空き巣被害に遭いました

かくして2002年の年末は「人生最悪の年末」となったのであった(泣)

presented by ikeda@UkuleleOnFire

 

■ 序章

 

 2002年の年の瀬。この年は年末年始の仕事が珍しく早めに一区切りついたこともあり、我が家(夫婦+子供2人)は実家に帰省してまったりと過ごすことにしました。仕事納めまでなにもかもが順調です。こんな年末は何年振りでしょう。

私は広島出身、妻は愛媛出身。会社都合で現在は神奈川県藤沢市の社宅に住んでいます。従って盆&正月ともなれば広島&愛媛の実家まで帰省ラッシュにもまれながら帰省する訳で、冬休みといえども結構疲れるのですが、実家までたどりついてしまえばあとは「ダラダラと寝正月」モードに突入することができます。

今年も神奈川県藤沢市から自動車で一路愛媛県へ。総所要時間10時間の走行の末、なんとか愛媛の実家に到着。毎年のことなので慣れっこではありますが、やはり疲れ果てます。でもとにかく実家に到着しました。さあ、今日から私の冬休みが始まる・・・・・・はずでした。

しかし、現実はそう甘くはなかったのでした。

 

 

■ 事件発覚

 

 2002年12月30日。愛媛県にある妻の実家のコタツでゴロゴロとしていたところ、妻のケータイが鳴りました。

妻:「もしもし。あ、○○さん。どうも。・・・はい。・・・はい。え?社宅に空き巣が?そうなんですか、それは大変ですね・・はい・・・。え?う、うちの部屋がですか!?

そう、帰省している間に我が家に空き巣が入った、とのこと。そして、電話でいろいろなやりとりをした結果、下記のよう状況でした。

 

[1].我が家が入居している社宅のある世帯(我が家とは別の世帯)に空き巣が入った。この世帯については既に被害届提出&捜査は終了しており、そこでの状況によると「2002年12月29日の早朝5:00くらいに空き巣が侵入した」(つまり空き巣被害は1日前に発生している)らしい。

[2].これをうけて社宅の寮長さんが全世帯に「事件発生の報告+空き巣対策の周知」をすることになり、寮長さんがその際に各世帯を回ったところ、ikeda家(=我が家)の玄関のカギが開いていることに気付いた。

[3].寮長さんは「ikeda家は帰省中である」ことを知っていたので、ikeda家も空き巣被害に遭っている違いない、と考えたが、帰省先やケータイの連絡先がわからなかった。そのため、あちこちに連絡をとった末、ようやく私の妻のケータイ番号をつきとめ連絡を入れてくれた。これが12月30日16:00ごろ。つまり上記[1]にある「空き巣被害の発生推定時間12月29日5:00」から既に1.5日が経過している。

[4].現在、ikeda家の玄関はカギが開きっぱなしのままなのだが、寮長さんのところに合鍵がないのでカギを閉めることができない。

[5].空き巣被害にあっている世帯がもう一件あるが、そちら事例を考えると、「ベランダの窓ガラスを割られている&ベランダの窓のカギも開けっ放し」の可能性が高い。

[6].警察に被害届を出す場合は、当該世帯の本人自身でなくてはならない。また、部屋の中の捜査などについても本人立会いでないと実施できない。

 

早い話が「大至急、神奈川に戻って、警察への届け出やら、窓ガラスの修理やら、家の戸締りやらの対応をしないと大変だ」ということなのです。

で、この状況に気付いたのが2002年12月30日の18:00ごろ。愛媛から神奈川への航空券or電車のチケットをとろうにも近所に旅行代理店もなければ、実家にはネット接続環境も無い。

いろいろ考えた末、妹夫婦に電話をして旅行代理店勤務の親戚に飛行機のチケットをゲットしてもらうことに成功。これで明日朝の神奈川までの交通手段は確保できました。

 そのあと、自宅に置いたままの銀行通帳について出金停止をするために、各銀行のコールセンタに電話をかけまくりました。このときもまたいろいろと問題が発生。銀行のコールセンタはフリーダイヤルの場合が多いのですが、ケータイからの電話受付は不可能。そこで実家の電話機を使おうとしたのですが実家の電話機は「黒電話」。多くのコールセンタは音声応答でプッシュボタンの入力を求められるため、利用が不可能であることがわかり、あわてて最寄の公衆電話に走ること数回。3時間近くかけてようやく全ての口座を出金停止にすることができました。

