平安時代ノート06

2018年6月

5月に戻る 7月に進む 月末
06/01/金
声が出ないまま三鷹サテライトへ。声が出ないまま90分間の講義。この回だけの社会人の皆さんへの講座なので、聞きにくい声で申し訳なかったが、漱石の『それから』について、楽しく語れた。楽しく語るというのが自分のコンセプトだが、大学で学生たちの笑いをとるというのはなかなか難しい。年齢が50年も離れていると、彼らの笑いの壺がわからない。それに対し、社会人の方々はまだ年齢が近い。半分くらいは同世代だと思われるので、楽しく語ることができる。1度、自宅に帰って少し仕事。声が出ないだけで(咳は出る)頭痛とか高熱とかではないので仕事はできる。咳き込みそうになると水を飲む。ただ夕方、マッサージに行くのでどうかなと思っていたのだが、実際の90分ほどの間、2度ほど軽い咳が出ただけだった。体がリラックスしていると咳も治まるということか。帰りにかなり混んだ電車(都営新宿線)に乗ると、また咳き込み始めた。うーん、早く治ってほしい。こればかりは自分の治癒力に任せるしかない。さて、6月になった。『平安時代の反体制文学』のゲラが出るはず。それまでは『小説を深く読む』に取り組む。今月末が一つの目標。河出への企画書を急ぎたい。これが喫緊の作業だ。今月も気の遠くなるようなスケジュールだ。火曜、水曜にあった「小説論」という2限の講座はあと1回だけで、成績を入力すればこの作業からは解放される。2限の授業がなくなると、朝が楽になる。しかし金曜はサテライトが1回あるのと、学内での講座が1つ入っている。大学の会議もあり、何か報告書を書く仕事もあるようだ。文藝家協会の方は、会議に出るだけで当面の課題はない。羽田プロジェクトの原稿を1つ仕上げたい。これだけタイトなスケジュールの中に、さらに歴時クラブ文学賞と日大文芸賞の選考がある。いずれも月末のあたりだが、選考会の日までに候補作をすべて読んでおく必要がある。大学の学生の宿題は7月になってからなので、この6月を乗りければ少しは楽になるか。といっても7月後半にはスペインの長男一家が来ると言っているので、またにぎやかなことになるだろう。数年前、まだ世田谷の三宿にいたころに、成田に送りに行った時に、満足にあるけないことを皆が指摘して、早く病院に行けと言われたことがある。翌日には整形外科に行ったのだが、膝に問題はないと言われた。スペイン語しかしゃべれない孫たちから受けるプレッシャーがストレスになったのだろう。いま月に1度通っているスポーツマッサージを紹介されて、行ってみたら少しずつ回復した。骨や筋肉の問題ではなく、マッサージのリラックス効果で徐々にストレスが消えていったのだろう。同じ状態にならないように、なるべく孫たちに関わらないようにしたい。孫とは遠くにありて思うものだ。ラインの写真とネットの動画だけ見ていればとても可愛いのだが。

06/02/土
妻が同窓会関係の一泊旅行に出かけていった。誘われたが、たまっている仕事を片づけないと先に進めない。約束しなくてよかった。この体調では旅行は厳しい。本日は羽田プロジェクトのイベントがあるのだが、昨日、欠席のメールを送った。会場にいて、最後に発起人の一言挨拶をするだけの役目だが、声が出ないし、会場で咳をこらえているのもつらい。咳き込んで迷惑をかけないように休ませてもうことにした。来週も授業が3日、サテライトの2コマもある。本日は土曜日だが、月曜くらいまでに咳が止まり、声も少しは出るようになってほしいと念じている。

06/03/日
日曜日は10時10分前にニコライ堂の鐘が鳴る。それで目が覚めると寝起きがよくないので、9時半には起きた。まだ咳がとりていない。妻がいないので声が出ているかどうかもわからない。わたしは一人きりの時は、よくギターをかかえて昔のフォークソングやビートルズなどを歌うのだが、歌う気にはなれない。体調の回復が遅れている。昨夜、歴時作家クラブ賞の本賞の候補作を読み終えた。いいのが1つあってよかった。他にも2作、賞に価するものがあった。2作受賞ということもあるだろう。あとは新人賞だが、まだ時間があるのでゆっくり読めばいい。河出への企画書に取り組む。「白村江」の次は「壬申の乱」で、これはほぼ企画が出来ている。もう一つをじっくり考えたい。

