四逓倍基板の実験
11月13日 時短日で夕方には帰宅できたが、デュアルバンドは必要な79L05がなくて製作はお休み。せっかくなのにもったいないので電車内で作ってお
いた2.5Gから10Gへの四逓倍ユニットの基板を作ってみた。もとは、デュアルバンド用のミクサーユニットに製作した10G用のLO逓倍部分。これをも
とにして、前段に2.5Gから5Gの二逓倍のパターンを、5Gから10Gの物のほぼ倍の寸法でつけた。
基本は、ゲート側の電源ラインとパスコンを逓倍の元の周波数の1/4λにして、ドレイン側の電源ラインとパスコンは出力周波数の1/4λにする。トラッ
プは、ドレイン側に入れて100Ω程度のインピーダンスの細い線で(電源ラインと同じ)作る・・・という事で考えた。また、2.5G用のパスコンは大きい
ので扇型ではなくて、長方形にした。もくろみは二逓倍を二段つなげて四逓倍。これであわよくば10dB程度のゲインをあげられたら拍手喝采・・・というえ
げつないねらいだ。
エッチングまでで晩飯を作る時間となったが、その後、スルーホールをやり、部品をつけ、一応、組み上げてみた。SSGから2560Mhz
10dBmを入れて、さて出力を見て調整に・・・ただ、昨晩は2560Mの通り抜けがやたらと強く、10Gはさっぱり。さらに動作点によっては発振もする
ようなので、やはり二段続きで基板を作るのは一段
の逓倍を調整するよりは大変だ、と改めて思ったような次第。もう少し時間をかけて、一段目から徐々にトラップを調整してやり、スタブもいじる必要がありそ
うだ。
11月14日 今日もサトーさんに間に合わなかったので、四逓倍基板を調整しなおした。
@入力部から二倍の出力が最大になるようにスタブ調整
A一段目のトラップを調整。
B10Gの出力が最大になるようにスタブ調整。
C二段目のトラップを調整。
D広いレンジでスペアナを見て、バランスを見ながら調整・・という順番でやってみた。入力部のスタブがホンマカイナという感じの大きさ。これだったら、入
力部によく見るようにトリマーを入れた方がはるかによくなってしまいそうだ。あれは、こんな意味があるのかと一人で納得。とりあえず、10Gが最大となっ
たが、どうやら飽和出力が低いようだ。1mW程度だと同程度の出力があるのですが、3mW入れても同じ。うーん、これは使ったFETが2SK779だから
かなぁ???これ、サトーさんで安かったからたくさんあるので使ったのだけど・・・。それとも何か勘所があるものか???うーん???
以下は広いレンジで見た出力と巨大入力部スタブのついた本日の基板。
12月23日 スペアナの基本操作がわかったので、逓倍基板 その2を作ってみた。二逓倍を二段で四逓倍して10G-12Gで使う基板だが、前回はゲート
側のパスコンを入力周波数の1/4λで計算していた。でも、HJの故・JA1EPK稿を読むと、ここを出力の1/4λの大きさのパスコンを入力周波数の
1/4λの位置につける、とあったので、作り変えてみた。MWE2007で見た大学の展示から考えると、こうしなくてもゲート側に出力周波数の1/4λト
ラップを入れればよかったのだと思うが・・・。
また、入力部のスタブが大きいので、HJの記事のマネをしたものをつけてみまたが、これはあまり意味がなかったようだ。(Sパラ計算してつけたものを計
算しないで違う周波数でつけるのがアホだなぁ。)
基板を作って放置していたら、表面が酸化してしまった。やはりスズメッキ液がくたびれてしまったので、時間が経過するとダメだ。作り方をうかがっておく
のでした・・。2SK779を二段で作ったのだが、どうも二段目がすぐに飛ぶのでもったいないと思いつつ、MGF1302に交換した。ただ、779を使っ
たら、どうもすぐに飽和してしまうようだ。最初はSSGで入力2750Mhzとして、11Gで調整したのだが、考えたら11450Mにするのには
HP8620を使えばよいので、これで調整しなおした。すると、1450Mで二段の四逓倍でゲインが一応6dB程度は出た。入力をスイープしてそのレベル
と出力を比較すると、真ん中はゲインがある。
添付は10dB
ATTを頭にいれてみていますが、-5dB程度を入れて+2dB程度出力されている。もっとも飽和するので、7mW程度を入れても7mW程度しか出力
が増えない。石はケチらずもう少し大きめのものを使うべきだった。hi
添付のようにトラップは懸命に調整したので、20-30dB程度は効いている模様。飽和出力さえもう少し大きくすれば、そこそこ局発として使え、ビーコ
ンにも
使えるものとできると思う。これの前に2.8Gを出す局発を作れば、47G用に使えるはず・・と思っているのだが。
2月4日 今日は、四逓倍基板のアートワークを直したものを組み立ててみた。
今回の基板の変更点は・・・
@一段目入力部の長いスタブは取り去った。
AFETのゲート側のバイアスラインにあるバスコンを入力周波数の1/4λに戻した。この代わりに、FETのゲートに出力周波数の1/4λのトラップを入
れた。こうする事で「ゲートに出力周波数が出ないようにして、出力には入力周波数が出ないようにする」という条件を満たす事にした。マイクロウェーブ展で
見た大学の展示(高調波発振器の研究)を参考にした。
B7660のパターンで切れていた部分を直した。
・・・というあたりだ。また、FETにはNE3210s01を使ってみた。これならば最大で20mW程度までの出力が期待できるかも知れない。(実は逓倍
だとバイアスの関係で無理っぽいのだが)さらに、いつも苦労するソースのビア(スルーホール)には、1.6mmハトメを使うことにした。これが一番安定す
るような感じだ。FETへの電圧は、5Vラインから100Ωをつないでドレインに供給している。20mA流れて3Vになる計算だ。アマチュア的には
4.5Vくらいで使う手もあるが、一応は最大絶対定格内で使っておこう。hi
今回は調整周波数は、10.480Ghzを目標にして、2620MhzをSGから入力した。これで10.45Gのビーコンに使おう、というモクロミ
(?)である。結果として、入力部のスタブはやはり大きめとなったが、2mW inで8mW out
と7dB程度のゲインが二段で確保できた。もっとも、ここで飽和してしまい、8mW程度の出力がこの設定では限界のようだ。それでも、8mWあれば
MMICアンプならば楽にドライブできる。また、FET二段で200mW程度にできそうに思う。