谷川岳東尾根

HIGASIONEDEAI.JPG - 11,019BYTES 数年来の目標だった谷川岳東尾根は、谷川岳からマチガ沢と一の倉沢を分かつ急峻な尾根、そして雪稜の入門的なバリエーションルートとされている。今回、天気の読みは大当たりで、特に朝はピーカン、夕方まで山が綺麗に見えていた。

 星の見える中、4時出発・5時20分一ノ倉出合着。4人パーティと単独のIさんとが、本日の東尾根組であることがわかる。Iさんが終始先行、ルートファインディング・ラッセルと馬力がすごかった。一の倉のデブリSHINSEN.JPG - 14,601BYTESは、まだ大きなブロックがなく、上に雪がかぶっていたものばかり。以前、二年前に偵察した時よりも小さく少ない。一の沢からシンセンのコルまでは割と硬い雪が多くニンマリ。


 コルで支度して出発。第二岩峰(?)は、右から巻けると書いてあるがそんな感じではなくて、雪を拾いつつ登った。(ロープ使用)
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 その後、広い雪稜となったが、左はマチガ沢側の雪庇なので気を使う。先頭を行くIさんになかなか追いつかず、追いついても抜かすほどの馬力がでないのが悔しい。雪は腐った重たい雪だが下には週末の雨で固まった氷の層があり、典型的な弱層がその上にある。また、シュルンドが開き始めており、所々でボコっと落ち込む。雪壁状のハングした段差が大きく前を塞ぎ、ここでルートをIさんと一緒になって探した。なんとか、一か所だけわたれる所を探して乗り越え、しばらくラッセルのトップを行ったがすぐに交代。なさけない。HIGASHIONE3S.JPG - 24,553BYTES
 もう終わりかなと思ったら、第一岩峰が迫ってきた。一番近い巻きルートは草付が溶けていてダメ。残置シュリンゲのある岩場は交代でチャレンジしたが、あと数歩が越えられない。結局、大きく雪面を巻いて抜けたが、ここで一時間近くをロスした。ずいぶん後ろでロープを固定して登っていた四人組の声が聞こえてきた。
 その後は、頂上にあがる雪壁と雪庇の乗り越えが待つ。どこから越えるか…三人であーでもない、こーでもないと思案しつつ、左の雪庇の切れていそうな場所に向かう。雪がグサグサで支持力がないのだが、ダマシダマシでステップを固めて乗り越える…
 「やった平らだ」との声。私たちも続いて乗り越えて、14時50分に1977mの山頂に立った。写真をとってから、時間も迫っているので、天神平下山に変更。今日はトレースもあり、雪も硬いので16:20には天神平のロープウェイに乗る事ができた。ルートファインディングとトップのラッセルの多くをIさんに依存したのが心残りだが、一応、一緒にルートを探して登ったとも言える範囲の行動はできたとは思う。以前から一度は登ってみたかった谷川岳東尾根。絶好の晴天に登ることができて、すばらしい一日となった。そして、終わってからジワーっと喜びが広がっていくのを感じている。

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