06/04/月
月曜日だが授業も会議もないので休み。明日からは2限の授業があるので、起きてすぐに医者に行き、咳止めの薬と、ついでにいつもの薬ももらう。咳はかなりよくなったが、声が出ない。明日は2限の授業のあと、羽田プロジェクト、さらに文藝家協会にも行かないといけない。1日に3件の仕事というのは、昔はよくあったが、久し振りだ。奇蹟のスケジュールというか、よくこんなに隙間に仕事が入ったものだ。企画書、まだできず。明日からは金曜までハードなスケジュールが続くのだが、夜は使えるので仕事を進めたい。

06/05/火
2限の授業。声は出ない。今回が最終回だというのに学生に申し訳ない。本日は特異的にハードな日。研究室で作業をしてから新橋の法律事務所へ。羽田プロジェクトの編集会議。途中で脱け出して文芸家協会へ。出版の未来を考える会。とても暗い未来について考える会で、本日はコミックスの未来について。コミックスの場合、契約の仕方など、文芸書とは違うところもあるということを学んだ。スキルアップの会なので有意義であった。本日は1万歩を越えました。

06/06/水
講義科目は昨日で終わったので、本日の授業は午後の大学院だけ。声は少しは回復したがまだ万全ではない。しゃべると悪化するので、なかなか元に戻らない。咳は止まったが、妻が咳き込み始めた。本日は学部長会議があり、さらに何やら別の会議があった。何をどうするのか頭に入らなかったが、膨大な書類を書くことになる。2年前に同じ作業をやったはず。えらいたいへんだったという記憶だけはあるが、具体的に何をしたかはきれいさっぱり忘れてしまった。老化とともに脳のキャパシティーが減少している感じがする。だから過ぎ去ったことは完全消去しないと次のことが考えられない。今日は雨。このまま梅雨入りするのか。気温は低いのに少し動くと汗ばむ感じがする。ひどい季節になった。

06/07/木
3コマの日。声が出ないまま何とか乗り切る。明日もサテライトで2コマある。なかなか声が元に戻らない。

06/08/金
三鷹のサテライトで2コマ。先週よりは少しまし。何とかもちこたえた。

06/09/土
三田和代さんの芝居を見に行く。上田岳弘原作、渡辺えり脚本演出の『肉の海』。わたしも妻は自宅では咳が止まらない。どうなることかと思ったが、2時間半の公演中、夫婦とも1度も咳き込まなかった。よくがんばった。芝居は幻想的なミュージカルで、出演者全員が素晴らしい歌唱力だった。演出がよく舞台をコントロールしていた。三田和代さんも元気そうだった。本多劇場。5年前まで三宿に住んでいたので、下北沢はわが庭のようなものだったが、小田急が地下に潜り、駅の周囲がすっかり変わっていた。それでもなじみの中華料理屋はそのままの場所にあったので少し早い夕食とした。自宅に帰りつくと二人ともゴホゴホと咳き込んでいる。緊張がとけたようだ。

06/10/日
日曜だがメールをいくつか送らなければならない。そのあと、『小説を深く読む』に取り組む。いまはこの仕事しかない。河出に企画書を送った。返事が来るのはかなり先になる。昨今の出版事情では編集部だけでなく営業部のOKが出ないとGOサインが出ない。6割くらいはできている原稿なのだが、雑用が忙しくてしばらく中断していた。明日も休みなので調子を上げたいところだが、今日はまた咳が出るようになった。鼻水も止まらない。別の風邪をひいたのではないか。どうも免疫力が低下しているようだ。明日はまた医者に行って薬を追加してもらおう。

06/11/月
今日は休みだが、まず医者に行く。抗生物質は10日以上は持続しない方がいいと言われて、咳の薬だけもらう。土曜にはほぼ治っていたのになぜ昨日悪化したのか理由がわからない。昨日は無理をしなかった。土曜に出かけたのがよくなかったのか。明日はほぼ1日の仕事だ。午前中の有明キャンパスでの会議のようすを見て、午後の文藝家協会の会議は休むことにするかもしれない。

06/12/火
午前中に有明キャンパスで会議。声が出ないので発言は学科長に任せる。午後からは文藝家協会の理事会だが、声が出ず咳が出るという最悪の状態なので休ませてもらった。声は出ないがワープロは叩けるので結局、自宅で仕事をすることになった。『深く読む』の草稿を一気に片づけてしまいたい。

