堂場瞬一著 『特捜本部』
                     (刑事の挑戦・一之瀬拓真)


              2017-11-25



(作品は、堂場瞬一著 『特捜本部』(刑事の挑戦・一之瀬拓真)  による。)

         
 
 本書 2016年(平成28年)6月刊行。書き下ろし作品。

 堂場瞬一「誘爆」より
 
 1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋「8年」にて第13回小説すばる新人賞を受賞。主な著書に「刑事・鳴沢了」シリーズ、「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ、「刑事の挑戦・一之瀬拓真」シリーズ、「汐灘」サーガの他、「誤断」「Sの継承」「ラスト・コード」(以上小社刊)、「警視庁追跡捜査係」シリーズ(ハルキ文庫)、「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫)、「捜査一課・澤村慶司」シリーズ(角川文庫)、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ(講談社文庫)、「複合捜査」(集英社文庫)、「ルール」(実業之日本社)、「埋もれた牙」(講談社)、「警察回りの夏」(集英社)、「ターンオーバー」(角川春樹事務所)などがある。   

主な登場人物:

一之瀬拓真

千代田署から警視庁捜査一課強行班に移動、去年巡査部長に。
バラバラ殺人事件の捜査本部に招集される。

若杉 一之瀬の同期。一之瀬のライバル。
春山 所轄の若手刑事。“バラバラ殺人事件”捜査本部での一之瀬の相方。
斉木祐司 公安部外事二課の刑事。一之瀬と同期。
捜査本部の人間

・水越 捜一課長,58歳。
・岩下係長 一之瀬の直属の上司。
・宮村 一之瀬の先輩刑事。
・小野沢管理官

原田若菜
(ペンネーム:
 一条若菜)

被害者。一之瀬と同じ大学出身。大学ではIT研究会のメンバー。フリーライター。IT企業のセキュリティの対策を専門に取材。
永谷信貴(のぶたか) 一之瀬の大学の1年先輩、IT研究会のOB会集合写真の男。原田若菜と最後に会った人物。風力発電ビジネスをやっているSSウインドという会社勤務,
中江亜紀良(あきら) IT研究会の先輩。JUB(IT企業)会社の社長。人の噂では“チャラい人”。
工藤恒明 IT研究会のメンバー。中江の共同経営者。
高瀬さおり

IT研OB。現在はネット証券会社勤務。

立花樹(いつき) 「月刊ウェブマスター」の副編集長。若菜は3年前からほぼレギュラーで記事掲載。記事の内容はIT企業のセキュリティ対策を専門に取材。
藤島一成 刑事総務課勤務。元一之瀬の教育指導係。
藤島のネタ元。一之瀬が引き継ぐ。
深雪 一之瀬の恋人、一之瀬と同じ大学。総合食品メーカの研究職。
城田 一之瀬と同期。福島県警の警察官。

物語の概要:(本の裏表紙の紹介記事より。)
 
 
海浜公園のゴミ箱から,切断された女性の腕が発見される。その指にカレッジリングがあったことから、母校の大学に向かう一之瀬。警視庁捜査一課異動後の初めての特捜本部の仕事。若手刑事の働きぶりは失敗と不安が入り交じり・・・。一方で相方は所轄の若い刑事。 

読後感:

 本庁捜査一課に異動になって半年、初めての捜査本部に招集されて役目を果たそうと日々忙しさに埋没。大学時代からの付き合いの深雪とは恋人以上には進展させていない。
 捜査本部では変にライバルの若杉は持ち前のツキを取り込んで活躍する中、先輩刑事の宮村刑事の支援を受けたり、叱責されたりしながらなんとか手柄を立てようと。

 刑事は自分が取ってきた情報は自分が積極的に担当することに岩下係長や、水越捜査一課課長の考え方で出張や取り調べにチャレンジ出来る様計らってくれるけれど、失敗も失敗として評価されることに挽回を期して奮起する一之瀬。

 今回の被害者や被疑者たちはくしくも自分の出身大学の人間が多く、活躍の場も多くあるが、なかなか思う様な結果を出せないでいる。
 捜査本部は思う様な進展がない状態で、第二のバラバラ殺人事件が発生してますます混沌としてくる。
 ラストで行方不明になっていた被疑者と思われていた人物から一之瀬が呼び出され、人質を取っての交渉相手に知り合いと言うことで一之瀬が水越の指示で当たることに。
 どういう結末になるか・・・。
 

  

余談:

 今回は取り調べのベテランとして”アナザーフェイス”シリーズの刑事総務課の大友鉄の名前が出てきてニヤニヤしてしまう。

背景画は、海をテーマに。(自然いっぱいの素材集より)

                    

                          

戻る