前回の講義では、マネの作品をさらに分析し、その特徴を考察した
(1) 平面的な絵画。奥行きが押しつぶされ、バルコニーのような狭い空間に「宙吊り」にされている人物たち
(2) 流行の服を着ながら、硬直する人物。手だけがだらりと浮かんでいる
(3) スペクタクルに魅せられていながら、ばらばらの視線
(4) 人物が見ているものが描かれていない。「主題」は画面の外にある
このことはシャルコーのヒステリー患者の治療と関係付けられる。
・演じさせられ、硬直する身体を「見えるようにする」こと
・写真術の活用
・ヒステリーの可視化
・当時のテクノロジーの発達。個々の視点からスペクタクルに「参加」
◎当時の「知覚」のあり方
・外からの刺激によって拡散する注意をなんとかまとめあげようとする
・だが集中すればするほど、注意は拡散し、個人はばらばらになっていく
・「自己」は風景の中に溶け込んでしまう。
○フーコーの理論の応用と新たな展望
ジル・ドゥルーズ、
・20世紀後半のフランスの哲学者。主著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『シネマ』など
例)ドゥルーズの「コントロール社会論」(プリント参照)
・君主型権力→規律型権力→コントロール型権力
・ コントロール型権力とは
コミュニケーションをあやつる権力
病院、教育、職業環境の変化。
何一つ終えることができない。
サイバネティックスとコンピュータ
非コミュニケーションの空洞や断続器を作り上げること。
ではどうすればよいのか??
(2)ドゥルーズ/ガタリ「リゾーム」(1976)(別紙参照)
「リゾーム」樹形図上の構造とはことなった、横断的な関係の模索。
・ 私と言わない地点に到達するのではなく、私というか言わないかがもはやまったく重要でないような地点に達すること。」
・ 無意識を構築すること、多を作り出すこと
・ 接続だけがあるような世界。
・ 反系譜学、短い記憶、反記憶
・ 多数の入力と出力
・ 始まりも終点もない、接続だけがある。「・・と・・・と」