06/13/水
大学は4期制で、1学期が終わったところ。1学期は火曜と水曜の2限に講義科目が入っていたのだが、2学期はなくなったので、水曜は午後の大学院のコマがあるだけ。休日と同様10時に起床してのんびりと大学に向かう。大学院のコマを終えて自宅に帰る。声はまだ復活しない。3週間目に入っている。ひどい声をしているが、講義科目がなくなったので、少しずつ回復するだろう。咳も少しはましになった。

06/14/木
3コマの日。こういう日があるので、いつまでたっても声が回復しない。ただ先週、先々週と、金曜もサテライトで社会人向けの講座があったのだが、今週は休みだ。ただし、日曜日にオープンキャンパスがあるので、30分の学部説明が2コマある。とにかくこの週末は声を出さないようにしたい。さて、今日からワールドカップだ。予選の組み合わせ抽選の中継を見たのは半年前だったか。その時は興味をもって中継を見ていたのだが、日本チームが勝てそうにないので興味もうすれた。孫がいるのでスペイン戦も期待していたのだが、直前に監督交代というのは驚きだ。今回、ポルトガルと同じ組に入ったのは、スペインがシードのベスト7に入っていなかったからで、もともと期待はうすかった。これといったストライカーがいない。それでもチームはまとまっている感じがしていたのだが、監督がいなくなってはどうしようもない。それでも可能な限り中継は見たいと思っている。ただ3時からの試合があるので起きているのがつらい。正直のところ、今年のスーパーボウルがあまりにおもしろくて、ほぼ毎日のようにビデオを見ていた。アメリカン・フットボールに比べれば、サッカーは退屈なスポーツだ。それでもいちおう各組を眺めて、おもしろそうな試合には注目している。A組はシードが開催国のロシアなので、ウルグアイの1強3弱。その3弱の中で、アジア予選で日本と同じくらいの力量だったサウジアラビアは最弱だろう。エジプトが2位だろうが、開催国のロシアが奇蹟を起こすかもしれない。B組はポルトガルとスペインの2強で無風地帯。C組はフランスが飛び抜けている。2位はペルーとデンマークの争い。アジア予選で日本に負けたオーストラリアはダメだろう。Dはアルゼンチンの1強3弱。ここは3チームが拮抗しているのでおもしろい組だ。ヨーロッパ予選を勝ち抜いたアイスランドが本当に強いのか見てみたい。E組はブラジルとスイスで無風地帯。F組はドイツの1強、韓国の1弱。2位争いのメキシコとスウェーデンは、スウェーデンが勝つのでは。G組はベルギーとイングランドで決まり。H組はコロンビアとポーランドで無風地帯。日本にチャンスがあるとすれば、コロンビアとポーランドに引き分けで、セネガルに勝った場合だけだろう。これで勝ち点5なら有望だ。勝ち点4の場合、たとえばコロンビアが3連勝で、ポーランドが日本とセネガルの両方に引き分け、日本がセネガルに勝つというケース。いずれにしてもセネガルには勝つしかない。そして、コロンビアとポーランドのどちらかと引き分ける。まあ、それほどうまくはいかないだろう。スペイン対ポルトガルは厳しい闘いになる。組そのものは無風地帯だが、勝てばA組の2位との対戦だ。たぶんエジプトだから楽勝だ。負けるとウルグァイ戦になる。かみつくスアレスがいるから危険だ。で、準々決勝はウルグァイ対フランス、ブラジル対ベルギーまたはイングランド、この山の準決勝はフランス対ブラジルになる。もう一つの山は、ポルトガルまたはスペイン対アルゼンチン、ドイツ対コロンビア。準決勝はアルゼンチン対ドイツだろう。で、決勝はブラジル対ドイツだ。何だ、つまらない。イタリアとオランダが出ていないので、強豪が激突する試合が少ない。ポルトガルがアルゼンチンに勝つ可能性はある。予選で2位になったスペインがフランスに勝つ可能性もある。スペイン、ポルトガル、ブラジル、ドイツの4強だと、決勝の組み合わせはわからなくなる。南アの大会で、スペインは予選の初戦で負けて、最終的には優勝した。今回もポルトガルに負けて気合いが入れば、その後、全勝する可能性もあるのではないかと期待をしたい。とにかく、日本に期待するよりも、スペインに期待した方が、まだ可能性が感じられる。

