スーパーボウル2019

第53回SUPERBOWL

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01/05/土
昨年の9月から始まったアメリカン・フットボールのリーグは年末で17週のリーグ戦が終わり、いよいよ日本時間の明日からプレーオフのトーナメントが始まる。今シーズンは小説を書いていなかったので中継もよく見ていたし、NFLのホームページにあるダイジェストも丹念に見ていた。気がつくと創作ノートにFootballことばかり書いている状態になった。これではFootballに興味のない方に申し訳ないので、今年はFootballだけのページを開設することにした。ということで、これからのプレーオフなどの観戦記についてはこのページに書くことにする。もう明日の試合のことを思ってわくわくしているのだが、残念ながら浜松の仕事場にいるのでスカパーが見られない。ネットで進行状況を確認するしかないし、まだ初戦なので夜中に起きてリアルタイムで状況を知るだけの関心もないので、ふつうに朝起きて確認するということになるだろうが、まあ寝床にiPadを置いて、夜中に目が覚めたらちょっと確認する、という程度の状態になるだろうと思う。で、そのわくわく感の中で、今シーズンのリーグ戦を振り返り、トーナメントの予想などもやってみたい。

Aカンファレンス

「東地区」
東地区はもともとペイトリオッツの一人勝ちの地区だが、当然のごとく地区優勝で、他の3チームはすべて負け越しになった。しかし今シーズンのペイトリオッツは5敗もした。しかもその内訳を見ると、ジャガーズ、ライオンズ、タイタンズ、ドルフィンズ、スティーラーズと、どのチームもプレーオフに進出していない。弱小チームに5敗もしたということになる。ペイトリオッツはSUPERBOWLで負けたとはいえ、トーナメントを勝ち抜いた強いチームだ。しかしFootballの場合はサラリーキャップ制というものがあって、選手の年俸の総額に上限がある。SUPERBOWLに進出したようなチームは、全員の年俸を上げなければならず、そのままでは上限を越えてしまう。そのため有力選手を放出しなければならない。QBのブレイディーやタイトエンドのブロンコウスキーを出すわけにはいかないので、レシーバーのクックスとディフェンスのバトラーを放出した。クックスはSUPERBOWLの途中で脳震盪で退場し、バトラーは体調が悪くて一度も試合に出ることがなかった。この2人が出ていればSUPERBOWLの結果も変わっていたかもしれない。とにかく戦力ダウンがあったことは確かだし、ブレイディーが1歳年をとったことも間違いない。しかしつねに勝ち続けているペイトリオッツは、これまでも新人を育てることで、毎年好成績を挙げてきた。それにしても5敗はひどい。とはいえ、Aカンファの第1シードとなったチーフスと第3シードのテキサンズには勝っている。強いチームにはちゃんと勝っているので、ここぞという時には力量を発揮している。幸い第2シードにすべりこんだので、準決勝、決勝、SUPERBOWLと3試合に集中すればいいだけなので、レベルの高い試合をするだろう。5敗もしているのに第2シードというのは、僥倖というしかない。第16週でテキサンズがイーグルスにまさかの敗戦をしたため、勝ち星が並んだ。直接対決ではペイトリオッツが勝っているため、順位が逆転した。ペイトリオッツのホームページには、昨年のSUPERBOWL直後の、ブレイディーとニック・フォールズが握手をしている写真とともに、「サンキュー・ニック」というコメントがつけられたと伝えられる。SUPERBOWLで負けたニック・フォールズだが、残り3試合というところで先発QBに復帰したフォールズの活躍がなければ、ペイトリオッツがトーナメント初戦不戦勝となる第2シードに上がることはなかったので、確かにイーグルスに感謝したい気持はわかる。しかしそのイーグルスは最終戦にも勝ち、バイキングスが負けたために、奇蹟の逆転でプレーオフに進出した。昨年もニック・フォールズはリーグ戦の終わりのころに代役で出場して勝ち続け、SUPERBOWLにも勝利するという奇蹟を起こした。その「奇蹟の男」と、再びSUPERBOWLで対戦する可能性も充分ある。「サンキュー・ニック」などと言ってはいられないのだ。しかし今シーズンのペイトリオッツは、どうも例年とは違っている気がする。リーグ戦でペイトリオッツはテキサンズにもチーフスにも勝っているのだが、テキサンズとはリーグ戦の初戦で、QBワトソンの調子が上がっていない時期だった。今シーズンのテキサンズは開幕3連敗からスタートして、その後は9連勝と調子を上げていった。再戦すればテキサンズの方が勝つのではないかと思われる。

「北地区」
北地区は大混戦のシーズンだった。スティーラーズの調子が上がらなかったのが原因だ。エースRBのベルが契約交渉がまとまらず、結局シーズンの最後まで出場できなかった。しかし代わりの新人RBコナーが予想外の大活躍で1勝2敗1分のスタートのあと、6連勝するなど、中盤までは地区首位を走っていた。しかしコナーが負傷すると、QBロスリスバーガーの調子も狂い、エースレシーバーのアントニオ・ブラウンとの不仲も噂されるなど、終盤は失速した。それでも残り3週を残した時点では地区首位で、そのまま3連勝すればプレーオフに進出できたのだが、ペイトリオッツには勝ったものの、次のセインツに惜敗して首位の座から転落した。セインツは全体首位の強豪で、そのセインツと接戦をしたのだから、フレーオフにさえ出られればいいところまで行くはずだったのだが、最終戦でレイブンスが勝ったために、残念ながら進出はならなかった。それでもコルツ対タイタンズが引き分ければスティーラーズが進出という条件がついていたのだが、タイタンズのQBマリオタが負傷で出られなかったので、引き分けということは最初から考えられなかった。地区優勝のレイブンズは最初の9ゲームが4勝5敗という成績で、プレーオフ進出は難しいと考えられていた。エースQBのフラッコは、SUPERBOWL制覇の経験をもつへベテランで、ブレイディーのような年寄りでもないのだが、なぜか不調だった。そのままフラッコが出ていればプレーオフ進出はなかっただろう。しかしこの9戦目でフラッコが負傷して、10戦目からは2年目の新人ラマ―・ジャクソンが先発した。その初戦はダイジェスト版を何度も見てしまったのだが、こんなQBは見たことがないというような奇妙なプレーをした。パスがまったく投げられないのだ。ディフェンスに追われて逃げ回るばかりなのだが、ものすごく脚が速くて、鬼ごっこのようにどこまでも逃げていって、そのままファーストダウンのところまで走ってしまったり、タッチダウンまで到達したりというシーンが連続した。相手は前半は好調だったベンガルズだったが、この不思議な勝利でジャクソンは自信をもち、逆にベンガルスは調子を落とすことになった。もともとディフェンスはリーグ1位の強さだったので、この逃げてばかりのQBでも点をとってやれば勝ちに結びつくのだ。そして、QBがラマ―・ジャクソンに代わってからは、カンファレンス首位のチーフスに負けただけで、6勝1敗という堂々とした成績で、プレーオフ進出を実現してしまった。ジャクソンは2試合目からはパスも投げるようになったのだが、そのパス自体は不正確なもので、たまにはパスを投げることがあるという程度のものだ。しかし自分で持って走る時の走力がすごい。レイブンズにはエドワードという巨体のRBがいる。力でぐいぐい前進するタイプのRBで、これに対してジャクソンは逃げ回るのがうまいランナーだ。まったくタイプの違うRBが同時に2人出場しているようなもので、相手ディフェンスは二重のランディフェンスをする必要がある。そうなるとパスディフェンスが疎かになるので、ラマ―・ジャクソンがたまに投げるパスも決まるようになった。そういう好循環ができて、連戦連勝ということになった。10勝止まりだったが地区優勝なのだ第4シード、初戦のワイルドカード(準々決勝)をホームで戦える。相手は12勝4敗と、第1シードのチーフスと同率のチャージャーズだ。チーフスとは直接対決でも1勝1敗だったのだが、地区内の勝率で負けたために第5シードということになったのだが、実力は第1シードと変わらない。だがそのチャージャーズに、ラマ―・ジャクソンは勝っているのだ。この16週にチャージャーズ戦があるので、レイブンズのプレーオフ進出はないと見られていたのだが、この奇蹟の勝利で、レイブンスはセインツに負けたスティーラーズを追い抜いて首位に立った。1度勝っているという自信は、新人QBにとっては重要だ。もともとディフェンスの強いチームなので、チャージャーズが相手でも接戦となり、勝つ可能性も充分にある。チーフスには負け、ペイトリオッツとは対戦がなかったのだが、決勝戦までは到達するのではと期待される。

「南地区」
南地区は初戦から4試合目まで終わった時点では、タイタンズとジャガーズが3勝1敗、テキサンズとコルツが1勝3敗だった。結果としてはテキサンズが第3シード、コルツが第6シードでプレーオフ進出を決めたのだから、予想外の展開といえるだろう。テキサンズは初戦から3連敗のあと、9連勝した。最後の4戦では失速したものの、調子が出た時は手のつけようがないほどに強くなる。QBワトソンは2年目の新人で、昨シーズンは途中で負傷したのだが、今シーズンは最後まで走り続けた。強い肩があるのに時々走ってしまうので、手がつけられないのだが、怪我をする可能性もある。それでもワトソンが走ると止めようがない。ラマ―・ジャクソンは逃げ回るQBだが、ワトソンは強靱な体力があるので一直線に走る。これがすごい。ディフェンスにもワッツというスター選手がいて、チームの総合力も高い。初戦は同地区のコルツが相手だ。リーグ戦では1勝1敗だが、後半はコルツが勝っているのでそこのところが不安だ。そのコルツは1勝5敗のあと、9勝1敗と調子を上げた。QBラックは、あの伝説のQBペイトン・マニングをチームから追い出したほどの有望選手だったが、怪我が多く、これまで実力を発揮できなかった。今シーズンの後半は、ようやく潜在力が開花した状態で、チーム力も上がっている。プレーオフ初戦のテキサンズとの激突は、実力はほぼ互角だろう。テキサンズのQBワトソンは好不調の波がある。その波がどちらに出るかで勝負が決まる。第6シードのコルツが勝つと第1シードのチーフスと当たるので決勝進出は難しいだろう。テキサンズが勝つと第2シードのペイトリオッツが相手なので、勝つチャンスは充分にある。

