NF測定〜地獄の道は険し・・
1月に、NF計一式を貸与していただき、怪しげな工作をもってする我が家に、『似つかわしくない』測定器が座った。
しかし、測定器というものは、実は「知らなければよかった」という数値をつきつける事が多いものである。特に理屈のちゃんとしていない私の所ではNF計
はその最たるものであった。
NF地獄の一丁目・・・そして気管支炎になる
あらゆるモノを計ってみたくなる
NFはいくつあったらよいの??
スペアナとNF計の相性??
パンドラの箱
チップコンあなどるべからず
24GのNFは難しい・・・
IFの周波数帯域はどうだ?? ・・・そして、インフルエンザにやられる
NF
地獄の一丁目
1月7日 NF計その他をかかえた上に、百均の「金属ラック」を買って、自転車で必死の形相で帰った。(大荷物かかえていると、たいてい自動車は逃げてく
れる。アイツはヤバイ・・・という表情で HI)
さて、晩飯をはさんで、測定器ラックの入れ替えをした。買ってきた金属のラック(45CMx25CM)を組み立てて、これにhp432aやその他の小物を
入れた。そして、8620を動かした後にNF計を設置。コンバーターは横の棚なので、ATTもこちらに止めた。さて、これで測定できるはずだ・・・。
しかし、コンバーターをつないでNF計を動かすと、なんだか変だ??144M→28MコンバーターをスイッチONすると、何もつないでいないのにAGCが
かかってしまう。まず、IFアンプを外してみたが、それでも変わらない。しばし、コンバーターをあけて、四苦八苦した。ふと「局発が飛び込んでいるのでは
ないか??」と考え付き、試しにゲインにしてみると、コンバーターを入れるとグンと信号が入る。これだ!! とトラップをFCZコイルで作った。FCZ
25に12Pfでコイルをチューンすると、グンと落ちる場所があった。とりあえず、二つほどトラップを入れた。考えたらこれは38.66Mでは近いという
事だから、58M付近の石にかえたらよかったかな??これで普通に動作できそうだが、ゲイン測定をするのには、周波数構成をかえるとか、しないとだめなよ
うだ。いっそ、コンバーターを作ってしまった方が早いかも知れない。DBMでも使って、高次発振させれば、考えなくてすむだろう。hi
で、ここまでで気がついたら23時をまわっていた。この時はまだ理性が働いて思っていた・・・「ちょっと計るだけで今日は寝よう・・・」と。
さて、これにUTV120B改をつなぎ、24GのTRVのNFを計ってみた。いやーっ、これはガックリする値。なんとNF
18dB位。さて、次々とTRVを出して計ってはがっくりする事が続く。ただ、以前仕入れたジャンクの1200Mプリアンプだけは、UTV120Bにつな
いだら、なんとNF 1.9dB と出てびっくりした。これはいいやぁ・・。真のNFは多分、1dBそこそこのはず。
これで寝ればよかったのですが、昨日、測定して「がっくり」した物をつないで、「ちょっとだけ」といじりだしたからアカン。TRV単体ではNFは悪すぎる
ので、その前にクーヘンのアンプ(測定した中では一番良かったもの)をつないで、その前に調整するアンプをつないだ。今までは、一段目スタブをつけない
で、入力部のヒゲだけでいじっていたのだが、今回はDUBUSの記事のマネをして、同じような位置に割と大き目のスタプをつけてみ。すると、これでいくつ
かあるうちの一つは、NF 3.5dB程度まで落ちた。さらにヒゲをつけるとNF3dBを切り、蓋をすると2.8dBとなった。
ここで時計を見たら、なんと2時を過ぎており、あわてて風呂に・・。既に水になりかかっていたが、沸かして浴びて、3時前に寝る。・・・やっぱり夜更かし
してしまった。ちなみこれから生徒会の合宿会議で泊まり・半徹夜が待っているのだが。
それでも、朝、8時過ぎに起きると、自然とNF計に向かってしまい、朝一番に冷やして図ったら、NF
2.5dBとなった。ついつい欲が出ていじりだしたら、止まらなくなる。この状態で、入力部を調整用ドライバーの先でスタブ風に回していくと、グーッと