06/15/金
6月15日というと、60年安保闘争で死者が出た日。ぼくは小学校の6年だった。あの報道を接した全国の小学生が、学生の方が正しいと思ったのではないか。何しろ東大の女子学生だったのだから。それがのちの全共闘運動につながったのではないかと思う。そういえば今年は日大闘争50周年らしい。全共闘運動は結局、日大相撲部の台頭を招いただけだった。50年後に、それがどんな重大なことであるかが判明したことになる。朝から雨。妻がダウンしているのでどこへも出かけず、自宅で仕事。先週の土曜には二人で下北沢まで出かけたのだが、そこで咳をこらえて芝居を見ていたのがストレスだったようで、二人そもその後に症状が悪化した。それにしても昨夜のロシアの猛攻は驚いた。というかサウジアラビアが弱ったというべきか。そのサウジにアジア予選で負けた日本はもっと弱いことになる。本日は夜中の3時からポルトガル対スペイン。明日も休みだから体調がよければ見たいと思っていたのだが、薬を飲んで寝た方がいいかもしれない。

06/16/土
妻の風邪が治らない。こちらの喉も治らない。おまけにスーパーで買い物をしたら腰を傷めた。明日はオープンキャンパスで学部の説明をしないといけないのだが、大学までたどりつけるか。声も回復しないだろう。最悪の状況だが、何とか乗り切るしかない。

06/17/日
腰痛をおして大学へ。オープンキャンパス。立っているだけなら何とか立っていられる。しかし声が出ない。とにかく30分の学部説明を2回、無事に終えた。ずっと立っていると体が立っていることに慣れてくる。座るのがよくない。座った状態から立ち上がろうとすると、ギクッと痛む。しかし痛むことにも慣れてきて、いちいち痛がることもない。何とか自宅まで帰りついた。明日、少しは軽くなることを期待したい。

06/18/月
大阪で大きな地震。妻の両親、妹などが大阪にいる。全員無事。こちらの両親はすでに亡い。長姉が西宮にいるが無事。次姉は東京にいるし、兄とわたしの次男は三重県にいる。震度6というのはけっこう大きい。しかし東日本大震災の時、東京は5弱だったのに、かなりの死者が出た。震源が浅く地震の規模も小さかったようだ。腰痛をおして大学。教授会など。回復はしていない。声も出ない。困ったことだ。昨夜は腰痛にもかかわらずドイツ対メキシコを見ていた。メキシコ強し。スペインより強いのではないか。守備が充実している。ドイツが負け、ブラジルが引き分けて、後半の山は渾沌としている。前半の山はスペインとポルトガルが強いのではないか。フランスもアルゼンチンのダメな感じがする。

06/19/火
大学は休みだが著作権情報センターの総会と理事会。何事も起こらず、シャンシャンと進んでいくだけの会。場所は中野坂上。丸ノ内線で一本で行けるのだが遠回りなので都営新宿線で新宿乗り換え大江戸線。腰が痛いのでなるべく立っていたが、会議のあとで立ち上がるのがたいへんだった。痛みはいっこうに引かない。梅一輪、一輪ほどの……という感じで少しは楽になったか。去年の暮れから取り組んでいた『小説を深く読む』、担当者にボリュームを問い合わせたら新書サイズだというので、もう分量は充分だ。明日、研究室でプリントして最初から読み返し、エンディングをまとめることにしよう。さて、自宅に帰ってサッカーを見る。始まって3分、大迫の驚異的な突進でフリーに。キーパーに弾かれたが、フォローしていた香川のシュートを相手ディフェンスがハンド。PKが決まったうえに相手はレッドカードとなった。しかし一人少なくなったコロンビアがどん引きで守りに入ったので、アジア予選の時のような得点力不足が露呈して追加点が入らない。レベルの高い相手なので逆襲を怖れてバックパスが多くなり、時間ばかりが浪費される。そしてここぞという時にファルカオが上手に倒れてフリーキック。これが意表をつくゴロキックでキーパーがセーブできなかった。それでもコロンビアは一人少ないので引いて守っている。このまま引き分けかと思われた時、コーナーキックから大迫がヘッドで決勝点。この試合は大迫で2点入れたようなものだ。しかしこの勝利は、相手にレッドカードが出たという僥倖によるものだ。日本の守備はよく守っていたが、勝てたのは奇蹟だろう。続くセネガル対ポーランドはセネガルの圧勝だった。次のセネガル戦がいきなりトーナメント進出の大一番になる。負ければセネガルの進出がほぼ決まってしまう。2戦目のコロンビア対ポーランドも負ければ絶望という厳しい試合になる。2試合とも引き分けになればまだチャンスはある。それにしてもコロンビアは低調だった。ポーランドも本調子ではない。やはりH組は楽なゾーンだった。とにかく次のセネガルに勝てばほぼ決まりなのでがんばってほしい。ここまで見てきた感じでは、ベルギーが圧倒的に強い感じだ。ロシアも意外に強い。ポルトガルとスペインもいい。初戦がダメだったドイツ、ブラジルが巻き返すのか。日本は2位通過だとベルギーに当たってしまうので、1位通過を狙ってほしい。

