「グリーンマイル」
名作「ショーシャンクの空に」と同じ、スティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督による話題作。原作は、毎月文庫本で全6巻が一冊ずつ刊行されるということでも、また泣けるということでも評判となりました。
双子少女のレイプ殺人で死刑宣告された大男の黒人(マイケル・クラーク・ダンカン)と、善良な看守(トム・ハンクス)との心の交流を描いたファンタジー・ヒューマン・ドラマです。グリーンマイルとは、処刑室に通ずる緑のリノリウムの廊下のこと。
同様に刑務所が舞台となった「ショーシャンク・・・」の方は全く現実的な展開に終始しますが、こちらは奇跡とも言える不思議な癒しの力がテーマになっていて、作品のイメージは随分違います。一歩引いてみると「そんなバカな・・・」の世界なのですが、ドラマが進行するに連れてグイグイ中に引き込まれていってしまうのがこの映画の凄いところ。つくづくキングのストーリー・テリングの巧さに舌を巻いてしまいます。
スピルバーグが云ったように、少なくとも4回は確かに泣けるようです(私の隣の女性は、中盤から最後まで泣き通しだった・・・(-.-))。
小動物を使って観客の情感に訴えるというのはズルイ気がしなくもありませんが、ラストでそれが大きな意味を持っていたことが判り、併せて人生というものをしみじみと想わせてくれます。老年の主人公をトム・ハンクスではなく、別の老優が演じた理由も判ります。
素晴らしいキャストの中で特に光っていたのは、悪徳看守を演じたダグ・ハッチソン。あれだけ観客に憎まれれば彼も本望でしょう。
本作品は第72回アカデミー賞の作品賞など4部門にノミネートされましたが、オスカーは一つも受賞できませんでした。ウウ、残念・・・。(;_;)
「グラディエーター」
「ブレードランナー」、「エイリアン」などのリドリー・スコット監督による最新スペクタクル巨篇。「グ
ラディエーター」とは古代ローマ帝国の見せ物のための「剣闘士」のこと。
西暦180年の古代ローマ。相次ぐ戦いで勝利を収めている主人公(ラッセル・クロウ)は、現皇帝に信頼され次の有力な皇帝候補。ところが現皇帝の息子(ホアキン・フェニックス)に妻子を殺され、自らも奴隷の剣闘士の身に落とされてしまいます。コロシアム(円形競技場)で戦う主人公は、密かに復讐の機会を窺うのですが・・・。
卑劣な策略で凋落しても最後に正義は必ず勝つ、というヒネリも殆どないベタなストーリーであるにも係らず、154分間最初から最後まで十分楽しめます。
序盤の戦闘シーンや中盤のコロシアムでの戦車による競技シーンが、アクションとしては圧巻。ただ、ラストはややアッサリしすぎかも・・・。実物大のものを40%建設して、後はCGに頼ったというコロシアムなどの建築物の造形も素晴らしい。家族愛やかつての叶わぬ恋をも絡ませ、最後は泣かせてくれます。こういう映画は、素直に楽しみましょう・・・。
アクションシーンなどで、コマ落とし的な映像描写が多用されていますが、あれはやや見にくいですね。
三角眼のラッセル・クロウが、最後までニコリともせずに体臭が匂ってくるような男の中の男を好演します。皇帝の娘役のコニー・ニールセンが、すこぶる魅力的。そう若くないようですが、これからもっと人気が出るのではないでしょうか。
やはりこういうストレートなハリウッド映画は観ていて安心できます。例え古代ローマ人が何故か全て英語を話していたとしても・・・。(^o^)
「アメリカン・ビューティー」
アメリカ本国で大ヒットし、第72回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門のオスカーを獲得した話題作。日本では受けないのではないか、というもっぱらの前評判でしたが、かなり好評のようですし、私も十分楽しめました。
