春山は移動に最高!!



冬と春では大違い…

 2001年の年末、今年もいつものように後立山に入山していた。天気図と天気予報から、12月28日入山・29日アタック・30日下山、という計画。場所は北アルプス・爺カ岳、もう何度も登った入門者向けの山だ。天気の読みはみごとにあたり、登頂日の29日はピーカン〜この年末年始で唯一の晴れとなった。さて、山頂からATVもやろう…と意気込んで登ったのだが、ゆっくり出たのに先頭のラッセル集団に追いついて、ラッセルを交代でやる。時間が気になるのだが、案の定、山頂についたのは、午後2時近くだった。「こりゃあイカン、下山しなくては。運用どころではないわい…」と山頂からのATVも、5Gもやらずに終った。もっとも、テントに戻ってから、5Gで立科町・長野とラウンドQSOなんてこともできたのだが。やっぱり、厳冬期の山では山頂からはそうたやすくは運用できないATVも、5Gも、ハンディでそのまま運用できるようでないとできないなぁ、と実感した一日だった。
 
 やはり、雪山からの運用は、天候の安定して気温が高目になる春山が一番楽なようだ。厳冬期にも運用できるような登山技量、設備面の工夫などもしなくてはいかんが、それができるまでは春を主体にした方が無難な感じである。
 
 
 

春は家族で北八ヶ岳・・・

3月23日 朝、町田の家を出て、八王子から最初の「あずさ」に乗りこむ。夜行で行く、というのが山屋の常なので、「朝出ていく」というのはどうかとも思うが、カミさん・子連れなのでしょうがない。それでも、茅野からバスで渋の湯に着いたのは11時半ころだから、まあ、北八ヶ岳ならば入れないこともない。
 子連れでなにをしに行くのかって??ずばり「ク・ロ・カ・ン」である。完全に凍った白駒池の上を、青苔荘で借りたクロカンで廻って遊ぶのだ。行きかえりは、渋の湯から賽の河原経由で高見石に立寄り、池を眺めたりもする。足回りは、「スノーブーツに軽アイゼンをつけて歩く」とすれば、ほぼ100%トレースされてガチガチなこのルートは大丈夫だ。そして最後は温泉して帰る…というのが我が家の「恒例」なのである。で、お子様連れなので、小屋に泊まる。するとまあ、天国のように温かいし、飯もうまい。池の上を二回廻ったら、下の子は「もういい」となってしまったのだが、まあ、そんなものだろう。小屋でぬくぬくとして、飯を食べてのんびりとした。

3月24日 小屋を8時頃に出た。実は9時に高見石でスケジュールを組んだのだ。登りに一時間はかかるかな、と思った。ところが、子連れなのになぜか足ははかどり、8時35分に高見石に戻った。さっそく石の上でセッティングする。カミさんたちには、ガスコンロをあてがっておいたので、一時間くらいは飲み物でも作って大丈夫だろう。・・・
 最初にモービルからJA0GPO局が呼んでくれた。5Gはどうかな、と思ったのだが、5Gもモービルと59/59で交信できたビームは浅間山方向、GPO局はGPアンテナだそうだ。続いて、立科町のJI0MOJ局が呼んでくれた。が、こちらは不思議となかなかつながらない。QSBが深く、S9からノイズレベルまで動く。爺カ岳よりもはるかに近いのになぁ、不思議だ。でも、なんとか59/59QSBで交信成立した。どうも浅間山の反射地点がこちらから見えない場所になっているのではないか、という気がする。回折と反射だったんじゃないかなぁ???・・・さて、それからしばらくCQを叫んだのだが、どうも反応がない。
 そろそろ1時間近くになるので撤収して、小屋の前に戻ってみた。すると…カミさんご一行が凍って固まっている。ガスコンロがうまく着かない、途中で消えてしまった、寒い…という。小屋前の温度計を見たらマイナス10度である。うーん、石の上で一時間も無線をやっていて、寒くはなかったのだが…。ご機嫌ななめなのをごまかしごまかしして、すぐに出発。下りは早く、1時間で渋の湯に下りた。ただ、最後の関門は「温泉が熱過ぎて入れない」という事だった。やっぱり来年は少し遠くても、稲子湯に下りようかなぁ。