NFが2dBを切るまで下がる場所がある。もう一歩・・・なんだが、これが線ではなかなか再現できない。一年半ほど使ったコテ先がポロッとかけてしまい、
どうも細かい作業には向かないようだ。また、ヒゲのホルマル線も0.3mmでは、太いようで、0.2mmか0.1mmを探してきた方がよいようだ。・・・
という事で、仕事にでかける時刻となったので、片付けて出てきた。目下、ヒゲをとった状態で3.4dB
程度。さて、この調子でやっていると、社会復帰できそうもないのだが、とりあえず、一日目の到達点はNF 2.5dBかなぁ。
1月9日 昼まで仕事の会議が続いて半徹夜。しかし、帰りに先の細いコテと0.2mmホルマル線などを入手して帰った。そして、荷物の整理もほったらかし
て、NF計に向かいだしたのだが、しばらくやって一向によくならない。
なんだかヘンダナ と思ったら、9Gくらいの発振がいた。よい結合器がないのでスペアナの先を出力部分に自然に結合させて9G周辺を広いスパンで見ること
にした。これで発振すればわかるはずだ。
いろいろ触診すると、やはりバイアスラインをおさえると止まる。また、二段ある基板の真ん中あたりを強く抑えると止まる。これはどうも基板がゆがんで隙間
ができて発振するのかなぁ とここにネジをつけてみた。しかし、2mmネジを締めようとしたら頭がポロリ。仕方なく、その周りに二つほど1.7mmネジを
ナットと使ってとめた。でも、あまり一箇所を締めると発振が再発する。
さて、これでひとしきり調整をして、「あれ、ゲインはどうだろうか」と調べると・・なんと数dBになってしまった。なんだこりゃ・・・ そう言えば、NF
だけが見かけ上でよくなることがある との話を以前、MLでWQG荒井さんか書いておられたような気がする。これかいな・・・。
さて、そこでマーカー信号でゲインをもう一度調整して、NFを見ると、7dBくらい。ここから再度、゜いったりきたりして、なんとかゲイン15dB
NF
3dBまで戻った。ポイントは、やはりゲートから少し先のスタブの大きさ。うーんと、小さい頭だけ出るくらいが丁度良いようだ。また、入力コネクタ部にヒ
ゲではなくて大きめのスタブをつけたらここもよくなった。でも、Nf
3dBを切るのはなかなか大変のようだ。・・・とやっていたら、昨日は4時間睡眠なのに、またまた23時になってしまった。ああ眠い・・・明日からは生活を改善しないと倒れそうだなぁ hi
・・・なんと言っていたら、案の定、気管
支炎になって高熱を出してしまった。
あ
らゆるモノを計ってみたくなる
1月13日 風邪が多少持ちなおしたので、NF計とにらめっこを再開した。
ただ、24Gはどうもよい結果が出ず、3dBを少し切るあたりで足踏み。そこで、他のバンドはどうだろうか・・と10G/5Gの基板のLNAで組みかけの
ものをいじってみた。
10Gは現用のDUAL-BAND-TRVを測定したら、なんとNF=15dB程度。まあ、なんとなくゲインで調整するとこんなものか???。LNAをそ
の前につけて調整してると、NF2.6dB程度から、余計なスタブを取るとNF=2dBを少し切るあたりまでは良くなった。NE3210ですから、もう少
しよくしたいものだが、まあ、地上用ですから、無難な数値だろう。
5Gも、DUAL-BAND-TRVにつけて測定しましたが、こちらもNF=10dB程度。こちらは、二石基板で作ったLNAのトップのスタブを外して、
以前MLで流れていた「NE3210のゲートから3mmの所をカット。3mmの線でLを入れる」という方法を試してみた。これで多少、ゲイン中心よりはよ
くなったかと思ったが、さほど劇的な変化はなく、nf=2.5dB程度。ゲインは28dBもあるのだが。
こうして見ると、NF 2dBを切るという事は、そんなに簡単なことではないのだなぁ・・・と実感。今、固定で使っているTRVも恐ろしい値が出そうだ。
NF 2dB台であれば、地上通信用には問題ないのでしょうが、多分、10とか15とか、怖い数値が出そうだ。
NF
はいくつに下がればよいの??
