DUAL-BAND-TRV Ver3の泥沼製作記


7月某日 430M-IFで5G/10G用のトランスバーターを製作しよう と思い立つ。当初は「なんとかハムフェアまでに完成させよう」というモクロミ だった。
 今まで移動にはワンボード基板を二枚使った5G/10G TRVをメイン、近郊移動にはQRPの切り替え型TRVを持参してきた。しかし、特にメインのデュアルバンドTRVは結構重たく、二台を持つのと500g 程度しか違わない。それでも二個一なので荷物は減るのでよいのだが、使っていると不満も出てきた。また、最近は1200Mのミニ・ハンディがないので、親 機が壊れたらどうするんだ、という事を考えなければならない。430Mだったら安くて小さい親機がたくさんあるし、FT817なども使える。ハムフェアま でに仕上げよう、と当初は考えていた。
・・・しかし、これが始めたらドロヌマ、振り向けばそこは基板の残骸。一応、完成したのは年末の忘年会を迎えてのことだった。以下、ダラダラと書いてある が、項目で整理した目次もつけてみた。「デュアルバンドでのミクサー」「435M IFでの簡単で小さなBPF」「送受ユニットの簡単化」「実装」の四つが大きな問題(全てジャン・・・hi)だった。

ミクサー 効率よくデュアルバンドで使えないか
BPFの製作 試作 失敗の記録
送受アンプユニット狂想曲 仕上げやその他
デュアルバンド共用ミクサーで実験
パッシブミクサーのポイントは注入方法か
トラップ入り10G用BPFの 製作と特性
その1 ウィルキンソン二分岐アンプ 
その2 ラットレース切り替えアンプ 
どう実装するか
デュアルバンドミクサーでBIAS切 り替えは??
デュアル・ミクサー(ハーモニクス)で実験
5G BPF特性の改善をめざすケチケチ策
追加 LNAを作ってみる・・・が、 イマイチ。
やっぱりFETで二段アンプかな??
とりあえず完成?!
デュアル・ミクサー(基本波)が一 番???
430M-IFでも使えるBPFのコ ツは?? MMICとデュプレクサーで アンプを作る
MMICとデュプレクサーでLNAを作る



局発はマキ電機で注文・・・

7月18日 当初は、バトラー発振を使って、三倍オーバートーン水晶を五倍で発振させ、逓倍でゲインをかせぐ計画を考えていた。しかし、三倍を五倍はうま く発振するのだが、まだ、切り替え回路内蔵のパターンを考えていない。また、途中の逓倍段のパターンがいま一つこなれていないで、なかなか調整できない、 など解決すべき問題が多いことに気がつく。特に周波数微調整が問題だ。
7月20日 局発を切り替えるのだと、マキ電機の回路が便利だな、という事で、電話。講習会までに局発ユニットを受け取ることにした。
7月23日 講習会で局発を受け取る。ついでに10G用の水晶ソケットと切り替えリレーを取り付けた。切り替えで5G/10Gに使える。

まずは、デュアルバンド・パッシブミクサー で製作

7月31日 明日の夜から部活の合宿。今日はOFFなので、朝からコテを持って汗をかく。今日は、435M-IFのDUAL-BAND-MIXERを作ろ う<という目論見。局発ユニットからの5235m 2mWを使い古しの5G二石アンプに入れると80mW程度になるので、この二石ユニットをミクサーに改造しようと決めた。1302二段の古い基板だ。

二段目のスタブを取り去って、435Mの信号を100PF程でドレインからのラインの半ばに注入した。もちろん、ドレイン電圧は切り、アース。さて、これ で、10240/5760Mが出てくるハズ。(正確には10215M)・・・・しかし、バイアスを調整して、スタブをたどり、いろいろやったが、どうも出 力が-10dBm程度しか出ない。出力ラインのスタブがいかんのだろう、と削ってやり直したが、数dB改善された位でなかなか0dBmに届かず、いったん 水入りとした。LOが足らないのかなと、アンプ
を二段ほど入れてガンガンとドライブもしてみが、出力は増えない。さーて、どうも435Mでの注入の方法にコツがあるのだろうか????

FETパッシブミクサーのポイン トは注入部分・・・

 YAMA-MLで経過を書いたら、JA3CVF 森本OMから指摘をいただいた。
>435Mの入力をラインではなくてドレインの抵抗を51Ωに変えて電源側をパターンカットしアースに落とし、反対側に435Mを注入すれば良いの ではないでしょう
か。

 ご指摘いただいた点はどうだ・・・と基板を良く見ると、ドレインのラインに1000Pのパスコンが余計に入っていた。これではザルのように430Mの信 号は流れてしまう。これを取り外してから、ちゃんと51オームでアースと落としてから、パスコンパターンの所に信号を入れるようにしたら、10240M 0dBm 5760M 2-3dBm程まで
再調整で出るようになった。あとはBPFのロスが10Gで少し大きいので、もう一本、ネジをくわえてもいいかな。

次の写真は、BPFを通った所と目下のデュアルバンド用ミクサー基板の様子・回路図(その後の改良を含む)です。

これで明日の夜からの部活合宿前までに・・と思っていた所までできた。VY TNX JA3CVF!!

アンプの製作・・・
その1 まずはウィルキンソンで二分岐 

8月3日 部活の合宿が台風襲来のため「船は八丈島まで行かないかも知れません」といわれたために潰れて、にわかに休日となった。そこで、今日は朝から アートワークの残りをして、新型(?)DUAL-BANDトランスバーターのアンプ部の基板をエッチングした。

今回は、5G/10GのBPFからの出力を ウィルキンソンもどきで二分配した回路にして、送信・受信のアンプを一つのユニットに入れようと考えた。5Gには、送受ともにMMICを各二段使い、送信 50mW 受信20dBゲインをめざす。こちらには秋月の0.5mmガラエポ基板を使った。10Gはどうも手ごろなMMICがなく、NE3210S01をいれるべ く、なんとか二石基板の大きさに送信・受信の二組のアンプを入れて、バイアス調整部まで押し込んだ。うまく動くと良いのだが、調整は大変そうだ。

また、その後のMMIC-PA用の基板もエッチングして作った。5G/10Gで微妙に足の接続が違うので、ちょっと形が変わった。このPAと10G用はテ フロンの0.8mmで作ったので、50Ωラインは2.1mmとなった。少し、感じがする。



8月4日 今朝は、5G/10GのPOWER -MMICによるアンプをケースに入れて組んでみた。MMICは、講習会の時に川崎で譲っていただいたTMD1013とTMD5872という東芝のもの。 このPOWER-MMICは5G/10G用の両方があり、それぞれにデーターシートで見ると微妙に足の接続が異なる。10G用はNCをグラウンドせよ、と 書いてあるだが、5G用はNCとなので、そのままにするパターンにした。ケースには、ジャンクのミクサーが入っていた40X35mm程の箱を使った。
 出力にパワー計をつないで、電源を入れると・・・あらら、5G用の方はどうも発振気味。NCをアースした方がよかったかな???10G用は大丈夫なよう で、HP-8620Cで10Gの信号5mW程度を入れたらば、500mW程度が出てきた。もう少し入れないと2Wでないようだ。まだ調整はしていないが、 そんなに調整してもかわらないのでは、と思われる。