「西地区」
西地区はチーフスとチャージャーズが12勝4敗で並んだ。どちらも第2シードのペイトリオッツを上回っている。結局この2チームがカンファレンス決勝で対戦するものと思われる。チーフスは昨シーズンもプレーオフに進出した。スミスという堅調なQBがいた。スミスは安全性の高いQBで無理をしない。しかし冒険もしないのでおもしろくない。プレーオフで強敵が相手となると限界が見えてくる。そこでチームは一昨年のドラフトで新人マホームズを獲得し、1年目は温存したものの、2年目はシーズン初戦から先発させると決断して、スミスを放出した。スミスはレッドスキンズにトレードされて、シーズン序盤は5勝2敗と好調だったが、怪我のために後半は出場できなかったが、コンスタントに勝てるQBであったことは確かだ。そのスミスを放出したのだから、よほどのQBだろうと期待は高まっていたのだが、初戦から3試合でタッチダウンパスの歴代の新記録を作るなど、驚異的な大活躍だった。ここにはハントというRBの活躍もあった。RBではあるがパスキャッチもうまく、ターゲットが見つからなければ安全弁のハントに投げておけばそこから走ってタッチダウンしてくれるという安心感があった。シーズン途中でハントは過去の暴力事件が明らかになって追放された。第2RBのウェア―も負傷した。そのせいか、後半のマホームズはインターセプトが増えたように思う。しかしRBというものは、経験によって成長するものだ。控えのそのまた控えだった若手RBがそこそこ活躍するようになっているので、チーフスの戦力はそれほどダウンしていない。一方のチャージャーズまったくのダークホースだった。初戦の試合で1勝2敗と振るわなかったのだが、これはチーフスとラムズという、両カンファレンスの首位のチームで相手が悪かった。その後は11勝2敗と絶好調だった。ただレイブンズに負けたことがひっかかる。QBリバースは大ベテラン、スティーラーズのロスリスバーガーやジャイアンツのイーライ・マニングと同期だが、その2人がSUPERBOWLを2度制覇しているのに、リバースはSUPERBOWLに出たこともない。実力は認められていたのだが、強いチームに対しては弱いところがあって、プレーオフでも勝てなかった。今回はどうか。初戦の相手が先日負けたばかりのレイブンズだというところが不安材料だ。コルツがテキサンズに勝たない限り、チーフスの準決勝の相手はレイブンスとチャージャーズの勝者ということになる。レイブンズには勝っているし、チャージャーズとは1勝1敗だが、その負けた試合も終盤まで14点差で勝っていた。わずかなミスで2つのタッチダウンを返され、その2つ目は終了直前に2点コンバージョンを決められて逆転された。これは奇蹟の逆転劇だが、プレーオフで再び対戦すれば、やはりチーフスが勝つだろう。

「ワイルドカード(準々決勝)」
コルツ対テキサンズ
これはもうテキサンズだろう。コルツはQBラックが復活したとはいえ、チームの総合力ではテキサンズに及ばない。というか、テキサンズのQBワトソンのような破壊力がないので、まともにぶつかればテキサンズの有利は揺るがないだろう。とはいえFootballの試合は、わずかなミス、わずかな偶然、思いがけない奇蹟のプレーで勝敗が左右されてしまうことがある。どちらが勝つと断定することはできないが、テキサンズが勝つと考えるのが妥当なところだろう。ただ第1シードのチーフスとしては、コルツの方が戦いやすいと見ているだろう。ワトソンには意外性がある。それにチーフスはマホームズの圧倒的なパスで勝ってきたチームで、ディフェンスが弱そうだ。ワトソンが相手だとボロボロになる可能性がある。見ている方としては、ワトソンの活躍を見たいという思いがあるから、テキサンズの勝利を期待したい。テキサンズのホームゲームなのでやはりテキサンズ有利だろう。テキサンズが勝つと次の相手はペイトリオッツ。これはテキサンズが勝つのではないかと思われる。
チャージャーズ対レイブンズ
勝ち星ではチャージャーズ12勝、レイブンズ10勝なのだが、直前の直接対決でレイブンズが勝っている。ラマ―・ジャクソンが先発QBになってから6勝1敗と好調なので、リーグ戦での勝率は参考にならない。ベテランQBリバースは安定しているし、ここぞという時の爆発力もある。それでも強いチームには弱いというクセが昔からあって、ディフェンスの強いレイブンズが相手だと苦戦するのではないか。ひたすら逃げ惑うラマ―・ジャクソンの変則的なクォーターバッキングは、ディフェンスとしては途惑うだろうが、1度負けているだけに、この短い期間ではあるが研究はしているだろうと思う。Footballは一種の戦略ゲームだ。相手の戦い方に応じて戦略を立てる。だから2度目には、同じ過ちをくりかえさない。そのはずなのだが、レイブンズの方も、ラマ―・ジャクソンの特徴を活かしたオフェンスを作り上げつつある。最終戦のブラウンズ戦は、相手が調子を上げつつある新人QBメイフィールドだったこともあって苦戦したが、最後にディフェンスががんばったし、ラマ―・ジャクソンも着実に得点を重ねていた。同じようにパスの強いチャージャーズが相手なので、レイブンズがやや有利かと思われる。ラマ―・ジャクソンを次の試合でも見たいという思いもあるので、レイブンズを応援したい。もう1つのワイルドガードでコルツが勝たない限り、次の相手はチーフス。チーフスはディフェンスが弱そうで、レイブンズがそのまま決勝戦に進出することは充分に考えられる。

「ディビジョナル(準決勝)」
ワイルドカードの勝敗がわかっていない段階で予想するのは難しいのだが、まずはチーフスの試合から考えてみる。チーフスの対戦相手として考えられるのはコルツか、チャージャーズ対レイブンスの勝者。つまり第3シードのテキサンズと当たることはない。QBとしてはラック、リバース、ラマ―・ジャクソンということになる。ラックとリバースが相手なら投げ合いになる。そうなればマホームズが有利だろう。問題となるのはテキサンズとレイブンズが勝った場合で、するとレイブンズとの対戦になる。走り回り、逃げ回り、時々投げるラマ―・ジャクソン。まずはラン攻撃を止めなければならない。それで相手を追い詰めていけば、ラマ―・ジャクソンはパスを投げるしかない。そこでインターセプトということも充分に考えられる。チーフスが有利だとは思うけれども、何が起こるかわからないのがFootballだ。序盤でマホームズのパスが決まり、チーフスがリードする展開になれば、かなりの点差で勝つこともあるだろうが、接戦になるとラマ―・ジャクソンの変則攻撃で混戦が続き、チーフスのディフェンスが崩壊することも可能性としては考えられる。レイブンズのディフェンスがリーグでトップだということも考えないといけない。マホームズがサックされるような展開があると、試合はもつれるだろう。
もう1つのペイトリオッツの試合は、コルツが勝たなければテキサンズということになる。これは強敵だ。しかしコルツが勝てばレイブンズと当たる可能性もあるので、油断はできない。とにかくいちばん弱いと思われるコルツと当たる可能性がないというところが、第2シードのペイトリオッツの困難な状況だ。それでもオーソドックスなQBリバースのチャージャーズが相手なら何とかなりそうだが、相手がワトソンでもラマ―・ジャクソンでも苦労するだろう。走るQBを相手にして、ペイトリオッツのディフェンスが守りきれるか。リーグ戦で弱いチームに負けてきた点も気にかかる。変則的なチームに弱いのではないか。どうも自分はペイトリオッツに負けてほしいという気持があるようでもあるが、マルコム・バトラーが放出されたとはいえ、ペイトリオッツのゴールライン直前のディフェンスは強い。ただ走るQBが相手の時にどのように守るか。ワトソンの体力に任せた猪突猛進、ラマ―・ジャクソンの右に左にとステップでかわしていくランニング、いずれにしてもディフェンスはかなり難しくなる。ラインが押して一気にQBサックする、といった戦い方ができるかどうかだが、去年のSUPERBOWLでニック・フォールズに投げまくられたシーンが思い浮かぶ。フォールズは走るQBではないが、それでもあれほど投げまくられたし、RBにも走られた。ペイトリオッツのディフェンスには大きな弱点がある。ワトソンでもラマ―・ジャクソンでも、苦戦するだろうと思われる。
「チャンピオンシップ(カンファレンス決勝戦)」

チーフス対走るQBの対戦となるのではないか。どちらにしころほぼ互角のおもしろい対戦になるだろう。ただペイトリオッツが勝ち上がる可能性も確かにある。リーグ戦でチーフスはペイトリオッツに負けている。ただ延長戦まで行ったのでチーム力は互角といっていい。ただあの試合ではまだハントがいた。ハントが抜けてからチーフスの戦力は明らかにダウンしている。それでもペイトリオッツが相手なら、チーフスが勝つように思う。リーグ戦での試合では、序盤、マホームズは相手がペイトリオッツだということを意識しすぎて、少し緊張していたように思う。パスの精度が微妙にずれていた。それで相手に得点を重ねられたのだが、後半はマホームズの圧倒的な遠投力で、終了間際に同点に追いついた。あの後半のパフォーマンスがあれば、チーフスはペイトリオッツを圧倒できる。で、問題はテキサンズかレイブンズが決勝に出てきた場合で、これは予想不能だ。リーグ戦では怪我を恐れて、QBは走るのを控える。決勝戦ともなれば死力を尽くして戦うことになるのでQBはどんどん走る。もとからラマ―・ジャクソンは走るしかないQBだが、ワトソンも最後になれば走るだろう。走るQBをチーフスのディフェンスが止められるか。両チームともディフェンスが強いというのも特徴で、投げまくるマホームズがインターセプトされるようなことがあれば、勝敗は大混戦になるだろう。どうなるかは、サイコロを振るようなものだ。で、最後はSUPERBOWLということになるのだが、相手はセインツか、ラムズか、はたまたイーグルスかというところだろう。ラムズはディフェンスが強いチームだ。チーフスにも勝っている。それにラムズはRBのガーリーという切り札がある。セインツにもカマラというRBがいる。いい勝負になると思うが、チーフスにはディフェンスに弱点があるようなので、やや苦しいかと思われる。走るQBの方がSUPERBOWLで勝つシャンスがあるのではないかと思われるのだが、自分としては、ハントがいなくなったとしても、今シーズンの序盤からずっとチーフスを応援してきたので、チーフスにSUPERBOWLに出てほしいと思う。

