なんとなくAO−40

1月某日 ふと、ドレークコンバーの低NF改造資料をいただいてあったことを思い出す。あれ、まだやってみてないよね・・・。

1月8日 夕方からドレークの再改造にとりかかる。以前、水晶は交換改造して周波数はかえてあったのだが、その他はまだだった。

改造の要点は・・・

1)BPFの中心が2500Mくらいなので、2400Mに中心をかえるためにわずかにのばす。

調整方法 12.8MのTCXOマーカーの信号を入れて、出力をスペアナで見た。これで見ると12.8Mhz毎に山が出るのだが、確かにピークが上の方にある。そこで、150M位の信号が強くなるように、スタブをBPFの先で調整した。これで中心が2400Mあたりとなり、信号が5dB程は強くなった感じだ。

2)IFのゲインが過剰なので、IFを一段にする。さらに、同調回路のピークを200M以下にするために、チップコンを加える。

調整方法 またまた12.8MのTCXOマーカーを入力に入れて、出力をスペアナで見る。これで山のピークが150Mくらいになるように、コイルをのばしたりした。結局、エミッタのチップコンに200Pを加えてコイルをのばしたら、150M中心になった。

3)RFの二段目としてラインを切って、MMICアンプを入れる。ERA−3 がいいらしいのだが、手持ちはERA2だったので、これを入れた。

調整方法 特にない。ただ、あまりにないので、さらに、入力部に30mmのオープンスタブを入れて、信号が強くなるように調整した。これもスペアナを見ながら、目的信号が強くなるようにした。それから、ノイズ発生器を使ってみて、受信機につないで、ノイズON/OFFでの音声出力の増加をつんった調整を試みた。この方がわかりやすい

さーて、できた・・・。じゃあ、蓋を・・・ あらら、内蓋をするとゲインがガタッと下がるじゃん。まあ、とりあえず閉めておくか。でも、これでスペアナで2.4Gの信号を見て、出てきた149Mを見たら変換利得20dBはあるようだ。

1月11日 できたドレークが使えるモノかどうか・・・という事で、今晩はAO−40が水平線に消える軌道で通るので、2400Mの地上用設備(29ELループ 直下アンプ+5D2V 15mのATT)というシステムで聞いてみた。

 すると・・・ オーオー!!もなんだかガーガーとうるさい音が聞こえるぞ。これがMBかな、で、その上を聞いてみると、CWが入ってきた。ZS6だって??おいおい、アフリカだよ。ふーむ、これは一応、使えるようだなぁ。ただ、空Sが5つも振るので、ATTを増やしておこう

1月12日 聞こえるのならば、これは試しにアンテナにつけてみよう・・・と考えた。幸い、5G用のオフセットパラボラ 75CMはCSの二つを受信するために二つのホーンがつけられるようになっている。もちろん、角度かずれるのだが、この場合はそれは問題ではない。

で、朝起きると、無風快晴。暖かい。 うしし・・・とタワーに登る。もちろん、定期点検もかねて である。久しぶりなので身体が堅くて少々怖いが、慣れれば動けるようになる。もちろん、作業する時は絶対にセルフビレイを忘れてはならない。山道具の流用だが、自己確保なしでは絶対に作業などをしてはいけない。

さて、75cmにつける放射器は、なんとも情けない奴である。これは、百円ショップで買った筒状のタッパーを使い、その蓋に百円ショップの銅箔テープを貼り付けて反射板として、ドレークの改造で余ったNコネクタをつけて、コネクタのもげたセミリジッドをぐるぐる二回半ほど巻いた代物なのである。が、これで果たして使えるのかな??と興味津々だったので、とりあえず、これでやってみる。

ドレークのコンバーターは、オフセットの放射器へのびたステー金具に取り付けた。下までは前に入手したBS用のアンテナについていたBS用の同軸を使ったのだが、途中で足らなくなってしまい、しかたが無く5M程買ってきて加えることにした。これでいいかな??

で、受信機につながったので、とりあえず、サンノイズを計ってみる最近、これに凝っているのだ。サンノイズがわかれば、まあまあいけるはずだ。測定方法は簡単である。受信機をSSBモードにして、AF出力をFETボルトメーターに入れる。そして、アンテナを回して、ノイズがどれだけ太陽で増えるかをさぐるのである。太陽の方角については、前にもあげたが、JA5FNX田村さんが作られた「sun−moon」を使う。これで探っていくと、「たぶんこれだな」というのが0.8−1dB程出たようだった。うしし・・・、これなら使えるだろう。(でも違っていたかも??

で、時刻になったので、おおよそ仰角・方角をあわせて聞くと、MBが聞こえてきた。AO−40RCVに入れると、最初は何回かデコードしたが、CRCエラーが出てなかなか解読できない。さらに、その上を聞いていくと、CWが聞こえ、SSBやSSTVも聞こえてきた。試しにSSTVを入れてみたが、どうもノイズっぽく、きれいではない。が、一応、来ていることは来ているのだ・・・。

 これをもっときれいにするには、そうかヘリカルを交換してみようかな。・・・という事で、今度は手持ちの残りのアルミ板、Nコネクタ、1mmのスズメッキ線を集めて、直径40mm/5ターン/ピッチ30mmのヘリカルを作ってみた。が、このままではへにゃへにゃだし、防水もない。そこで探したのはペットボトルである。大きさからいって500mlのミニペットがよいだろう。・・・台所のゴミを探したら一つだけコカコーラのミニペットが出てきた。しめしめ、この底を切って、接着剤でつければスペーサーがなくてもそこそこ支持材にもなるだろう。かくて、右のようなまたまたみっともない放射器ができてしまった。これで本当にうかるのかいな??AO40!! 