06/20/水
午後の大学院のコマ。それから学部長会議。会議で長く椅子に座っていると立ち上がるのがつらい。自宅でパソコンの前に座っているのもつらい。研究室で『小説を深く読む』をプリントしたので、これを立ったままで読むことにしよう。昨日のサッカーもほぼ立ったままで見ていた。座るとつらいので、なるべく立って授業をしたい。

06/21/木
木曜は3コマ。しかし座っていなければならない会議と違って、授業は立ってで90分を3コマ、ずっと立っていた。長く座った状態から立ち上がるのがいちばんつらい。立って歩くのは平気だ。少しは快方に向かっているようだ。

06/22/金
大学は休みだが文藝家協会でオーファン委員会。声がまだ充分ではない。腰はかなり回復して歩くのは大丈夫だが、長く座っていると立ち上がったあとしばらく痛みがある。腰が座っている状態に慣れて固まってしまった感じだ。腰を伸ばしてもまだ痛みがある。しばらく歩いていると痛みがなくなる。だから会議はつらい。昨日の3コマの授業はすべて立ったままだった。自宅でも、メールを確認するなどパソコンの前での作業がある。いまは作業としてはプリントをチェックして赤字を入れる工程なので、これは立ったままでできる。タブレットで週刊誌を読むとか、サッカーの観戦とかも、なるぺく立っているようにしているのだが、パソコンの作業は必要なので座っている時間もある。その後、しばらくは立ったあとに痛みが残る。あと数日でほぼ回復するのではないか。月曜まで会議はない。火曜、水曜と連続で選考会がある。ここまでに回復していてほしい。声は出ないは咳はほとんど出なくなった。まだ医者にもらった薬があるので、飲み続けたい。サッカーはずっと試合を見ていることもあるが、どうでもいい試合は他の番組を見ながら時々チャンネルを切り替えて結果を確認する。朝3時からの試合は、スペイン対ポルトガルを見ただけだが、今朝、明け方に目が覚めたのでテレビをつけるとアルゼンチンが0対1で負けていた。あと15分くらで終わりそうなのでずっと見ているとクロアチアが立て続けに加点した。クロアチアが勝ち点6になった。第1戦でアルゼンチンと引き分けたアイスランドは残りを1勝1引き分けでいけばトーナメントに進める。最終戦のクロアチアが2軍を出してくることも考えられるので可能性はある。

06/23/土
週末は休み。どこへも出かけず。『小説を深く読む』のチェック。草稿はまだ終わっていない。まとめがない状態で読み返している。まだ終わっていないのに予定の枚数を越えたので、読み返して削るべきところを探している。削った枚数で、まとめを書くということだ。声はまだ出ない。腰は少しずつ快方に向かっている。

06/24/日
明け方、目が覚めたのでテレビをつけると、ドイツがデンマークと同点だった。そしてアディショナルタイムが表示された途端にドイツが決勝点を入れた。ブラジルの試合と同じだ。スイスもぎりぎりで決勝点を挙げた。最後の5分に必ず何かが起こる。ドイツのワールドカップで日本がオーストラリアに逆転負けした時のことを思い出した。草稿のチェックが終わった。かなり削れたと思う。赤字をを入力してボリュームを確認してからまとめに入りたい。さて、夜中、日本戦が始まる。妻は寝たのでパソコンの前のテレビで、パソコンの画面ごしに見ていた……というか、決定的な場面は見ていない。アナウンサーの声が高まったのでテレビの画面に目を移すと失点していた。それから同点になり、失点し、同点になった。よくがんばった。しかし最終戦はポーランドだ。ランキング7位の強敵だ。すでにトーナメント進出は絶望となっているが、呪縛が解けたように頑張ると思う。引き分け狙いでは難しい。勝ちに行かないといけない。1点先にとりたい。