Nカンファレンス

「東地区」
東地区は全体に不振だった。強豪4チームが揃っていて毎年激戦になり、他地区との試合にも勝つことが多くて、ハイレベルの地区優勝争いになるのだが、今シーズンは地区優勝のカウボーイズが10勝と振るわず第4シードということになった。それでもイーグルスが9勝を挙げてぎりぎりでプレーオフにすべりこんだのだから、この地区のレベルの高さがうかがえる。レッドスキンズもチーフスから移籍したQBスミスが順調に勝ち星を挙げていたのだが、途中で負傷して以後はまったく勝てなくなった。ジャイアンツはイーライ・マニングの不振で昨シーズンは負けが込み、結果としてはドラフト全体に2番というポジションにいたのだが、全敗のブラウンズがQBメイフィールドを指名したあと、メイフィールド以上に前評判の高かったダーノルドを指名せずに、RBのバークレーを指名した。確かにバークレーは大活躍して、カウボーイズのエリオットに次いでRBとしては2位の獲得ヤードを達成したのだが、マニングの不振は致命的で(攻撃ラインの弱さにも責任があるのだが)、わずか5勝に終わってしまった。3勝のカーディナルスのあと、4勝のチームが3つもあるので次回のドラフトは5番以降で、トップクラスのQBは獲得できないだろう。それでも類稀なバークレーを獲った意義はあったと思うが、新たなQBがほしいところだ。イーグルスのニック・フォールズかウェンツかどちらかトレードに出ないかとも思う。他に放出されそうなQBとしては、ラマ―・ジャクソンの活躍で出番のなくなったフラッコがいるけれども、マニングとあまり年齢差がない。セインツの控えのブリッジウォーターとか、政治的発言で問題視されて引き取り手のないキャパニックとか、有力なQBがいないわけではないが、とにかくドラフト1巡目で残っている新人QBをゲットしたいところだ。さて、地区優勝のカウボーイズは前半はまったく不調だった。8週終わった段階では3勝5敗でとてもプレーオフに出るような状態だったが、後半は7勝1敗と絶好調だった。とくに全体1位のセインツに勝った試合が印象的で、ディフェンスがブリーズのパス攻撃を封印した。この試合を見ているとSUPERBOWL出場もあるのではと思われる出来だったが、後半唯一の黒星のコルツ戦では、ラックのパスを抑えることができなかった。好不調の波があるのか。プレーオフの初戦はシーホークスだが、このチームも後半は絶好調だったので、いい試合になると思われる。ともにRBが好調だし、QBが走れる点でも共通している。拮抗した試合になると思われる。この地区からはもう1チームがプレーオフに進出した。SUPERBOWL覇者のイーグルスだ。MVPとなったニック・フォールズだが、今シーズンのプレシーズンは不振だった。主力のウェンツが戻ってくるとわかっていたので、集中力を欠いたのだろう。開幕2試合に先発したが1勝1敗で、3戦目からはウェンツが先発したが、怪我が完治していないのか、5勝6敗という冴えない成績だった。13戦を終えて6勝7敗となり、プレーオフ出場が絶望となったヘッドコーチは、来シーズンに備えてウェンツを療養に専念させることにした。残り3戦がNカンファ第2シードのラムズ、Aカンファ第3シードのテキサンズ、前半までは地区優勝争いに加わっていたレッドスキンズということで、よくて1勝2敗で負け越しは避けがたいと計算したのだろう。しかし先発がニック・フォールズに代わった途端に3連勝で、バイキングズが負けたという他力本願の奇蹟が起こったこともあって、プレーオフ進出を実現した。誰だったか忘れたが選手の一人が自分のロッカーの上にキャンドルを立ててニック・フォールズの写真を祀っていた。「セイント・ニック」と称して神のごとく崇拝していた。神頼みならぬニック頼みでプレーオフ出場を祈願していたのだ。それくらいに選手たちがニック・フォールズに期待をかけているということで、チームがひとつにまとまっている感じだ。このまま奇蹟が続いていきそうな予感がする。イーグルスの初戦は、最終戦でバイキングスに勝ったベアーズ。勝たなければよかったといまごろベアーズの選手は後悔しているだろう。ベアーズはディフェンスの強いチームで、ニック・フォールズがどこまでやれるかわからないが、大量得点を挙げられなくても、僅差で勝ち抜くだけのチーム力はあると思われる。ただこの3試合のニック・フォールズを見ているとインターセプトもけっこうあるので昨年のニック・フォールズにはまだ戻っていない。初戦を突破できれば調子が上がるのではないかと思われる。気の早い話だが、来年のイーグルスはどうするのか。ニック・フォールズを先発にしてもいいのではないか。ウェンツは走るQBだ。走るだけに怪我も多いし、自分が走るか、タイトエンドに短いパスを投げるかの選択肢しかないので相手が守りやすい。ニック・フォールズは長いパスを投げる。テキサンズ戦だったか、ニック・フォールズが投げた長いパスに相手ディフェンスがまったく追いつけず、イーグルスのジェフリーとアゴラ―の2人が落下地点に到達して、2人で奪い合うようにしてキャッチした場面が印象的だった。ジェフリーとアゴラ―という2人のロングパスに強いレシーバーがいるのに、ウェンツではこの2人を活かしきれていなかったのだ。ウェンツが完治したとしても、いまのイーグルスの布陣では、ニック・フォールズの方が適合しているように思われる。

「北地区」
ベアーズが独走して地区優勝。QBのトゥルビスキーは前評判はよくなかったのだが、シーズンが始まると安定して勝ち続けた。的確なパスは投げるし、時には走ることもできる。ディフェンスも強い。ただこの地区は、他のチームが弱すぎた。パッカーズのQBロジャースが初戦で脚を傷めた。レイブンズはフラッコが負傷したのを機にラマ―・ジャクソンが台頭したが、そういう代役もパッカーズには現れなかった。歴史の長いチームで、ロジャーズが一世を風靡した時期もあったのだが、パッカーズの時代は終わったという感じだ。ライオンズもまったくダメだったし、レッドスキンズからカズンズを引き抜いたバイキングスも、最終戦で負けてプレーオフ出場を逃した。来年も期待できない。ベアーズは初戦でイーグルスのニック・フォールズに当たる。よほど頑張らないと、神がかりのニック・フォールズに負けてしまうだろう。自分もニック・フォールズの信仰者なので、ベアーズにはあまり頑張ってほしくない。

「南地区」
ここはセインツが最初から独走した。初戦になぜかバッカニアーズに負けたあと、10連勝。そこでカウボーイズに負けたがその後も3連勝。最終戦はブリーズを温存して負けたが、カンファレンスの首位争いを展開していたラムズにも勝っている。まったく危なげのないシーズンだった。超ベテランQBのブリーズの安定感に加えて、俊足カマラと体力勝負のイングラムというRBの2枚看板があって、投げても走ってもよい。第3QBのヒルという選手をワイルドキャットで使うなどという奇策も時として出てくるのだが、これはお遊びみたいなもので、今年のセインツはSUPERBOWLの大本命といっていい。途中まではパンサーズが8勝2敗で追っていたのだが、QBニュートンが負傷して失速した。一昨年にSUPERBOWLに出たファルコンズもまったく不振だった。バッカニアーズも時に頑張るものの持続性がなく、5勝止まりとなった。3年前の新人QBウィンストンに成長が見られない。セインツの強さばかりが目立った地区だった。

「西地区」
昔は49ナーズが強勝って西地区。今年は昨年途中からペイトリオッツからトレード入ったQBガロポロが期待されたのだが、早々と負傷退場で失速した。カーディナルスはよいところがまったくなく3勝止まり。頑張って負け続けたのでドラフト1位の座を獲得した。ラムズは開幕8連勝と絶好調で、同じカンファレンスのセインツに惜敗したあとも3連勝と好調を維持した。とくにAカンファのチーフスに競り勝った試合が印象的。両チームとも50点以上とったので、負けたチーフスが、50点とったのに負けたトー無として記録に残った。終盤、ベアーズとイーグルスに負けた点は気にかかる。プレーオフでも対戦する可能性のあるチームに弱点を見せてしまった。ただQBゴフは好調を維持している。RBのガーリーが一時脚を傷めていたのだが、最終戦を休み、プレーオフ初戦は不戦勝なのでたっぷり休養期間があった。ラムズの優位は動かない。ディフェンスが強いことも安心できるところだ。この地区からはもう1チーム、シーホークスが第5シードになった。9戦目まで4勝5敗で、今シーズンはダメだろうと多くのファンが思ったことだろう。とくにディフェンスの有名選手がいなくなって弱点をさらけ出していた。それが後半になると6勝1敗の快進撃となった。無名のディフェンス陣がそれなりに活躍を始めて、最近は安定感が出てきた。さらにRBのカーソンが突然開花して、ランで前進できるようになった。QBのラッセル・ウィルソンも走るQBなので、RBが強いと得点力がアップする。走るQBの中では、ラッセル・ウィルソンの遠投力は傑出している。このチームはプレーオフになってからが強い。初戦はカウボーイズ戦で、実力は伯仲している。チーム力はカウボーイズがやや上かと思われるのだが、いざとなった時のラッセル・ウィルソンの爆発力があるので、次のステップに進みそうだ。もしイーグルスがベアーズに勝つと第1シードのセインツと当たるので、準決勝でラムズ対シーホークスという同地区対決が見られるだろう。リーグ戦ではラムズの2敗だが、どちらも前半戦だった。後半に入ってシーホークスのチーム力は明らかに上がっている。逆にラムズはややペースダウンしたのでいい勝負になりそうだ。

「ワイルドガード」
シーホークス対カウボーイズ戦
実力伯仲。いい試合になる。両チームとも後半になってチーム力が上がってきた。とくにディフェンスが強くなった。ライオンズは獲得ヤードで首位となったRBのエリオットがいる。シーホークスのカーソンも頑張ってはいるが、エリオットの敵ではない。ディフェンスもカウボーイズがやや上だろう。しかしラッセル・ウィルソンには爆発力がある。あのペイトン・マニングに圧勝したSUPERBOWLが忘れられない。よく年のSUPERBOWLもペイトリオッツをあと一歩のところまで追い詰めた。あのあたりがシーホークスの戦力の頂点で、ディフェンスとランニングバックの新旧交代があって、一時は戦力が落ち込んでいたのだが、今シーズンの後半になって急にチームがまとまってきた。こうなるとラッセル・ウィルソンが大活躍する。16週でAカンファ首位のチーフスに勝った試合を見ると、シーホークスがいまいちばん強いのではないかと思われた。シーホークスが勝つと予想したい。ただしスタジアムはカウボーイズの本拠だ。このあたりがどう響くかも注目したい。
イーグルス対ベアーズ戦
奇蹟のプレーオフ進出。ドラマはまだ続いている。ベアーズの本拠なのでスタジオノイズが気にかかる。それでもイーグルスは勝てるのではないか。お互いにディフェンスの出来が勝敗のカギになる。昨シーズンのイーグルスはディフェンスが強かった。SUPERBOWLでも最後にブレイディーをサックした。今シーズンはウェンツがダメだったのでディフェンスの士気も上がらなかったのだが、ニック・フォールズに代わってから急にディフェンスが頑張るようになって、最終戦はレッドスキンズを完封した。勢いでイーグルス有利と見たい。というか、昨シーズンと同様の奇蹟のドラマの再現を見たいという思いがある。単純にイーグルスを応援したい。

