貫井徳郎著 『ドミノ倒し』
               


              2017-12-25



(作品は、貫井徳郎著 『ドミノ倒し』   東京創元社による。)

          
 初出 <ミステリーズ>vol.53〜vol.57(東京創元社)に連載された作品を加筆、修正。
 本書 2013年(平成25年)6月刊行。

 貫井徳郎(本書より)
 
 1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。
 93年に「慟哭」でデビュー。2010年、「乱反射」で第63回日本推理作家協会賞を、「後悔と真実の色」で第23回山本周五郎賞を受賞。
「失踪症候群」「光と影の誘惑」「プリズム」「愚行録」「空白の叫び」「夜想」「明日の空」「新月譚」「微笑む人」等著書多数。
    

主な登場人物:

十村(とむら)
<よっちゃん>

月影市(田舎町)の私立探偵。日頃は町での便利屋。殺人事件の探偵は初めて。

江上友梨(23歳)
姉 沙英(28歳)

不動産屋勤務のOL。元彼の前山耕一(世良朱美全裸殺人事件の容疑者)の無実を証明して欲しいと十村に依頼。

前山耕一
<コーちゃん>

世良朱美と何回かデート、ストーカーまがいの行為を2〜3回。当日は友達と居酒屋で飲んでいたというアリバイがあると主張している。
新明佐(たすく) 東大出の署長、キャリア。十村と幼なじみ。
月影署の刑事

・成田 らっきょう顔の刑事。
・羽根田 パンチパーマの刑事、成田の連れ。

<被害者?たち>
世良朱美(27歳) 筋金入りのケチ。美人なのに優しい、天使のような人の評価も(老人会より)等色んな人物像が。
大関善郎(よしろう)
(38歳)
県境の酒香川(さこうがわ)の河川敷,ススキの茂みで絞殺死体。
鈴木茉凜(まりん)

幼女殺しの被害者。
母親は”一生立ち直れないんじゃないかしら”と近所の主婦。
父親は世良朱美のこと「知らない。誰?」と。

小平秋俊(21歳) 月影商科大学の学生。練炭による一酸化中毒の自殺?
田浦好美 世良朱美と一卵双生児の姉。
居酒屋の店主 前山耕一が事件当夜ここで飲んでいたとアリバイを証言したひげ面の男。
洞口平三 老人会のリーダー格。世良朱美のことを天使の様と。
川端 小平の友人。小平のこと小さいことでくよくよするタイプ。口癖で「死にたい」との情報。

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
 
「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」。探偵・十村の元に舞いこんだ美女からの依頼。だが、いざ殺人事件を調査すると別の事件に行き当たり、さらなる別の事件を呼び起こす…。油断大敵・貫井流ユーモア私立探偵小説。 

読後感:

 ちょっと頼りなさそうな探偵と月影署に赴任のキャリア署長のドタバタ劇かと思いきや、事件は非常に不可思議な展開に。こんな田舎町だったら怖いこと甚だしいかも。
 伏線として十村探偵の恋人だった江上沙英の「月影は怖いところ」と、署長の「月影は殺人事件が多い。そして未解決事件が10年間で4件ある」とのこと。

 最初の沙英の妹の友梨が、元恋人の彼(前山耕一)の世良朱美殺人事件の容疑者の無実を証明しての依頼を受け、調べだしたのをきっかけに、次々に殺人か事故か自殺か不明のことが浮上してくる。
 調べる内に被害者の隠れていた素性が暴かれてきて・・・。
 警察内部の暗闘ではと思っていたのが、次第に身の危険まで迫ってきた十村探偵の運命は??ラストの終わり方も変わっていて不満が残るかも。
  
余談:
 原稿作成時に記載なしだったことに呆然。12月はプライベートで色々あり余裕がなく、従って余談はパスとすることに。 
背景画は、海をテーマに。(自然いっぱいの素材集より)

                    

                          

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