テルミンを持って町へ出よう

Etherwave電池駆動への道

 春なのでテルミンを持って町へでかけよう。んでも、イシバシテルミンじゃいまいち。 なので思い切ってEtherwaveを電池駆動できるように改造しました。 心ある電子工作ファンは眉をひそめるかもしれない乱暴な改造ですが、なにかの参考になれば。

追加の注意(2002/4/5)

Etherwaveの年式によってC19コンデンサーの極性が逆になっていることがわかりました。 古い型のものは僕のEtherwaveとはC19が逆向きにとりつけられています。 そのタイプの基盤写真も追加しましたので、 電池駆動を試すかたは自分のEtherwaveがどちらのタイプか確認してください。 自分のがどっちかわからん、というかたは、基盤の写真をメールでお送りくだされば見ます。

訂正(2002/6/13)

下のほうの文章でC19とC20が逆になってました。どうせみんな写真しか見てない から気付いてなかったと思いますが(^^、本日、ようこさまよりご指摘いただきました。 なおしてあります

基本方針

 Etherwaveを買うと"Hot-Rodding Your Etherwave Theremin" という記事を掲載したブックレットが付録としてついてきます。 あるいは、同じ内容は Bigbriarのホームページにも掲載されています。 さすがはDIY精神あふれるMoog先生だけのことはあって、ここにはいろいろな改造法 が書かれています。一番すごいのは、アナログシンセを制御するためのCV(制御電圧)を 取り出す回路の作り方でしょう。

 で、そこには電池駆動の方法もちゃんと掲載されていますから、 実はその通りにやるだけです(^^。あとは勇気だけだ。

 まずは 電池のつなぎかたを参照してください。 Etherwaveはプラス・マイナスそれぞれ15から25V程度の直流電圧を必要とします。 このHot Roddingでは006P(9V)を4個直列につなぎ、真中をGND(0V)に することで、+18Vと−18Vを得る方法が紹介されています。 1.5Vの電池では数が多くなりすぎるので、 やはりこの方法がいいでしょう。 要するに4個を直列につないで、両端と真中にリード線をつければオッケーです。

 なお、専用のACアダプターはACをDCに変換しているわけではなく、単に交流の電圧を下げているだけです。 したがって、ACアダプター用のソケットに直接電池をつなぐという単純な方法では うまくいきません (てっきりそれができると思っていたので、とっても悲しかった)。 直流をつなぐ場所は19番と20番のコンデンサー、それにGND(アース)の3ヶ所です。 GNDを除き、ケースの外から直接アクセスできる端子はありません。

 というわけで、しょうがないので、蓋を開けます。


動作確認



 というわけで、この写真のように3ヶ所に蓑虫クリップをつないで、そこに電池をつなげば Etherwaveは作動します。+はC19の+側の足に、また−はC20の−側の足にそれぞれ つなぎます。GNDは基板上でGNDと同電位になる場所ならどこでもいいのですが、 ここでは、クリップで挟みやすかったという理由で、ACアダプター用ソケットの真中の 足を使いました。  ちなみに、この基盤写真は僕の所有するEtherwaveのものですが、 なんとブックレットに掲載されている Component Layoutの図とは C19の極性が逆になっています。 正しくは基板上に+と書かれたほうが+です。

 一方、これより古いEtherwaveにはComponent Layoutの図通りのものがあります。 というか、つまりこのLayout図は以前の仕様のものなわけです。下の写真は そのタイプの基盤です(藤野純也氏に提供いただきました)。 丸で囲ったC19コンデンサーに注目 してください。 上の写真と向きが逆なのがわかるでしょうか。 この場合、+のクリップを取り付ける位置を 矢印のように反対側に変更しなくてはなりません。



 なお、基盤からアンテナへつながる金属線(写真の右上、アルミフォイルの 上に張られている)をうっかり曲げるとチューニング狂いますから、触らないように注意。 この線とアルミフォイルがコンデンサーを構成しているので(アルミフォイルの 左下隅にアース線がつながってるのが見えますね)、曲げると容量が変わっちゃう のです。逆に言うと、ここで特性を調整できるわけですが・・・僕は恐くてさわれません。

ハンダ付け



 動作することは確認できましたが、演奏のたびに蓋を開けて蓑虫クリップをつなぐという わけにもいかないので、基盤にリード線をハンダ付けして、ケースの外に引き出します。 ハンダ付け個所は、上と同様にC19とC20の足元、またGNDは基板上に ちゃんと部品取付け用の穴が用意されていますから、そこへハンダ付けします。 下は拡大写真です



なお、細い貧相なリード線を使ったのには深いわけがあります。それは

端子(とは名ばかり)を取り付ける

 冷静に考えて、直流入力端子を外部につけるための一番いいやりかたは、ボディ底面に 穴を開けてボルトを通し、ボディ内部でボルトにリード線をつなぐことでしょう。 リード線自体を外へ引き出すのは、何かに引っ掛けて切ってしまう危険があるので、 本当はあまりいいアイデアではありません。 でも、そうしてしまいました(^^。だって、底面にドリルで穴を開けるときに、勢い 余って基盤を傷つけるのが怖かったんですもの。 Etherwaveのキットを組み立てるなら、あらかじめ穴を開けておけばいいですね。 いずれそうしようっと。