8月6日 午前中に双方向アンプの基板パターンを修正・アートワークしなおして昼を食べてからVer2をエッチングしてみた。今回は、受信三段・送信二段 だが、調整しやすいように、10G用は配線を一方によせて、スタブ調整しやすくしたつもり。また、グラウンドへのスルーホール部分のパターンを前よりは大 きくした。5G用もパターンの組み方を斜めにMMICを置くのではなく、直線的に置き、ラインをずらした。これならば、もう少し実装しやすくなるかな、と 思う。
・・・さて、これで今度はうまく動いてくれるかな??今晩から山に行くので、しばらく間があいてしまうのだが・・・。


8月20日 DUAL-BAND-TRVをなんとか作ろう・・・と双方向アンプ基板の第二弾を作ってみた。5G/10G用で「入力部は一つ。出力部は送 信・受信が別になっていて、電源の切り替えだけで使えるアンプ」を作ろう、という事。
第一弾では、
・10Gは送受共に二段あるのにゲインが足らない。10dB程度しかでない。また調整しにくい。
・5GではどうもMMICとパターンがあわない。・・・という顛末。
そこで、今回は、
・10G用は、送信二段、受信三段とした。また、調整しやすく、バイアスラインの引き方を変えた。
・5G用も、送信二段、受信三段とした。また、MMICの部分のパターンを直線的にして実装を改善した。(同じMMICを使ったジャンク基板を参考にし た)
・・・・という事で基板にしてあったのだが、沢に行ったら増水で帰れなかったりしたこともあり、そのままになっていたのを、作ってみた。
 昨日・昼の段階では・・・
・5G/10G共に、受信三段としたら、今度は発振、発振・・・またまた発振。10G用は、発振を抑えるとゲインがさっぱりで、これでは何のための三段 だ・・・という具合。5G用はMMICがカタログ値とは異なる大飯くらいで、三段だと78L05ではダウンしてしまうし、MMIC三段はともかく発振が あっちこちと続く。パット(ATT)を段間に入れるべきだったかな???
・送信の方は、10G用ではNE3210S01-FSX54 の構成にて、20mW程度を確保できた。また、5G用もMMICを二段にしたので、20mW以上は確保できた。
・送信の方は、効率としては首をかしげるものだが、どうも単純な二分岐で回路を組むと、私の腕ではアンプで一段程度のロスが生まれるようだ。
・5G用はMMICを二段にして、ネジを増やしたら、安定した。MGA85563二段でゲインが約16dB程度か??試しにこれをTRVにつけて見る と、受信ではMIXの損失が(10Gを優先してあるので)大きいので、トータルのゲインにしてゼロになってしまうが、これにさらにプリをつけるかなぁ・・ と蓋をした。
            ・・・という状況だった。
 昼からSAGAMI-NETでのハムフェアの準備ミーティングに行って、夕方に再開。
・今度は、このユニットを入れるためにマキ電機の二石基板ケースから追い出した10G用基板をカッターでバッサリと切り、10G用基板の受信部分三段も カッターでバッサリやって、入れ替えて、つぎはぎでとめる・・・という切った張ったの大手術を敢行した。切った、張った はジャンキーの常。hi 10G 用二石基板は、最低でもゲインは20dBはあるはずなので、これを使ってみてロスが大きければ、原因は単純なウィルキンソン二分岐を使ったあたりに ある、という事になるだろう・・・と考えた。もっとも最初はネジが足らずに浮いて、発振・・。これでは調整できないので、ネジが増えた。
・すると、今度は受信用で約17-20dB程度のゲインが確保できた。この基板は、5G-LNAの実験で使ったものでNE350184C- NE3210S01の構成なので、推定ゲインはスタブ付で25dB程度のハズ。ですから、やはり10dB迄はいかないかもしれないが、単純なウィルキンソ ン二分岐では、ロスが多きくなるようだ。
・でも、これでTRVにつけたらどうかな?? とやったら、送信が少しいじりすぎの影響で15mW程度になってしまったが、受信トータルゲインも一応、10dB弱(もっと少ないかな??)あるようだ。 試しにHPA MMICを付けて実験したら、1.5W程度が出た。(熱でだれてしまいましたが。)
 さーて、これで次は、単純なウィルキンソン二分岐ではなく、ラットレースなど1/4λの6倍の円周を持つ物を使った分岐ではどうなるのか、を 10G/5G で計算して作ってみようかなぁ・・・。幸い、オークションにて落札した基板が0.5mm程度、誘電率3.5程度というすばらしい特性のもの。(ハムフェア のEMEブースにて配布のための前宣伝 との事。VY TNX!!)これを使えば、10G用がテフロン基板よりも小さくでき、丸い分岐も作れそうだ。また、5Gは秋月の0.5mmガラエポで作れば、短縮率が 0.54程度なのでなんとか二石基板用の箱に入らないかなぁ???・・・と考えている所で昨晩は沈没となった。

 さーて、単純なフィルキンソン二分岐でなく、ラットースを回したらどの程度の違いが出るだろうか。おっと、その前に、PCBEで円を描く方法を調べなく て は。

・5G用基板 Ver2 左から入力して、上が送信二段 MGA81563 下側が 受信 二段 MGA85563 です。
・10G用切った張った基板ユニット。上側がテフロン0.8mm NE3210-FSX54 下側がマキ電機二石基板 NE350184C
とNE3210の構成です。


さーて、どうやったらもっと改善できるかな??





アンプの製作 そのま2 ラットレースで分 岐してみる


8月22日 ハムフェアまであと三日しか残らないようになり、今日もDUAL-BANDトランスバーター用の双方向アンプを作りなおしてみた。今回は、 5G用の二分岐を今までのウィルキンソン二分岐をやめて、ラットレース(全長3/2λの円を使った分配回路)にした。これだと相互の影響はとても少なくな るはず・・・。また、スルーホールを1.2mmの物にしてみた。さらに受信用MMICが規格値の数倍もの電流を食っていた問題も、この基板を作成中にデー ターシートをもう一度見たら、「ありゃあ、受信用のMMIC MGA85563は、Rbiasという端子があった。これを間違ってアースしていたぞ」という間違いを発見。これを直したら一段15mA位のカタログ値に 正常化した。
 ゲインも少々増えて、Ver2でも受信の トータルゲインが0dBか少しプラスになった。さて、これでVer3基板をくみ上げ、昨日、川崎で入手してきた箱に入れてみた。受信アンプの一部が発振す る問題も、ネジを一本加えてクリヤー。今度は、Ver2よりは3dBほど、単体ではゲインが上がり、17-19dB程度になった。しかし、トランスバー ターに実装すると、どうもBPFとのマッチングが悪いようで、トータルゲインはほとんど変わらない。パターンが入力部で余裕がなく、BPFからの入力部に スタブをつむられないのが敗因のようだ。うーむ、しまった・・・。

結局、ウィルキンソン二分岐とラットレースでは、2-3dB程度のの違いはあるとしても、それほど大きな違いではなく、この点ではあまり、ご利益がないよ うだ。ただし、5G用にはガラエポ0.5mm基板を使ったので、ラットレースも添付写真の様に、さほど大きくはならないのですんだ。これだけ二段でゲイン があっても、トータルで不足するのは、ミクサーの問題だ。・・・・でも、これはDUAL-BAND共用ミクサーの宿命のようだ。どうやら、もう一段、受信 アンプをFETで組むのが現実的だろうか。

しかし、10G用の組み合わせたユニットが今度は不安定になり、どうも受信は発振機気味になるし、送信も出力が減ってしまった。さーて、やっぱり10G用 ももう一台、ラットレースで作らないと駄目かなぁ???