1月14日 NFをおいかけているうちに、「どこまでを目標とするべきか」と考えだした。そこでちょっと考えてみた。
地球は暖かく、熱があるという事は、ノイズを出すということでもある。その温度はほぼ290度Kだそうだ。ですから、地上通信では290度K程度の熱雑音
が常にある。という事は、それを下回るセットノイズの機械で聞いても、ノイズの中にうもれた信号は了解でき無い場合が多い。ただし、仰角のついた信号など
はまた別となる。
この290度Kというのは、NFにして3dBに相当するらしい。だから、通常の地上通信ではNF3dBを切れば、一応の目標は達したと、いえる事が多いの
かなと思う。もちろん、例えば、信号が仰角を伴ない入ってくるとか、断崖絶壁で地面から離れた所にアンテナを向けるような時には、もっと雑音は少ないので
はないかとも思われる。(違うかな??)
それでも、アンプ単体のNFが3dBでも、トランスバーターだと切り替えリレーや同軸の損失もある。だから、NF2dBであれば、1dBの余裕があり、そ
れだけ良いのだろう。そう考えると、NF 1.5dB程度にできると、同軸リレーの損失を入れてもよい耳にできるのかなぁ。
これに対して、宇宙通信の場合には、コールドスカイでは100K位だとか読んだ。もっと低い場所もあるのかな。そこからの電波を考えると、NFは低いほど
よい という事になるようだ。
・・・と考えると、とりあえず、地上用設備としてのNFの水準には、まあNF3dBであれば、達したと考えてもよいのだろう。NFが2dBになっても、
1dBだけS.Nが改善されるだけのようだから。
☆ なーんて書いたら、お叱りをいろいろいただいた。これは地上通信が仰角などを使わないという前提で成り立つ話なので、やっぱりそう単純にはいかないよ
うだ。ただ、一つのものさしとして、NF 3dBをシステムとして切れるかどうかは、目標になるように思う。
ス
ペアナとNF計の相性??
晩は、5G LNAの調整をしていた。このLNAは、以前、NF
1.5dB程度だったはずだが、その後、一年半ほど放置していた。そこで、今の測定環境ではどうだろうか、これ少しゲインが少ないからなぁ・・・と計って
みた。するとNF 2.4程度。いくらもとのコンバーターのNFが高いとしても、これはちと悪いかな と思い、昨晩、「調整」をはじめた。
が、これがまた例の「ドツボ」への道だった。まず、トップの35LGがなぜか動かなくなり、「こりゃあ、飛んだのか・・・」と次の石をつけよう・・となっ
た。さらに、石を取り替えたら、発振が始まり、どうもソースのアースが問題だろう・・・と基板をケースから外して、アースを作り直した。そして、発振を警
戒して、こんな接続にした。
ノイズソース--- LNA -----方向性結合器-----TRV----NF計
|
スペアナ MS710C
これで異常発振は一発でわかるわけ。結合器は4-8Gのものだから、5Gならば問題はないだろう・・・。
ところが、どうもNF計の表示が変なのだ。NFがふらふらする。これでは調整できない。変だなぁ・・発振もしていないし・・・。
いろいろやってみて、翌日になって原因(?)がわかった。フラフラが始まった時に、スペアナのバンドを2G以下に切り替えたらフラフラが止まっ
た。・・・・こりゃあ、スペアナからのLOの回り込みだったのか・・・と「納得」した。うーん、こんなこともあるのだなぁ。お粗末さま。HI
やっと調整ができるようになり、2.0を少し切るあたりまで、改善された。ゲインが23dB位なので、多分、推定の真のNFは1.9程度。まだ良くなるは
ずなのだが、ここで時間切れになってしまった。
パンドラの箱
1月17日 まだ、風邪が抜けず、どうも何にも力が入らない。が、測定してみた移動用トランスバーターのNFがあまりに悪いので、少しでも改善できないか
なぁ といじりだしたら、パンドラの箱をあけてしまったようだ。hi
