生きている化石 キムラグモ

                

キムラグモのメス キムラグモの巣穴(ふたが閉じている)
 

キムラグモはハラフシグモ科という仲間のクモですが,このハラフシグモ科のクモたちは大昔の体の特徴をいまだに身につけている“生きている化石”なのです.どこに大昔の体の特徴が残っているかというと,それはおなか(体の後ろの部分,正式には腹部という)なのです.クモの祖先はお腹がたくさんのふし(体節)からできていました.ちょうどいまのチョウやトンボなどの昆虫と同じようなつくりでした.そして,その後の進化によって,クモのおなかは節どうしがくっつき,ひとつにまとまって今の状態になったのです.今ではほとんどのクモのおなかは完全に一つにまとまっていて,たくさんの節に分かれていたとはとても思えません.でもキムラグモなどハラフシグモの仲間のおなかには昔の節のなごりが残っているのです.ハラフシグモという名前もこのことからつけられたのです.また,キムラグモのキムラとは発見者の木村さんのことです.キムラグモの仲間は地面に穴を掘ってその中に住んでおり,穴の入り口にはふたをつけています.昼間はぴったりとふたを閉じていますが,夜になるとふたをすこし持ち上げ,そこから外をうかがっています.そして目の前をムシが通りかかるととび出していって捕らえるのです. 目次にもどる  次へ