うーん、ハムフェアには間に合わないなぁ・・・。また、製作途上を展示することにしよう・・・

8月31日 午後に早く帰れたので、双方向アンプをさらにいじった。ハムフェア前には、1)10Gは受信三段、送信二段。一応は動くがゲインがいま一つ で、かつ不安定。2)5Gはそこそこ動いていたが、受信二段ではどうも・・・という具合だった。ハムフェアでも、「こりゃあ、真ん中に仕切りを入れないと ねぇ・・」とご指摘をいただいた。そこで、昨日は10G用に分厚いアルミ板での仕切りを入れていじってみた。すると、確かに動作が安定してきて、受信アン プのゲインが三段で30dBとなった。こりゃあ、いいや・・・。ところが、ここでやめればよかったのだが、深追いしすぎた。hi

三段目にさらにスタブで数dBあがる・・・とゲートにつけようとしたら、瞬間、信号が消えた・・・チーン、石がお亡くなりになってしった。ところが、これ が小さい場所につめこんだ基板のため交換が大変。さらにいじっているうちにパターン切れや剥離が発生・・・これはご臨終という状態になってしった。トホホ ホホ。

次に5G用を組んでみた。でも、三段で発振は??? と思って動かすと、ちゃんと三段でもネジを一つ多めにしたら動いた。でも、ゲインが20dBそこそこでは二段と変わらない。うーん・・・さらに、試しに TRVにつけてみよう・・・としたら、どうもこちらの動作が妙?? という所で、昨晩はやめて寝た。なので、今朝は寝覚めが悪い。hi

でも、どうやら分厚い仕切りをいれれば、なんとかなりそうな感じがしてきた。明日まで基板をもう一枚作って、作ってもっていけるかなぁ?? まったく仕事なんてしている場合じゃないのだが、今日は休めないものなぁ。

9月1日 午後、帰宅してからTRV本体を 見たが、どうもどこか接触不良のようで、まあ、動いていた。そこで、5G用の基板をいじったが、三段で発振しな いものの、ゲインは上がらず・・・で、トホホな結果。
 そこで電車内でアートワークを直した10G用の基板を打ち出して転写し、エッチングした。ここまでは綺麗にできるのですが、どうもスルーホールがいけな い。この基板、硬いのでハトメでやろうとすると気をつけないと割れる。また、スルピンキットも0.508mmだと薄くてなかなか難しい。これでどうも基板 が汚くなってしまう。そして、銀メッキ液がハンズにはなかったので、(ネットで頼みましたが)半田メッキ と思うのだが、これまたどうも苦手だ。どうやる と綺麗にあがるのだろうか。仕切り板も入れることにして穴をあけた。

まあ、とりあえず完成して、部品を取り付け、直流テストをしてからFETを載せた。これで、SGと逓倍器から10Gの信号を入れて調整してみた。二段の送 信はそこそこ調整できたが、受信三段は難物だ。でも、なんとか、単体でのゲイン30dB弱までこぎつけた。でも、まだ14Gあたりに弱い発振が見える。 うーん、これでTRVに組み込んだらどうかな とも思うが、そろそろ沈没。

明日、川崎にて実装してみたい・・・問題は、明日の朝、起きて講習会にいけるかどうか。シンデレラの馬車はカボチャになって腐りかけているよ模様。あー あ、眠い。

9月2日 今日は、夜更かしもなんのその、無事に朝、目が覚めて、講習会に参加できた。そこで、昨晩、夜中まで調整した双方向アンプ Ver5をトランス バーターに実装して、テストしてみていただいたのだが、単体では収まった発振が組み込むと再発してFETを二つ飛ばして、「こりゃあ、やっぱり安定できな いな」という所で終わってしまった。うーん、難しい・・・・。
 問題は、たくさんあるのだが、スルーホールの問題、そもそも三段アンプであるという問題、そして回り込みという問題など・・・やっぱり三段は安定させる のは難しいようだ。でも、嘆いていたらメッキ液をいただいたり、スルーホールについてもみなさんの経験をいろいろと伺うことができたので、また、次の Verを試してみたい。

追加のLNAを作ってみる


9月3日 「双方向アンプ」で四苦八苦した挙句、「やっぱり送受兼用の三段アンプを、二石アンプの箱にいれる・・なんていうのは、私じゃ無理っぽい」と結 論を出すはめになった。もっとも「MMICでならどうよ・・」と注文したMMICがあるので、届いたら、これはこれとしてやってみるのだが・・・。hi
 そこで、「受信用にもう一段、FETでアンプをつけよう」となった。一段としたのは、以前製作したNE350184C 一石 LNAが、測定していただいたら、NF=1dB G=17dBとびっくりするような出来だったのに気をよくしたから・・・というのが半分。残り半分 は「場所がない」から。

 昨日は、講習会の後、ローカルとお茶を飲 み、帰ったら夕方。それからにわかに基板を作り出した。アートワークは川崎からの帰りの電車内でやってみたので、例によってトナー転写で作成。基板は、ハ ムフェアで8N1EMEブースにてたくさん仕入れた物を使った。これだと誘電率3.55で計算するらしいので、短縮率が高くて、小さく作れる。ただ、 50Ωラインが1.1mmなので、1/4ラムダのエッジカップリングを作るのはちと自信がなかった。一応、0.25mmで間隔を0.25mm程度にした ら、トナーの実際の間もつながらないでできた。どうもこのあたり、レザープリンターでも0.1mmギャップというのは、少し広めにしないと出ないようだ。 で、この上にグリーンレジストを転写してから、エッチング。この基板、銅箔が薄いのか、湯煎を暑くしたら5分程でエッチングが終わった。スチールウールで 磨いて、トナーを落として完成なのだが、今回は昨日、重盛さんからいただいた魔法の溶液につけてみた。・・・するとあら不思議。あっと言う間に錫メッキさ れた。うーん、これはすごい。便利だ。
 晩飯をはさんで鬼門のスルーホール作り。今回は1.2mmスルピンのピンを入れてからニッパで切りそれから潰した。まだ長いが、少しだけ形がよくなっ た。でも、昨晩はここまで。これから、まずケースを作らなくてはいけない。洋白板がよいのだが、この辺では売ってないので真鍮にしようか・・・。基板が硬 いので、周りを囲み、上に蓋をして、下はスッポンポンにするのが手軽かなと考えているのだが。

