24G調整用信号発信器の製作

1月1日 昨日、HP8640B(SG)が壊れてしまった。多分、電源の不調なのだが、24Gの調整中に、突然、信号が出なくなったので、見たら発振部が止まっていた。しかたなく、YIGオシレーターにATTを入れたものでアンプの調整をした。

  ここで、「なんで1040MhzまでのSGが24Gで使えるの??」と思った方は鋭い?!しかけは簡単である。HP8640Bで1000.83Mhzを発振させる。これだと 20dBmは出ないので、以前、2.4Gで使っていたMGF1302パラのアンプを使って100-150mWに増幅するのだ。この出力をNJX3501(SPD221)等のダイオードを使った逓倍器に入れてやれば、24倍で24020Mhzマイナス100Khz程度が最大で-35dBmほど出てくる。これはプリアンプなど、ローレベルアンプの調整にはなかなか便利なのだ。ちなみに、アンプの出口には、ちゃんと直流を流すための半固定VRを入れておく。10KΩ位のものをいれて、出力最大の所でにセットするのだが、この値で10dB以上もレベルが変わるので、要注意だ。

 さて、8640Bの修理も必要だが、ともあれ、何かある度にSGをセットしているのもやっかいなものだ。そこで、思い切って、24G調整用発振器を作ることにした。ちなみに我が家の工作机には、5G -30dBm 10G -10dBmの信号源がセットしてある。24Gも自立した信号源を作っておいて、必要な時にはSGに・・とした方がスマートだろう。

 そこで、元旦の朝に部品箱を整理した中を電卓をたたきながら物色した。最初に出てきたのは、1200Mの発振ユニットだった。これは、150Mhzを8倍して1200Mhzを出力しているらしい。(スプリアスから見ると、150Mhzおきなので、多分・・・)これを今までのアンプにつないで動かすと、なんと24000Mhzに-30dBmの信号が見えた。へーえ、すごいな と思ってユニットの出力を見ると、10dBm以上は出ている。なるほど、高出力なんだな、と納得した。これでも調整用にはよいのだが、バンドの端で20Mhzも低いのが気になる。まあ、20Mhzなんてたいした違いではないのだが、私たちアマチュアの作るアンプはどうかするとフィルターよりも鋭い周波数帯域になりやすいので、できるだけ24020Mhzに近くしたいものだ。
 
 そこで、さらに漁ったら、111.2338Mhz という発振モジュールが出てきた。これはずいぶん前に拾ってきたジャンクだが、216倍すると24026Mhzあたりになる。これを12倍して、1334Mhz台にしてやり、10dBm以上にすればよいだろう。・・・・さて、工作だ。でも、こんな場合、作り方はつぎはぎのカットアンドトライで考えるのが私の「いーかげんにマイクロ波」たる所以である。ジャンク箱から2SC3355を引っ張り出した。これは局発実験で買ったのがまだあるのだ。Ftも高いし、まあまあ良いだろう。まずは、二段目・三段目までを組むことにした。
構成は・・・
 XCO--- 2SC3355 ×2 ---2SC3355 ×2 ---  445Mhz台  である。同調だけはそれぞれ副同調にする事にしたが、コイルには、マキ電機のモノコイルシリーズから、200Mを二つ、430Mを二つ やっぱり箱から引き出した。もっとも同調容量がよくわからないのだが、とりあえず、前者は4PF、後者は3PFとした。
 ここまででテストすると、なんだか三段目の出力が出ない?? ヘンダナと思ったら、200M モノコイルの二次側がまいていない(存在しない)のか切れているようだった。仕方なく、ここをCでの結合にした。すると、4PFでは多すぎるようで、3pFに変更した。四苦八苦しつつ調整すると、445Mhzで5dBm弱が出てきた。

 さて、次は三逓倍部だ。最初は買い置きしている2SC2367を使って・・・と思ったのだが、バイアスをかけすぎて「導体」にしてしまった。うーん、正月なのに南無阿弥陀仏・・・。そこで、池田さんで百本で買ってたくさんあるFJ451を使ってみた。バイアスをかけずにベース・エミッタ間は3.3Kオームの抵抗を入れた。コレクタ側は18Ωの抵抗を入れた。この状態で見てみると、0dBm程度の1334Mが出てくるようだ。
 そこでここに同調回路を入れることにした。と言っても、ベタアース面に10pFのトリマーをつけて。その一方の足を根元から切り、そこに片側のリード線をずっと短くした2PFのセラミックコンデンサをつけるのだ。長いほうの足をのばしてから、先を曲げ先端をベタアースにおとす。これでトリマーを回すと同調するはずだ。周波数が低ければ、リード線を短くするのだ。 この同調回路への結合は、コレクタから1PFで行った。結合点は同調ループのアースに近い場所だ。この状態で、スペアナのプローブを近くにつけて、信号最大にチューンがとれるのかをテストした。多少、足が長いようだったので、短くしてやったら同調が取れるようだ。そこでもう一つ同じようなものを結合させてやり、出力を取り出す。でも、0dBmていどしかとれていない。ちょっと足らないな・・・。

 そこで、アンプを入れることにした。最初は秋月で300円でうっいてる広帯域アンプユニットを使ってみた。しかし、これは1000Mまでと書いてあったのだが、本当に1000mから上はだれてくるようで、全くアンプにならない。
 次なる手段として、μPC1677Cを取り出した。ちょっとオーバーだなぁ と思ったのだが、中くらいのMMICが他に見当たらない。さて、これで配線すると、出力で15dBmを記録するようになった。よーし、ちょっと出力が多いけれども、これで今までのアンプと逓倍器へとつなごう・・・

 でも、アンプにつないてみたら、-40dBmも出てこないではないか。なんでだ?? 飽和しているのかな と考えて、アンプとの間に2db ATTを入れてみた。すると、なんと、-35dBm〜-30dBmが出てきた。シメシメである。あとは箱に入れないといけないなぁ・・・と思って、元旦からやっている東急ハンズ・町田店に行ったのだが、なんと工作の部品はすでにほとんどなくなっていた。ツカエネェー・・・ しょうがないので、休みあけを待つことにしよう。


1月4日 実家周りから開放されたが、まだサトーさんはあかない。でも、ジャンクの山を漁っていたら、手ごろな大きさの黒いケースが出てきた。
横に基板を配置すれば、そこそこいけそうだ。そこで、これにマーカー発生器を詰め込むことにした。
 ただし、SGが直ったので、必要により、SGからの信号でも動かせるようにしたい・・・といい事で多少の(?)でこぼこができることになった。でも、これで外でのテストでも使えて、室内でも実験用にも使えるユニットができあがった事になる。