「アメリカン・ビューティー」というのは、妻役のアネット・ベニングが丹精込めて育てていた深紅のバラとのことですが、同時にここで描かれているような病めるアメリカ人が欲している「美」をも象徴しているようです。深紅のバラが、予告編などでお馴染みのバラに埋もれる美女のシーンなど、極めて効果的、象徴的に使われています。
ストーリーとしては、一見幸福そうに見える環境の中で、実は現状に大いに不満を抱いている夫、妻、娘、娘の友達、隣家の夫、息子達それぞれが、自分の理想とする「美」を求めていく、というもの。「美」は、結局は不倫、ゲイ、恋愛などの性愛を追及しつつ、新しい自我に目覚めることとして描かれ、人間の本質をするどく突いていると思います。
間を十分とった演出で、個々のエピソードを興味深く見せてくれ、全く退屈することはありません。終始コメディ・タッチで描かれ笑わせてくれますが、最後に待ち受けているのは悲劇なのです。しかし、必ずしも後味が悪くないのは(少なくとも私にとって)、多分描かれている家庭や夫婦の関係などを自分に置き換え、感情移入してしまって、主人公の運命に安らぎに近いものを感じたからなのでしょう。全く、ケビン・スペイシー演じる主人公の言動には、他人事といって嘲笑できない何かがあります。
隣家の悩める退役軍人を演じたクリス・クーパーは、さすが。あの自己崩壊の鬼気迫る演技は、彼ならのものです。そして私が一番ドキッとしたのは、ラストでもなく、娘やその友達のヌードでもなく、アネットの天井に突き上げた逆八の字のアンヨなのでした。(^_^;)
「サイダー・ハウス・ルール」
孤児院もののヒューマンドラマと聞いて、ちょっとヒイテしまっていたのでした。しかしシャーリーズ・セロンに惹かれて、見てみて大正解・・・。
「ガープの世界」などで知られる米現代文学の巨匠ジョン・アーヴィングが、自身の同名ベストセラー小説を脚色し、それを「ギルバート・グレイプ」などのラッセ・ハルストレムが監督した作品です。第72回アカデミー賞で主要7部門にノミネートされ、脚色賞と助演男優賞(マイケル・ケイン)の2部門で見事オスカーを受賞しました。
「サイダー・ハウス・ルール」というのは、主人公(ドビー・マグワイア)が孤児院を出て働くリンゴ園の宿泊小屋に張ってある「ベッドで煙草を吸わないこと」といった類いの、余り意味のない規則のこと。見終えてみると、決まり切ったルールより物事の是非はケース・バイ・ケースで当事者が決めるべき、という暗喩であることが判ります(正しいかな?)。
堕胎の是非や近親相姦といった重いテーマを扱いながら、何となく物静かに淡々と展開する感じがするのは、ひとえにドビーの落ち着いた抑えた演技に因るものでしょう。「カラー・オブ・ハート」では余り印象的では無かったのですが、ここでの彼の清潔感溢れる表情は、素晴らしいの一言。ただまだあどけなさを残した顏や体つきは、シャーリーズ・セロンの恋愛相手としては、ややアンバランスな感じが無きにしもあらず・・・(有り体にいえば、セロンがもったいない・・・(^_^;))。
里親が現れるのを心待ちにしている孤児院の子供たちの演技も感動的です。特に喘息持ちのファジー少年にまつわるエピソードには泣けました。
見終えて、ああ良い映画を見たなぁと素直に感動し満足感に浸れる、そんな映画です。(^_^)
「スリーピー・ホロウ」
「シザー・ハンズ」や「マーズ・アタック」などのティム・バートン監督によるホラー・ミステリー。やや残酷なシーンがあるということで、12歳未満は父兄同伴の制限付き映画になっていました。父兄と一緒なら見てもいい、というのも何か変だけど・・・。(-.-)
「Sleepy Hollow」(「静かな盆地」?)という小さな村で連続首無し殺人事件が起こります。犯人は何と首無しの騎士だとのこと。ニューヨークから警官(ジョニー・デップ)が派遣され、この事件を科学的に解明していこうとしますが・・・。
