北岳からの通信実験結果を検証する・・・・
山に上がって、無線をやって、温泉とビール・・・これでこそ、生きている甲斐があるというものだ。でも、それだけでは、「無線の実験ってなんなのさ」と
いわれてしまいそうだ。単に交信しただけ ではやっぱりイカーンと思った。さて、そこで、北岳からの運用をカシミールなど使って解析してみることにした。
1)JI1XBC 千葉市・中央区の場合
「Sメーターがはりついてます」とのレポートをもらった。カシミールで見ると、図1のように、完全に見通しとなっているようだ。なるほど強いはずだ。し
かし、千葉がどこでもよいかと言うと、そうでもないようだ。鹿野山との見通しを見ると、図2のように見えはしない。今回、鹿野山移動グループは時間帯がず
れたので交信できなかったのだが、この図から見ると、できない事はないだろうが、XBC局との間ほどではなかったかも知れない。
図1 図2
2)JA1CYC 横浜市・港北区の場合
24GもFSで交信できた。カシミールで見ると、図3のように見通しとなるようだ。なるほど、やっぱり見通しは強いなぁ と改めて思った。
図3
3)7L1RLL 川崎市・麻生区の場合
ここは複雑な地形なので、場所の特定が難しい。単純に適当な場所でやったら図4のように見通し外とでた。ただ、不足分が30mと少しなので、高層マン
ションの上のほうで運用されていると、やはり見通しとなるようだ。肩の小屋からだ
と なのだが、この程度だと5Gは問題が無いようだ。
図4
4)JG1GVP 埼玉県・志木市の場合
1200Mはばっちりだったのだが、5GはMY 41 HIS
55程度だった。調べてみると、図5のように見えない。これだったらもう少し強く交信できてもよいのだが、角度が悪いのかもしれない。
図5
5)JE1XHP さいたま市の場合
1200Mはできたのだが、5G
10Gともに通らない。5Gはビートはつかめるが・・・との事だった。カシミールで見ると、さいたま市の大半は、奥秩父がふさいでしまうようだ。ひょっと
したら都心の反射の方がよかったのかもしれない。
6)肩の小屋からJA0RUZ 長野市の場合
1200Mはリピーターで交信して、5Gをテストした。「槍ヶ岳方面の北アルプス反射」で交信ができた。しかし、10Gは信号がこちらでは確認できた
が、こちらの弱い信号では届かずに終った。反射だとどうなのかな・・・と経路をとってみた。長野から槍ケ岳方面だと、常念岳があたるようなので、これで
とってみた。すると、常念が見える場所であれば、反射する山全体が大きく見えているようだ。
以上を総合すると、やっぱり山岳移動では「見える」「見えない」が非常に大切になるようだ。見通し外通信ができないのではないが、アンテナが小さいことも
あり、ALL-MODE機を持っていっていないこともあって、見通しを確認して計画をねった方がよいだろう。・・・って、当たり前のことかなぁ??
7)北岳から首都圏の見通しは???
さて、最後にカシミールの可視マップ機能を用いて、北岳から首都圏を見通してみた。屈曲率を光のままでやったので、実際にはこれよりも見える部分は多く
なるとは思う。ただ、これで見ると、文字通り見える場所は「点々」としかないことがわかった。うーん、これではイマイチになるなぁ。
北岳から首都圏への
見通し図 ピンク色
の部分が可視部。