剣岳・御山谷

夢の雪山四日間
～剣岳と御山谷～

2008年5月1日～5月4日　人数 2人とたくさん

　「雪と岩の殿堂」～剣岳はこう呼ばれる。「では、剣岳に初めて登るのは、積雪期にしよう」とずっと思っていた。それがやっと、イソさんの同行で実現した。
５月１日　雷鳥平組と室堂まで入り、テント設営を待って、別山乗越まで上がる。ここでわかれて、剣沢まではスキー滑降で数分。これが今シーズンは初スキーだ。

５月２日　朝５時半、ベースキャンプを出発。朝から雪がゆるくてズボる。剣山荘までトラバース。一服剣に上がると、第一の難所・前剣の雪壁が迫る。雪壁は雪がグサグサで、足場が崩れると危ない。でも、前日迄のトレースがあるので、相談してザイルを出さずに登った。前剣を過ぎるとご機嫌な雪稜のトラバースや下りが続く。ステップもあり、風が無いので、スタスタ進める。平蔵のコルで一息いれて、岩場にとりかかった。
　岩場の鎖・金具などは完全に出ていた。直上して右に折れ、岩溝状をへてまわりこむと、雪田となった。。そして、わずかな岩場を通り、最後の雪稜を登ると剣岳山頂があった。
　９時前に山頂到着。イソさんもすぐに到着して握手した。まわりの山は雲をかぶり、剣岳周辺だけが晴れている。なんとラッキーな。ただ、山頂到着をテレビ中継すべく、高岡の局に待機してもらいテレビ機材も持参したのだが、調整不足で画像にならなかったのが残念だ。

　下りは慎重に、でも登りの半分以下でコルに戻った。コルからは、安全第一で平蔵谷を下る。歩きとシリセードが半々。最後は長い長い、雪が腐った剣沢の登りにアゴを出した。でも、ベースに戻ってのビールは最高だった。
　下りは鎖場で２人組、コルで危なっかしい感じの９人組とすれ違った。あの９人組は大丈夫かな、と話していたら、午後に県警のヘリが飛んだ。ラジオを聴くと、前剣の下りで滑落・骨折した９人のうちの一人を運んだのだった。。

５月３日　朝、別山乗越に上がり、カリカリのバーンを、登山靴のフリートレックで荷物かついでこわごわと下る。雷鳥平に荷物をおいてからは、真砂岳まで滑りにでかけた。午後、温泉で皆と合流でき、夕方はテント場で大宴会となった。

５月４日　荷物を背負い、ミツさんとスキーで一の越にあがった。タンボ平へのルートは雪が切れており、御山谷に滑り込むと、タンボ平の何倍もすばらしいバーンだ。広い谷に良い雪質なので、フリートレッにと登山靴でも、楽しみながら下部まで滑れた。終了点での登山道探しには苦労したが、黒四ダムが見えてくると、無性に下界に帰りたくなくなった。
　雪山のすばらしい四日間。夢だった雪の剣に登れたことを、仲間と山に感謝したい。