SHFは空振りの編笠山

3月31日 朝、5時に起きて、5時50分の始発バスで町田に出た。一泊で八ヶ岳最南部の編笠山・西岳に行くのだ。実は、今年卒業させたクラスに、「雪の山に行ってみたい」というのが一人いたので、「落ちるような場所のない、安全な所」という事で、計画したのだ。が、彼氏は体調不調で行けない、という。ワンゲルOGのU嬢にも声をかけてあったのだが、いくらなんでも40過ぎのオッサンとうら若き乙女の二人では危なく見えるし、ちと用事ができたので、日程を変えて一人で行くことになった。電車はトントン拍子で進み、7:33八王子発松本行き普通列車に乗れてしまった。9時には小淵沢だ、これはラッキー!! とその時は思った。
 でも、小淵沢でタクシーに乗ると、「観音平はゲートが締まっているので、ゲートまでしか行けない」という。9:20にゲートに着いて、ゲートから観音平まで歩くと約45分から1時間である。トボトボと歩いていくと、八ヶ岳農場にカモシカの群れが走っていった。それにしても雪がないので、運動靴のままで歩く。結局、観音平から雲海展望台を過ぎるまでは雪がなく、標高2000mほどで靴を履き替えた。ここからも雪が融けて凍ったツルツルがあり、「こんな事ならアイゼンを持ってくるんだった」と後悔> だって、ワカンだけを持ってきたんだ。最後の一時間ほどが急なのぼりだが、露岩あたりは雪がなかった。
 13時40分頃、山頂についた。誰もいないと思ったら、後続で単独の人が登ってきた。これからまた戻るのだという。だからしばらくしたら誰もいなくなった。今回は山頂にテントを設営して、無線三昧という予定なので、設営する。
  さて、交信じゃ!! と1.2Gで叫ぶが反応はない。5Gもワッチするが、何も入ってこない。しょうがないので430で数局と交信した。が、伊豆スカイライン方面がガンガン入るのに比べると、他の方向からの信号はイマイチだ。まあ、替え電池は持ってきたし、夜になったらいけるだろう…とのんびりとビールを飲みつつ、交信をしていた。が、夕方になったら風が強くなり、写真のように外にTRVを置くことはできなくなった。仕方が無いので、テント内に三脚を移した。でも、風はどんどんか強くなった。
 夜の9時から5Gロールコールなので、山の中とは思えない時刻だががんばって起きていた。しかし、何も聞こえない。メインも連絡用の1200Mも、あれこれしてみたのだが、さっぱりである。風でテントがゆれるゆれ方が変わったので外に出てみると、フライが外れかけており、さらに外はガスの中だ。北岳でもそうだったのだが、ガスの濃霧の中だとさっぱりどこも聞こえないのだ。それでも悔しいので、10時過ぎまではがんばってから、寝た。風は夜中強くて、しばしば起されるほどだった。

4月1日 朝5時に起きる。まだ風は吹いている。でも、明るくなってきた。で、テントから外に顔を出してびっくり。なぜかって??目の前に富士山がドカンとあったのだ。見渡すと富士山・南アルプス・北アルプスなどが朝日に輝いている。もう10分早いと真っ赤になったかもしれない。うーん、いいなぁ。5Gは坊主だったけども、山としてはいいじゃなんか。しばし見とれた。そして、7時過ぎに山頂を出て、西岳を経由して富士見高原に降りた。ちなみに西岳は初めての山頂である。稜線からずれているのでなかなか来なかったのだが、トレースされていたのだ楽だった。また、富士見高原の温泉はホテルの大浴場・お休み場付なのに500円なので、割とお徳である。しかし、5Gができなかったのがかえすがえす残念だなぁ・・・。またどこかに移動するかなぁ。