殆どモノクロに近く、全編暗い色調で描かれる映像がまず素晴らしい。首無し騎士は何かのトリックかと思わせていて、実はホンマモンの亡霊だということが判って唖然とするのですが、この首無し騎士の存在感が抜群なのです。霧がかかった暗い小道の向こうに、彼が大きな馬に跨がって剣をブルンブルン振り回しながら現れると、思わず拍手をしたくなるほどの大迫力。しかも剣さばきがスピーディで、次から次へと首を鮮やかに切り落としていきます・・・。(>_<)
前半はともかく、終盤のたたみかけが素晴らしく、大いに引き込まれてしまいました。
ジョニー・デップ演じる主人公は、二枚目かと思いきやこれがトホホの三枚目。おどおどした目つきは「シザー・ハンズ」を彷彿とさせます。バスト以外はあどけなさの残るクリスティーナ・リッチも、ゴシック的なメーキャップで好演。
難点は、前半の謎解きが説明不足で判りにくかったこと。ビデオなら巻き戻してもう一度見れるのですがね・・・。それに森に住む老婆のマンガチックなキャラクター。この部分でかなり作品全体の雰囲気を壊してしまっていたのが残念。
総指揮をフランシス・コッポラがとっているせいか「ドラキュラ」と酷似した雰囲気がありますし、また「エイリアン2」のパクリともいえるシーンも出てきて、愛嬌です・・・。
「ことの終わり」
単館上映劇場での鑑賞は、「ガタカ」以来で久しぶり。さすがにいつもと違って、観客の平均年齢は高めです(もち、私がそれに加担していることは言うまでもありません(^_^;))。
「第三の男」の原作者として知られるグレアム・グリーンの半自伝的小説が原作で、「クライング・ゲーム」でアカデミー賞脚本賞を受賞したニール・ジョーダンの監督作品。英アカデミー賞の受賞を始め、米アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など、数々の賞にノミネートされました。
小説家の主人公(レイフ・ファインズ)は、高級官僚の美しい妻サラ(ジュリアン・ムーア)と激しい恋に落ち逢瀬を重ねますが、あるときサラは突然別れると告げ、彼の元を去ります。彼は、彼女に新たな男の存在を嗅ぎつけます・・・。
この映画は、容易に想像されるような単なる愛欲もの、不倫ものではなく、男女で捕らえ方の異なる純愛や信仰のあり方などを絡ませ、更にミステリアスな味付けを加えたもの。しっとりとした映像や美しい音楽なども、重厚な文芸的ムードを高めるのに役立っています。
現在と過去のカットバックが交互に繰り返されるので、混乱しないよう注意が必要ですし、二つの重要な伏線は結果がミエミエですが、極めて巧い構成と演出で最後まで引き込まれてしまいます。恋愛ものにこういう今的な味付けをしているのは、観客に心地よい余韻を残す意味では大成功。
利己的な小説家を演ずるレイフは「イングリッシュ・ペイシェント」を始め、こういう文芸調作品には、ピッタリはまり役。ジュリアンも抑えた演技で、しっとりとしたイイ女を演じています。
単館上映ではもったいない映画だと思うけど・・・。
それにつけても、ホントにジュリアンは「ハンニバル」のクラリス役が務まるのだろうか?(-.-)
「ダブル・ジョパディー 」
4つのオスカーに輝いた「ドライビング・ミス・デイジー」(モーガン・フリーマンが良かったですね)のブルース・ベレスフォードの監督作品。
「ダブル・ジョパディー:Double Jopardy」とは、「誰もが同一の犯罪で二度有罪にはならない」という、全世界(日本でも)で適用されている法律のこと。この一見奇妙な決め事を、巧みにテーマとして活かしたサスペンス映画です。
というような解説を予め聞かされると、この作品の殆どの展開がわかってしまいますし、例えそうでなくても思わせぶりな状況設定で、だいたい先が読めてしまいます。しかしそれでも見ていて引き込まれるのは、ひたすらヒロインのアシュレイ・ジャッドと、彼女を支えるトミー・リー・ジョーンズの魅力。