「ディビジョナル」
セインツとラムズが登場する。第6シードのイーグルスが勝つと第1シードのセインツに当たる。ベテランQBブリーズと、カマラ、イングラムの2枚看板のRBがいるセインツの総合力は格上だ。しかしいまのイーグルスは昨シーズンの終盤の盛り上がりがよみがえりつつある。自分としては今シーズンはチーフスとセインツを応援してきたのでセインツに期待したいところだが、ニック・フォールズが出てきたのでイーグルスも応援したい。仕方がない。どちらかが勝つだろうと言うしかない。もう1試合はチーフスとシーホークスの同地区対決。順当ならチーフスが総合力で勝つだろう。ラッセル・ウィルソンが大爆発することがあるのか。ラムズのディフェンスもけっこう強い。シーホークスのディフェンスがまとまってきたとはいえ、ラムズのガーリーが復活していれば、ラムズが圧勝するかもしれない。しかしチャンピオンシップとなれば、セインツとイーグルスの勝者がそのままの勢いで勝つのではないか。ところでいま思い出したのだが、昨シーズンのセインツは準決勝でバイキングスに終了直前に逆転負けという惜敗を喫した。そのバイキングスにイーグルスは圧勝してSUPERBOWLに進んだ。セインツのディフェンスにはもろさがある。ということで、イーグルスがSUPERBOWLに進出するような気がする。
ということで、SUPERBOWLはチーフス対イーグルスになる。なってほしいと言うべきか。そして、ニック・フォールズの奇蹟はそこまでで、2年目の新人マホームズがMVPになる。そういう夢を見たい気がする。

01/06/日
コルツ対テキサンズ
いよいよプレーオフが始まった。朝8時すぎに起きてテレビをつける。今日はスカパーの無料放送の日だ。画面にFootballのようすが映ってはいるのだが、「スカパーお試し体験」などという大きな表示が出たままになっている。自宅のテレビに内蔵されているカードを抜いて持ってくれば、仕事場でも見られるはずだが、早朝に起きて見るだけの気力がなかった。明日は2試合とも早朝なのでネットで結果だけ知ればよい。最近はネットのダイジェスト画像がかなり長い時間のビデオにまとめられているので、それを見れば試合のようすはほぼわかる。で、画像が映った瞬間、21対0というとんでもない大差の数字が見えて、やや驚いた。テキサンズ対コルツ戦はテキサンズ有利と見ていたのだが、接戦になると予想していた。しかも勝っているのはコルツだ。どうしたんだ、ワトソン! 体力を活かして走りまくり、遠投もできるQBがまったく機能していない。コルツのディフェンスが頑張っている。ワトソンの動きを研究され尽くしたようだ。Footballは戦略ゲームだから、相手の攻撃パターンを研究して防御策を講じれば、ディフェンスが見違えるように機能することがある。ただ人間のやることだから、時間とともに疲労が蓄積される。後半はワトソンが爆発するのではと思っていたのだが、タッチダウンで7点返すだけにとどまった。逆に後半のテキサンズのディフェンスはよく頑張って追加点を許さなかったのだが、21対0というのはあまりの点差で、これもコルツの側の研究の成果で、テキサンズのディフェンスの弱点を衝かれたのだろう。確かにコルツはリーグ戦の出だしで1勝5敗とつまずいたものの、そこから先は9勝1敗という驚異的なペースで勝ちを重ねていた。その勢いがまだ続いている。第6シードのコルツが勝ったので次は第1シードのチーフスと当たる。チーフスとしては、地区で12勝4敗の同率だったチャージャーズと当たらなくて済む。チーフス陣営はほっとしているはずだ。これで明日のチャージャーズ対レイブンズの勝者がペイトリオッツと当たることになる。ワトソンが研究されたように、ラマ―・ジャクソンも研究されているのだとすると、順当にチャージャーズが勝つようにも思われるのだが、ラマ―・ジャクソンの動きはとにかくメチャクチャなので、研究のしようがないのかもしれない。どうもレイブンズが勝つような気がする。いずれにしろコルツはチーフスと対戦することが決まった。ペイトリオッツは明日の結果を見てから、戦略を立てないといけないが、オーソドックスなリバースと、変則的なラマ―・ジャクソンでは、対策の立て方ががらっと変わるので、コーチ陣はいま混乱しているのではないかと思われる。

シーホークス対カウボーイズ
予想どおりの接戦だ。しかもロースコアの戦いになっている。フィールドゴールの3点の取り合い。やがてカウボーイズのタッチダウンが決まって、10対6というところでハーフタイム。後半に入るとシーホークスがタッチダウン。2点コンバージョンも決まって10対14と逆転。ところがその後は攻撃が続かず、カウボーイズにタッチダウンを2つとられて24対14になって、カウボーイズのオーナーがこれで勝ったとバンザイをしたのだが、ここからラッセル・ウィルソンが頑張ってロングパスで前進してタッチダウン。またも2点コンバージョンが決まって2点差まで詰め寄った。シーホークスは前半最後のフィールドゴールトライでキッカーがハムストリングを傷めてしまった。キッカーがいないので2点コンバージョンを狙うしかなかったのだ。残りは1分半ほど。キッカーがいないとキックオフもままならず、パンターが味方が走って行ける10ヤードほど先をめがけて蹴ったのだが、当たりどころが悪くとんでもない先まで蹴ってしまい、カウボーイズがキャッチした時点でほぼゲームセット。何とも後味のよくない終わり方だった。それでも2点差まで迫ったのだから大したものだ。カウボーイズはエリオットが走りまくった。ランとキャッチで170ヤードも前進した。QBプレスコットもいざという時は走った。シーホークスのディフェンスもよく頑張ったのだが、やはりチームの実力はカウボーイズの方が上だった。プレスコットは途中から加入したレシーバーのクーパーと相性がよいようで、まずクーパーにパスを投げ、相手がパスを警戒するとエリオットを走らせるという組み合わせがうまくいって、確実に前進した。これに対し、シーホークスはRBのカーソンが前進できず、ファーストダウンがなかなかとれなかった。カウボーイズは第4シードなので、明日の試合で第3シードのベアーズが勝つと、第1シードのセインツと当たる。セインツにはリーグ戦で勝っているので自信をつけているはずだ。しかし第6シードのイーグルスが勝つとそちらがセインツと対戦し、カウボーイズはラムズと当たる。この対戦は今シーズンはなかった。今日の試合ではディフェンスが頑張ったのだが、チーフスにはRBガーリーがいる。エリオットとのラン攻撃の対決となる。どちらにしろカウボーイズはかなりチーム力が上がっているようで、SUPERBOWLへの道も少し見えてきた感じだ。とにかくNカンファには、セインツのカマラ、チーフスのガーリー、カウボーイズのエリオットと、すごいランニングバックが揃っているところがおもしろい。これに対してイーグルスはRBの主力のアジャイーとクレメントが故障しているのがつらいところだ。

01/07/月
チャージャーズ対レイブンズ
朝の3時からの試合。8時に目が覚めたのでネットで結果を確認。チャージャーズの圧勝だった。リーグ戦ではラマ―・ジャクソンに負けているのだが、この特異なQBの動きをしっかり研究したようだ。チャージャーズも守備の強いチームだ。前半はほぼ完封されてしまった。ラマ―・ジャクソンは終わり際にクラブツリーに2つのタッチダウンパスを通して1ポゼッション差に迫ったのだが、反撃もそこまでだった。ラマ―・ジャクソンの快進撃は、鬼ごっこのように逃げ回る特異な動きにあるのだが、研究されると進路を塞がれてしまう。深追いせずにゾーンでしっかり守れば、このQBもたいしたことはない。それがわくわかった試合だった。Aカンファはコルツのラック、チャージャーズのリバースという、しっかりパスを投げるオーソドックスなQBが勝ち上がった。第6シードと第5シードが勝ったのでアップセットと言えなくもないが、コルツの後半は絶好調だし、チャージャーズは首位のチーフスと勝ち星では並ぶくらいの実力チームなので、強いチームが勝ったということだろう。ワトソン、ラマ―・ジャクソンという走るQBが研究されて封じられたわけで、これにマホームズとブレイディーが加わって、ロングパスを投げる伝統的なQBの4人が激突することになった。ラック対マホームズ、リバース対ブレイディーの組み合わせで、若手同士、ベテラン同士の対決となる。

イーグルス対ベアーズ
ワイルドカード4試合の中で、どちらか一方を応援したいと思っているのはこの試合だけ。ニック・フォールズの奇蹟をもう一度見たい。そのためには勝って次のステップに行かないといけない。ネットの情報によるとニック・フォールズは肋骨を傷めているらしい。肋骨は負担のかかる部位ではないが、ロングパスを投げる時に多少は支障があるだろう。最近2試合、インターセプトがあるのはそのせいかとも思う。今日はスカパーが見られないのでアメリカのNFLのホームページにつなぐ。ここではイラストによってボールがどこにあるかが表示され、随時情報が更新される。8時に起きてネットにつないだ段階では、ハーフタイムの直前、3対3というひどいロースコアの状態だったが、つないだ途端にベアーズがゴール直前まで迫っていて、フィールドゴールが決まって6対3になった。このぐらいの差は無に等しい。その後、第3クオーターに入ってニック・フォールズのバスがタイトエンドのゴダートに決まって4点リードとなったものの、第4クオーターに入ってフィールドゴールを1本決められてリードは1点になった。そこからイーグルスの攻撃が先に進まず、ついてベアーズがタッチダウンを決められた。ただし2点コンバージョンは防いだので5点差。そして残り1分となって、逆転のタッチダウン。ニック・フォールズからテートへのパス。ゴダートといい、テートといい、マイナーなレシーバーだ。たぶんジェフリー、アゴラ―、ザック・アーツの主要なレシーバーが完全にマークされているので、仕方なく投げたのだと思うが、脇役がしっかりパスをキャッチして、奇蹟の逆転劇となった。だがドラマはそこで終わらない。時間がまだ56秒残っているのだ。そこからベアーズの攻撃が始まって、25ヤード付近まで迫られた。2点コンバージョンに失敗したため点差はわずか1点。ここまで来るとフィールドゴールで逆転される。タッチダウンを狙ったパスを何とか防いで、残り5秒でフィールドゴールアテンプト。距離は43ヤード。50ヤードを越えると成功率は5割を切るのだが、40ヤード前後では8割方は決まる。しかもベアーズの本拠地だから、風の具合などの条件をキッカーは熟知している。もはや絶望、「ニック・フォールズの奇蹟」に期待するしかない状況だったが、ネットの画面に出たのはボールが蹴られたことを示すアーチ型のイラストの先に赤い×マーク。そしてフィールドゴール失敗の文字。何と、またもや奇蹟が起こった。とにかくニック・フォールズは2本のタッチダウンパスを決め、15対16というロースコアゲームに辛勝した。しかしこの試合でもインターセプトが2つある。RBの3人が誰もロングゲインをしていない。これでは次の試合には勝てないだろう。次の相手はリーグ全体首位のセインツだ。イーグルスの奇蹟の快進撃もここまでか。セインツに勝ったりするとまさに神がかりだが、ぼくはセインツのファンなので、とても微妙な感じになってしまう。来週の月曜日は休みなので中継を見ることはできるのだが、どちらを応援したらいいのかわからない。

