「コピー機やレザープリンターの
トナーで基板を作る」奮戦記


10月10日 久しぶりのお休みで、24Gの基板をなんとか自分でエッチングして作れないかと考えた。が、0.2mmテフロン基板だと50オームラインは幅約0.5mmである。これは、テープを貼り付ければよいのだが、カップリングの部分が問題だ。2.2mmほどカットして、2.1mm長さのモノポールが0.1mm間隔で向かい合うようにする・・・そんなの『イーカゲンにマイクロ波』とか言っていて、できるはずないじゃん・・・

 でも、これをイージーゴーイングで作りたい・・・。(という偏屈な欲求・・) じゃあ、コピーで基板 したら作れないかな???

さて、そこで、一応、ダメモトで作ってみることにした。以下、コピーで基板の基本形。(HamJounarl No.97を参照。)

1)まず、基板パターンをRSGB/ARRL インターナショナルハンドブックからスキャン。
2)画像処理ソフトで0.25mm基板と0.2mm基板の違いによると予想されるストリップラインの幅を補正。(80%にした)
3)で、これをプリンターで打ち出す。インクジェットだけど、割とエッジも見えている。
4)これを、近くのコンビニでコピーした。
5)さて、これをアイロンを高温にして、基板に転写しよう・・・コピーした用紙がべったりついたら、ブリーチを入れた水に一晩つけて置いて、はがれるのを待つ。

・・・でも、やっぱりこの方法では、とてもまともにはならなかった。うーん・・・駄目か。

で、癪だったもので、ついつい衝動で TTS(トナー・トランスファー・システム)のWEBサイトを見て、「転写用紙」と「転写機」を注文してしまった。まあ、200ドル程度だからいいかな。・・・

10月11日 WEBで申し込んだら、送料がよくわからなかったので、そのままにしていたもので、メールが来た。UPSというのは、何でも国際宅急便らしい。で、片言の英語力で読んでみると、「送料が100ドルはかかるのだが、重さの規定からまだまだ余裕がある。転写用紙だけではなく、グリーンの保護用紙も必要だよ。返事を待っているからね」てな話のようであった。これで合計300ドルとなってしまった。
 しかたなく、転写用紙をもう一つ加え、グリーンの保護用紙も注文。さて、何日で届くのかな???

10月15日 荷物が届いた。なぜか「1600円着払い」だったのだが、調べてみたら、稀代の悪税である「消費税」をとられたらしい。プンプン。気になる『転写機』は、ラミネートのパウチのための機械のようだった。これなら国内でも売っているかも知れない。(MADE IN CHINA とあった)
 さて、これでさっそくやってみよう・・・と思ったのだが、コンビにでは持ち込み用紙でのコピーは駄目だった。あらららら。どうするべ。

10月17日 某所で転写用紙にコピーしてきたパターンでいよいよ実験的に基板を作ってみることにした。

1)コピー機やレザープリンターで左右反転したパターンを転写用紙に打ち出してやる。
2)アイロンか専用の転写機で基板に転写する
3)水に浮かべると、転写用紙はパラリととれる。残りの糊は水で洗って流す。
4)グリーンの保護剤を同じく上から転写する。
5)これをひょいひょい とエッチングする
6)アセトンでトナーなどを除去する(実際はマニキュアおとしです)

で、試しに作ったのは、DUBUSのTECHNIK 3に出ていたDB6NTの基板パターンを0.8mmのテフロン基板に焼くもの、それとINTERNATIONAL MICROWAVE HANDBOOKにあったDB6NTの24G基板を0.2mmテフロンに換算したものなど

転写機を通してから、水にいれると、サッと転写用紙がはがれるので、その点では、この用紙はかなり使える。が、コピー機ではなかなか24Gのカップリングのエッジはうまく転写できない。また、コピー機で転写して持ち帰った間の時間もよくないのか、端についてはうまく転写できない部分が残ってしまった。

グリーンのトナー保護材は、トナーのついた所はちゃんと保護してくれるので、パターン切れはトナーがついている限りは大丈夫だ。エッチングは普通にやったが、終わってから、マニュキアはがしで表面をはがした。百円で買えてアセトンらしいのだが、香りが強いのが困ったものだ。

で、できあがりは、左の5G用はそこそこ使えそうだ。が、下の24G用はこのコピー機での転写では駄目だ。仕方がないので、レザープリンターで転写してみてどうか という方法で試してみたいと思った。これで作った5G用基板は、430M IFでの5G-TRVでも作ってみようかな。






10月18日 いやーっ、衝動に弱い上に山の神が不在とあって、帰りにブラザーのHL5040を購入してしまった。これは町田のヨドバカで、25K円ほどだった。用紙をトレーにいれたまま、フロントから手差しがやりやすいつくりになっていたのと、ネットワーク経由での印刷モデルがほぼ同じタイプなので、テキトーなプリンターサーバーで使えるろうと考えて、これに決めた。

が、これが どうもとんでもないハズレだった。・・・トナーがなぜか転写できないのだ。綺麗に転写用紙に出るのだが、アイロンでもわずかな線がでるだけ。転写機ではまったく出ない・・・。うーん、トナーってそんなに違いがあるのかなぁ?????とりあえず、メーカーのサポートにメールをした。(今日は土曜日だから月曜日には返事があるかな。)