 細いリード線なら、ボディに穴を開けずに蓋と底の隙間から引き出すことができます。 蓋をネジで閉めると適当にきっちり止まってくれるので、安直かつ確実。 心ある電子工作ファンは、こういうことは嫌かも(^^。でも、このあと、もっと 嫌な工作が続きます。 写真は実際に端子を取り付けたところです。 ”端子”とは名ばかり。これはただのゼムクリップをビスで留めただけですね。 リード線の端をゼムクリップにハンダ付けしています。 リード線が長く余ると引っ掛けたりして危険なので、適当にセロテープで押さえたりして。 心ある電子工作ファンはこのあたりをきちんと工夫しましょう。 僕はどうせ乱暴なロック野郎なので、使えればオッケー。

 どこに何をつなぐのかわからなくならないように、白ペイントでG・+・−の記号を 書いておきます。本体はこれでできあがり。 当然ですが、電池をつながずにACアダプターをつなげば、今まで通りにAC駆動できます。 うっかりACアダプターと電池の両方をつないでしまうと、どうなるのか知りません。


電源ユニット(とは名ばかり)



 富士フィルム謹製キティちゃん電池ケースです。G・+・−の3本のリード線が出ています。 わからなくならないように、リード線は色を変えておくのが吉。 ここでは、赤(+)、黒(−)、白(GND)としています。それぞれの先には 例によって蓑虫クリップ。 この電池ケースはEtherwaveを設置するマイクスタンドに適当に留めます。 僕は髪をしばるゴムで適当に縛り付けていますが、適当にするにも ほどがあるかも。

 お気づきでしょうが、スイッチはありません。三つの蓑虫クリップを本体底面の 端子(ゼムクリップ)につなぐと、その時点でEtherwaveは作動しています。 つなぐ順番はどうでもいいのかもしれませんが、なんとなく気持ち悪いので、僕は まずGNDをつなぐようにしています。 心ある人はHot Roddingに出ているようにスイッチをつけましょう。



 キティちゃんの中はこんな感じ。006P四個をセロテープで束ねて、電池スナップ(って いうのかな)をばちばちつけただけ。線が絡んだりショートしたりしないように、 ハンダ付けした部分をセロテープで絶縁して輪ゴムでまとめてあります。 心ある電子工作ファンはもうちょっとまともな電池ボックスを作りましょう。 長時間演奏の際は、予備の006P四個をあらかじめセロテープで束ねておくと便利です。

 いちおう、電池スナップの配線も写真でお見せしましょう。


アース

 実はEtherwaveを電池駆動する際に一番肝心なのがアースです。アースがきちんととれて いないと動作が安定しませんし、場合によってはチューニングできないかもしれません。 アースの重要性を理解するためにも、一度はアースなしで演奏してみることを おすすめします。

 アースは本体のGNDからリード線を引っ張って、それを適当に大きな金属や地面などに つなげばオッケーですが、僕は自分の足につないでいます。人体アースですね。 乱暴だと思うかもしれませんが、エレクトリック・ギターなんて大昔から人体アースを 取ってますから、ある意味常識です。エレクトリック・ギターの場合には、実はブリッジ にアース線がつながっているので、 手で弦に触れると人体にアースされるのです(ブリッジも弦も金属ですから、弦は 電気的にアース線とつながっています)。 弦に触れるとノイズが減るのは そのためです。というわけで、試してみたところ、Etherwaveも人体アースでオッケーでした。 GND端子に長いリード線をつないで、反対の端を足首につけます。僕はリード線の端を 下の写真のように金属製の アームバンドにとりつけて、それを足首にはめています。



 金属製のアンクレットなんかがいいでしょうね。 手首につないでもいいんですが、たぶん演奏の邪魔になります。 心電図を取るときのように胸にセロテープで貼ってもいいですけどね。

取り付け

 電源ケーブルとアース線を本体に取り付けた様子です。GND端子に電池からの GNDとアース線のふたつのクリップがとりつけてあります。


 というわけで、これで電池駆動Etherwaveができました。

 さて、これで電池はどのくらいの時間もつのでしょうか。実はこれまでに約8時間 駆動しましたが、まだ電池切れになっていません。というわけで、どのくらいもつのかと 言えば、”結構もつ”としか。もしかしたら、アルカリ電池に する必要はなくて、マンガンで充分だったのかも・・・。予備電池をあと二セット 用意してあるのですが

 あとはアンプです。電池駆動の アンプはいろいろ出ています。でも、エレクトリックギター専用アンプはあまりよく ないかもしれません。最近のその手のアンプは”小さいけどよく歪むよ”的なのが 多いので。昔ながらのPIGNOSEなんかだとどうかわかりませんが。 ZO-3アンプはちょっと悲惨でした。どうせ歪ませるなら、いっそSmokey Ampとか にしてしまうのも手かも。テルミンがどんな音になるか、ある意味興味深いです。

 僕はヤマハのVA-10にしました。エレクトリックギター・エレアコ・ベース共用という ことなので、わりにフラットな音響特性かなあ、という気がします。 出力は6Wですが、テルミンの音はギターよりよく通るので街頭演奏には充分かなあ。 と思ったんだけど、力不足のような気もしてきました・・・