06/25/月
ディズニーランドに行った。何年ぶりだろう。まだ世田谷区の三宿にいたころに、ディズニーシーに妻と二人で行った。頭上にジェットコースターみたいなものが走っていたので、あれにだけは乗りたくないねと話していた。にわか雨になったので、雨宿りに地底探検というのに入った。室内で列に並ぶので雨宿りになるからだ。列の前の方に行くと、エレベーターで地下に降りる、という設定なのだが、実はこのエレベーターはゆっくりと上昇していたようだ。カートに乗ってゆっくりと地底を探検するうちに、突如として外に出てカートが急降下した。あれにだけは乗りたくないと言っていたものに乗ってしまっていることにその時ようやく気づいた。スコールのような雨が並んでいる間にすっかり上がって、青空が見えていた。といういい想い出がある。それ以来の舞浜だ。快晴、真夏日で、サウナのように汗をかいたが、いい運動になった。リニューアルしたというイッツアスモールワールドに入ってみたが、どこが新しくなったのかわからなかった。夜のパレードを見て帰途についた。3時からのスペイン戦、いきなりイニエスタのパスミスで失点したところで寝ることにした。朝起きて結果を確認すると、スペインは終了間際に同点に追いつき、ポルトガルは終了間際に失点して同点に追いつかれた。その結果、微妙な差でスペインが1位通過となった。スアレスのいるウルグァイと当たらないのは幸運か。地元で調子の上がっているロシアの方が難敵かもしれない。明らかにスペインは調子を落としている。ポルトガルもおかしい。スペインとの初戦で力を使い果たしたみたいだ。両チームともトーナメントの初戦で負けそうな気がする。

06/26/火
日大文芸賞の選考。腰の痛みは日常生活に支障がない程度に収まっている。咳も出ない。声がまだかすれている。まあ、言葉は伝わる。最悪の時でも授業は続けてきた。それで治りが遅くなっているのだが、少しは改善されつつあるので、そのうち何とかなるだろう。日大文芸賞は毎年恒例のもので、日大新聞に受賞作が掲載されるのだが、作業を進行するのは広報部で、いま日大の広報は超多忙のようだ。それでも恒例のこの行事はいつもと同じように進行した。受賞者も決まった。まずはめでたい。明日は歴時クラブ賞の選考だ。学生が投稿する純文学と、プロの時代小説では、ジャンルが違いすぎる。もちろんレベルはプロの方が上だ。学生諸君もいずれはこういうものに挑戦してほしい。

06/27/水
昨日の選考会に続いて本日は歴時クラブの選考。まず大学に出向いて大学院のコマをやってから四谷の選考会へ。ほぼ予想どおりの結果になったのでよかった。昨日の日大文芸賞は、学生などアマチュアの書き手が応募するものだが、本日の専攻はプロの書き手の単行本や文庫が対象。賞金の出ない名誉だけの賞だが、出版社には喜んでもらっている。数年続けているので、帯に書き込んだりして少しは役立てていただいている。今年は新人賞のレベルが高く、すごいな、と思いながら読んだ。既存のプロのレベルを凌駕するような新人が続出している。選ぶのに苦労したが、いい選考ができたと思う。