特にアシュレイの相変わらずの美しさは、どうだ・・・(頭が小さくて、体のラインがキレイ)。こんな美形の妻を陥れる夫は、大馬鹿者です。(^_^;) 彼女の息子に対する愛情の深さもこの映画のもう一つのテーマなのでしょうが、それにしてはあの結末となった息子の生末がやや心配。(-.-)
人を追う役の多い(「逃亡者」、「追跡者」)トミーも余裕の演技。グウタラだけどシンは通すという、アメリカ的正義漢をここでも熱演。
展開にヒネリが無く殆ど先読み出来るのに退屈はしないという、珍しいサスペンス映画です・・・。(^_^)
「ジャンヌ・ダルク」
英仏百年戦争において窮地のフランスを救った伝説のヒロイン、ジャンヌ・ダルクの生涯を史実に忠実に描いた歴史映画。「ニキータ」、「レオン」、「フィフス・エレメント」のリュック・ベッソン監督の最新作です。ジャンヌを演ずるのは、「フィフス・エレメント」でアンドロイドのような「リールー」役で評判となったミラ・ジョヴォヴィッチ。彼女はこの映画の撮影の途中まで、ベッソンの恋人だったらしい・・・。
冒頭で神の啓示を受け、フランスを救う使命をひたすら全うしようとして、終始、取り憑かれたかのような行動をとるヒロイン(ミラ)が凄まじい・・・。ただ、ときたま「彼女の良心(ダスティン・ホフマン、など)」が現れて、本当に神の使命なのかどうかなどを問い掛ける、という手法をとっています。一歩退いてみると、過度の妄想狂で、キレまくった少女と見えなくもありませんが・・・。(^_^;)
前半までの、凄まじい戦闘シーンと勝利への過程がとにかく圧巻。英国側の奇抜な兵器の数々も目を引きます。それに比べて、ジャンヌが捕らわれの身となって、宗教裁判にかけられ御存知の結末までの展開が、どうもカッタルイ。じっくり時間をかけて、ジャンヌの揺れ動く心理を描写しているのですが、前半がテンポが良かっただけにもっとコンパクトにまとめて欲しかった。
ミラは、「リールー」役のクールな彼女とは別人のような体当たり演技でビックリさせられます。ただし、色気は全くないけど・・・。脇を、ジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン、ヴァンサン・カッセルなどの名優が固め、安心して見ていられます。
しかし、英語を終始話すジャンヌを見て、フランス人は一体どう思うのでしょう・・・(シツコイ?)。
「アンナと王様」
「Shall we dance?」で有名なミュージカル版の「王様と私」が制作されたのは、1956年。少なくとも1回はこのオリジナル版を見ているはずなのですが、内容は殆ど記憶に無く、残っているのはユル・ブリンナーの完璧なスキンヘッドとニコリともしない怖い顔。でもこのハリウッド版「アンナと王様」は、それとはまた別に十分楽しめる大作に仕上がっていると思います。
19世紀半ばのシャム(現在のタイ)を舞台に、国王(23人の妻と42人の側室と58人の子供がいるのだ!)と王室付きの家庭教師となった実在の英国人女性、アンナ・レオン・オーウェンズの実話を基に、二人の淡いロマンスを機軸に描いた作品です。恋愛以外でも両者の異文化交流、一夫多妻制 の家族の愛、外国の干渉との戦い、内乱の危機、橋の大爆発シーンなど、内容も盛りだくさんで飽きさせません。
本作も御多分に洩れず、「王家が封建的に描かれ国王に無礼」とタイ国内での撮影の許可が降りず、結局マレーシアでロケを行ったということ。随分お金をかけたのでしょう、華麗な宮殿や屋外のシーンが素晴らしい出来になっています。
王様を演じる香港映画の大スター、チョウ・ユンファはさすがに重厚な演技で素晴らしい。余り私はそれまでは好きなタイプでは無かったのですがね。一方のアンナ役のジョディ・フォスターは、知性と教養に溢れ、かつ勝気な英国ビクトリア時代の女性を、完璧にこなしていると思います。拍手大喝采!