01/08/火
昨日のベアーズ対イーグルス戦のダイジェスト映像を何度も見た。残り5秒、1点差のフィールドゴール。43ヤード。8割方は入るキック。入れば勝ち、外れれば負けというプレッシャーのかかる状況だ。キッカーが助走を始めた瞬間にイーグルスはタイムをかけた。キッカーはそのままキックを続け、ゴールは入った。Footballでは常套的な嫌がらせで、集中力を要するキックでは、助走に入ったあとでタイムをかけられると気持が折れる。同じ集中をもう一度、その直後に実現するのは、かなり難しい。しかしこういうところでタイムをとるのは常套手段なので、キッカーの方も、それに耐えて集中力を持続しないとプロではない。で、タイムアウトのあと、キッカーは再びキックしたわけだが、やはり集中力が欠けたのか、蹴ったボールがわずかに左にぶれた。結果としては、キッカーから見て左側のポストの上部に当たって、ほぼ真下に落下し、Hの形をしたゴールの横になったバーに当たって、手前側にボールは落下した。ゴールの側に落ちれば3点が入ったのだが、手前に落ちたのでアテンプトは失敗で、イーグルスの勝利となった。これを見ると、勝敗の行方はほぼ偶然というしかない。一陣の風によっても影響が出るだろうし、ボールの回転によっても微妙な差が出る。キックした時の1センチにも満たない誤差があったのかもしれない。いや、とにかくど真ん中に蹴っておけば問題なかったわけで、キッカーのミスには間違いないのだが、ミスしてもぎりぎりで入ってしまうこともあるわけで、ポストに当たり、さらにバーにも当たって、わずかなところで手前に落ちてしまったというのは、まあ、運命としか言いようがない。ニック・フォールズの奇蹟がまだ続いている。チームの全員がそのことを実感したことだろう。そうなると次の試合でも、チーム全員が神がかり的な活躍をするのではないか。今シーズン、圧倒的な戦力で全体首位となったセインツの前に、最大の敵が立ちはだかったような感じがする。ぼくはセインツのファンだ。かなり昔だが、ニューオリンズがハリケーンで水没した年に、セインツがSUPERBOWLを制覇した。その時の感動は忘れがたい。QBはいまも同じブリーズだが、ぼくはカマーラという2年目のRBに注目している。チーフスのハントも好きだったのだが、カマーラには不思議な魅力がある。カウボーイズのエリオットや、ジャイアンツのバークリーと違って、カマーラは小柄で非力な感じのRBで、それが身をかわすだけでなく、当たられてもしなやかに耐えて、信じがたいほどに前進していく。その姿は美しく、意外性に富み、感動敵だ。だから今シーズンもセインツに注目してきた。イーグルスのニック・フォールズは確かに神がかりなのだが、昨日の試合でもインターセプトが2つあった。1つはパントを蹴るのと同じくらいの意図的なものだが、1つは明らかなミスだった。それにイーグルスのRBがまったく弱かった。昨シーズンのSUPERBOWLでは、3人の魅力的なRBがいたのだが、トレードと故障でいまは誰ねいない。それでも去年は怪我でいなかった大ベテランのスプロールズがいる。もっとランを活かす攻撃ができれば、セインツが相手でも互角の試合ができるだろう。何しろ、リーグ戦の最後の3試合、チームの誰もが絶望と考えていた時に、テキサンズとラムズを撃破したのだから、ニック・フォールズはやはれ神がかりのプレーヤーなのだ。相手がセインツだとなると、チーム全員がその神がかりに染まるのではないか。昨日の試合でも、ゴダートやテートといったマイナーな選手がタッチダウンレシーブを実現するのだから、ニック・フォールズのカリスマ性がチーム全体に浸透している感じがする。それと、昨年のディビジョナルで、セインツはバイキングスに奇蹟の逆転負けを喫した。そのバイキングスに、イーグルスはファイナルのチャンピオンシップゲームで圧勝した。そのことを考えると、セインツにも弱点がある。バイキングスに負けた試合で、カマーラも、体力自慢のイングラムも、ランを封じられた。それが苦戦の原因だった。来週の試合で、カマーラとイングラムがどれほど活躍できるか。それがイーグルスの奇蹟が実現できるかにつながっていく。ディフェンスがどこまで対応できるかが勝負の分かれ目になる気がする。
最新情報によるとベアーズのキックに対して、イーグルスのキッキングチームのヘスターという選手が飛び出して手を上げ、指先をわずかにキックしたボールに接触させていたことがわかった。キッキングのミスではなく、ディフェンスがブロックによってわずかにボールのコースが変わったり、回転が加わったりした結果、ポールに当たるという奇蹟が生じた。そのことがわかったとしてもやはり奇蹟という気はするのだが、それでもボールに手を触れた選手がいたということは、チーム全員の意欲の鼓舞にはつながるだろうと思う。単なる神頼みではなく、そこには努力によって成し遂げられる奇蹟があるのだということで、こういうところはアメリカ人好みのエピソードだろうが、選手は元気づくだろうと思われる。

01/11/金
もう週末が近づいてきた。日曜に2試合、月曜に2試合がある。日曜は残念ながら大学院の入試があるので中継は見られない。月曜は休みなのでじっくり見られるのだが、午前3時からのペイトリオッツの試合もつきあえない。いまの時点での予想などを書いておく。
コルツ対チーフス
ワイルドカードでコルツが勝つとは思わなかった。テキサンズのワトソンはリーグ戦で圧倒的なパフォーマンスを見せていたからだ。体力にものを言わせて走る。レイブンズのラマ―・ジャクソンのように逃げまくるのではなく、まっすぐに走るところに威力がある。しかしコルツのディフェンスはワトソンを完全に封殺した。同じことがチーフスのマホームズに対してできるかがポイント。マホームズはロングパスが魅力だ。機を見て自分で走ることもあるが、相手のパスラッシュを避けながら最後まで投げようとする。どんな体勢になってはロングパスが投げられるパフォーマンスが傑出している。やや無骨なワトソンと違って、しなやかでクレバーな、現在のナンバーワンQBといっていい。チーフスが圧勝するのではないか。というか、チーフスが圧勝するところを見たいという気持があるのだが、接戦にもちこまれるとドキドキするだろう。リーグ戦前半のチーフスは本当に強かった。RBのハントがいたからだ。まずはハントのランで前進し、機を見てロングパスを投げる。レシーバーがカバーされていれば、近くにいるハントにパスを投げる。いわば安全弁なのだが、ハントはそこから驚異的なランニングで前進していく。相手は守りようがなかった。そのハントがいまはいない。控えRBだったウェア―も負傷した。控えの控えみたいなRBがそれでも頑張っているのだが、ハントほどの切れ味はない。コルツとチーフスのチーム力はかなり接近しているようにも思える。コルツは前半戦はもたついたが、後半戦はQBラックの技術が冴えてきた。テキサンズに圧勝したところを見ると、かなりの実力だ。実際は接戦になるだろう。それでもチーフスに勝ってほしい。

カウボーイズ対ラムズ
カウボーイズのチーム力も上がっている。ディフェンスがいい。タイトエンドもいい。これにRBエリオットの破壊的なランニングが加わる。最後にQBプレスコット自身がいざとなれば走る。これに対して、ラムズのQBゴフも必要なら走ることがあるが、体力に任せてゴリゴリ前進するわけではなく、隙をついてあいたコースを走るという、クレバーなものだ。そのQBのタイプの違いが見ていておもしろいゲームになるだろう。負傷していたRBガーリーがどれほど回復しているかもポイントになる。ガーリーが完全に回復していればエリオットとの勝負は互角といっていい。ラムズのディフェンスは個人に頼るようなところがあるので、エリオットの突進をどれだけ止められるかも気にかかる。自分の気持としては少しラムズに傾いているのだが、カウボーイズも好きなチームなので、どちらが勝ってもいい。いい試合になってほしい。

チャージャーズ対ペイトリオッツ
ベテランQBの対決。どちらもオーソドックスなパスで攻めるQBだ。チーム力としては、プレーオフの経験が豊富なペイトリオッツが有利だろうが、昨年のSUPERBOWLの時のメンバーから比べると、少し戦力がダウンしているようにも感じられる。リーグ戦で弱いチームにころころ負けていたペイトリオッツを見ていると、今シーズンはダメだなという気がしていたのだが、プレーオフに入ってから急に調子を上げるのがペイトリオッツの特質で、ここからが強い。これに対して、今年急に強くなったチャージャーズはプレーオフの経験が浅い。まあ、ペイトリオッツが勝つだろう。

イーグルス対セインツ
すごい試合だ。今シーズンの実力ナンバーワンで、まったく危なげなく全体首位でシーズンを終えたセインツ。ベテランQBのブリーズは絶好調を維持しているし、RBのスリムなカマラと、でぶのイングラムのコンビも負傷しているという話は聞かない。万全の体制でディビジョナルの試合に臨むだろう。これに対して、リーグ戦の残り3試合で、今シーズンの戦いを放棄したかのように、主力QBのウェンツを外して、昨年のSUPERBOWLでMVPを獲得して控えQBのニック・フォールズを起用すると、そこから奇蹟の快進撃が始まった。ラムズ、テキサンズという強豪を撃破し、最終戦ではレッドスキンズを完封した。ワイルドカードでも、ベアーズのオフェンスをほぼ完全に止めていた。イーグルスはディフェンスが調子を上げている。昨年のプレーオフで、セインツはバイキングスに負けた。RB2人が抑えられた。そのバイキングスに次の試合でチーフスは圧勝した。そのイメージがあるので、イーグルス有利という感じかしてしまうのだが、Footballの試合は偶然に支配される部分があるので、どちらが勝つかはまったくわからない。ニック・フォールズの奇蹟をさらに見たいという気がするのだが、ぼくはセインツのRBカマラのファンでもあるので、微妙な気分だ。どちらが勝っても、勝ったチームがSUPERBOWLに進むのではないかと思われる。