うーん、聞こえるじゃん・・・となると、次は交信してみたくなる。でも、送信の設備は衛星用にはない。残念無念!!あ、今日は日曜日だから、5Gのロールコールの時間だぞ・・・。といったんは諦めかけた。でも、ロールコールが終わって、聞くとさらに各局の信号が強く入っている。衛星の姿勢が地球を向いてくれているので、MBのデコードもうまくできるようになった。数万キロの上からの電波が、PCの上で文字になると、なんとも言えない感動がある。うーん、でも、UPできないかなぁ・・・。

でも、ここで諦めたらアマチュアじゃない。

・・・という事で、YAMA−MLにJA1OZGZ金子さんが定期掲載されているAO−40運行予定を見る。おっ、今日は地平線に沈むまでAO−40の中継が動いているじゃん。だったら、地上用430Mでやってみよう!! 

まてよ、でも、AO−40って、周波数はどこでUPするんだ?? 知らないぞ??という事で、あわててCQ誌のバックナンバーを引っぱり出した。AO−40は逆シフトするようで、MBの位置から各局が出ている所を逆算する。

さて、仰角10度の時刻だからどうだろうか?? IC910にキーをつける。もちろん、エレキーは使えないもので、約30年前に買ったコメツキバッタである。あらら、ツーツーツーと言ってしまうよ?? あっ、そうか エレキー内蔵なんだね。・・・という事で、次はIC−910のマニュアルを引き出して設定方法を調べる。まあ、ひどい泥縄である。

さて、これでできるだろうか・・・430Mでツーツーツーとたたいてみて、144Mで探す。おっ、なんだかあったぞ!試しに切ると おっ、ちょっと遅れて切れるじゃん。トトトツー ととと、どうもダウンリンクを聞きながらだとうまくたたけないな。他の人はどうやっているんだ??サイドトーンだけでやるのかな??

で、ここでIC910についてるいサテライトモードという奴にしてみる。気を付けないと今度はサブバンドで送信するので、M/Sを入れ替えておかないとコンバーターを壊してしまう。さーて、これでCQでもたたいてみるべぇ・・・

CQ CQ CQ de JF1TPR JF1TPR SAT AR K

なーんてやると、なんだDK2の局が呼んできた。ド、ドイツだぜぇ。私しゃ、ヨーロッパに呼ばれたなんて初めてだよ・・・。まあ、HFでQRPだとそんなものだよね。うひゃひゃひゃ・・・。うれしいなぁ!! なんて感動していたら、半分くらい聞き落としてしまった。いかん。hi

そんな調子で呼んだり、CQ出したりして4局程と交信した。559−559 と交換したが、Sメーターは振っていない。どうもATTを大きくし過ぎたのかもしれないな。うーん、できたじゃんAO40。水平に近い時にCWだったらそこそこできそうだ。高崎のJH1GYE新井さんがワッチされたら、ヨーロッパと同じくらいでS5程度だったとのことで、一安心である。(強くても、弱くても困るからねぇ)

1月13日 今日は成人の日でお休み。で、朝、一番 9時すぎにタワーに登って、放射器をとりかえる。それから不調となった430M直下プリをはずしておろした。さて、今日のAO−40は・・・と予定表を見る。おーっ!!11時過ぎに地平線から現われるじゃないか。じゃあできそうだ・・・と待つ間に、直下プリの修理をはじめた。このアンプなんのことはない。TRスイッチの初段にある2SC1815が死んでいたようだ。なんでとんだのかな??サージでもかかったのかな??

さて、時刻だ。仰角をあわせて、方角をさぐる。あらら、弱いな・・ん??仰角が今度は10度程違うぞ。まあ、そんなものかな??

これでもう一度、ループテストをすると大成功。今度はW、VKなどとできた。衛星がのぼる時、沈むとき、で方角によってできる地域が違うのだろう。もっともAO−40は長楕円軌道なので、あまり関係ないのかな??また、JA1JAS局とも交信できた。JAでも、DXでも同じ程度の信号強度なのは、衛星だから当たり前なんだろうが、なんだか不思議な気分である。

さて、これでとりあえず動くことはわかったが、放射器をかえたメリットはよくわからない。焦点が違うのかな??それに、どうもIC271につないで、内蔵プリアンプで聞いた方が空Sは4ほど振るが聞き易い。やっぱりATTを増やしすぎたようだ。また週末にでもタワーに上がって、おろしてこよう・・・。

その後もワッチしていたが、衛星の姿勢がよいので、MBもだいたいデコードできる。さらに、各局共によく入ってくるので、ストレスがたまったしまった。

てなことで、とりあえず、交信できましたAO−40。

#その後、改造ドレークをNF測定したらNF=5db程度。腕が悪くとほほであったのでプリアンプをつけたのだが、これがまたNFが下がらず四苦八苦。まあ、2dB程度になったので、ガマンしてつけて見た。目下、ATTを加減してやって空S(ノイズ)がS=1程度にてMBがS=7程度。地平線ぎりぎり、アングルが1桁の時にSSBでの交信も成功した。聞こえてもUPできないのは腹立つので、もうワンランクなんとかしたいのだが、気が多いのでいつのことやら・・・。