物は移動でメインに使ってきたDUAL-BAND-TRV。PLL局発を兼用で真ん中に配置、10/5Gのワンボードを上下に配置してつめこんだもの。し
かし、5GでNF8dBで、これはまだしも、10GにいたってはNF=12dBと散々な結果。
5Gはあけて、初段の(NE3210)スタブなどを外して調整すると、ずいぶん変な位置にスタブがあったようで、ゲインもNFも改善される点が見つかりっ
た。それでも、NF 5dB台だが、まあリレーなどのロスもあり、3dB改善されたので、まあまあと考えて蓋をした。もっとも、ケースが狭いようで、閉め
方に気をつけないと悪化する。
10Gは、もっと大変でした。考えたら、このTRVは発振の挙句になんとかゴマかして止めて入れたもの。川崎でも「これは、もう蓋をあけてはイカンヨ」と
いわれたという折り紙つき代物。特に長いRF AMPから
MIXERへのラインにゴテゴテとスタブがたくさんついている。思い切ってこれらを全部外して、FETの構成もNE3210-2SK406-NE3210
と変な構成な上にすぐに発振するので、真ん中をはずして試した。しかし、これだと利得も少なく、うまくないので、真ん中に再度NE3210を入れ、三段目
をバイアスを深く
してゲインを殺して、蓋をしたり、入力開放にしても発振しない範囲にしてから、調整してみた。
これで、昨晩はNF 8dB程度にはなった。もう一息なんとかしたいのだが、それにはこの発振をとめて、ゲインをあげられるようにしてから、トップの入り
口を調整する必要があるのかな と思う。できれば、5-6dB程度には改善したのだが。それだけでS/Nが6dBも改善されれば、聞こえ方は全然と違って
くるはずだ。どこをどうすれば、LNAと呼べるようになるのかを、「数うちゃあたる」ですが、一つ一つやってみたいと思う。
1月18日 NFを良くしよう・・・といじりだしたら、移動用DUAL-BAND-TRVの10G部が発振を再発してしまった。さて、そこで、いろいろと
やってみた。
ワンボードの10G用は三段のRFが並んでいるのだが、ゲインをあげていくと、どうも長いラインからの回り込みをおこしてしまう。1段目にNE3210、
2段目もNE3210として、三段目で調整しようという事で、手持ちのFETをいろいろ取り替えてみた。でも、改善が見られず、結局、三段目も
NE3210にするのが、一番安定した。スタブを削って01用にしていた事もあるので、当然と言えば当然なのだろう。
さて、その後、いろいろと試行錯誤したのですが、FETへのドレイン電圧を発光ダイオードでドロップさせていたのを、二段・三段ともに抵抗にかえたら、な
んだか不思議と発振しにくくなった。どうも発光ダイオードがバイアスラインをまたいでいたので、この部分で回り込んでいたのではないかと思われる。不可解
だなぁ。
これでもゲインを最大にすると、入力開放では発振します。そこで入力開放で発振しない程度に三段目を調整して、蓋をしめたりあけたりして、なんとか振り出
し程度には安定しました。
目下、ゲインがトータルで15dBほどで少ないだが、NFは蓋をあけて6.5dB、蓋をしめて7.5dB ケースをがちがちと閉めると8dB ・・・どう
も詰め込みすぎたようだ。hi
まあ、それでも最初の12-14dBから見れば、ずいぶん改善されたのだが、一晩置いて、基板や半導体が冷えた所で、もう一度はかってみるとしても、どう
も私の工作ではこんなものかなぁ とため息をついている。
やはり、移動用に、もっと軽くて・小さくて、5/10ともに1W程度は出る、NFも低い 機械を作る必要があるなぁ と実感した次第。日暮れてNFの道は
遠し・・・。
1月19日 帰宅が遅かったので、DUAL-BAND-TRVの動作が問題ない事を確認して、NF8-8.5dBの状態で「おしまい」とした。