01/13/日
日曜だが出勤。大学院の入試。出かける直前まで中継を見る。マホームズ快調。チーフスの楽勝ムード。有明キャンパスの入試本部で待機を始める。スマホで確認する。チーフス快勝。何とマホームズはタッチダウンパスがゼロだった。RBの2人のウィリアムズと、RBの位置に入ったヒル、それにマホームズ自身のスクランブルと、ランばかりで4タッチダウンを決めた。これは作戦勝ちだ。マホームズは開幕以来のタッチダウンパスの記録を作ったほどで、コルツのディフェンスはパスを警戒する。そこにラン攻撃をかける。ハントもウェアもいないのに、ウィリアムズともう一人のウィリアムズという新しいランニングバックが育っているし、快足レシーバーのヒルに手渡しで走らせるというアイデア。そしてQBのスクランブル。中継で見ていた時、マホームズが足を傷めたように見えたのだが大丈夫だったようだ。もう1試合もラムズの快勝。やっぱりパスで決めずに、RBを走らせた。主力のガーリーだけでなく、アンダーソンの方がよく走った。カウボーイズはエリオットのランが封じられた。これはディフェンス同士の対決でラムズが勝ったということだろう。

01/14/月
本日は休み。朝の3時からの試合には付き合えない。それでも5時半に目が覚めたのでテレビの前へ。ペイトリオッツが大量リード。チャージャーズはいいところがなかった。ペイトリオッツは強い。強くなっている。リーグ戦で弱小チームに5敗もしたのと同じチームとは思えない。トーナメントに入ると突然強くなる。経験の差だろう。これでカンファレンスの決勝はペイトリオッツ対チーフスとなった。チーフスの地元での戦いとなるので、チーフスにも勝つチャンスがあるのではないかと思うし、チーフスに勝ってほしい。引き続きイーグルス対セインツ。今シーズンはずっとセインツを応援していたのでセインツに勝ってほしいと思っていたのだが、出だしで立て続けに2つタッチダウンを挙げたイーグルスをいつの間にか応援していた。しかしそのあとが続かず、セインツがじりじりと追い上げ、逆転。それでも6点差でイーグルスの攻撃となり、2分を切って敵陣に迫った。このまま時間を消費して、終了直前にタッチダウンを決めればまたもや奇蹟の逆転劇となるところだったが、主力レシーバーのジェフリーが楽に取れそうなパスを後ろに逸らしてインターセプト。ニック・フォールズの奇蹟という夢がついえた瞬間だった。あまりにもイージーなミスだったため、後味が悪かったが、ニック・フォールズの責任ではない。ジェフリーも主力レシーバーとしてここまでよくがんばってきた。セインツが強かったということだろう。これで決勝はラムズ対セインツとなった。セインツのホームのスーパードウムなので、セインツ有利か。しかし本日のセインツは出だしでもたもたしていた。勝ちっぷりではラムズの方が鮮やかだった。両方とも守備のいいチームで、僅差の勝負になるだろう。ラムズも好きなチームなので、どちらが勝ってもSUPERBOWLでは応援したい。相手がペイトリオッツではなく、チーフスだった場合は、マホームズを応援したい気がする。今シーズンはマホームズの年といってもいいだろう。シーズンのMVPはシーホークスのラッセル・ウィルソンかもしれないが、印象に残ったのはマホームズだ。チーフスに勝ってほしいという気がする。

01/18/金
金曜日になるともう胸が騒ぐ。プレーオフは日曜(現地土曜)にも試合があったからだ。しかしカンファレンスのチャンピオンシップの試合は月曜だけなので、まだ少し間があるのだが、もうドキドキ感が高まっている。カンファレンスの準決勝にあたるディビジョナルラウンドの試合は、日曜が大学院の入試だったのでリアルタイムの中継は見られなかった。今週はそのビデオをじっくりと見た。この準決勝4試合はいずれもシード上位のチームが快勝した。シード1位と2位のチームは、ホームのスタジアムで地元の声援を受けるだけでなく、準々決勝が不戦勝になっているので疲労がなく怪我人もいない。それだけでも圧倒的に優位なので、番狂わせは難しい。まあ、そのシード順を争ってシーズンのリーグ戦があるのだから、強いチームが上位シードになっているのだ。だがニック・フォールズがQBになってから急に強くなったイーグルスにとっては、アウェイでの敗戦は無念だったろう。逆にセインツはホームゲームだったことで何とか勝ち残ったという感じだ。このゲームだけが、残り2分を切っても逆転のチャンスがあるという接戦だった。むしろジェフリーが落球さえしなければイーグルスが逆転していたのではと思われる試合だった。残りの3試合は上位チームの圧勝だった。中でもリーグ戦でAカンファ首位のチーフスの戦いが安定していた。負けたら終わりのリーグ戦を意識したのかマホームズはロングパスをほとんど投げなかった。レシーバーのヒルが徹底的にマークされていたこともあって、パスよりもランを多用した。あとはタイトエンドに短いパスを投げて前進していた。ワイルドカードでテキサンズのワトソンを封じたコルツのディフェンスが、まったく活躍できなかった。チーフスのオフェンスラインの勝利だろう。マホームズが守られていて短いパスなら自在に投げられたことと、ハント、ウェア―という2人のRBを失っていたにもかかわらず、ウィリアムズという小柄なランナーが大活躍した。レギュラーになったことで才能が開花したというよりも、ラインに守られたというべきだろう。それでも鮮やかなフットワークで前進していくところは、次のペイトリオッツ戦でも期待できる。驚異的に足の速いヒルはマークが厳しく、ロングパスをキャッチすることはできなかったが、RBとクロスしてマホームズから手渡しのボールをもってラッシングでタッチダウンを記録した。これもディフェンスにとっては脅威となるプレイだ。とはいえ、リーグ戦の後半でチーフスが負けたチャージャーズに圧勝したペイトリオッツは、確かにチーム力がまとまっている。おそらく決勝戦は接戦になるだろう。チーフスに勝ってほしいと祈るような気持だ。Nカンファの方はラムズに注目したい。リーグ戦の後半にチーム力が上がってきていたカウボーイズを圧倒する攻撃力を見せていた。こちらもランニングによる勝利だ。もともとラムズにはガーリーというトップクラスのRBがいたのだが、終盤に怪我をして、最後の方は欠場が続いていた。その間にラムズは新たなRBをトレードで獲得した。このアンダーソンというRBがようやくチームに慣れてきて、この試合では爆発した。この新しいRBは肉体派で、背の低いずんぐりした体型で、弾丸のようにひたすら前進する。ガーリーは強靱な体力でぶつかっていくこともあるが、基本はフットワークで相手をかわしていくタイプだ。タイプの違うRBを擁することで、守備の強いカフボーイズのディフェンスがズタズタになってしまった。セインツも守備の弱いチームではないが、イーグルスは昨年のSUPERBOWLで活躍したブラントがトレードに出され、アジャイーとクレモントは負傷していて、RBが弱体化していた。ほとんどランで前進できなかった。これに比べれば、ガーリーとアンダーソンの2枚看板は強烈で、セインツはディフェンスに苦労するのではないか。一方、カマラ、イングラムという2枚看板をもつセインツのRB陣は、イーグルスにきっちりと抑え込まれていた。セインツは去年のプレーオフでもバイキングズにRBが抑え込まれて負けている。決勝戦はセインツのホームスタジアムで、ここはドームなので応援の声が響き地元有利だとされている。それでも、ラムズが勝つのではという気がしている。ペイトリオッツのブレイディーとセインツのブリーズというベテランQBの対決も見ものではあるのだが、マホームズ対ゴフという若手QBの対決を見たいと期待しているファンが多いのではないか。どちらかが負けて、ベテラン対若手という対決になれば、応援するこちらとしては迷うことはないのだが、チーフス対ラムズの対決となれば、どちらを応援していいか困ってしまう。どちらかというと、マホームズを支援したい気がする。ということで、本日の時点での自分のヒイキは、チーフス、ラムズ、セインツ、ペイトリオッツの順番だ。

01/20/日
いよいよ前日になった。明日は朝3時に起きられるか。月曜日は午前中に著作権関係の会議があり、夕方は大学で教授会がある。長い一日になるが、もちろんFootballの試合がメインだ。ラムズ対セインツの試合は中継を見られるが、会議があるのでペイトリオッツ対チーフスの試合はネットで確認するしかない。SUPERBOWLの日はスケジュールをあけてある。ラムズ対セインツは両方とも好きなチームなので心が揺れる。先週のイーグルス対セインツの試合も心が揺れていたが、中継が始まるとイーグルスを応援してしまっている自分がいた。かつてニューオリンズがハリケーンで壊滅的打撃を受け、スーパードウムに被災者がひしめくといった事態があって、開幕から何試合か、セインツがホームで戦えないという出来事があったのだが、そのシーズンのSUPERBOWLでブリーズのセインツが優勝した。その時の感動はいまも忘れないし、昨シーズン、RBカマラが新人王をとったことにも感動した。それでもニック・フォールズの奇蹟が起こってSUPERBOWLを制したことで、イーグルスのインパクトがあまりに強く、セインツへの気持が淡くなってしまった。ラムズのゴフというQBはあまり好きではないのだが、RBのガーリーと、ニューカマーのアンダーソンの2枚看板が魅力的だ。同じことはチーフスのRBウィリアムスについても言える。このチームにはウィリアムスというRBが2人いるようで、ハントとウェア―の2枚看板がいなくなった穴を見事に埋めている。RBによるラッシングがなければQBのパス攻撃も活きない。RBの活躍はオフェンスラインに支えられているので、ロングパスを多発するQBのいるところには、QBを守るオフェンスラインの充実がある。そのオフェンスラインがラッシングの時にも活きるので、要するにオフェンスラインの強いチームがSUPERBOWLを制するということになる。しかしラインは数人いるので、顔と名前を憶えられない。ディフェンスラインの方は、QBサックなどで名前が出ることがあるのだが、オフェンスラインは重要な責務がある割りに地味なポジションだと言えるだろう。とにかく、チーフスはオフェンスラインで支えられている。同じことはラムズにも言える。カンファ準決勝を見る限り、セインツはRBの活躍があまり見られなかった。カマラというフットワーク中心のRBと、イングラムという体力勝負の2枚看板がいて、このチームもラッシングが強いはずなのだが。イーグルスのディフェンスもかなりよかった。そのせいかもしれない。ラムズにとって課題があるとすれば、スーパードウムの騒音だ。イーグルスが後半に逆転されたのも、セインツのホームゲームのせいだと思われる。決勝戦はセインツのホームなので、ラムズはかなり苦しむはずだ。ただラムズはイーグルスと違って、RBの2枚看板がいる。RBに手渡すだけなら騒音も苦にならない。ラムズ有利と見ていいのではないか。とにかくこの試合は中継が見られるので、声援を送りたい。問題は朝3時に起きられるかどうかだ。目覚ましをかけると妻の安眠を妨げるので、気合いで目覚めたいと思っている。ペイトリオッツの試合はほとんど見ていないので、どんな感じなのかわからない。ボロボロのスティーラーズに負けた試合、ドルフィンズにとんでもない逆転をされた試合などを、ダイジェストで見たのだが、今年のペイトリオッツは強くないという印象を受けた。ところがワイルドカードでカンファレンス同率首位のチャージャーズに圧勝した。プレーオフに入ると急に強くなるというのがペイトリオッツの特徴だ。昨シーズンの初戦は、チーフス戦だった。RBハントのデビュー戦でもあったのだが、この試合でレシーバーのヒルが3つのタッチダウンを挙げた。類のない俊足のレシーバーを、ペイトリオッツのディフェンスはまったく止められなかった。今シーズンの延長戦に入った試合でもヒルは大活躍した。そのヒルが活躍するためにも、RBによるラッシングでプレッシャーをかける必要がある。昨年のSUPERBOWLでイーグルスが勝ったのも、RBトリオの大活躍があったからだ(3人とも今年のプレーオフには姿がなかった)。脚を傷めていたガーリーが完全復活しているかどうかもポイントとなるだろう。いずれにしてもこの試合はリアルタイムで見られないので、会議中にスマホをのぞいて経過を確認するしかない。ああ、考えただけでドキドキしてしまう。