そして翌朝6:00に実家を出発して飛行機で羽田へ。

12月31日の10:00過ぎにようやく神奈川県藤沢市の社宅に到着しました。

 

 

■ 被害状況

 

 とるものもとりあえず、社宅にたどりついた私。玄関のノブを回してみると、確かにカギが開いています。帰省する際には確かにカギを締めていました。寮長さんからの電話でわかっていたことではありますが、改めて「ああ、やっぱり空き巣が入ったのね」という脱力感に襲われます。

 意を決して玄関を開け、部屋の中に入った私。そして私の眼前には変わり果てた部屋が広がっていました。以下がその様子です。(写真は「帰宅直後の部屋の様子」「警察の方に来てもらい、捜査をしてもらっている様子」です)

 

 

【写真1】

リビングのタンスは「服の引出し」には目もくれず、「小物が入っていそうな棚」を根こそぎ探したようです。ちなみにクレジットカードや通帳や証券会社関係の書類などはここに置いてあったのですが、これらはそのままにされていました。目的は「現金のみ」だったようです。

 

 

【写真2】

寝室のタンスも同様です。タンスの中には「指輪」「テレフォンカード」「クレジットカード」などが入っていたのですが、興味がなかったようで、そのままにされていました。このほかにも、刑事のかたから「女性用の下着とかを盗まれたりしてませんか?」と質問されましたが、下着類は特に物色された形跡はありませんでした。

 

 

【写真3】

ドレッサーの引き出しも全て開けられ物色されました。我が家の場合、ここには化粧品以外は何も入っていないのですが、一般的には「金目のものが入っている可能性がある場所」のようです。

 

 

【写真4】

寝室の押し入れも物色されました。ちなみに「フトンの棚」の中や奥のほうは物色していないようでした。

下の段の収納ケースを見つけて物色したようです。

 

 

【写真5】

パソコン用のデスクは「小物入れ」「ビデオカメラ用ケース」が物色されていました。パソコンの横にある黄色い箱は棚の上のほうにある引小物入れの引出し。小物入れの中を物色したことを物語る痕跡です。また、デスクの足元にある「カメラ&ビデオ用キャリングケース」もロックが開けられ、中身を出されていました。ただし「ビデオカメラ」「パソコン&周辺機器」も全く被害無しでした。本当に「現金」以外には興味がなかったようです。

 

 

【写真6】

我が家のキッチンテーブルで刑事のかたと最寄の派出所の警察官のかたが現場調査をして資料を作成している様子です。事務的に対応されてしまうものと思っていたのですが、とても親身に対応していただいたので、心理的にはなんとなく救われたというか、多少は癒されたという感じでした。これで「被害届」の手続きが完了したことになるそうです。

 

 

【写真7】

刑事のかたが指紋を調べている様子です。指紋はもとより足跡も全く残っていなかったようです。刑事さんの向こう側に見えるサッシはガラスが割られていました。刑事さんいわく「もう一件の被害世帯で物色した後、ベランダ伝いにこの世帯に移動し、外からガラスを割たうえでサッシのカギを開けて侵入したのち、玄関から逃げていったと思われる。」とのことです。

 

 

【写真8】

刑事さんは「タンス」「サッシ」「散乱している様々な小物」などなど、あらゆる場所を調べて指紋をとっていました。

 

 

【写真9】

刑事さんがもっていた道具の数々。刑事ドラマなどでも出てくる「指紋をとる白い粉」もありました。実物をはじめてみたのですが「白」ではなく「銀色」ですね。刑事さんいわく「中性洗剤とかで軽く拭けばとれます」とのこと。あとでやってみましたが、その通りでした。

 

 

 

 

■ そして人生最悪の大晦日

 