そして、その後、初代の10G-TRVを引っ張り出した。これもNFを測ると12dB位。空けると少しNFが改善されるのだが、それでも10dBくらい。
このワンボードは以前のタイプで、ダイオードミクサーを使ったもの。システムでの空Sはほとんどなく、もっと良いかなと思っていたが、どうも総合利得が少
な目にしてあるからだったようだ。
初段にNE3210、次からはMGF1302を使ってあり、二段目からは基板上スタブだけで動作している。でも、初段のスタブがつくりつけの物をそのまま
にして追加して調整していたので、思い切って、この部分の基板上のスタブを削ってみた。50Ωラインだけにしてからの方が、01には合うだろうと思ったわ
け。
ところが、これだとどうもゲインも出ず、NFも下がらない。入力部チップコンの付け根に長目のスタブをつけるとよくなるのだが、蓋をするとサッパリ。さ
て、こりゃあ失敗したな とまたまた後悔しつつ、調整をはじめた。でも、このチップコンの付け根に長めのスタブがいるというのは、ひょっとするとチップコ
ンに問題があるのかも知れない。今日は、NF15dBとか12dBくらいで終ってしまった。スミスチャートでのNFマッチの求め方を、理解していないの
で、やみくもではやっぱり限界がある という事だろうか。hi
意外だったのは、ダイオードミクサーの前のBPFで、これをバイパスしようとしても、ゲインもNFもほとんど変わらなかった。逆に言うとこれはかなり
10Gにマッチングしているのかなぁ。
01-1302-1302の三段の後にミクサー、しかもハーモニクス型なので、あるいは局発が足らないのかも知れない。ミクサーロスでNFの改善がむずか
しい事もあるのかも知れない。ダイオードミクサーはノイズが少なくて静かでよいのだが・・・。
チッ
プコンあなどるべからず
1月20日 晩飯後にRCを聞きながら、我が家での初代10G TRVの再調整を続けた。
最初に入力部のチップコンを手持ちの0.5Pと交換してみた。すると、これでNFが0.7dBほど改善された。やはり、チップコンでロスしているというの
が、問題だったようだ。要するに、「NFの調整というよりも、ゲインが低くてNFも当然悪い」という段階であるという事のようだ。初段で使うチップコンは
あなどれないなぁと言う事がよくわかった。そこで、NF計を「マニュアル」として、出力でみながら調整することにした。
まずは、二段目も変えてみましたが、こちらはむしろ悪化するので元にもどした。チップコンのリアクタンスがすでに回路の中で構成要素となっているのだろう
か。さらに、三段目のドレインからBPFへのラインに入っているチップコンを取り去って、直接につけたらゲインがあがり、NFも良くなった。これはやは
り、ミクサーのロスがアンプのゲインと比べて大きいのではないかと思われる。
このTRVは、ダイオードミクサーなのですが、局発には4480Mをそのまま入れている。なので、多分、もっとLOが必要なのだろう。1302が二段アン
プしているので、そこそこ入っているのだが・・・。8960Mにしてから入れていれば、もう少し変換の効率がよくなるだろうか。多分、ダイオードでのハー
モニクス・ミクサーだと、40mW-60mW程度は必要なのではないかと思われる。二段のLO-AMPはスタプもそのままで使っているので、やはり十分に
性能を引き出していないのかもしれない。
さて、このあたりから蓋をしたり外したりを繰り返して調整を続けた。一段目のゲートとドレインに小さなスタブをつけて微妙に調整すると、蓋をした時の方が
NFが改善される場所があることがわかった。なんとかNFにして7dBくらいまでは改善できた。あとは、多分、LO-AMPを調整したり、逓倍にして作り
直して、効率をあげないと目に見えての改善は難しいのではないだろうか。
ちなみに、トータルでの変換ゲインが15-17dB程度ですので、まだゲインをあげないとNFも下がりきらないのだろう。手っ取り早くは、プリアンプを一
