三浦しをん著 『神去なあなあ夜話』



              2017-10-25



(作品は、三浦しをん著 『神去なあなあ夜話』   徳間書店による。)

          
 初出 「読楽」2012年1月号〜2012年8月号に掲載された作品に加筆・修正。
 本書 2012年(平成24年)11月刊行。

 三浦しをん(本書より)
 
 
1976年、東京生まれ。2000年、書き下ろし長編小説「格闘する者に◯」でデビュー。「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞。小説に「風が強く吹いている」「仏果を得ず」「きみはポラリス」「天国旅行」「木暮荘物語」など、エッセイに「あやつられ文楽鑑賞」「悶絶スパイラル」「ピロウな話で恐縮です日記」「お友だちからお願いします」「本屋さんで待ちあわせ」など、多数の著書がある。2012年、「舟を編む」で本屋大賞を受賞。   

主な登場人物:

平野勇気(20歳)
<俺>

去年から三重県中西部の山奥神去村(かむさりむら)に住む。今年の春から中村林業株式会社の正社員に。
俺は村の言い伝えとか、住人たちのこととか、見聞きした話をパソコンに記録している。

飯田与喜(30代前半)
<ヨキ>
妻 みきさん
祖母 繁ばあちゃん

中村清一さんの幼なじみで仲がいい。ヨキの家に俺は居候をしている。
性格に問題がある。性格に問題がある。
・みきさん ヨキにべた惚れ。そしてヨキとの間は絶妙。
・繁ばあちゃん 神去村に言い伝えられる昔話を聞く。俺が記録する文章の唯一の読者。
・他にヨキの相棒、白い犬の”ノコ”と繁ばあちゃんのペットの金魚二匹。

中村清一
妻 祐子
息子 山太
(さんた)

中村林業株式会社を経営。両親を小さいときに亡くし、小さいときから親方としての経験を積んでいる。
・祐子さん
・山太 今春から小学校に通う。

清一の斑

・中村清一 親方であり、斑のリーダー(30代)。
・飯田与喜 山仕事の天才。
・田辺巌(50代) あれこれ教えてくれる。
・小山三郎(70代半ば超え)山の知恵袋。
・俺 平野勇気

直紀(なおき)

祐子さんの妹。神去小学校で先生。神去村の中(ナカ)地区に住む。
俺が惚れている人。清一さんに恋心

山根のおっちゃん 頑固な仕事人って感じ。俺は苦手。
奥田 神去小学校の直紀の同僚。俺のライバル?

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 神去村へようこそ。三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、20歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫る…。お仕事小説の旗手・三浦しをんが贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。

読後感:

 三重県中西部の神去(かむさり)村に二十歳の若者(平野勇気)が林業を生業にする飯田与喜の家に居候し、中村林業株式会社の正社員として山仕事を手伝いながら、村の起源を知ったり、結婚していない人はいない神去村で唯一独り身の年上の直紀さんとの恋愛を成就する為に奮闘したり。
 村人の過去の大変な事情を知って共に働く人たちとの間を縮め、将来自分も神去村の人間として感じることが出来るのかをたどる青春物語である。
 そこに流れるのは著者のこれまでの作品に通じる人情愛とか、なつかしいものに対する愛着とか暖かさが溢れていて、三浦しをんの世界に浸っている居心地の良さを感じる。

  

  

余談:

 
本作品は「神去なあなあ日常」に次ぐ第2弾であると知った。第1弾では18歳で林業の現場゛に飛び込んだ主人公が騒動に巻き込まれる様子が描かれていて、本作品でもその中の事情があれこれ引用されている。 
背景画は、海をテーマに。(自然いっぱいの素材集より)

                    

                          

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