10月20日 ブラザーから返事があった。返事が迅速なのは、なかなか評価できる。返事は引用、転載しないでねと書いてあったが、趣旨としては「定着器を通して、こすれても移らないようにしてあるので、転写器程度ではまず転写されることはないつくりになっている」との事である。アラララララ・・・・。ご勘弁くださいませ・・・。

#まあ、一般的な使い方からすれば、この製品仕様はすぐれていると思う。だったら、パンフレットにもその旨を記載してほしいなぁ。そうしたら買わなかったのに・・・。

10月25日 今日は、LBP320をいただけるとという事で、OM宅を訪問した。紙送りに難点があるのだが、手差しで一枚の場合は関係がない。某所のキャノンのプリンターで打ち出した文字をアイロンで押すと、トナーが転写されるので、多分、大丈夫だろうとあたりをつけてから伺った。

 で、夕方に飲み会が一つあったので、そちらに行ってから転写用紙で打ち出して、基板に転写してみた。すると、一応、転写はされるようだ。しかし、どうも、トナーがうすい。転写用紙のトナーがなくなっても、隙間が見えるのだ。うーん・・・・設定をかえてみよう。

10月26日 昼間は川崎に行き、午後は仕事をしていたが、夜にトナーの濃度をあげてテストをしてみた。するとかなり濃い目にできることはわかったのだが、それでもなんだかうすい気がする。で、転写機をとおしてみたのだが、なかなか全部をきれいに転写しにくい。基板がうすいのがいけないのかも知れない。(0.8mm)

10月31日 今週は毎日遅かったもので、、昨晩も晩飯の時に一杯やったらば、そのまま沈没・・・。10Gロールコールは機材不調とアルコール変調により不参加。hi

でも、二時間ほど寝てから復活して、TTSによるトナーで基板に再挑戦した。

先週、不要との事でいただいてきたLBP320を使って、いろいろと設定を試していたが、次のようなことがわかった。

1)設定で「ディザリングなし」とすると「黒ベタ」ができ、これだと濃いように見えたのだが、処理の関係か、トナーが転写不可となる。これをはずして、濃度をいっぱいあげるとOK。

で、まず一枚の紙に印刷してやり、そのパターン部分に両面テープで転写用紙を切ったものを貼り付けて手差しで印刷した。この方法は、某大学のWEBで紹介していたものだが、用紙節約にはよい。

で、何度か挑戦してみたが・・・

2)そもそもスキャナでとった画像が結構、荒いので、これを修正しないとコピーで即ストリップライン とするのは無理っぽい。

3)どうも転写機の圧力が足らないのかな、と思って二度ほど通したのだが、転写できたものの、やりすぎると糊がしつこくついてか、はがすときに一部が紙の側くっついて剥離してしまう。今度は基板の下に厚い板でものせてやってみるか・・・。

4)また、小さな基板の場合、外側にダミーの塗りを作ってやるなどしないと端が剥離しやすい。

・・・てな事で イマイチ。多分、コツがわかったらもっとできると思うのだが。

とりあえず「2240Mから4480Mへの逓倍基板」をガラエポの0.8mm基板でトナー転写、グリーンTRF転写 パターン切れ補正までやってみた。今日の夜にでも見直してエッチングしてみるかな。

11月1日 今日は、夕方から基板作りを始めた。今回は、PCBEで作るIF-AMPと制御部がテーマだ。

1)まず、パターンを作り、レザープリンターで打ち出す。
2)このパターンの位置に、転写用紙を貼り付けて再度印刷する
3)これを転写機にかけて・・・ 
4)水につけたらパラリ・・・なのですが、またまた端がとれてしまった。
5)グリーンの保護膜をつけてやる。
6)端の切れた部分を仕方なくマジックで補正。

さて、エッチングして、マニキュア落としで清掃・・・。穴あけをして・・まあまあのできだ。マジックで書くよりはいいなぁ。4G逓倍の基板も作った。


もうちょっとかなぁ・・・が、部品をつけだして気がついた。ありゃあ!!こりゃあ、リレーの向きが一つ反対だぁ・・!!!!仕方なく、一つを裏側、一つをパターン面につけた。お粗末様。これで動くかな、発振しそう・・・。パターンだけは直しておくかなぁ。



11月2日 今日はよい天気だが、午後に子どもの文化祭の劇を見に行くことになり、結局、中途半端な一日となった。

で、帰ってからトナーで基板 をまたまたしつこく試した。今度は冊子のコピーを工夫してとり、ストリップラインではなく、細いパターンのものをスキャンした。それで、どうも端がかけるので、基板の外側に太くて塗りつぶした部分を作ってやった。

それでとったら、「おー!!きれい!!」となったのだが、パターンをみて、がっくり・・・ こりゃあ、左右が逆だ・・・。反転を間違ったようだ。

で、もう一枚、気楽にやったら、今度は少しかけてしまった。どうも、いかん・・・でも、まあ使えそうだが。特にグリーンの保護膜をはる時に紙をはがすのにあわてると、トナーが逆にとれてしまうようだ。仕方なく、マジックで多少修正した。


まだまだ修行の道は続きそう・・・。