01/21/月
老人ボケのせいか試合は3時に始まると思っていたのだが5時からだった。まあ、2度寝したから問題はない。しっかりと5時前には起きて試合開始を待つ。セインツの地元。ものすごいノイズ。そのせいかラムズの誇るランニングが決まらない。ディフェンスは頑張ってセインツの攻撃を抑えているのだが、フィールドゴールで加点され、点差が開いていく。13点差からやっとフィールドゴールを決めたのだが、その10点差が縮まらない。セインツのブリーズもロングパスは決まらないのだが、RBカマラへの短いパスで前進する。一進一退のあと、ようやく同点に追いついたのだが、残り2分ほどでセインツがゴールに迫った。時間を消費してフィールドゴールが決まればおしまいという状況で、セインツの作戦ミスと、審判のミスジャッジが出て、セインツはフィールドゴールの3点どまり。しかも時間が1分以上残った。ラムズは何とか前進して、長いフィールドゴールが決まって延長戦。最初はセインツの攻撃だったが、ラムズはよく守った。ラムズの攻撃も進まなかったのだが、50ヤードを越える距離のフィールドゴールが決まって、ラムズが接戦を制した。つねにセインツがリードしている展開だったので、いつの間にかラムズを応援している自分がいた。勝ってよかった。これでペイトリオッツが出てきても、ラムズなら充分に戦えるだろう。この試合ではランが出なかったが、ペイトリオッツはラン守備がやや弱い。2人のRBが今度は活躍するはずだ。

次のペイトリオッツ対チーフス戦は、オープニングでペイトリオッツがどんどん攻め込んでいるところを見て、テレビをニュースに切り替え、着替えて外出。表参道の複製権センターでSARTRASの設立総会に出席。会場に着いたところでスマホで確認するとチーフスが14対0で負けていた。それはダメだ、やっぱりペイトリオッツは強いと思った。重要な会議で、実印をもってこいなどと言われていたので、書類にやたらはハンコを押す。その後に別の会議があったが、これは参加していればいいものだったので、スマホでアメリカのFootballのサイトにつなぐ。イラストでボールの位置を表示してくれる。何と見ているうちにチーフスが逆転したのだが、その後はノーガードの打ち合いみたいな状態になり、何と同点のままタイムアップ。2試合連続の延長戦となった。どちらが先に攻撃するかは、コイントス。これに負けたチーフスは攻撃の機会を与えられぬうちに負けてしまった。終盤の点の取り合いの直後だけに、コイントスが勝敗を決めたようだ。これでSUPERBOWLはペイトリオッツ対ラムズとなった。新旧QBの対決。前半はボロ負けだったチーフスが後半に一時は逆転のところまで行けたのは、RBウィリアムズの大活躍によるもののようだ。やはりペイトリオッツはラン攻撃に弱い。今日の最初の試合ではセインツのディフェンスに封じられたラムズのRBだが、相手がペイトリオッツなら活躍できるだろう。本日も一瞬だけ、ガーリーのタッチダウンが見られたのだが、短いパスをぽろぽろ落としていた。豆タンクのようなアンダーソンもあまりボールを持たせてもらえなかった。しかしペイトリオッツに対しては、RBにボールを持たせて時間を消費し、QBブレイディーを調子づかせないという戦力がベストだろう。SUPERBOWLは2週間のブランクがある。これから何度もビデオを見ることになるだろう。セインツが勝っていれば、ラムズとどちらを応援するか悩むところだったが、相手がペイトリオッツとなれば、ひたすらラムズを応援したい。

01/29/火
ラムズ対セインツ戦をくりかえし見ている。前半のラムズはまったく機能していなかった。スーパードームのアウェーの試合なので、クラウドノイズがひどくて、QBの声が届かず、またQBへの無線も聞こえなかったようだ。後半は必要なメンバーには顔を近づけて声をかけるなど、何とか対策を講じたのだが。イーグルスが負けたのもクラウドノイズのせいだろう。セインツはカンファ首位となった時点でこのアドバンテージを獲得した。結果としてチャンピオンシップの両カンファとも、アウェーのチームが勝った。それなりの戦略を立てたのだろう。しかしラムズは残り2分のところで同点に追いつくのがせいいっぱいだった。そこでセインツが時間をすべて使い切ってフィールドゴールを挙げるか、時間を残してもいいからタッチダウンを挙げていれば勝利は間違いなかった。セインツはタッチダウンを狙ってパスを多用し、相手の反則を誘ったのだが、明らかなパスインターフェアランスに加えてヘルメットでの体当たりという反則をラムズが犯したにもかかわらず、審判は反則をとらなかった。シーズンの前半は、ルール改正や内規みたいなものを徹底させるために、心配は厳しく反則をとる。選手の怪我やラフな試合を防ぐという意味合いもある。しかしプレーオフの後半になると、ゲームの流れを重視して、審判はあまり笛を吹かない。介入しすぎると、審判の運用によって勝敗が決したという印象を残し、批判が高まることを恐れているのだろう。この試合も最初から、反則はなるべく大目に見るというスタンスで審判はゲームを進行していた。この最後の場面で審判が笛を吹けば、セインツはエンドゾーン直前からの攻撃になり、充分に時間を使ってタッチダウンを獲得していただろう。あるいは3回ラン攻撃で時間を消費してからフィールドゴールということになり、いずれにしてもセインツの勝利を決定づけることになる。心配としては、ここで反則をとらなくても、セインツがフィールドゴールを決めて、残り1分ほどのラムズの攻撃を抑えれば、セインツが勝って終わると考えたのかもしれない。とにかく笛は吹かれず、セインツはフィールドゴールで3点を挙げたのだが、ラムズはそこから、48ヤードの難しいフィールドゴールを決めて延長戦にもちこんだ。この最後の1分でフィールドゴールに持ち込んだことが、ラムズの勝因であり、それを守り切れなかったことがセインツの敗因で、審判のせいで負けたわけではない。試合には流れというものがあり、一つのプレーだけとりだして、審判のせいで負けた、といったコメントがセインツ側から出るのは、負け惜しみというしかない。さらに言えば延長戦はコイントスでセインツの攻撃から始まったので、ペイトリオッツが同じ日にそうしたように、そこでタッチダウンをとってしまえば勝てていたのだ。この最初の攻撃はブリーズの不用意なパスからインターセプトとなり、そこから攻撃を始めたラムズはほとんど前進できず、50ヤードをはるかに越える超ロングキックのフィールドゴールが決まってラムズの勝利となった。このフィールドゴールは偶然入ったようなもので、セインツの敗因はインターセプトにある。そのインターセプトの直前にも選手同士の衝突があり、反則とも見えたのだが、倒れたのはラムズのディフェンスで、倒れたところに偶然、リバースの投げた山なりのパスが来て、倒れた選手は仰向けになったままでパスをキャッチした。インターセプトというよりは、たまたま倒れたところにボールが来たという、偶発的なものだった。セインツは不運だった。しかし実力伯仲のチームが試合をすれば、運で勝敗が決するということはしばしば生じる。もう1つの試合も延長戦になり、コイントスで攻撃をとったペイトリオッツがそのままタッチダウンで勝負を決めた。同点に追いついたマホームズは、攻撃の機会を与えられないままフィールドを去ることになった。チーフスの敗因は、同点ではダメだったということに尽きる。前半に点差をあけられすぎたのだ。同点ではダメだったマホームズと、同点でよかったゴフ。若手QBにも運不運があった。いずれにしてもSUPERBOWLはペイトリオッツとラムズの戦いとなった。これも結局、阿弥陀様の思し召しというしかないような成り行きだ。ペイトリオッツはしたたかで、巧妙な作戦を立ててくるだろう。しかし昨年のSUPERBOWLでは、ペイトリオッツはディフェンスの弱さを露呈した。ゴフのパスは、ニック・フォールズほどの正確性がない。しかしラムズのラン・オフェンスは強力で、俊敏なガーリーと、豆タンクのようなアンダーソンに加えて、最終戦となればQBのゴフも走るだろう。ゴフに必要なのは勇気をもって走るということだろう。

02/03/日
今日は節分だね。そんなことはどうでもいい。ついにSUPERBOWLの前日となった。めずらしく週末の土日の両方が休みで月曜日も休みで、体調を調えてSUPERBOWLの当日を迎えることになる。老人監督と若手監督の対決というのが注目のポイントだろう。老人といってもぼくより年下なのだが。百戦錬磨の経験豊富なベリチックに対して、ラムズのヘッドコーチは三十代前半の最年少監督だ。ラムズはカンファ決勝戦で、出だしで13対0と引き離された。スタート時点での監督の作戦ミスだろう。セインツのホームで作戦がQBに伝わらず、QBからオフェンスチームへの声を伝わらないという事態で混乱したようだ。ディフェンスはよく頑張って、セインツの攻撃をフィールドゴールに抑えていた。SUPERBOWLは中立地域のアトランタで、ファルコンズの本拠だ。Nカンファだから、少しラムズに有利か。それにしても、出だしでペイトリオッツにリードされたら苦しくなる。期待をこめて見守りたいのは、ラムズのディフェンスがブレイディーをサックできるかどうか。去年のイーグルスは終了直前にサックを決めて勝利を決定づけたのだが、ブレイディーに500ヤードもパスを決められてしまった。ラムズのドナルド、スーという両輪がどれだけ活躍するかが1つのポイントになるだろう。ペイトリオッツは新人RBミッチェルが鋭い出足をしていてプレーオフでも活躍していた。これにパスキャッチのうまいホワイトがいる。しかしラムズのディフェンスはセインツのイングラムとカマラをほぼ完封していた。ラン攻撃は防げると思う。だがブレイディーのパスを封じるのは至難だ。得点の取り合いで後半までもつれた試合になるか、ペイトリオッツの一方的な勝利になるかのどちらかだろう。ということはラムズの得点力が最大のポイントになる。ガーリーとアンダーソンというRBの2枚看板に頑張ってもらいたいのだが、RBはオフェンスラインの頑張りがないと前に進めない。ラムズのガーリーはシーズンの試合でチーフスのマホームズとの投げ合いの乱戦に競り勝っているので、乱戦には強いと思うのだが、心配なのは若い監督が出だしで新調になりすぎることだ。カンファ決勝戦のセインツ戦の前半無得点という状況をどのように分析し反省しているか。出だしから投げ合いの乱戦にしておいて、機を見てRBのラッシングを決めるといった展開にできないか。いろいろと考えてみるが、やっぱりペイトリオッツの方が強いかなという気がする。昨年のイーグルスのフィリ・マジックのようなトリックプレーでも出さない限り、ペイトリオッツに一気に引き離される展開になるおそれがある。とにかく頑張ってほしい。