9月6日 台風で、昨日は「授業打ち切り。 さっさと帰れ」との神託。ははーっと拝命して帰宅。するとデバイスに続いて洋白板も届いたので、5G-LNA一段を作ってみた。
 前回はNF=1dBまでいったのに気を良くしてNE350184Cを使い、入力カップリングを1/4λエッジにしたタイプをハムフェアで入手した基板に して作った。最初は、なんだかピースカと一段なのに発振。これはスルーホールの問題かな という事で、石を外して点検したら、半田付けした時に一つ外れて 穴になっていました。お粗末。ここを銅板を使ったベロにかえて、半田付けをしなおしたら、発振はなくなった。
 あとは、1/4λgあたりに大き目のスタブがつく。前回とだいたい同じだ。これでゲイン最大にするのだが、今回はどうもエッジがイマイチなのか、14- 15dBどまりとなった。前回はゲインが一段で17dBも出た。これがNFを下げられた要因だと思う。今回の2dBの違いが入力部のカップリングのせいだ とすると、そのままNFも悪くなる。どうかなぁ・・・。
 という事でやってみたら、蓋を締め付けて一番よい値が出たが、それでも予想通り(?) NF=3dB 普通にして4dB。やっぱり、LNAはゲインがちゃんと出るようにしないとNFは下がらないようだ。問題は、1/4λのカップリングでしょう。

 また、10G用も作ってみた。これまた、ゲインが10dBから12dBの間で、どうもなぁ・・・と思ったらNF=4dB程度にしかならない。なるほど、 やっぱり1/4λカップリングは難しいものだ。洋白板の箱が前作よりはまともに見えるが、小さくて扱いにくい。これまた裏側はスッポンポンで作った。


デュプレクサーとMMICアンプを試してみ る・・・

9月7日 LNAがイマイチなので、今度はデュアルバンドTRVの構成そのものを見直す事を考え、とりあえず、5G 10Gのデュプレクサーを作ってみた。元ネタはHAM-
JOUNALのNo93に出ていた故・JA1EPKの製作記事。一度やろうと思っていたのだが、とりあえず、ハムフェアで入手した基板に電卓たたいて換算 しなおして作ってみた。
 ただ、記事では5G側につけるスタブの位置と長さの計算値が明記されておらず図からなんとなくあたりをつけた。10G用は、λでの計算値が出ているので これを元に計算した。作ってから、さっそく測定してみた。と言っても、ネットアナはないので、信号を5G/10Gで入れて、通過損失と逆側への漏れをはか る方法だ。
・反対側へは、1/4λのトラップがよく効いていて、20dBから30dB程は落ちた。
・しかし、5Gは通過損失がほとんどないのに、10G用は当初は大きく6dB。そこで、スタブをつけたら3dB程度になった。でも、考えたら、最初の基板 上のスタブ
は不要なので、削って手直ししたら2dBほどになった。
 2dBのロスをどう考えるかは微妙。でも、だいたい基板で作ってスッポンポンの空中配線実験でもこの程度のものになる事がわかった。さて、次はパターン を曲げてみよう・・。

9月8日 ずっとハムフェア前からDUAL-BANDのTRVに悪戦苦闘している。一応、動作はするのだが、LNAのゲイン不足(本当はミクサーのロスが 大きい)と、安定動作、それと430M-IFなので、不足しているBPFが残った問題。でも、三段の双方向アンプを安定させるのは至難の業なので、考えた のは、次の二つの方向だった。
1)そもそも、ミクサーのロスが大きすぎる。これは5G/10G共用だからどちらかに最良にできず、中途半端だからだ。これを思い切って、別ミクサーにし たら効率はぐっとよくなり、今の双方向アンプでも大丈夫のはずだ。
2)また、三段アンプを使うには、送受を別にした方がよく、これだったらMMICを使って、5G/10G共用のアンプを作ったらどうだろうか。送信部での 振り分けが問題となるがBPFもまだ必要だし、デュプレクサーで分ける方法もある。
 問題は入力部だが、ジャンク箱から出てきた5G用と書いてあるサーキュレーターを測ったら、10G/5G共に使えそう。反対側が-15dB程度だから少 し足らないけども送信アンプ・受信アンプにこれで振り分けて、MMICアンプで其々を増幅する、という方法を考えた。1)と2)を組み合わせると、次のよ うな方法になる。
                                                                
5G用MIXER     ---- DUP型----サーキュレーター---送信用アンプ---DUP--各バンドPA--BPF--リレー       
10G用ミクサー ---- BPF            受信用アンプ--DUP----------------------

MIXERの電源でバンドを切り替えて、後は 送信用・受信用に振り分けでアンプ。送信用信号はBPFか、デュプレクサーで振り分けてHPAに・・・これだスマートそうに思う。アンテナ出力は各バンド が別でないとアンテナが困るので、(広帯域でないと使えなくなってしまうので)最後のアンテナ切り替えはバンドごとの方が楽だろう。

さーて、こんな構想でどうでしょうか。割と部品節約型だと思うのだが・・・。(これだけ石をお釈迦にして、基板をどさどさ作って、節約型 という事はない か hi)

そこで、とりあえず三段MMIC基板と、送信用二段アンプ+デュプレクサー付を作ってみた。三段は段間結合にパッドを入れられるパターンにした。結合器の ジャンク箱にいれて蓋をしたら遮断導波路の中に入れるので安定できないかなと思ってみたのだが・・・。

9月11日 早く帰れるはずでしたが、どうして「魔の火曜日」は、トラブル処理ですっかり遅くなってしまった。でも、子どもが晩飯を作ってくれていたの で、そそくさとシャックに入って、MMICアンプを製作。構成はMMIC三段。一段目にMGA86576 二段目と三段目にNLB310(N6)を使い、間に3dB パッドをいれた。これを細長いカップラーのジャンク箱に入れてやり、「遮断導波路だから安定するだろう」と考えた。
 さて、組み立ててから、10Gの信号で動 作試験・・・あれれ、増幅しないよ?? ヨーク見たらATTの抵抗値が桁が間違っていた。さらに、抵抗値がカタログ値ではうまくあわず、NLB310一つ昇天。過電圧になっていたようで、オソマ ツ・・。でも、ちゃんと指定した値でやったのに。ブツブツ。これを直してから測るとなにやら一箇所、基板を押すと景気良く信号が出てくる模様。スペアナの レンジを広げると発振がいた。ここで、「じゃあ、穴のかわりに導電性接着剤を使うべぇ」と考えて取り出したが、なんと、二液式のうちAは出たものの、Bは 既に固化して出ない。もう賞味期限切れだったか・・。考えたら一年半くらい前に使ったきり、これでは駄目かな??それとも保存方法があるのか・・・??? でも、A液だけでも導電性の液のはずなので、とりあえず、つけたら発振はやんだ。測ると、10Gで20dB ほど。5Gにしてみたら、25dB程です。もっと出るはずなのだが????どうやら抵抗とチョークコイルの設定がよくなかったのか。もう少し工夫が必要。 さらに、しばらくしたら出力が落ちた???A液だけなのがいけないのかな??
 とりあえず、NFを測ろうとしたが、やたらと悪い値。15とか出たので、またまた発振が再発しかかったのか。やっぱり三段MMICも難しい。二段ならい けそうなのだが。また、NLB310は電流を食いすぎる。三段で100mAは流れすぎだ。・・・という事で、これはどうやら回り道だったようだ。