06/28/木
3コマの日。2年はレイモンド・カーヴァー傑作選の最終回。伝わったかなと思いながら、とにかく授業を終了した。この時間は一人でしゃべるので声が疲れる。声はまだ回復していないが、最悪の状態からは少しはましになった。まだ歌は歌えないが、しゃべることはできる。3限、4限は学生たちがしゃべるだけなので声を温存できた。さて、本日は日本のサッカーだ。引き分け以上でトーナメント進出なので、1点でも先行すれば安心できると思っていたが、体力温存のために先発メンバーを半分以上入れ換えたので、これまでの4得点を挙げた選手が一人も出ていないという状態では点が取れない。士気も下がっているようで、守りに入っている感じがした。ポーランドの選手もキレがなく、前半は0対0。だが、不用意な反則からフリーキックから失点した。同点にしなければ進出できない状況となった。自宅は老夫婦だけが住むコンパクトな集合住宅の一郭で、やや広いリビングルームの端に書斎コーナーがある。リビングのダイニングテーブルの前に大きなテレビがあり、仕事もここでする。書斎のパソコンを置く台の前にも小さなテレビがある。こちらにコロンビア対セネガルの試合をボリュームをしぼって映しておいて、どちらかが得点を入れることを期待して見ていた。こちらが引き分けだと双方に勝ち点1が入り、日本は3位になる。セネガルが勝てばコロンビアは敗退、コロンビアが1対0で勝てば、日本とセネガルが勝ち点、得失点差、得点でまったく同じになるが、イエローカードの差で日本が2位になる。以上のことは最初からわかっていたことで、日本が失点した段階で、コロンビアとセネガルが談合して、0対0で引き分ければ、そのまま両チームが進出となる。考えられる限り最悪の事態になったと思って、日本戦の方は見ずに、セネガルが得点することを期待して見ていたのだが、コロンビアの方が強そうだった。コロンビアは初戦の日本戦で一発退場者が出て負けたけれども、実力はトップで、ポーランドに3点差で勝ったことで実力が証明された。できればコロンビアに2点差で勝ってほしかったのだが、セネガルが先に1点とると、コロンビアは死にもの狂いで闘って、結局同点になるのではという気もした。と思っていたらコロンビアが得点を入れて守りに入った。守りに入ると、ロスタイムに同点になる可能性がある。日本戦の方は、リードしたポーランドが引いて守り始めたので、日本も無理に攻めなくなった。ポーランドに引いて守られたら得点のチャンスは少ない。運を天に任せて日本も1点差負けを受け容れたのだろう。コロンビアも守りに入り、守り切った。やれやれ、疲れる試合だ。わたしはこういうぎりぎりの状態が好きだ。アメリカンフットボールのリーグ戦の最終週にも、勝利数が並んだ場合のきわめて複雑なルールがあって、そのルールに従ってトーナメント出場チームが決まる。今回のイエローカードの数というのは、今大会からの新ルールだが、事前に提示されたルールに従うのは当然のことで、日本が最後に引きに入ったのも当然のことだ。セネガルも引きに入って引き分け狙いに行くべきところだったが、コロンビアのコーナーキックから失点したのは防ぎようのない事態だった。コロンビアが勝ちにいったということだろう。まあ、次は優勝候補のベルギーと当たる。3点差くらいで負けるかもしれないが、コロンビア戦のような奇蹟がまた起こるかもしれない。香川、大迫、乾、本田という得点をとった選手を先発から外して休ませたので、ベルギー戦はベストメンバーで臨める。それにしても、スペインとイングランド、コロンビアが入ったトーナメントの山は、楽勝ゾーンになった。反対側は死のトーナメントだ。ポルトガル、アルゼンチン、フランス、ブラジル、メキシコ、ベルギー、ウルグァイの7チームは、どこが優勝してもおかしくない。そこに日本が入ったのは、かえって気分がいい。で、今年のスペインは弱いことはわかっているが、ツキがあるみたいなので、スペインを応援しよう。初戦が地元ロシアだが、ロシアはここまでで力尽きるだろう。強そうなのはイングランドと、調子が上がってきたコロンビア、それからスイスか。デンマーク、スウェーデンという北欧勢やクロアチアも、優勝候補とはいえないだろう。スペインとイングランドは本当に楽なゾーンに入った。死のゾーンの方はポルトガル対アルゼンチン、ブラジル対ベルギーの準々決勝になるだろうが、アルゼンチンが調子を上げてくると、南米同士の準決勝になる。楽な方はスペイン対イングランドだろう。ダークホースはいやに調子のいいクロアチアか。日本がベルギーに勝つチャンスはほぼ0だろうが、コロンビアに勝ったように、出だしに勝負を賭ければ少しは面白い闘いになるかもしれない。

06/29/金
金曜は大学は休みだが本日は社会人のための公開講座があり、宮沢賢治シリーズの1回を担当して公演。子どものころの宮沢賢治について語る。主に詩を朗読した。受講者の反応はよかった。猛暑。寝不足。しかし今週のややハードなスケジュールも何とか終わった。来週もけっこうハードだが、明日、明後日は休みだ。