段でも追加してやるのが簡単で効果的そうだ。なるほど、やはり外付けプリにはそうした効率の面でのメリットもあるのかな。
いろいろいじっていると、聞きかじっていた事が、なんとなく納得できてくるから、不思議なものだ。ま、ちゃんと理論で解析できれば、こんな「下手な鉄砲
数打てばあたる」にはならないのでしょうけども。hi
24GのNFは難しい・・・
1月27日 いろいろやってきたが、今日は、とりあえず、24G-TRV一号機のNF改善に着手した。最初に計ってみてびっくり。なんと18dB位なの
だ。こりゃあ悪いな・・・という事で、NE3210のままで、調整し直した。
まず、入力部、セミリジッドが直接に半田付けされている部分を、つけなおした。これで2dB改善。その後、後段のスタブがどうも周波数がずれているくさい
ので、微妙に再調整しました。今回は、ずいぶん慣れてきたので、NF計をマニュアルモードにしての出力最大とNF測定を交互にくりかえしながら、時々、ス
ペアナで異常がないことを確認することで調整できた。
改めて見て気がついたのですが、このワンボードは、段間のエッジ・カップリングの横に小さなスタブがあらかじめついている。この部分に小さなスタブを調整
することで、かなり結合のマッチングがかわるようにできているようだ。これでずいぶんと改善された。この部分だけの基板でプリアンプを作ったらどうかなぁ
と思うのだが、ちょっともったいないかなぁ??
さて、これでなんとか NF 10dBを切るあたりまで改善できた。だいたいNF
8.5dB程度のようだ。これならば、単体での移動用での使用や測定での親コンバーターとしての使用には問題のない程度になったと思う。ちなみに送受切り
替えのリレーの前後にて、
測定してみが、1dB程度の悪化。このリレー、一山いくら というジャンク同軸リレーだったのだが、大当たりだったようだ。hi
さて、それから手持ちの24G AMPのNFを片っ端から計り直したり、NF
10dB台のものには手を入れて調整してみたり・・・と繰り返していたら、すっかり遅くなってしまった。
次はどの基板でNE350184Cを試してみようか と物色していたのだが、どうもどれも例のカップリングは微妙な感じだ。シーズンが終わってからではつ
まらないので、とりあえず、今の設備を一度おろして、どれかを実践でつけてみようかなぁ などとも考えてしまった。ま、本当の目標は衛星ですから、しばら
くは実験していても良いのだが。
IFの周波数帯域はどうだ??
1月30日 NF測定ができるようになったら、毎日、「ああ、やっぱりこんなものか」とか「これでよく聞こえていたなぁ」と唸る日々を繰り返している。だ
が、一つ気になっているのが、NF計への信号の飛び込みによる影響をどう考えたらよいかという事だった。
この7514の場合、IF周波数が28M。が、144M→28Mのコンバーターをつけたら、最初は局発の38.666Mが飛び込んで、NFが測定できな
かった。これは、IFへの出口にトラップを二つほどいれて、計測可能な程度にしたのだが、「これって、ノイズと同じで、測定値を狂わせるのではないか」と
ずっと気になっていた。
430M→28Mのコンバーターもどうしたことか測定不良で、スペアナで見たらば、なんと清水電子のトランスバーターは、原発振が25Mhz台のようで、
これがIFに出ていた。144M→28Mの場合、38.666Mhzでなくて、58Mhzでも大丈夫です、でも、ひょっとしてこれでも影響がでるのだろう
か。
そこで、昨晩、SGを使って-70dBm程度にしぼった信号をNF計にいれて、信号のレベル表示にして、周波数特性をはかってみた。すると・・・IFの中
心周波数は29Mの少し下。また、3dB落ちる帯域は、下は25Mhz付近ですが、上は36Mhz付近。その後、50Mhz台でも20dB程おちるもの
の、検出する。