02/04/月
SUPERBOWL当日。朝8時に起きてテレビの前へ。スカパーを見ようと思ったら声が出ていない。回線の不都合か。タレントが出て何かしゃべっている。オードリーはFootballには詳しいのでそれはいいのだが、とにかく声が聞こえないのでNHK衛星に切り替える。こちらはCMが入らないので気持がいい。プレーが始まる。何と、第3クォーターが終わって3対3のロースコアゲーム。ペイトリオッツの方が圧倒的に押しているのだがラムズのディフェンスがぎりぎりと踏んばっている。ラムズの方はオフェンスがまったく機能しない。オフェンスのフォーメーションを読まれている。カンファ決勝のチーフス戦も、チーフスは前半は無得点だった。しかし後半は投げ合いになって同点延長になったのだが、ラムズの攻撃は最後まで実らなかった。ペイトリオッツはタイトエンドのグロンコウスキーにパスが通り始め、最後はミシェルのランでタッチダウン。ゴフもよく頑張って攻め込んだのだが、クックスへの長いパスが通らなかった。ペイトリオッツのディフェンスの強さが印象に残ったゲームだったが、これほどのロースコアになるとは誰も予想できなかっただろう。ラムズのディフェンスは最後までよく頑張ったのだが、やはりグロンコウスキーが出てくると阻止できなかった。SUPERBOWLが終わった。あまりにロースコアゲームだったので、感動がうすい。ブロンコスがパンサーズに勝った3年前のSUPERBOWLが思い出される。あの時はマニングの最後の試合で、ロースコアゲームでも必死に短いパスをつなぐマニングを見ているだけで楽しかった。今回はあまり楽しくなかった。それでも、いいシーズンだったと思う。

02/05/火
今日は入試の待機。本部に待機しているだけなので自分の仕事をもっていく。何か虚脱感がある。昨日のSUPERBOWL。盛り上がりがなかった。両チームとも得点機がなく、第3クォーターが終わっても3対3のロースコア。確かにペイトリオッツの方が押し気味だった。ペイトリオッツはフィールドゴールのチャンスにゴストウスキーが失敗したのに対し、ラムズの方は遙かに長いキックをズーラインが成功させた。だから6対0でもおかしくなかった。そのペイトリオッツもタッチダウンのチャンスはまったくなかった。最後の最後に、ヘイルメアリーに近い無理気味のパスをタイトエンドのグロンコウスキーが体力勝負でもぎとってしまうというプレイが2回あって、残り1ヤードのところまで迫り、ルーキーRBのミシェルがランでタッチダウンを挙げた。結局、グロンコウスキーがいたか、いなかったかの違いだ。ラムズはレシーバーのクックス、RBのガーリー、それにディフェンスにはキラ星のようにスタープレーヤーを要していたが、タイトエンドに人材がいなかった。昨年優勝のイーグルスにはザック・アーツがいた。チーフスにはケルシーがいる。強いチームにはすごいタイトエンドがいる。6月のドラフトでは、ラムズはタイトエンドの新人を補強したい。さて、これで今シーズンのFootballは終わった。シーズンを振り返ると、RBハントのいるチーフスに、QBマホームズが現れて、RBガーリーの活躍もあって、自分の気持はチーフスに傾いていったのだが、昨年応援したイーグルスはQBを復活してウェンツに換えたので応援する気にはならなかった。しかし昨年活躍したRBの3本柱が全員いなくなった。これでは勝てない。スティーラーズはRBベルとの契約更改の交渉が最後まで進展せず、ついてベルが走ることはなかった。代わりにコナーズという新人が台頭したのだが、そのコナーズも途中で負傷してしまった。しかしワイドレシーバー陣とQBロスリスバーガーとの間がギクシャクしていたようで、最後まで調子が上がらなかった。それでもあと1敗もできないという土俵際でペイトリオッツに勝って首の皮1枚つながっていたのだが、翌週がセインツ戦で頑張ったければも惜敗して万事休した。イーグルスは最後の最後になってQBをニック・フォールズに換え、ラムズ、テキサンズに連勝してプレーオフにすべりこんだ。このテキサンズに勝ったことで、ペイトリオッツがカンファ2位になり、プレーオフ初戦が不戦勝になった。ペイトリオッツ優勝の陰の功労者は昨年MVPのニック・フォールズなのだ。そして、ドラフト全体2位でRBバークリーを獲得したジャインアンツにも期待したのだが、バークリーは大活躍したものの、QBのイーライ・マニングが冴えないままだった。ドラフト全体3位のメイフィールド(ブラウンズ)が去年全敗のチームを7勝8敗1分で、もう少しで勝ち越しというところまで引き上げたことを考えると、バークリーではなくメイフィールドをとっておけばと悔やまれる。しかもバークリーの活躍で今年は5勝もしてしまったために、ドラフトの指名順位も5〜7位くらいだと思われるので、いいQBは残っていないだろう。出だしの9戦目までは1勝8敗だったので、そのまま最下位で終わればドラフト1位だっただけに、勝ったことが悔やまれる。ドラフトがどうなるかはわからないが、今シーズンの状況だけから来シーズンを占うと、ペイトリオッツは戦力ダウンは免れない。成績の良かったチームは現有勢力のギャラを上げざるをえず、サラリーキャップの上限があるので、有力選手を放出することになるからだ。ラムズは若い選手が多いのでキャップにはまだ余裕があると思うのだが、ディフェンスにスターが多いので補強は難しいだろう。タイトエンドの新人をドラフトが獲得するくらいしか戦力アップは望めない。RBはガーリーも怪我から復活するだろうし、シーズンの終盤で獲得したアンダーソンも戦力になった。来シーズンのラムズは期待できる。いま思い出したが、ラムズのシーズン前半には、カップというすばらしいレシーバーがいた。名前がクーパーなので「スーパーカップ」と呼ばれていた、ハンサムなスター選手だった。途中で負傷していなくなってしまったのだが、来シーズンは復帰するだろう。クックスとカップという、2枚看板のレシーバーが揃えば、RBの2枚看板との相乗効果で、来シーズンのラムズは最強になるのではないか。チーフスのマホームズも今年は個人技に頼るところが多かったのだが、来シーズンは戦略的にも熟成されてくるだろうから大いに期待できる。ハントは暴力事件で追放されたのだが、代わりにウィリアムズという小柄なRBが急速に伸びてきた。ここにはヒルという快足のレシーバーも健在なので、来シーズンのチーフスは期待できる。というか、今シーズンもチーフスはカンファ1位だったし、決勝戦もペイトリオッツと延長戦にもつれこんだのだが、実力1位はチーフスだったと言っていい。来シーズンもAカンファはチーフスが主役になって展開していくだろう。対抗馬はQBフラッコの故障を受けて救世主のように現れたラマ―・ジャクソンのレイブンズだろう。テキサンズのQBがワトソンがさらに成長するか。チーフスのマホームズとテキサンズのワトソンというコナン・ドイルの名コンビの対決が注目される。Nカンファの方は、セインツが現勢力を維持できるか、やや疑問だ。若手RBのカマラは伸びしろがあるが、QBブリーズは超ベテランで、そろそろ下降線をたどるだろう。大怪我から復活したウォーターブリッジの出番があるかどうか。前から応援しているQBなので、来シーズンのセインツの動向に注目したい。あとはカウボーイズとベアーズ、それに若手が伸びそうなシーホークスがラムズの対抗馬になるだろう。ファルコンズのライアンもチームの状態が調えば頑張れるのではないか。イーグルスはまたウェンツを先発させるのかな。そうなるとニック・フォールズをトレードに出すのか。ラマ―・ジャクソンに終われたフラッコがどのチームに移籍するのか。SUPERBOWLの英雄となったキャリアをもつこの2人のQBのトレードが、シーズン前の最大の話題になるだろう。考えているうちに、落ち込んでいた気分が少しずつ回復してきた感じがする。Footballはおもしろい。Footballは一種の戦略ゲームだ。生きた人間を用いた将棋みたいなものだと思えばいい。だからヘッドコーチ(監督)の戦略がゲームを左右する。ということは、来シーズンも結局はペイトリオッツが勝つのか。チーフス、セインツ、シーホークス、スティーラーズにも実績のあるベテラン監督がいる。ラムズの獲得は若すぎた。しかし反省はするだろうから来シーズンには期待がもてる。ドラフトの新人にどのような逸材がいるのか。これからネットで情報を探索しなければならないが、ニック・フォールズとフラッコの移籍は、どうなるか楽しみだ。まあ、しばらくはこちらも頭を休めて、日本の野球にでも注目したいと思う。今年の巨人軍は強そうだ。内海と長野の放出を失敗とする声が高いのだが、あれは狡猾な原監督が、投手と野手のリーダーを意図的に追放したのだ。これでローテーションも外野の布陣も、ベテランの顔を立てる必要がなくなり、思いきって若手を起用できる。今年の巨人は強いぞ。せめて8月くらいまでは優勝争いに加わっていてほしい。そうすれば9月からはFootballが始まる。もう大学の先生は辞めているので、じっくりとFootballを見ることができる。ただ有料のネット放送には手を出さない。作家としての仕事は続けるので、スカパーとNHKの放送とネットの無料ダイジェストだけで充分だ。トレード情報とドラフトの情報からは目が離せない。とりあえずこのFootballのページはしばらくの間、休止したいと思う。誰も見ていなかっただろうが、自分自身の心の記録として、ここにとどめておくことにする。

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