06/30/土
今月も月末になった。先月の風邪で声が出なくなった。月末のいまも本調子ではない。声が出ない時期にサテライトの講座やオープンキャンパスがあって、声を無理に出し続けたせいだろう。しかし何とか、少し声が嗄れているという程度には回復したが、まだ歌を歌うという状態ではない。わたしのストレス解消は大声で歌うことにある。だからストレスがたまっている。そのストレスがたまった時期に腰を傷めたので最悪の状態になったが、長く続いた咳と腰はほぼ回復した。あとは声がまだ少し嗄れているという程度だ。集英社新書は書き直しを命じられたがすでに入稿している。9月発売ということで、来月中旬にはゲラが出る。海竜社の仕事も原稿が完成して担当者に送ることができた。これからの仕事についても河出に企画書を送ってあるので、そのうち返事が来るだろう。ということで、なすべきことはすべてなした。来月は学生の小説を読むのと、学部長の仕事があって多忙だが、集英社新書の校正作業は何とか対応できるだろう。河出から返事が来るのは少し先だし、半年後くらいを目標に書けばいいので、夏休みになってからスタートすればいいだろう。問題は来月後半にスペインの長男一家が孫4人とともに来日することだ。6年前だったか、彼らが来た時は謎の左足膝痛に悩まされた。成田に送りにいった時はまともに歩けなくなっていた。ストレスのせいだろうといまは思っている。その前の時は、箱根に行った時に咳が止まらなくなって、一人でバスで帰ったら、バスに乗った途端に咳が止まった。当時は三宿に住んでいたので、小田急バスに乗ると池尻のバス停で降りたら徒歩で自宅に帰れる。それでほっとしたらストレスがなくなったのだろう。いま声が出なくなっているのも、彼らが来ると思っただけでストレスを感じているせいではないか。
さて、ワールドカップが始まる前は、大して興味ももっていなかったのだが、初日のスペイン対ポルトガルの熱戦を見て、急に気分が盛り上がった。スペイン人の孫がいるのでスペインを応援したいという気持があった。日本には期待していなかったのだが、直前のパラグァイ戦で乾と香川が活躍したのを見て少しは戦えるかなと思っていたが、コロンビア戦の最初に大迫の突進から相手がレッドカードという事態が起こって、奇蹟が起こった。セネガルと引き分けたのも奇蹟だし、最終戦で負けたのにトーナメントに進出できたのも奇蹟で、奇蹟が3度起こったことになる。その勢いでベルギー戦も何とかなるのではないかという気がする。いまこれを書いている時点では、トーナメントの初戦でフランスがアルゼンチンに圧勝した試合を見た。予選リーグではドイツが敗退するなど、有力チームの調子が出なかったこともあって、トーナメントの左の山に有力チームが結集する事態となった。日本はその左の山に入ってしまった。その左の山でまずフランスが勝った。フランスが次に当たるのはポルトガル対ウルグァイの勝者。ロナウドの調子が落ちている感じで、逆にウルグァイは最も楽な組から進出したので、ここはウルグアイ有利だろうが、どちらにしろフランスは強い。この山はフランス対ブラジルになるだろう。ベルギー対日本は実力からいえばとても太刀打ちできないだろうが、コロンビア戦のような奇蹟が起こらないともいえない。大迫、香川、乾の3人で何かが起こりそうな気がする。まあ順当ならベルギーの勝ちで、ブラジル対ベルギーになるだろうが、ベルギーの実力がどこまであるかはわからない。ただ予選で苦しんだブラジルに対して、ベルギーは余裕がある。それでもブラジルは次第に調子を上げているので、ブラジルが勝つだろう。もう一つの山は、監督が直前に交替してチームがまとまっていないスペインが地元のロシアに勝てるか、予選で快調だったクロアチア。前評判がそこそこよかったスイス、何だかよくわからないスウェーデン、デンマークの北欧勢、日本に負けた悪夢を振り払ったコロンビア、そしてベルギーにわざと負けて楽な山を選んだイングランド……。どこも本命ではない。左の山のフランス対ブラジルの勝者が優勝ということになるだろうが、スペインは徐々にチームがまとまるだろうと期待したい。もう1つの山は初戦のイングランド対コロンビアの勝者が準決勝に進むだろう。でスペイン対イングランドまたはコロンビアとなった時に、スペインの調子がどこまで上がっているか。わたしは最初からスペインを応援しているので、決勝まで進んでほしいと思っている。そしてフランス対ブラジルがとんでもない死闘になって、怪我人が続出して、スペインにアドバンテージが出てくるといった奇蹟を期待したい。とにかく日本対スペインという組み合わせはありえないので、ほっとしている。ロンドンのオリンピックだったか、スペイン対日本の試合があって困惑した記憶がある。


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