初出 月刊「潮」2009年7月号〜2010年10月号。 本書 2010年(平成22年)12月刊行。
鏑木蓮(かぶらぎ・れん):(本書より) 1961年京都市生まれ。仏教大学文学部国文学科卒業。06年に「東京ダモイ」で第52回江戸川乱歩賞受賞。著書には「東京ダモイ」の他「屈折光」「エクステンド」「思い出探偵」「救命拒否」「白砂」などがある。日本推理作家協会会員。
主な登場人物:
生田有子 父親 有正(49歳) 母親 麗子
神戸ポートアイランドにある食物栄養学科の短大生。 ・有正 2年前リストラされ、中原敏の誘いで警備会社に就職して1年半。事件に巻き込まれ刺されて死亡。 ・麗子は旧家のお嬢さん、奔放な性格。有子が小学3年生(9歳)の時家を出ていった。
中原敏(さとし) 妻 珠乃(たまの)
警備会社の社長、元兵庫県警の“伝説の刑事”。 ・妻の珠乃は元婦警。
及川明 妻 奈緒子 娘 明菜
神戸市及川牧場の経営者。及川牧場は有子の学校と乳製品の共同開発をしている。「たいへんな過ちを犯した」と言うメモを残して自殺。 ・明菜 生田有正が警備をしていた工事現場での転落事故で寝たきりの状態で入院中。
小谷恭子 山崎美晴
・小谷恭子 及川明菜の同級生。加古川のH大学の学生。 ・山崎美晴 恭子の二年先輩。地銀勤務。
星野良次(27歳) 三浦
・星野 親がマンション経営、そこの専務。 ・三浦 リゾート開発会社の御曹司。
物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
失踪した母、殺害された父。そこから悲しみの連鎖は始まった…。人間の“業”とは、そして幸福とは。乱歩賞作家・鏑木蓮が贈る、美しくも切ない筆致で描く、予測不能の極上人間ミステリー。
思い返すと鏑木蓮と言う作家の作品、結構読んでいることになっていた。やはりどこか惹かれるものがあるんだと思う。ひょっとしたら鏑木という名前、蓮という語感かもしれない。でもどの作品も京都の仏教大学卒業というだけあって内容に感じさせるものがある点だと思う。