八ヶ岳雪山日誌

 

 昨年は正月に家族スキーの怪我で入院・手術となり、冬のシーズンは松葉づえ生活となってしまった。まだ足にプレートが入っているものの、今シーズンは少しでも雪山に戻りたい…。たとえ土曜日が仕事でも八ヶ岳ならば…と六回も八ヶ岳に通うことになった。

@ 12月18日 裏同心ルンゼ 2011DEC18-1.JPG - 14,304BYTES 「シーズン初めのアイスクライミングは裏同心ルンゼ」と、3人でやってきた。美濃戸口から6時過ぎに出発。雪が少なく、裏同心ルンゼは氷の滝が完全に露出。しかし、雨が少なかったからかあまり発達しておらず、氷の薄い場所が多い。Oさんは、20数年ぶりのアイスとの事だが、さすがに鍛え方が違って途中からどんどんリードで登る。F5は氷が少なくてバーチカル風。大同心稜に抜ける最後のルンゼが、人が通っておらず楽しく登る事ができた。でも、赤岳鉱泉からの下りは所々が凍っていてツルツル。アイゼンを外していたので、何度かお尻を打った。最後は、去年怪我をした右足首が痛くなり、Oさんに「あれ、足を引きずってませんか」と言われる有様。うーん、鍛え方が足りないなぁ。

 

 

A 12月23-24日 裏同心ルンゼ・ジョウゴ沢 

 「冬の黄蓮谷右俣をやろう」という計画が持ち上がり、Mさんとトレーニングに一泊でやってきた。

 一日目は赤岳鉱泉に幕営して、裏同心ルンゼ下部で練習。二日目は裏同心ルンゼを登ってから、ジョウゴ沢F2で練習して夕方に下山した。二度目なので裏同心はずいぶんスムースに登れた。でも、下りの林道はやっぱりツルツル。堰堤広場の先でコケて手をついてしまい、しばらく手首が痛かった。肝心の黄蓮谷は、Mさんの仕事の関係で持ち越しとなった。来季こそ、坊主の滝をリードしたい!!広河原沢もトレーニングに良いかなぁ。

 

B    211-12日 八ヶ岳ミニ集中 阿弥陀岳中央稜

 

 ミニ集中で阿弥陀岳南稜のはずが間違っての中央稜。充実したルート探しの山行だったが、なんと最初に林道の向きが90度違っていたらしい。トホホ。来年はリベンジして、一日で阿弥陀を越えたい。

 

C 3月3・4日 ジョウゴ沢・硫黄岳〜赤岳縦走2012MARCH5-1.JPG - 10,832BYTES

 本当は谷川岳東尾根に行く予定で休暇をとったが、天候不順と判断してNさんと八ヶ岳に転進。GMさんの情報で富士見駅からタクシーで美濃戸口まで行ったら、早くて安かった。でも、幕営用具一式にアイス・縦走の道具を両方とも担いだらやっぱり重たかった。

一日目は赤岳鉱泉に幕営してからジョウゴ沢へ。F2の右側に大きな穴があいて水がゴーゴーと流れていた。その先は雪が深くなり、ナイアガラの滝はほぼ埋没。重たい雪を進むと乙女の滝と大滝が見えた。乙女の滝は難しそうだったので大滝へ。下部数mは埋まっていたが、右側から登ってトップロープをセットして練習。でも、春の太陽に氷が解けてビチャビチャ…。もう八ヶ岳は春だなぁ。2012MARCH5-2.JPG - 11,750BYTES

二日目は、「天気は下り坂」との予報の下、硫黄岳から赤岳までの縦走。硫黄岳の山頂付近で晴れ間が広がりだして、横岳山頂は絶景だった。SKさんたちのパーティを途中で抜いて、赤岳山頂まで鉱泉から4時間で到着。久しぶりに南八ヶ岳の稜線を歩いた。

2012MARCH6-2.JPG - 13,345BYTES

D 3月11日 南沢小滝・大滝 

 

 今日は、夜行日帰りでも近い南沢小滝にてアイストレ。STさんも来るはずだったが、「鳥さしを食べたらお腹が…」との悲痛な電話。うーん、STさんの熊の胃でもやられるのか…。という事でNさんと二人になった。

 美濃戸口までの道はツルツルで地元タクシーも直前で止まった。でも、登山道は雪があるので快適に歩け、美濃戸から南沢を一時間程で南沢小滝・大滝に到着した。近くて実によい。

しかしまあ、なんとロープと人の出が多いことか。10本近いロープがスダレ状態で、かろうじて端にトップロープをセットした。それにしても、バーチカルな上に氷が硬くてアックスもアイゼンもなかなか決まらない講習会のボランティア・スタッフをされていた数十年経験のベテランの方に、「とぎ方が足らない」等といろいろと教えていただいた。大滝も登るつもりだったが、小滝をリードできる自信が持てなかったので、14時半まで小滝でトレーニングして、帰る前に大滝を見学するだけになった。でも、「今日は大滝の方が易しかったみたいだよ」と聞いて、こりゃあ失敗…と悔しがった。混んでいるけどアイスゲレンデとしてはとても良い。次はテント持ちで来てみたい。

MINAMISAWA.JPG - 24,049BYTES

E 3月24〜25日 赤岳主稜(取り付かず)

 欲張って石尊稜と赤岳主稜を両方ともやろう、と考えていたが「週末になると天候が悪い」という最悪のパターン。では、赤岳主稜だけでも…と、ウエケンも参加して三人で行者小屋に幕営した。隣を見たら杉並労山のテント。出てきた人は、あれっ!!事故調査委員会でお世話になった神田山の会のIさん。あちらは混成チームで北西稜らしい。

 でも、夜は強い風がテントをたたき、朝4時に起きたら小雪。しばらく様子を見ていたが、さて行こうと思ったら本降りとなったので、あっさりと中止した。このあたり、「厳冬期登攀をめざす」のだったら、間違いなく行かねばならないコンディションだが、「春の八ヶ岳で快適な登攀をしたい」という私の場合はあっさり撤退となる。撤収して下山したので、午後には自宅で片づけものと翌日からの合宿引率の準備をすることができた。でも、こんな天気ならばアイスの道具を持ってきて、南沢大滝に行けばよかったなぁ。

 

 八ヶ岳は本当に近くてよい山だ。来シーズンもまた、八ヶ岳に通える日が来ることを楽しみにしたい。私は、3月末に足のプレート等を抜くために入院・手術するので、4月の山はお休み。その間は、無線屋稼業に精を出そう。でも、GWには前穂高・北尾根になんとか登りたい。頼むから天気の良いGWになってほしいなぁ…。