ミクサーの改善に向けた基礎実 験・・

9月13日 さて、デュアルバンドにしたミクサーの効率がどどんなものかと考えてバイアスだけの可変でかわらないか とテストしてみた。でも調整した時に 両方のバンドでそこそこ出るようにしたので、バイアスだけをいじっても、ほとんど変化はないみたい という事がわかった。ミクサーとBPのロスは、10G では15dB程度かそれ以上あるようだ。5Gも10dBと少しある。シングルバンドで作れば、10dB以下にはできるはずだが、両バンドでパッシブを共用 とするとどうしても大きくなるようだ。
 また、三段のMMICアンプも、もう少しなんとか・・と抵抗だけで電源を供給していた部分にすべて2.2nHを入れてみた。すると10Gゲインが少々上 がったようだ。特に5Gは30dB近くのゲインになった。これで、まあ、想定内に入ります。ただし、蓋をしたら発振・・となってしまった。・・・貼り付け るゴムがあるはずなのだが、仕舞いこんで出てこないので、これはやっぱりイマイチ。hi
 とりあえず、10G用にTDK352のLNBから切り出したLNAを組み込むことにして、コネクタ無しで同軸をつなぎだした。でも、近くしたら次の段が 蓋をすると発振する。いかんなぁ・・もう少し長めにするのがよいかな。でも、場所がきついしなぁ・・・。

MMICデュプレクサー内蔵アンプ を実験


9月14日 夕方からMMICを使った二段の5G/10G振り分け型アンプを作ってみた。・・・って、簡単なもので、MMIC二段増幅の後にデュプレク サーで5G/10Gの出力をわけただけのもの。hi
 NLB310を二個使ったのだが、いきなり 正体不明で大電流が流れて壊し、付け方を間違って・・・といくつか無駄にしてしまった。でも、動き出したらさすがにMMIC。便利だなぁ。(当たり前 だ!!)デュプレクサーのトラップを微調整したら、各バンド用のアイソレーションというのか、5G用に10G、10G用に5Gが出るレベルを正しい端子
と比べたものが、25-30dB近くとれた。ただ、NLB310二段で組みましたが、飽和出力は5G 20mW 10G 12mW程度。もう少し出てもよいのだが・・。これだったら、MIC-PAをドライブできるかなぁ・・・???

     10G出力        10Gポートでの5G出力


デュアルバンド用ミクサー その2の製作


9月19日 定時で逃げ帰ることが出来たので、帰りの電車でアートワークを見直しておき、晩飯を作る前にデュアルバンド用ミクサー基板をエッチングした。
1)ノートパソコンを無線LANで家庭内LANにつなぎ、ネットワーク経由でレザープリンターに打ち出す。
2)この用紙の印刷された部分に転写用紙を切って、両面テープでつけて、手差しで再度プリンターに入れて印刷する。
3)転写機(ラミネーター)を加熱する間に、水を入れた容器を準備し、基板をスチールウーで磨く。
4)温まったら転写面を基板につけてズレないようにテープで端をとめて通す。出てきたものを真水につけてしばらく置くと、1-2分でパラッと紙が落ちる。 基板の水気
をそっとふき取り、乾かす。
5)今度は、グリーンレジスト(保護膜)をのせて、再度、転写機を通す。出てきたらまた真水につけてしばらくするとパターンだけ残して紙がとれる。
6)乾かす間にお湯をわかして、裏面に巾の広 いセロテープを張りつけ、できたらば湯煎しながらエッチング。
7)スチールウールで磨いてグリーンレジストを落として、マニキュア落としで粉粉を吹きとってから、この前、わけていただいたメッキ液に少々浸して、スズ メッキして完了。  ・・・という具合ですが、録画したテレビ(高校講座「地理」??)見ながらで30分ほどですべてが完了した。じゃあ、晩飯作る か・・・

 さて、晩飯後は、苦手なスルーホールです。試してガッテン見ながら、工作再開。
1)スルピン 1.2mmを使うことにして、まずは穴あけ。
2)ピンを入れて折ったら、2mmもあると長いので、下に万力の鉄をおいて、上に突き出した部分の大半をニッパで切る。それからパン、パンと潰す用具で潰 す。
3)この段階でテスターでそれぞれの導通を確認。駄目ならやり直すか、様子を見る。
4)半田付けを両面にして、吸い取り線で周りをならします。再度テスターで確認。
・・・と作りましたが、まだどうもイマイチです。これは結構手間取り、テレビには柳沢さんが熱弁をふるっている。

さて、続いて部品の取り付け。チップコンから始めて、半固定抵抗、抵抗などをつけ7660も載ったら電源をつけてマイナス電圧を確認。最後にFETを載せ た。OAMに声を出して、10時を過ぎたので片付けをします。

 10月6日 急がしかった学園祭をくぐって、休みも合宿だった。そして今日は仕事。晩から山に行くので、昼に帰ってから晩飯前までに・・と 思ってデュアル バンドミクサーの調整をしてみた。430M-IFのLO 2mW程度から入った信号をMGF1302で増幅。その後、ウィルキンソンで二分岐して、二つのパッシブミクサーに入れるというつくりにした。10G用で は出力ポートのパスコンなどは10G用に計算、5G用は5G用で計算した。また、10G用のFETパッシブミクサーに5GLOの基本波トラップを入れてみ た。これで効率がUPするかなぁ?? という事です。マキ電機の二石用のケースに組み込み、LOを引いてきて、SGで435Mを入れて、調整してみた。
 10G用は劇的にはよくはならない。ただ、トラップは有効なようで、これで5G成分よりも10G用ポートでの出力が少しだけだが大きくなった。5G用は や はり単純な構成なので、4dBm程度かもっと出る。これだといいだろう。受信時のロスも確認したいのですが、もう晩飯を食べないと山に間に合わないので、 後日・・・。さーて、連休明けに時間が取れるといいのだが。
   5Gポート出力       10Gポート出力