ラストのダンス・シーンが美しく、ジーンと来ます。でも音楽が無くて踊りづらそうだったけど・・・。
「奇人たちの晩餐会」
99年のカンヌ映画祭などで数々の賞を受賞するとともに、ヨーロッパ全土での動員数が「タイタニック」に次いで第二位だったというフランスの大ヒット・コメディ映画。スピルバーグがハリウッドでのリメイク権を獲得し、ダスティン・ホフマン主演で2000年に公開が決定されているそうな。
上流階級の紳士連が週一度の晩餐会に奇人(バカ)を伴って、誰が一番の奇人かを密かに競っています。出版社の編集者であるピエール(ティエリー・レルミット)は、あるときこれぞと思う人物(ジャック・ヴィルレ)を見つけます。ところが彼を晩餐会に連れていく前に自宅に招いたら、さあ大変。彼のハチャメチャな言動が、大トラブルを巻き起こしていきます・・・。
もともと舞台劇だということで、殆どワン・シーンに終始し余り動きはないのですが、とにかくそのセリフ回しに笑えます。後半になるに従い、その可笑しさがどんどんヒート・アップしていくのがスゴイ。単なるドタバタではありませんし、ラストではホロリとさせられるシーンもあって、そのまま納まるかと思い気や、土壇場で一発かまされて、大笑い。(^o^)
結局、バカを笑おうとしていた傲慢な人間が一番バカだった、という教訓ですな。(-.-)
ジャックの演技もさることながら、彼に翻弄されるティエリーの表情が素晴らしい。しかし、私のイチ押しキャラは、ジャックの同僚の脱税査察官役のダニエル・プレヴォスト。ある意味ではジャックを喰っていたかも知れません。
フランス映画を普段は敬遠しがちなお方にも、これはお薦めできます。
それにしてもハリウッド版は、ダスティン・ホフマンより、ダニー・デビートあたりがハマルような気がしますが・・・。
「ラン・ローラ・ラン」・・ 本国で大ヒットし、日本でもミニ・シアター系でロング・ヒットした
ドイツ映画。昨今のドイツ映画ブームに大きく貢献した作品です。
ヒロインのローラ(フランカ・ポテンテ)は、恋人(モーリッツ・
ブライプトロイ)から彼の命に係わる重要なことを頼まれます。タイム
リミットはたったの20分。
さあ、ローラはベルリンの街を走りに走ります・・・。まずは、赤い
髪をなびかせて疾駆するローラの姿が極めてスタイリッシュ。走る人を
ただ眺めるのが、こんなに快く感じられるとは思いませんでした。ローラ
を演じるポテンテは、貧乳で美形でもないのですが、息切れもせず疾走す
る姿が妙に頼もしく魅力的なのです。心臓の鼓動のようなテクノ・ビート
に乗って、ローラのひたすら走る映像が本作の重要なポントになってます。
あとは構成のアイディアの勝利でしょう。「スライディング・ドア」にヒ
ントを貰った可能性がありますが、ラストのカタルシスはこちらの方が遥
かに大きい。途中で結末が大体読めてしまうのですが、期待どおりに展開
されるというのも観客にとっては快感につながります。私は大いに楽しめ
ました。ローラがすれ違う人の、その後の人生をフラッシュで見せる手法
が取り入れられていますが、これがけっこう面白い。本筋に全く関係はな
いのですがネ・・・。
「ドーベルマン」と配給元が同じだけあって、本作もアニメが挿入される
のですが、これは私には完全に邪魔でした。この映画を見た後、髪を赤く
染める女性が増えたとか・・・。(^o^)
「リプリー」・・ 「太陽がいっぱい」で有名なパトリシア・ハイスミスの原作を、「イングリッシュ・
ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督が再映画化したもの。うだつの上がらない
貧乏青年(マット・デイモン)が、富豪の息子(ジュード・ロウ)に成り済ますために
犯罪を重ねていく、というクライム・サスペンスです。劇場公開時は賛否両論ありまし
た が、否定的な一番の意見は、アラン・ドロンに比べてマットが冴えない、というも
