スリットアンテナとカセグレンもどきの実験

5月9日 今日は日曜日なのに朝から雨なので、ゴリゴリと室内でアンテナの製作をはじめた。実は24G移動用のアンテナがまだちゃんとしたものがない。おかげで、まだ移動用の機械で至近距離以外は交信したことがない。6月の大移動大会までになんとかしたいものだ。

新案??Nコネクタ改造円形導波管フランジ


24G移動用アンテナで考えたのは、「コネクタを使ってつなぐのはやめよう」と言うこと。理由は単純、一般に使うSMAコネクタ・セミリジッドケーブルは、何度も着脱を繰返すと、すぐに劣化しやすいのだ。

もともと、SMAコネクタは12Gまでと18Gまで使えるもので二種類(もっと怪しいのもあるが)ある。で、Kコネクタだと40Gとかになるらしいのだが、高いし入手できないので18Gまでのものを選別して、24Gでは使う。が、何度も着脱をしていると、すぐに駄目にしてしまう。だから、できたら着脱は導波管でも使ってガチャンとするようにした方がトラブルが少ない、と思ったのだ。

導波管と言っても、内径8mmの真鍮パイプを使えば、ちょうどホーンアンテナや導波管として 24Gでは使うことができる。これなら同軸よりも安いかな。あとはなんとか、ワンタッチ(?)でこれを着脱できる仕組みを作ればよいのだ。

このために試行錯誤した結果、Nコネの中身をとりさったものを使ってみた。Nコネのメス台座付の中身をすっかりえぐると、ちょうど内径8mmの穴があいていた。この内側にホーンアンテナを半田付けする。続いて、Nコネのオスも中身をえぐって、穴を広げ、パイプがさせて固定できるようにする。これでNコネクタを着脱すると、パイプ型導波管を着脱できるようになった。みかけだけはNコネだけど・・・。


カセグレンもどきの製作

さて、次はアンテナ本体。

まず、スリット放射器を作るべく、パイプの先を潰そうとしたが、肉厚が1.5mmもあるので、なかなか大変だ。そこで「カセグレンもどき」を製作することにした。

カセグレンアンテナの生命は、「副反射鏡」。が、これは精密で難しいし、買えば高い。まあ、精密加工だから無理もない。そこで、かねて買ってある「百円 ステンレス 蓋付マグカップ」の蓋を取りした。これを副反射鏡にみたてて、稼動する仕組みをなんとか作ろうというのだ。真鍮の3mmパイプを加工して、なんとか10mmパイプとあわせて、可動式の副反射鏡を作った。

さらに、パイプとアンテナを可動式でつけるアタッチメントも必要だ。そこでまたまたNコネのピンのなくなった奴を持ち出して、中をえぐり、加工してネジ穴をあけて、固定できる道具を作った。

さーて、問題は調整なのですが、どうしたものだか・・・。

スリットアンテナも作っちゃう



5月10日 今晩は、日曜日に製作したアンテナを室内でテストしてみた。

24G-TRVを三脚に立てて、1mほどの所でスペアナにモノポールをたてたものをおいて、ホーンだけとアンテナをつけた時で比較しながら放射器などを前後する・・・という簡略な方法。

鍋蓋で作ったスリットは、7cm焦点と思って作ったのだが、どうも、もう何mmか焦点が長いのかも知れない。ゲインで18dB程度の雰囲気。考えたら7cmといういい方は、通常のホーンアンテナを7cm離すということだったかな。だとすると、あと数mm 先が本当の焦点なのだが、うっかり片側を固定してしまったので、もう一度、動くようにしてやってみよう。

しかし、問題はカセグレンもどき だ。さっぱりゲインが出ない。16cm鍋蓋と25cmお皿だから、かなり違ってもよい気がするのだが16cmとお同じ程度か、プラス少々だ。このお皿、焦点距離を忘れてしまったので、まず、円形導波管をお皿の深さよりも少々短い長さにしてから副反射鏡を動かしてみた。それでだいたい位置が定まったら、今度は、その副反射鏡をだいたい固定した感じに持ちながら、お皿を前後してやればいいのかな??

