代補(supplement):
1) 外から(後から)偶然的な補足物として追加されるものが、本体の中に侵入し、それに取って代わってしまうこと。
2) 形而上学から見れば。
・二次的な補足物、たんなる拡張であるもの
・内部の充実性を空虚にしたり、その現前性を「不在」に変えてしまうような「危険」な補助手段とされているるもの。さらには「悪」や堕落と考えられるようなもの
→このようなものが、実は内部の充実性そのものを可能にしていることを示すこと
→内部と外部の対立そのものを決定不可能にする。
「外部」はじつは「内部の内部」
例
1)パロール(現前)/エクリチュール(不在=発信者or受診者or指示対象の不在)
・エクリチュールは声を補うたんなる補助手段であると同時に、声における充実した意味を空虚にしてしまう可能性も持っている、とされる。
cf. フッサール『幾何学の起源』へのデリダの序説=エクリチュールは客観的な意味の構成に不可欠
→ 「原エクリチュール」
・原エクリチュールそのものは「現前」でも「不在」でもない「痕跡」。
2)エルゴン(作品)/パレルゴン
3)人工器官(proth峻e=義肢、義歯など)=純粋な自然はなく、すでに技術的なもの(テクネー)が現前をむしばんでいること。