24G  電波伝播の不思議

 24Gを始めた時、「天気が悪かったら24Gはだめだよねぇ」と聞いた。そんなものなのかぁ、と思っていたのだが、それはもちろん正しいのだが、 JH1UGF局のビーコンを聞いていたら、条件によってはそうではないことが実体験としてわかってきた。

降雨減衰と周波数
  雨でどの程度の減衰があるのかというと事は、標準的な数値は回線設計のために算定式が作られている。降水量R(mm/h)の時の降雨減衰係数 (dB/Km)は、以下の値が近似値とされるらしい。

  降雨減衰係数 γ=aR^b    a/bは ITU PN838 で与えられる周波数・偏波などによる定数

このa/bの値を元に主なバンドに近い降雨減衰を計算してみたら、次のようになった。(2G/6G/10G/25G/50G/80Gの値)


さらに、これをグラフにしてみると、次のようになった。


 だから、これで見る限り、10Gと24Gとでは、雨による減衰は非常に大きく異なり、1-10mmの雨ではほぼ一桁多くなることになる。
     *参照文献 飯田尚志 編著 ウェーブサミット講座 「衛星通信」 オーム社 1997年刊

雨の日になぜか559???
 ところが・・・である。横浜・鶴見のJH1UGF局ビーコンが、雨の日に強く入ってきたのだ。
 7月18日 雨 いつもはJH1UGF・鶴見からのビーコンは、川崎ビル方向では519での入感がせいぜいの事が多い。ところが、この日は 549 さらにはあがって559までSメーターが振るようになった。
 7月19日 雨 やっぱり同じだった。なんでだろうか???

あるいは、 「反射」というところにポイントがあるのだろうか。以前、「最近のビルは、高周波吸収剤が塗ってあり、ゴースト対策をしてある」と聞いたことがある。だと すると、あるいは強い雨で、表面に雨水が流れると反射が強くなるなんてことは無いだろうか???うーん、なぞだ??? もしかすると、うちのリグがどこかおかしいだけかも知れないが。

24Gのレインスキャッター
 さらに、「24Gでレインスキャッターなんて難しいよ」と思い込んでいると、実はそんな事はない。
 7月20日、またまた雨の日だった。ビーコンを聞くと、雨なのに(雨だから?)今日も強い。ただ、信号音は濁っていない。ふーん、と思いつつ、アンテナ を都心に回すと、途中いつもは反射の無い品川の南あたりで、ビュービューと濁った音が聞こえた。いつもは全く聞こえない信号だ。面白いので、このビュー ビューという濁った音からまわして、普通のトーンになる変化を録音してみた。→これを聞いてみて欲しい。
 しばらくすると、この雨は去ったのか、このビュービューは聞こえなくなった。24Gを効率よく反射する雨 ってのは、10Gとか5Gとはまた違うに違い ない。