10月9日 早く帰れたので、晩飯後に新型(?)DUAL-BAND-MIXERの受信時の小信号での変換損失を見てみた。SGに逓倍器をつけて、- 10dB程度を出してやり、これに20dB ATTを加えたものを信号源とした。
 すると・・・
・ 5Gでは、変換損失は8dB程度。6-8の間なので、まあ8dB。
・10Gは、ハーモニクスミクサーになるので増え、損失 15dB程度。
 なんだ、多いままだ と思って、今までの両バンド兼用を同じように測定してみたら、なんと10Gで25dBもの損失。こりゃあ、聞こえないはずだ な・・。
・・・という事でDUAL-MIXERは、まあまあの出来という事のようです。特に10G用のドレインに入れた基本波LOへのトラップは、数dB程度の改 善が送受共に見られるようだ。
 さて、そろそろ本体をくみ上げて仕上げたいのだが、問題は仕上げ方。MIXERが二つになったので、出力も当然、各バンド。この先に5G/10Gそれぞ れのBPFを入れてから、今まで作っていた双方向アンプを入れると、「二つのミクサー」「二つのバンドのアンプ」となるので、考えたらあまり「デュアルバ ンド」と言うより、二つつめこんだ という感じになる。(まあ、これが無難そうな気がするが・・・)
 もう一つのパターンは、二つのミクサー出力を5/10G DUP型BPFで一つにまとめて、これを広帯域アンプで増幅して、各バンドごとに戻してからアンテナに・・というパターン。送信用のDUP付のアンプは 作ったので、次は逆に受信用を作れば、これでもいけそうです。どうかなぁ???バンドで別々のアンプを使った方が、FETを使ってゲインも稼げると思うの だが、MMICで広帯域アンプを並べて・・もちょっと魅力的。どうしようかなぁ。
 また、430M-IFを切り替えるリレーとその基板を用意しなくては・・。ラッチのリレーの方が消費電力が少なくなるだよなぁ・・。

MMICでのデュプレクサー内 蔵LNAの製作

10月10日 定時には出られず、でも、帰宅したら子どもが晩飯を作っていたのでラッキー!! と電車内でアートワーク修正をしたデュアルバンドMMIC アンプ基板のエッチングを始めた。この基板は、MGA865 NLB310 とMMIC二段。入力部にデュプレクサーが組み込んであり、5G/10Gのポートからそれぞれ入力できるようにしたもの。以前、出力振り分 けは作ってうまく行ったので逆を作ってみた。
  例によってトナーで転写。今年はずいぶんたくさん作ったので手慣れた感じ。晩飯までにエッチング前までやり、晩飯後に試してガッテンを横目で見ながら
エッチングして、すずメッキして、スルーホールと穴あけ までやった。・・・だってとても簡単な構成の基板なんだもの・・・。hi
 続いて、ニュースワッチ9となり、柳沢さんの声を聞きながら、次に組み立て。OAMにも声を出してから、さーて、工作だ!!!
・・・ところが一番便利なピンセットが見当たらない。どこに沈んだのか??? 他でやったら部品を飛ばして大変。なかなかよいピンセットは売っているのが少ない。ホーザンのがやっぱり良いのかなぁ???医療用の方が力が入るからいい のかなぁ???

 とりあえず、組みあがり、電流をテストしてからSGと逓倍器から10Gの弱い信号を入れてテストすると、どうも二段なのに15dB程度。変だな??? 5Gにしても同じような具合。変だぞ???調べてみると、どうもMGA86576の動作がへんてこ。MMICの多くは、ERAなどと同じく、抵抗で電圧を ドロップして使えばよい と思っていた。ところがどうもBKMGA86576は、抵抗をかえてもプラスの電圧があまり変わらない。試しに5VでRFCだけ でつないで動かすと、16mA程度流れてゲインもあと10dBは出
るようす。はて、それとも別の問題か???抵抗付加だと200Ωで13Vが9V。これだと危ないので390オームにしたのに8.5Vとオームの法則とは違 う動作のようだ。こりゃあ、三端子を使うか、それともツェーナーやダイオードで降圧するしかないかな?? これは多分、FET内蔵のMMICだと思うので すが、どうしてこんなになるのでしょう。
 しかし、ここでもう時間が遅くなったので、風呂に入って寝ることにしました。今日は、やっと春闘の回答が出る交渉があったりするので、残念、続きはでき ない。日曜日の講習会までに何かしら仕上げよう というのは無理っぽくなってきた。

10G用にBPFにノッチ を入れる

10月14日 今日は、川崎の講習会に少しばかり寝坊して参加した。今回は、BPFの特性を見るのが中心だったが、BPFとノッチを入れるネジで下の写 真の様な特性ができて、10G用BPFのの見通しができた。
 また、隣でSMAプラグの半田付けをしているのを見て、「ふーん、これってそんなに難しくないのか」としげしげと見てきた。・・卑小、私は恥かしなが ら、SMAプラグ、ちゃんと半田付けしたことがなかった。なので、帰宅してから、さっそくやってみた。まずは、曲げすぎて根元でポッキリ折れた奴。ちょっ と中心のピンがへこんでいるな・・。続いてもう一本、二本・・・。一応できるようだ。コネクタにねじ込んだ状態でいじった方が、中心の誘電体がはみ出さな い。ついでに、以前、いただいたSMAプラグのメスの奴も変換を作ってみた。
 さて、これで充実した一日だったので、デュアルバンドをそろそろ完成させよう と箱にくみ出したが、この欲張りがいけなかった。どこをどう間違ったの か、どうも、実験中に過電圧で、MMICを多数ご臨終にしたようで、送受とも「なんだこりゃあ」と繰り返して叫んで終わってしまった。やれやれ、また完成 に遠ざかった。どうもこのTRVは組み込みが鬼門のようだ。MMICが手持ちがつきたので、注文して届くまでは、ミクサーの実験の続きをやろうかな。オチ は今日も悲惨だった。トホホホホ。

10月17日 OAMに声を出してから、なぜか増幅しなくなったMMICアンプをいじっていた。どうやら一段目のMGA865 がおかしいらしいので、実験したがイマイチだった三段アンプから剥がして、取り替えた。MMICを買ったDOWN-EAST-MICROWAVEが「マイ クロ波UPDATE参加のためにしばらくお休み」だそうで、月末まで注文できませんので、苦肉の策。これで20dB程度のゲインが復活しだが、どうも個体 差か、10Gでのゲインが前よりも少なくなった。うーん、これでは不足だ・・。
 次にミクサー周辺のロスを再度確認。BPFとミクサーでつなぐと、10Gで20dB程度のロス。この前、実験した時よりも多いなぁ・・。全体としてこれ ではゲインが出ないので、やはりミクサーをもう一つ作ることにしないとだめそうだ。
 やはり、デュアルバンド用のポイントはミクサー。一つのミクサーにて兼用すると10Gが25dB近くのロス。ミクサーだけ分けてもハーモニクスだと15 -18dB程度のロス。・・・やっぱりできるだけ基本波で動作させた方がよいようだ。それとも局発が一桁多ければいいかも知れないのだが・・・????。

デュアルバンド用ミクサー その3の製作


10月27日 午後からスルーホール工作をして、まず、デュアルバンド用ミクサーを作った。今回は、局発を二分岐して、10G用は逓倍してからミクサーに 送っている。つまりミクサーは基本波で動作。・・・・やってみたら、いやーっ、やっぱり基本波ミクサーはロスが少ない!!!。ロスが10Gで10dB 5Gも10dB という程度で、送信に至っては100mWを430Mで入れたらば10mW近く出てきた。うーん、やっぱり基本波ミクサー は効率がよいん だねぇ。#あたり前の話ですが・・・。
 ついでに双方向アンプをFETで組んだのですが、どうも初段が不安定で、石を飛ばしてしった。うーん、そろそろ寝ないと明日の岩トレに響くかな・・。


