「水滸伝」 主な登場人物

梁山泊>(りょうさんはく) 宋の国に対し反政府を掲げる叛徒の集団
宋江(そうこう) 梁山泊の頭領のひとり。元役人。志を掲げ、戦には不慣れであるが、晁蓋とは異なる人柄が信頼を得ている。
晁蓋(ちょうがい) 梁山泊のもうひとりの頭領。前線に出て指揮をするのが好き。宋江との出会いで、より大きな組織へと発展させられた。しかし、兵量が大きくなるに従い、宋江との意見の相違が出だし、呉用の苦慮が増すことに。元元東渓村の保正(名主)。
呉用 梁山泊の軍師。あらゆる事の計画を立て、指示を出す。しかし、実戦の現場隊長達には、ともすれば反感を持たれ、受け入れられず悩むことも多い。元東渓村の塾の教師。
魯智深(ろちしん)。後、魯達 思想・信条だけでなく、宋江の人柄に魅せられ、主に同志を梁山泊に入山させる役目を負う。遼の国に入って捉えられ、脱獄時手首を切って抜け、宋に戻ったが一度死んだこととして、その後は魯達と名乗る。懐の深さが持ち味。宋江の言った言葉を書きつづり”替天行道(たいてんぎょうどう)”の小冊子を持って全国に同志を求めて旅する。
二人の頭領については、初めは補い合いうも並び立たぬ、生き残った者が妥協すると密かに思っている。
慮俊義(ろしゅんぎ) 北京大名府の大商人。闇塩の道を築き守って、梁山泊の財政を一手に引き受けている。
林沖(りんちゅう) 梁山泊騎馬隊の総隊長。元禁軍、李富に嵌められ捕縛されて滄州に護送される途中魯智深に助けられる。武術に優れるも、妻を死なせたことで心に影を持ち続け、どこか荒んだ面があるが、宋江に対しては心従している。
史進(ししん) 梁山泊遊撃隊の隊長。王進がこの若者に自分が生きた証を伝えようとする。その後、梁山泊に加わる。
公孫勝(こうそんしょう) 梁山泊致死軍(裏の軍)の総隊長。闇塩の道を守ることと、敵(王和、高廉の軍)との駆け引きにしのぎを削る。
楊志 宋建国時の英雄楊令公の子孫に当たる。林沖と死闘し、最後に破れるもその剣をどこで役立つのか考えるように説得される。元高求の禁軍から青州の軍に左遷された軍人。
楊令 小さいとき楊志に拾われ、楊志が王和の軍に暗殺されるところを目の当たりにする。秦明、林沖達に鍛えられるが、王進のもとで育てられる。やがて大きくなって梁山泊に入山し、林沖の騎馬隊を指揮するようになる。
秦明(しんめい) 二竜山の総指揮官。元青州の地方軍の将軍。
呼延灼(こえんしゃく) 梁山泊本体の総隊長。元代州で禁軍に批判的な将軍。童貫元帥より梁山泊に一度だけ勝つように指示され、晁蓋軍を破つたが、手柄をたてたがる帝の代役の総指揮官高求がその後の闘いに大敗、憤慨した呼延灼は民兵の二人の頭領を連れ梁山泊に加わることになる。
関勝(かんしょう) 梁山泊本体の総隊長。元雄州で禁軍に批判的な将軍。北京大名府を占拠した梁山泊軍が、二竜山に兵が居なくなったのを見てとり、少ない兵力で急襲する、急いで梁山泊軍が引き返さざるを得ない奇襲策で一泡ふかす。その後参謀役の宣賛を連れ梁山泊に入る。


官軍、その他
袁明(えんめい) 清蓮寺(帝や蔡京を守るためのものでなく、宋という国を守るための闇の軍)の総帥。
李富(りふ) 清蓮寺の叛乱担当。聞煥章と組んで実質上の清蓮寺の実力者。袁明が暗殺された後の後継者となる。国を憂う気持ちは強く、内側から改革をすることを考え、梁山泊を潰すことに執念を燃やす。
聞煥章(ぶんかんしょう) 清蓮寺の調略担当。清蓮寺には途中参画で、奇抜な策略を考える人物。
蔡京(さいけい) 帝を戴いて執政をする大師。
童貫元帥 禁軍(近衛軍)の長。帝と開封府を守ることを使命とし、その他は地方軍が守るいう考え方の人間。精鋭を擁し、実戦は経験少ないと言うが、その手腕は並はずれている。
高求(こうきゅう) 禁軍の大将で、帝に可愛がられる。
王進 禁軍の武術師範時代、禁軍改革を提唱するも、受け入れられず、母を連れて子午山に籠もり、史進、楊令など心に疵を持った人を育てる役目を果たす。
阿骨打(あくだ) 遼の国(契丹族)で女真族のための国を建てることに立ち上がる。梁山泊とも手を結ぶ。