NF調整 事始め
12月15日 思ったよりも帰宅が遅くなったので、ノイズソースもどきの「基礎実験」(?)をしてみた。
まず、1N23Cをジャンク箱から取り出した。確か200円位で以前買ったもの。これに3Kほどの抵抗をいれて、逆方向で電流を流してみた。1.5mA程度にして、24G
TRVのホーンの前でダイオードを動かすと・・・おっ、場所によりノイズがSメーターで2にして2つ程度あがる。これはむき出しでの実験 というか、やってみた というレベルではあるが、一応、ノイズが出ているしい事を確認できた。
さらに考えたら、24Gのガンダイオードユニットを持っており、これにもミクサーダイオードがついている。ジャンク箱の中をあさって発掘して(これが時間がかかる・・・hi)取り出した。同じく3K程の抵抗を入れて、逆方向での電流を流す。すると、やはりホーンアンテナの前で位置を調整すると1.5mA程流した所でSメーターが3つほどあがるノイズが出た。
とすると、マイクロ波用ダイオードであれば、そこそこ使えるという事のようだ。1N23はしかし、24G用の導波管には大きすぎて入らない。はみ出すので、一部だけを入れるか10G用の導波管からテーパーさせる必要があるようだ。
TRでの実験もしてみたいと思いますが、7L1WQG荒井さんが製作されていたNECのTRは手持ちがない。Ftの高いBPF420がどこかにあったはずなので、発掘してみようかと思う。でも導波管型で作った場合に、ダイオードのON/OFFで信号を取り出す側につけたプローブ(SMAコネクタだけですが)ではどんな影響が出るのかに次の関心がある。これがたいした事がないならば、24G/10Gあたりのノイズソースは、ごくごく簡単に作れるとい
う事になると思う。47Gではさすがに検出するだけの調整ができていないのでわからないのだが・・・。
12月25日 昨晩、作業机の片づけをやってようやく作業スペースが復活したので、今日は朝から、JA5FNX 田村OMのパソコンを使ったNF測定用の環境を、セットしてみた。
構成は・・・
NECのWIN-XPの乗った CEL-466Mの時代遅れパソコン
インターフェース はCQ誌の記事の通り製作 28Vを出力
ノイズソースは添付した 1N23をダイオードの壊れていたディテクタにセットしたものとトラジューを向かい合わせたもの。略式に、抵抗だけで電流を制限。親機はIC1271
・・・という具合だ。
これで、IC1271のRF-GAIN(AGCを可変してSメーターが振り切れていく)をS=9程度にあげて、ON/OFFすると、ゲインのほとんどないDUAL-BAND
QRP の10Gで6dB程度、出力が変わった。RF-VRをあげないとAGCで逆に信号が減ってしまう。そこで、AUTOにしたら NF 10dB〜11dBの間で変動した。これ、ENRがわからないので、絶対値ではない。
で、次に移動用のDUAL-BAND TRVを取り出して比較した。すると・・・なんとこちらの方がNF 12dB近くで悪い。さらに初代のTRVを出したら、どこか発振しているのか、動作が変??・・・という具合で、とりあえずは比較ができることはわかった。
ただ、この「抵抗で電流を制限」という方法だと、ノイズ量が変動するようでだんだんNF表示があがってきた。ノイズが減るんだろう。せめて次に、
定電流回路を作ってあげないとダメなようだ。さて、これで24Gで動作するノイズソースもどきも後でためしてみよう。・・・・と、ノイズ出力をはかる環境が一応できたので、ノイズソースを10Gを中心にいろいろ基板上で作ってやってみた。
使ったのは、10G用基板の端切れ。これにダイオードとかトランジスタをつけて、逆電流を別電源でながして、ノイズの発生量をパソコン上で見た。もともとが10G用の基板なので、一番、10Gが効率がよいのではないかと思われる。
使ったものは、
BPF420 Ft 25GhzのLNA用トランジスタ
2SC3356 Ft 7Ghz
2SC5754 2.4Ghz 400mW のトランジスタ
その他 ツェナー
計って見たら・・・
BFP420 5mA 6-7dB
2SC3356 7.5-8mA 7dB
RD4.7 10mA 0dB
2SC5754 20mA 2dB
RD18 20mA 1dB
・・・という具合で、意外や意外。2SC3356が健闘している。ただ、BFP420は5mAまでしかテストしなかったので、もっと流したら増えるかも知れない。ただ、ここにあがったものでは、10GでATTを入れるとノイズが不足する。結局、IN23を使って、トラジューの先にアイソレーターを組み合わせたものが、ノイズ量として5-7dB程度で、比較的安定しているようなので、一番よいようだ。
で、安くて、ゴロゴロしている 2SC3356(R25)で、1200Mにして計ってみた。すると・・・
1200M 2SC3356 8mA 15dB
これならば、10dB ATTを入れても使えるので、10dB ATTを入れて、1280MにてIC1271と ジャンク 1200Mプリアンプを入れたものをテストしてみた。