 ミクサー基板        5G出力           10G出力



ミクサー基板 逓倍部にまだ 改善の余地がある

5G用BPFの改善をめざして・・・


11月3日 今日はいい天気だが、工作の日と決めて、ゴソゴソと5GのBPFをいじっている。最近、5G用BPFにはSMAが5G用共振棒の先につながる タイプばかり作っていた。でも、考えたら真ん中の共振棒は必要だが、給電??部や取り出す部分は「共振」とは異なる動作なのではないかと思い当たった。導 波管のプローブもそうだ
が、共振ではなく、結合 という事ではなかったかと・・。
 そこで、このSMA部分の共振棒をとりさったものを作って実験してみた。ダメもとでできれば、この方が倹約できるものね という考え。SMAプラグの真 ん中の線を長いまま8mm近くに残して、結合させている。これでやってみたら、共振棒までの距離が少し増えるためか、僅かにロスが増えたが、帯域外の特 性、特に400M程度はなれての減衰は大きく増えた。430M-IFでのTRVに使うには、2つの共振棒で作って、そこそこ使えそうな感じになったように 思う。こんなアイディアはいかがでしょうか??
 ただ、ネットアナなんてものはないので、HP8620の出力とBPFを経た出力を並べて比較しなくてはダメ。。最初、「なんでこんなに特性が暴れる の??」と思っていた
ら、何のことはない8620の出力が波打っていた。hi お粗末さま。



通常の5G BPF             結合部センターピンのみ

仕上げにとりかかるが、まだまだ トラブル

11月7日 夏から遊ばれてきたデュアルバンドも、そろそろ仕上げに入ろう という事で、送受切り替え・バンド切り替えなどの回路を作り出した。
 同軸リレーには、手持ちの24-28Vのトランスコの物を使うので、これの駆動回路も必要。今回は、これはリレーを使わないTrスイッチの回路を JA1BWW梶原OM
より教わっており、基板も二枚ほどありましたので、使うことにした。さて、次はIFの切り替えが問題だ。ラッチリレー用のパターンを作り、昨晩は印刷から エッチング。でも、エッチングがなかなか終わらない。液が死んできたのか、はたまた、銅箔が厚いからか・・・。G10を使ったのは久しぶりだったが、手間 取りました。おかげ今朝は眠いです。hi
 あとはスルーホール加工をしてから、スタンバイ回路を作る。バンド切り替えとの連動をどうするか、TRスイッチにするかリレーが簡単か・・と思案中。今 週末で完成できるかなぁ・・・

11月11日 夜中に工作していたら、ろくなことは無い。スタンバイ関係を作って「よーし、これでくみ上げたぞ」と思ったのだが・・・なんと電源関係の配 線にミスがあり、共通部のユニットにマイナスを供給しないで、プラスだけ供給されていた。ヤバッ という事で、調べるとやっぱりFET 数本が飛んでおり、泥縄となった。どうも動作があちこち変になってしまった。こうなると、やることやること、負の連鎖になるもので、パターンは一部剥がれ るし頭はますますぼけてくるし・・・という事で、逓倍部が戻ったらしいあたり でとりあえず中断。うーん、もう一度、パラして全部組みなおしみたい。トホホホホ。せっかく、バラックテストでは、まあまあの結果だったのだが。

11月23日 今日は風邪引きのため、おとなしく自宅にいてコンテストに声を出した。自宅なので、そう成果はないが、5Gで1stQSOが2局あり満足。 その後、昼寝をはさんでデュアルバンドTRVのスタンバイ関係を配線。受信は一応、動いている。また、送信では10G/5G共に1W程度の出力というのが 現状だ。ただ、スプリアスがBPF一つではやはり取りきれないようだ。また、5G用のリレーが簡易駆動回路ではイマイチ切り替りがスムースでない感じだ。 BPFを入れる場所を作るために12Vラッチリレーを探したほうがよさそうだ。(24VリレーをTRスイッチで駆動)

     5G出力          10G出力
5Gではどうもミクサーで高調波を作ってスプリアスとしてミキシングしているようだ。

11月24日 夏から悪戦苦闘してきた435MhzIFのデュアルバンド・トランスバーターを一応、箱に入れて動くようにした。

初期から考えると、ずいぶん構想が変わった。1)一つのミクサーでデュアルから各バンドの独立したミクサーに。2)双方向のMMICアンプからFETのア ンプへ3)デュプレクサー型アンプから普通のアンプへ ・・・という具合で、できてみたら単純な構成になってしまった。hi いろいろと実験というか、下 手な鉄砲も数打てばなんとかなるだろう、と作ってきた ので、寄り道ばかりした。やっている時は苦しく、「バカだなぁ」と嫌になるのだが、まあ投げださないで、一応、箱に入った。でも、重さは約1.2Kg と、今までのデュアルバンドが2.5Kg以上あったのと比べると大変に軽くなった。24Gと共に持参して今までの一台と同じ程度。移動にはずいぶん便利に なりそうだ。IFは435Mhzで作ったので、10Gは逆ヘトロダインだが、スイッチ一つで切り替えができる。また、FT790と組み合わせると、強制ス タンバイも簡単に使えるようにしてある。
 しかし、まだ、大きな問題点が残っている。
1)BPFが不足して、スプリアスが取りきれない。だが、BPFを入れる場所を作らなくてはならない。
2)スイッチオンからのQRHが大きく、本体の発熱が送信すると大きいこともあり、とてつもなく動く。
3)果たして本当に使用に耐えるか??わからない。hi
 さーて、どうやってBPFを入れる場所を作るか と思案中。外につけてもいいのだが・・・。また、QRHには、簡易オーブンをつけてやるのが一番よいか な と思っている。40度の奴がクーヘンにあっなぁ・・・・でも、輸入するとユーロは高いし、どうするかなぁ・・。




まだまだBPF

11月28日 なんとか手持ち材料でBPFを作ろう・・・と、昨晩は角パイプの残りに穴をあけて製作した。まず、10G用。前回、一杯加減でやったら、ど うもネジ穴がずれてしまったようなので、逆側を使って穴を開け直した。SMAと共振するネジの穴が 8mmにした。これでロスが2dB程でもう少し減らしたいが、どうもうまくない。IF=430/144などで使うための10Gのフィルターは、な かなか難しい。5G用はSMAのセンターピンから間隔8mmで作ったら、ロスがSMA中継程度になった。まあ、これは使えそうだ。ただ、本体に内蔵させる のはなかなか大変そうだ。同軸リ レーをズラして、場所を作れなければ、やはり二重底にして、外側につけるしかなさそうだ。