 警察の方々が捜査を終えて帰っていきました。でも私にはまだまだやることはたくさんあります。

 まずはタウンページをめくってガラス修理業者に電話。大晦日なので果たして即日対応してくれるかどうかかなり不安だったのですが、なんとか即日修理をしてもらうことができました。でも値段は割高でした。

 次は部屋の掃除。上記の写真でもわかるとおり、とにかくほとんどの部屋が「散らかりまくり」の状態だったので、元に戻さないといけません。これが結構大変。

 その次は帰りの飛行機or新幹線のチケット。「元旦はチケットはあまっている」と思っていたのです、意外にそうでもないようで、結局飛行機の座席は空きがゼロ。実家まで新幹線で帰ることになりました。

 そして最後は「大晦日の食事の買出し」。本来は帰省している予定なわけですから冷蔵庫の中身は空っぽ。家には食物も飲物もなーんにもありません。しかも買出しに行くにも車はないわけです。歩いて出かけるにも外は寒いし、どうも気が進みません。前日にほとんど寝る時間が無かったこともあって、いっそのこと何も食べずに寝てしまおう、などと思っていたのですが、この件を知った知人が差し入れを持ってきてくれました。この差し入れ、本当に心に染みました。

かくして、知人の差し入れの弁当&ビールを口にしながら、ひとり寂しくテレビの「猪木祭り」と「紅白」を観ながら2002年の年末を過ごしたのでした。(ボブサップつええ・・)

翌朝は、家中の戸締りを万全にするとともに、玄関&窓に更なる対策(ここではあえて詳しく書くのは避ける事にします。空き巣の人もWebを見ていると思うので。)をし、さらに、家の中に残っている貴重品&準貴重品を全てバッグに詰めて、一路実家へと戻りました。

 実家に到着したのは1月1日の19:00。つまり寮長さんから連絡が入った12月30日16:00から1月1日19:00までの合計51時間が「空き巣被害の後処理」に消費されたのでした。

 貴重な冬休みの時間がこんなことのために費やされてしまうなんて・・・(泣)

 

 

■ 事件の収支(ていうか「収入」はないのですが)

 

 以上が今回の一部始終です。結局のところ今回の空き巣被害の件で我が家が直接的、間接的に被った費用は下記のとおりです。

項 目 費用
1.ガラス破損(ガラスの修理代) \10,000-
2.被害届手続きのための交通費(=帰省先から往復交通費) \50,000-
   

 

 「帰省で長期に家を空けるので、現金&貴重品も一緒に持っていった」という行動のおかげで何も盗られなかったのですが、それでも今回の一件があったことで「6万円の余計な出費」が発生しました。冷静に考えると結構もったいない金額です。

 そして、とにかく疲れ果てました。

 

 

■ あとがき

 

 我が家の場合は「盗難未遂」で済んだこともあり、「この際だからデジカメで写真をとってWebPageでも作ってネタにしてしまおう」という「ゆとり」のようなものがありますが、警察の方いわく「藤沢界隈の空き巣被害では結構大きな被害がでているケースもある」とのことで、シャレになっていないケースも多いようです。

 我が家は社宅の3階に住んでいるのですが、玄関はもとより窓も全て施錠したにも関わらず、いともかんたんににベランダから侵入されました。たしかにガラスを割れば侵入はカンタン。しかも近頃は玄関のカギもピッキングでカンタンに開けられてしまいます。

 一戸建てに住んでいる方は、家を建てる際にいろいろと工夫をすることができると思いますが、アパートやマンションなどの集合住宅に入居している方は、入居した時点の標準設備そのままで住んでいるケース多いことと思います。しかし空き巣にとって、集合住宅は「たった1つの手口で複数の世帯に侵入することができる」うえに「盆&正月の時期は長期外出している可能性が高い」というオイシイ場所でもあるのです。

 日本の不況はまだまだ続くでしょうから、空き巣犯罪はこれからも増えつづけることでしょう。

 みなさんの世帯でも空き巣対策を考えることをオススメします。

 

 

ukulele@music.email.ne.jp

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