の。これは多分御門違いだと私は思います。スタイリッシュで言わばドロンのスター映
画である前作とは無関係に、貧富の世界の格差を敢えて表現するために、今回のマット
のようなキャラクタをミンゲラ監督が選んだ、というのが正解ではないでしょうか。
140分もの長尺であるにも係らず、テンポの良い展開に最後まで集中できました。ゲイ
の表現も不快になる一歩手前でとどめているし・・・。難点は、序盤で富豪の息子に成
り済まそうとする主人公の心理や背景描写が全くないこと、従って計画的犯罪なのか行
き当たりばったりなのかが、よく判らないこと。ミエミエの嘘や犯罪がなかなかバレな
い、というご都合主義も気になります。 尻切れトンボと云われてもしょうがない幕切
れですが、主人公の虚無感を最大限に表現している名ラストシーンと見えなくもありま
せん。グウィネス・パルトロウ、ケイト・ブランシェットが花を添えますが、何と
言っても話題の中心は、本作以降大ブレイクしたジュード・ロウ。彼の鋭い眼光が印象
的でした。ザ・ビートルズの大ファンである彼の両親が、「ヘイ・ジュード」に因んで
命名したとのことです。(^_^)
「シンプル・プラン」・・ かつてこの原作本を読んだ時は、主人公らの余りの不運や悲惨な設定に辟易し
いっそ途中で読むのを止めようかと思ったほどでした。その映画化作品をまた
懲りずに見てしまう私・・・。(-.-) 原作者はスコット・スミスで、この作品
はスティーブン・キングが絶賛したということもあり、世界的なベスト・セラ
ーになっています。「死霊のはらわた」、「クイック&デッド」などで有名な
サム・ライミの監督作品。真面目な主人公(ビル・パクストン)と冴えない
その兄(ビリー・ボブ・ソートン)と友人の3人が、犯罪絡みの大金を偶然見
つけます。それに端を発して静かにジワジワと進行する、彼らの悪夢と惨劇を
描いたサスペンス・ミステリーです。原作者が脚本を書いているだけあって、
原作をほぼ忠実に映像化しているな、というのがまず第一印象。結末は判って
いても、終盤の緊張感の引っ張り方がうまく、けっこう引き込まれてしまいま
した。やはり主人公らがどんどん悪い方向にハマっていく過程や悲惨なラスト
には、見ていて気が重くなります。一番悪いのは、主人公の妻(ブリジット・
フォンダ)。女はホントに無理を言うんだから・・・。(-.-) ここでのビ
リー・ボブ・ソートンの演技が評判になりましたが、彼の気張らない自然な
表情はホントに素晴らしいと思います。ビル・パクストンもビリーに触発され
て好演しています。この映画は思いっきり気分が良い時に見ることをお薦めし
ます。気が滅入っている時などですと、多分しばらく立ち直れなくなりま
す・・・。(-.-)
NOBさんの感想です
「シックス・センス」
簡単に感想を述べますと、
やはり最後の結末のどんでん返しに、
脳天直撃レベルの衝撃を受けたからかな。
見事なまでの脚本に、怖さの中に悲しさや刹那さ、
そして感動的な結末を迎えたのが最大の要因かな。
「ファイト・クラブ」
いい!実に斬新な映像作りです。
しょっぱなからのオープニングに興奮しました。
なんか先が読めない展開が、見る者の想像力を駆り立てるようで、
ホントに素晴らしいです。
これもシックスセンスと同じような結末で、
最後も見事に裏切られました。結末の読めない映画はいいっすね!
「グラディエーター」
これは素晴らしい出来です。
僕は昔から歴史劇が好きだったから、これは結構気に入った!
ローマ帝国の建物の構造、コロシアムの壮観さ、
戦闘シーンの生々しさ、どれを取ってもかなりの出来栄えです。
ラッセル・クロウさんはあんまり有名な俳優ではないと思うが、
この映画を見終わった後に、何本か借りてみました。
やはり実力派俳優でした。
のぶりんさんの感想です
「サイダーハウス・ルール」