すると・・・ENR 15.6dBにしてある設定で・・・
IC1271 10-11dB
PRE AMP 4-5dB
・・・となった。これでプリアンプの出力にATTを入れると、NF値が多少劣化する。はて、これでいいのかなぁ??トータルゲインも問題となるからいいのかな。でも、ちょっとやはり「ゆらぎ」というか、IC1271の出力そのもののノイズが変動するので、フラツキが見える。もともとノイズをつながないでも、出力がふらふらとしてしまうので、これが原因だろう。
ATV用のIF端子がありますので、ここから外付けにアンプをつけて、広帯域でAM検波したら、もっと良いだろう。でも、これじゃあ、NF計を作っても同じになってしまうかなぁ??144Mあたりが出てくるので、これを増幅して、AM検波したものを使ったら安定したものになると思う。
さて、工作ついでに、簡易ノイズソースの元々の目標である24Gでの測定と調整を試みてみた。
まず、ガンダイオードユニットに内蔵されているミクサーダイオードに逆電流を、流して使ってみた。反対側にはトラジューもどき(底がまだついていない。)をつけて、アンプをつないでみた。すると、これで1.5mAでノイズが5-6dBほど出力される。そこで、これをTRVとアンプにつないでテストしてみまた。
すると、接触の問題なのか、値は時々ドカッと変わってしまうが、傾向的な比較はできる。
裸のTRVで8dB程度 切り替えリレーを通して9-10dB程度。
これに クーヘンの基板で作った三段アンプを入れて5dB-6dB程度
NE350184Cのアンプ 調整中で 6-7dB程度です。
これでアンプの調整を試みて、一応の変化は読めるが、どうも絶対値はさすがに変動する。また、10G用の1N23を使ったユニットをそのままつないでみたら、これでもノイズが3dBは出た。ですから、これを導波管につなげば、そのまま使えそうだ。・・・という事で、とりあえず、簡易ノイズソースは導波管に1N23などを入れれば、24Gでもそこそこ使えることがわかった。これにSMAでのアイソレーターでもあれば言うことはないのだが、まあ、それでは簡易型の価格におりあいそうもないかぁ hi
12月27日 今日は、子どもを医者につれていったり、台所の換気扇・レンジ台周辺の油汚れの掃除などで半日つぶれた。もっとも、今回は「ためしてガッテン」で紹介していた「油汚れに洗剤をかけてラップをかけて、ドライヤーで1-2分暖めてからふく」という方法でとても効率的に綺麗になった。これから動員されている方には、絶対にお勧めしたい。工作の時間が倍にできそうだ。hi
さらに、2.4Gが不調となったので、直下をおろして点検したら、下にあるTRVも不調とわかり、あっちかこっちか・・・と修理に数時間かかった。
このTRVは、あけてみると、「いやまあ、これでよく動いていたな」という代物。・・・と自分で言ってはしょうもないが。五年も経過するとあちこち緩んでしまって、直下アンプも動いてなかったし、TRVもすっかり接触不良でおかしくなっていた。明日、朝のうちに上に設置し直すかなと思っているが、朝は寒いよねぇ・・・。
さて、ここまでで昼になってしまったので、ようやく、ノイズソースもどきに使っているトラジューのバックショートがついてなかったので、ここにいれる金具をヤスリでゴリゴリとアルミ板を削って作った。もっとも5mm×10mmを削って、厚さを4mm程度にしたもので、横が0.5mm程度あいている。これ、本当はよくないよなぁ。でも、ぴったりの部材がなかなかない。5mm×15mmから削ればよいのだ、なかなか大変だからなぁ。
・・・でも、バックショートを前後させたら、ノイズがぐっとあがる場所があった。FMだと52-53程度の空Sが、ノイズONで59+になった。SSBでも51から56-57程度になった。そこで、手持ちのATTで24Gで使えそうなものを9dB程を入れてみた。これで2-3dB近くノイズが出る。だから、アイソレーターとかATTを入れてやれば、そこそこ使えるものになりそうだ。ATTを入れないとこれだとノイズのレベルが高すぎて使いにくそうだ。こんなに出るとはびっくり。
これでとりあえず、調整する環境はできてきたので、さて、もう一度、24Gアンプにも挑戦してみようかと思う。でも、NF調整はやっぱり難しいなぁ。
12月31日 昨晩から荒れそうなのでとっとと山から降りてきた。どうも逃げ癖がついたようだ。hi
槇岡さんが、NE350184CでNF=2を切ったとの事で、こりゃあ、確かに良い石のようだ。(基板のカップリングがあえば。)この石をDL2AMがDUBUSで紹介していたのが、2004の夏の号。それから一年以上たつのに、国内ではまだ発売にならない。近くて遠い国 ニッポン??なんだか不思議だ。簡単に入手できて価格もこなれれば、いろいろ使えるのだが・・。