11月29日 風邪が抜けず、半ば死に体だが、自宅に戻ると元気になり(?)、毎晩、10GのBPFをゴミをば作り続けている。朝になると死んでいるの で、「職場だけ鬱病じゃないかな」なんて・・・。角パイプの四つの面、すべてに違った間隔で穴が空けてみたがまだ良いモノにはならない。今日は思いっきり ネジを近づけ、SMAコネクタのネジ穴程度(24Gではこれがちょうどよかった。)にしてみたが、やはり帯域がザルになってしまった。ネジ一本でも、切れ るもの、ザルになるもの といろいろできるので、フィルターは改めて奥が深いなぁ とため息をく。
 
             5G BPF            5G BPFの特性       10G BPF                  10G  BPFの特性  
12月2日 今日は今年最後のSHF技術アド バイス講習会だ。昼から忘年会なのだが、風邪ヒキのためあまり飲めない。朝からでかたてネットアナでこの間に 作り貯めたBPFを比較・検討してみた。特にMWE2007で見たものを真似して作ったBPFが一番の関心事だったのだが、もともとの目的であるデュアル バンド用にはこれはもちろん使えない。忘年会は、比較的おとなしくして一次会で帰ってきた。材料の角パイプをわけていただいて、帰ってからまたまたBPF を作ったりしていた位なので、品行方正な一日だった・・としておこう。

12月3日 帰ってきたら22時過ぎたったが、思いついてBPFを交換してみた。昨日の講習会に持参した中で一番切れる奴、一つではどうかなぁ??と言う 事でやってみた。ロスが2dB程度あるので・・と思っていたが、一つでかなり切れるので、取り替えてみた。
 すると、これはずいぶんすっきりと信号が綺麗になった。でも、まだLOが-45か50dB程度で見える。これって、どこまで落とさないといけないもの だったかなぁ??ちなみに使ったBPFは、SMAコネクタ芯--8mm--3mmネジ---12mm---3mmネジ---8mm---SMAコネクタ芯   という間隔のものだ。(上の12/2付けの10G用のもの)これだと430M離れたら35-40dB程度落ちた。逆側の435MhzUP部分は完全に 見えなくなった。

     新しいBPF                                   出力信号

12月4日 BPFのできが気になり、「スプリアスの基準」(新基準)を調べてみた。これだと「43dB+10log(P) または70dBc のうちの 小さな方の減衰量」でよいらしいので、2Wだと45dBとれていれば一応okなのかな。でも、やっぱりトラップを入れるかなぁ。トラップ入れれば60dB まではとれそうですね。うまくすれば70dB??
でもニアバイはもう少し強いかも知れませんが、バンド外という事で考えたらいいのかな。

完成したと思ったら修理・・・そして完成


12月5日 一昨日、夜なべをしたので、テスト問題も完成し、昨日は早く帰宅できた。そこで、デュアルバンドのBPFにトラップを入れてみたが、間隔があ わないようで、直角から入れたネジがうまく効かない。まあ、一応、法定範囲だからいいかな という事で、蓋をして総合的に調子を見た。
 QRH対策は、とりあえず、60度のサーミ スタで以前固定用で使っていたものを、10G用の水晶に抱かせてやった。200Khzほど上になったが調整で き、10分ほどで安定するようだ。こちらはスイッチと無関係に電源に入れるようにした。これで電源を指せば温まるので、移動ではそこそこ使えるだろう。さ て、続いて総合テスト。アンテナをつないでマーカー信号で受信してみた。すると・・・受信がまたまたゲインが足りませない。変だな。確か、テストしてOK になったから送信テストに入ったのだが???接続の問題なのでしょうか・・・どこかに接続不良か、それともミスマッチか??10Gはまだしも、5Gがどう も、ゲインが無く、実際、どうも聞こえない。(10Gはゲインは低いが、まあまあ聞こえる感じがする)

うーむ??? という事で、5Gのプリ部分をいじりだしたが、フッと魔が差したのか、信号があがったと思ったら、ツーーーーー。あ、飛んでしまっ た。・・・初段を飛ばしてしまい、ボツ。時間切れとなった。

さらに、今まで使ってきたワンボード二枚をつめこんだデュアルバンドTRVも、どうも10Gの調子が悪くなった。送信が出力がフラフラしてさっぱり出ませ ん。こちらも開けて点検すると、どうも基板が浮いている感じがするので、ネジを追加・・・でも、それでも安定しない。出力が出たり消えたり???な症状。 五年ほど過酷に持ち歩いたので、あるいは基板の裏側がさびたとか、セミリジットが中が切れたとか、そんなことでしょうか。・・・でも、こういう具合の修理 はとても難しいですね。hi
  ・・・という具合でして、しばらくお顔を拝見しないのだが、「釘宮の法則」・・・(一つできると二つ壊れる)は、依然として顕在のようだ。トホホホホ。

12月6日 デュアルバンドもさーて完成だ と思ったら初段FETが飛び、交換へ・・ところが復活して動き出したと思ったらどうにも安定しない。なんで だ??と思ってFT817をつなぐと、Sメーターが振り切る・・・何の事はない発振がいた。調べると、どうもスルーホールが抜けてしまったような感じだ。 うーん、この基板はコネクタを半田付けしたので外せるかなぁ。それにスルーホールの抜けをどう直すかなぁ・・・。もう一枚、基板から作るかなぁ と思案 中。どうもこの基板は、銅箔が薄いからか、FET交換となった時にパターンがはげやすいのが難点だ。
 また、何よりもスルーホールは自作基板では難点だ。テフロンだと、やわらかなので、カッターで切れ目を入れてベロをつけられるのでもう少し楽なのだけど も・・。

12月8日 昨晩、もう一枚、基板をエッチ ングした。送信一段、受信二段のアンプ。ただ、重盛さんにいただいたメッキ液がそろそろ寿命らしく、うっすらだ けになってしまったが、エッチングして、メッキして、穴あけして・・・までは、終えた。今日は部活が、「試験が終わったから遊ぶぞー」という部員諸君のお かげでなくなったので、なんとか夜までに作ってみたい。
 でも構成は何にしようかな。01を使ってやるか、それともMMICとFETを組み合わせるか、はたまたMMICだけでやるか・・・。最初、MMICを 使って・・と思ったのだが、どうも思ったような動作にならず(どうもスルーホールの裏側が少し浮いていたような)測定器のリークなのかMMICを飛ばして しまったので、NE3210S01を使ったものに作り変えた。ただ、これも最初はゲインが出ず、なんでかな と思ったら裏側が浮いていたようだ。ネジを加 えなんとか解決して、発振も一応は止まったので、本体 に組み込んでみた。受信時に先端を開放すると、どうも発振することがあるようですが、アンテナをつけると大丈夫みたいだ。
 また、前回、トータルゲインが出なかったのは、同軸リレーまでのセミリジッドがヨイショと押し込んだ時に折れていたのが原因だったようで、これを直して 結線しなおした。これで少ないながらも一応はゲインがあるようになったので、蓋をした。これだとゲインが不足するかも知れないが、移動で実際で使ってみ て、どうするかを考えてみたい。不足ならば外付けでも、プリを追加するのが早いようだから・・・。

・・・・という事で幾多の泥縄の製作をへて、430M IF DUAL-TRVが一応は完成(?)した。