今日は、アンテナの放射器が固定してなかったもので、どうも調整がやりにくい状態だった。そこで、移動用一号機Nコネ利用円形導波管のフランジ(そんな高級なものじゃないな・・・)を、夜中にゴリゴリやって取り付けた。これで今晩は、少しは調整しやすくなるかなぁ。

こうしてイーカゲンなアンテナを並べて見ると、同じ程度のイーカゲンさだとスリットに格段の分があるようだ。やっぱり細かいヤスリを探してこよう・・・・ そうそう、それからスリットの先だけを薄い銅や真鍮のパイプで作るという手もあったんだよなぁ。

#室内でアンテナ実験しながら、10GでRSで久しぶりに長野とも交信でき長谷さんの信号こそ聞こえなかったものの、なかなか充実した夜でした。しかし、やっぱり、翌朝が・・・あー、眠い・・・。hi

5月11日 今日は9時過ぎに帰宅だったが、やはり、アンテナ調整が気になって夜更かししてしまった。hi

トランスバーター本体にアンテナが固定できるようにNコネクタ改造フランジを取り付けたので、これを三脚に立てて、再調整をしてみた。すると鍋蓋とスリットを組み合わせたアンテナでは、不思議と、焦点距離が7cm程度のようなのだが、スリットの距離を5.5cm程にした時が最大ゲインとなった。で、なかなかはんだ付けがはずれないので、テープを巻いて固定しておいた。スペアナで、比較してみたところ、ホーンの単体と比べると20dBは、ゲインがあがるようだ。16cm鍋蓋だから、こんなものか
なぁ。円形のホーンアンテナって、単体で3dbiくらいはあるのかなぁ???(もっとある気もしますがhi)

次にカセグレンもどきを再調整した。25cmのお皿で測った所では焦点距離が90mm弱のようだ。これでホーンが50mm地点まで伸ばされ、反射鏡を80mm程度にした所で、ゲイン最大となった。これだと20数dbほど。もっと25cmだとゲインが出ないのかなと思ったのだが、さきほどMWACANTで見てみたら、この違いはわずかに3dBとか程度。だと、こんなものなのかも知れない。

ただ、まだ納得できない部分が残るので、35cmも使ってテストしてみたいなぁ・・・。

5月16日 早々と梅雨のような天候。朝から一日雨。・・・これではさすがにタワー上からTRVをおろしてメンテはできない。仕方なく室内でアンテナ工作を試行錯誤することにした。

 まず手を付けたのが、47G用のアンテナ。25cmのお皿をつけてみようという事で、最初に導波管の先に差し込むスリットを作ってみた。が、これだとお皿が25cmもあるのに、ゲインがせいぜい10dBと少々。どうも作り方が駄目だったようだ。また、本体の裏側につけた三脚とめの金具が小さくて、揺れると信号がいなくなってしまうため、大きなものと作り直した。

 続いて反射板を一枚 ぽっ と置いて使うバックファイヤーもどきを製作。これだと20dB程度のゲインが至近距離ですが、あるように見えた。焦点距離が、25cmのお皿で95mm程度なので、こんなものかな??

夕方は24Gに戻って、3/4がプラスチックになっている模擬パラボラにアルミテープを貼り付けたもので、いろいろやってみた。が、こちらはどうも可動部分がちゃんとしていなかったもので、今ひとつ焦点がつかめずに終わった。

また、パイプの先にスリットを差し込むタイプにして、薄手の0.5mmパイプを潰したスリットも作ってみた。1.5mmとかだと大変ですが、0.5mmは万力で楽に潰せます。ただ、これでテストしてみたが、16cm/25cmでほとんど違いが出ない。測定方法もイイカゲンなので、その問題かも知れないが・・・。

・・・てなことでアンテナ作りで、部屋中、金属カスを撒き散らして終わった。掃除してから寝たのだが、まだ部屋を歩くと足に破片が刺さりそうだ。hi