ここから考えると、多分、現在のトラップ式をやめて、58Mhzにしても、それだけでは、精度は同じ程度かなと推測した。予想はしていましたが、かなりの
広帯域。BPFを作って帯域特性を狭くするようにしていくのがよいのかな とか、てっとり早くはHF用のLPFを作ればよいのかな などと考えていた。あ
るいは、1280Mを直接に28Mに落とすようなコンバーターをPLL-LOで作ればよいのだろうか。
430M-28Mは以前いただいた100M水晶でもって、400Mで作っても、これだけブロードだと問題なさそうだな とも考えるのだが。もう少し整備し
ないとNFの低いあたりでは大丈夫かなと少々不安。hi
2月2日 一昨日からまたまた風邪が再発して、医者にいったら「ぶり返したのかな」との見立て。が、熱がグングンあがって、昨日はついに39度
(312.7K)を超えてしまった。こりゃあ、インフルエンザくさいということで、カミさんの車で夜間診療に行った。
インフルエンザの検査ってとても簡単になったのでびっくり。鼻の穴に綿棒いれて、十分後には結果が出ました。昔は検査はとても大変だったと思ったのです
が・・。で、「インフルエンザ A型です」との判定でしたので、タミフルと解熱剤をもらって帰ってきました。昨日は、生きているのか死んでいるのかわから
ず、地震もわからなかったのだが、今日は、多少、復活。でも入学試験だというのに、まるまる休むことになってしまいそうだ。でも、こりゃあ、行ったら迷惑
だよなぁ、と自分に言い聞かせる。NFで考えれば、312Kと270Kでは
大きな違いはないだろうが、人間のインフルエンザでの熱はそうはいかないものなぁ・・・。なんでも、試してガッテンでは、「歯磨き」をよく
口の中まですると、発症しない率が増える、とやっていた模様。しばらくは、おとなしくしなくては・・・。
2月6日 やっと復活して、出勤できるようになったので、工作も再開した。問題はIFのフィルターアンプだ。まずは、手持ちの10Kコイルをばらして、こ
れに9回程まいてみた。手持ちと言っても確か熊本シティスタンダードを作った頃に買ったものだから20年以上前の物かな??これを40PFで同調させたも
のを二つ結合させてみた。が、どうしたことかやはり、高いほうの落ち込み方は今ひとつ。コイルのQの問題かも知れない。まあ、10kではそんなに高くない
よなぁ。
ここで思案して、「そうだ前に作ったIFアンプを改造して、副同調にしてやり、それとC結合のBPFを組み合わせればいいじゃん・・・」と思いついた。思
い立ったら吉日で、二段のアンプを一段に。さらにゲインコントロールを微調整できるようにした。カスコードアンプなので、とてもゲインコントロールはよく
効く。さて、これで特性を見たら、どうも狭いようだ。1Mくらいのフラット部分はあるのだが、それをずれるどんどん落ちていく。もう少し広く・・・と思っ
たが、とりあえず、これをケースに入れて使ってみた。ゲインは念のため10dB弱に調整した。これだと少しずれた帯域の場合でも-10dBまでは前と同じ
程度の出力を確保できるからだ。ゲインはマイナスにも+30dBにもできまるので、とりあえず・・・。
これで測定してみたら、以下のことに気がついた。
1)測定物のトータルなゲインが少なめの場合に、NF表示が改善される。また、低NFでも同様である。どうやらLOの漏れによりノイズレベルの変化かが弱
く認識されていたらしい。
2)発振した時のふらつきが前よりもはっきりと出るようになった。
・・・という具合。
そこでいろいろと測りなおしたら、比較の上ではそこそこ前よりは改善がみられた。ちょっとびっくりしたのは・・・
QRP-DUAL-BAND-TRV 5G NF 4dB程度 10G 6-7dB程度
初代10G TRV NF 3.5dB程度
ちょっと本当かなという気もするが、よい方を信用しておくことにしよう。hi
それにしても、やっぱりIFアンプの特性はとても重要なようだ。