で、今朝から「私もこれにあやかろう」とゴソゴソとマネシンボしていじってみた。スタブを全部とってしまって、いつもと逆に二段目から調整して、一段目にはほとんどスタブをつけずに入力部のカップリングをいじった。ゲイン15dB程ですが、簡易測定で3-4dBと推定値で出た。やっとクーヘンのアンプよりもよい数字が出た。やっぱり入力マッチングのヒゲが効いたようだ。これでやっと、今まで我が家で最もNFが低いと思われていたDB6NTの三段基板と取替えて比較しての測定で、下回る数値が出るようになった。ゆらぎが大きくて、「値」としてはイマイチだが、1dB近くよい感じかな。まだ良くなるはずだが、この環境では細かい調整はいじりにくい。
1月5日 さて、正月休みというのは、実にせわしないものだ。それでも、元旦は部品箱の整理をしてから、24Gマーカー信号発信器を製作した。また、ジャンク箱から発掘した21M→144Mコンバーターを改造して、144M→28MのNF測定用コンバーターに調整した。その後の二日間は実家周りでおしまいである。さて、そして今日は、昼から「初もうで」として、修理品・QSLなどをハム月販にて出してから日新町におまいりにおじゃました。相模原のハム月販までは、いつも通りに自転車片道40分ででかけた。正月の運動不足を解消しないと・・・
hi
さて、川崎におじゃまして、NF測定をさせていただいたのだが、いくつか持参したうち、どうした事か、前に調整してから放置してあった24G-LNAが不調になったり、収まっていた発振がお化けみたいに出てきたり・・・と満足に測定で使えるのは、一つだけとなってしまった。でも、この一つ、槇岡さんの調整したNF2.5dB台を示すLNAの前にATTをかましてから入れたら、なんとNF
1.5dBを切る表示が出た。ゲインは14-15dB程度なのだが、びっくり。ウソ・・っと思って、いろいろやってみましたが、本当みたいだった。(でも、やっぱり後で考えると、発振気味になっていただけみたいな)
この事からわかったのは、24Gみたいにゲインがそう簡単にかせげない場合、全体としてのトータルなNFを改善するには、最初段だけでなく、二段目、コンバーター全体のNFを改善しないと意味がなくなるという事だとのお話しを聞いてきた。なるほど、それでドイツなどの連中は三段アンプで作っているのだろうか。不覚にも発振が再発したもの、発振をとめたらゲインもNFも下がってしまったものなどいろいろあるのだが、これをなんとか整理してやって、24G
受信部を改善したいものだ。
1月6日 今日は近々導入される予定のNF測定器にそなえて、28MのIF-AMPを作ってみた。構成は 2SC1815のカスコードアンプを二段。これだと一段あたり石が二つ必要だが、ゲインコントロールが設定できる。元ネタはCA3028もどきを2SC1815で作ってしまえ・・・というJG1EADのサイトからいただきました。
最初、一段で組んだら、ゲインが20dBと少しで、飽和出力が18dBm程度だったので、二段にした。これでゲイン45dB 飽和出力18dBmとなった。。
ATTもジャンク箱から可変できるステップタイプが出てきたので、これらを箱にいれておく必要がありそうだ。さて、どんな構成で箱に入れましょううか。144M→28M
コンバーター 28Mコンバーター それに加えて、1200M→144M コンバーターを一つにいれるかどうか???それもとりあえず、一つ一つを別の箱にいれて組み合わせるか??・・・・ちょっと考えてしまう。考えている時が一番いいですな。hi
1月7日 今日とで正月休みもおしまいである。本当は、明日・明後日が連休なのだが、なんと、勤務先の生徒会合宿で仕事なのである。トホホホ。しかし、今日は大きなイベントとして、大宮に向かった。NF測定をした上で、測定器一式を貸与していただきにでかけたのである。
さて、これがまたすごい測定環境なのだが計ってみてガックリとなった。NF測定以前に発振をはじめれてしまうのが多いのだ。こりゃあ、ダメだ。
ちなみにLNAのNFは一番良いもので3.3dB程度。どうもNF 1.5dBにはまだまだの道が続きそうだ。
しかし、簡易ノイズソースのENR測定結果は、びっくり・・・のものだった。
・WR42のガンダイオードユニット内蔵ミクサーダイオードに1.5mA流したもの
3dB ATT を加えて ENR 14.5dB (直接だと17.5推定)
すごいノイズ量だ。これで安定すれば、十二分に使えそうだ。
・2SC3356を使った簡易ノイズソース(結合はチップコンを使っている。)
24G ENR -4dB
10G ENR 14dB
5G ENR 13dB(3dB ATT)
2.4G ENR 12.6(3dB ATT)
1.2G ENR 16.5dB(6dB ATT)
特に下の2SC3356のものは、実は抵抗で電流をあわせただけの簡易型で、定電流にもしていないの、ころころノイズが変化してしまう。でも、なんと24Gでもノイズは出て、10Gまでは十分に調整には使えそうだ。(もっともアイソレーターを入れないとダメだろうが。)
種をあかせば、中身は10G用基板の残骸と思しきものを使って組んだので、10Gでの値が5Gよりも良いのかなぁと思われる。ただ、これ安定しないので、定量的な測定には向かないだろうなぁ。これからはちゃんとしたNF測定環境を設置して、寝不足に負けずに、調整にがんばってみよう・・・。いよいよ、NF測定の事始め である。