休眠期のメリハリを意識すれば、栽培は楽なものが多い。以下にあげる8種はいずれも夏型です。夏型種は一部を除いて冬季最低摂氏5度、できれば10度を保つのがベスト。成長期は十分な水を求めるものが大半です。一方、南アフリカ産の冬型種の多くは無加温温室で十分育ちますが、サボテンと同居で日中30度を超すようだと、落葉することがあります。
 日本はそもそも、「盆栽」を極めた国なのですが、こと「多肉盆栽」については、欧米に比べると関心が低いようです。葉もの多肉のように目立った成長もしないし、簡単に徒長もしないけど、いったん失敗したら作り直しもきかない。しかし、過酷な環境を生きる枯淡の風情は抜群の植物たちです。手元に置いて眺めると、飽きの来ない魅力に引き込まれること請け合いです。
Pachypodeium brevicaule
(Madagascar)
Flowering in very early spring, love cool wind in summer.

パキポディウム「恵比寿笑い」
(キョウチクトウ科)
◆大変有名な植物ですが、高地産のため夏場の暑さが苦手です。また寒さには強いのですが、断水すると衰弱するので、加温し若干の灌水を続ける方がベターです。
Adenia goetzei SPECKS0491
(Tanzania)
Large green leaves with red vein. Keep warm in winter.

アニデア・ゴエッツィ
(トケイソウ科)
◆葉脈(裏面)の赤い大きな葉が美しい。塊根も扁球状で形の良いものですが、冬季、茎節が脱落したあとが傷になりやすいようです。寒さには弱い。
Ipomoea sp. aff. longituba
(Tanzania)
Upright stem with large white flower.

イポモエア・ロンギツーバ
(ヒルガオ科)
◆ヒルガオ科には花の美しい塊根植物が多くあります.。これは茎節が直立するので仕立てやすいですが、なんとなくサツマイモのような風情ですね。
Commiphora sessiliflora
(Somalia)
Especially fat and low growing plants among the genus.

コミフォラ・セシリフロラ
(カンラン科)
◆コミフォラは、かつてミイラ作りに使われた香木「没薬」の仲間で、魅力的な”盆栽多肉”が数多くあります。これはなかでも低く太く育つ種。これでいったい何年経っているのでしょうか。
Raphionacme procumbens
(Transvaal, South Africa)
Spherical caudex with smooth epidermis. Flower is green.

ラヒオナクメ・プロクンベンス
(ガガイモ科)
◆形の良いスベスベの塊根。花も小さな緑色で可愛らしい。冬季は茎節ごと脱落します。葉のない時に灌水するとすぐ根腐れします。
Jatropha pelargoniifolia
(Somalia)
Rare small Jatropha from eastern africa. Slow grower.

ヤトロファ・ペラルゴニフォリア
(トウダイグサ科)
◆ヤトロファ属は間延びしやすい種が多いのですが、この夏型塊茎も枝が伸びやすい。じっくり育てて硬質な風格を維持したいものです。
Corallocarpus glomeruliflorus
(Somalia)
Good succulent bonsai with wrinkled bark. Easy to grow lanky.

コラロカルプス・グロメルリフロルス
(ウリ科)
◆皺っぽい太幹がなかなか魅力的な盆栽多肉ですが、ウリ科らしく、茎節がツルのように伸びてきます。
Sarcocaulon vanderietiae
(South Africa)
Occur in summer rainfall area (an exception among the genus.). But cold tolerance is high.

サルコカウロン・バンデリエリアエ
(フウロソウ科)
◆ツツジ盆栽のような風情の育てやすいサルコ。例外的な夏型で寒さに弱いと言われますが、東京の我が家で雨よけ屋外越冬します。