2006自家発電灯火採集記 |
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きっかけは、1台の発電機でした。 妻の実家(岩手)に行く度に、いつも畑の物置にある発電機がさり気で気になってはいたのですが、 使用されていない様子に、とうとうこのGWに思い切って借りて持って来てしまいました。 まあ妻の実家でも昆虫採集については”公認趣味”となっていたので義父も軽くOKでした(^^; これでまた一歩深みに踏み込んでしまった・・・ 発電機の次は、灯火採集にはなんと言っても水銀灯です。 灯火セットについては、やはり実際に発電灯火採集の現場で見聞した情報が一番参考になりました。 そして、くわ馬鹿をはじめネット上の情報も片っ端から調べ、自分なりに考えてみたのが以下のセットです。 ・発電機ヤマハEF800 4サイクルエンジン定格出力:0.65kVA(50Hz) ・水銀灯400W1灯+ランプホルダ(防水)+定電力型安定器(400W) ・蛍光灯投光器42W1灯 ・蛍光ランタン ・小型洗車台(ランプスタンド代わり) ・ホウキ ・携帯ガソリン缶(10L) ・延長コード(10M) ・RVボックス(600L) ・ブロワー
コンセプトは、シンプル&コンパクト、セット&撤収が簡単、雨でもOK、そしてローコスト(^^; 発電機の電力容量(0.65kVA:6.5A)に余裕が無いため、安定器はちと高価ですが定電力型で始動電流を 抑えワット数を稼ぎます。水銀灯については400W×1灯、300W+100W2灯、200W×2灯など色々 組合せを検討した結果、シンプルに400W×1灯に決めました。 まあセットを拡大するとキリが無いし、実績、コスト、使い勝手の面でも自分には十分です♪ 水銀灯を購入(ネット通販)したお店にも、灯火採集用に色々と親切に相談に乗ってもらいました。 あと補助用に蛍光灯投光器とランタンをホームセンターで購入。 最終的にはブロワー(これは撤収時の必需品)とRVボックス(収納&運搬用)を揃えて完了でした。 発電機を除き費用は3万円弱で納まりました(ちなみに一番高いのは安定器) さあ、あとはいざ採集するのみ! 7月1日(宮城県内) と、言う事で6月末には外灯下にちらほらクワの飛来を確認していたので、満を持して試運転を兼ねて 採集デビューです! 肝心のポイントですが、実は発電機を入手後ドライブや行楽ついでに灯火できそうなポイントを色々と 足を伸ばしては探してみたのですが、いくら発電灯火とはいえ、いざ採集条件に最適な場所というのは 時間をかけないとなかなか見つからないものですね。 (勿論その気になればどこでも灯火は張れるのですが・・・) 結局、最初から見ず知らずのポイントへ行くのも心配だし、今回は娘も付いて来る事になったので、 環境をよく知っている宮城県内のポイントへ向かいます。 今回の狙いはズバリ!でかミヤマ!!来てくれるといいなぁ〜(^^) 所用を片付け家を出た時にはすでに夕刻、薄暗い空に小雨がぱらつく生憎の天気が気になるものの、 まあ現地に行けば何とかなるさと出発! 途中雨が強く降っている所もありちょっと心配でしたが、現地に到着すると雨はなんとか弱まって いました。気温、湿度もいい感じですが、一帯に立ち込める深く濃い霧が問題だなぁ。 とにかく日も沈んできたことだし、安定器等の機材が濡れないよう注意しながら大急ぎでセッティング。 いよいよ記念すべき点灯! スイッチを始動にし、給油コックをまわし、発電機のスターターを引くと、見事一発始動(^^)V “ババババババッ♪”エンジン音も軽快高らかに鳴り響き、水銀灯もうっすらと灯り出して・・・ と、思いきや“バババッ・・・シュン―――――――しぃぃぃ〜ん―――――――“ 「え!止まった!?なんで??」 その後なんどスターターを引いても発電機はうんともすんとも(汗) 「チョークは?スイッチは?プラグでもかぶったか?(まさか)、なんだ?なんだ?」 予想外の原因不明な混乱に暗闇が拍車をかけてもう焦りまくり(汗汗) 「バイクなら押しがけって手があるんだけどなあ・・・(これは話が違うだろ)」 「そういえば昔スキーに行く途中首都高で渋滞中に乗用車のバッテリー上がって友達みんなで 押しがけでエンジンかけ事があったっけ(笑)たしかホンダのコンチェルトだったなぁ」 全く解決につながらない思い出ばかりが頭を駆け巡る巡る(^^; そんな父を見て何を思うか、傍らでただキョトンと懐中電灯を照らす娘。 うん、いい子だ(^^;; しかし、なすすべなく時間だけが経過し頭を抱えていると、ふと閃いた!給油コック・・・ 懐中電灯で照らしてみると・・・やっぱり閉じてる(@_@) どうやら元々コックが開いていたのを最初に閉じてしまい、始動時にはキャブレター管に 残っていたわずかなガソリンでエンジンがかかっていたようだ(苦笑) 「おいおい、まじかよぉ〜」 スターターを引くと、いともあっさり始動 〜”ババババッ♪” ホッとしたやら情けないやらで、地面が濡れてなきゃその場にへたり込みそうな心境でしたが、 すぐに気持ちは切り替えて採集モードへ。 どうか発電機を使う方はお気をつけください。(って自分だけか(^^;) 前振りがすっかり長くなってしまった(^^;; 徐々に明るくなる水銀灯を眺めつつ、ほっと一息をつくものの、問題はこの霧。 あまりの霧の濃さに、まるでミルクに浸かったような感覚です。 そして、こんな状況では蛾の1匹すら飛んできません・・・ どのくらいこうした状態が続いたでしょうか、微妙に風が吹きだしたかな〜と感じていると、 確かにゆるい風にともない霧が徐々に流れ出しました。 「いいぞいいぞ」と思ってい間に徐々に霧が薄れ、ようやくミルク色の世界から暗闇が覗いて きました(ほっ) 相変わらず小雨がパラつくものの、あれほど立ち込めていた霧もすっかり晴れ、気温もまだ 高めだしこれからが本番です! ようやく蛾が集まり出したのは、到着してからもはや1時間になろうかという頃(^^; 灯り前方に★黒光りする影を発見!・・・記念すべき第1号は、やはりコクワでした♪ 小さな♂でしたが、折角なのでしっかりキープです (^^)
その後15分ほど経ってようやく本日2匹目はミヤマ♀でした。 「よしよし、これからだ」 そして待望の瞬間、“カサッ”下手な着地音がかすかに聞こえた方向を見やると・・・ 「来たっ!」 いきなり念願の大型ミヤマ♂です(^^) まさに求めていたのはコイツでした〜。 (後で測定すると67.5mmあり宮城エリアでの自己採集ギネスでした。やった♪)
ここからコンスタントにミヤマが飛来するようになりました。 ほぼ5分に1匹位の割合で飛来するので、娘と一緒にほど良いペースで採集を楽しみます♪ 「おっ」ダイコクコガネです。 だいたい灯火ではいつも1、2匹来てくれるのですが、子供の頃からクワカブと並んで大好き だった甲虫なので見るたび懐かしいうれしさがあります(^^) ただ、さすがに持ち帰っても飼育できないので(^^;採集の間だけケースに入れて眺めるだけですが。 気温が急に下がり、風向きも変わったのを潮にぱったり飛来が止まりました。 発電灯火をしていると、クワ達の飛来を待っている間にちょっとした風の向き強さ、気温の変化を 敏感に感じられるようになります。そんな自分がちょっと嬉かったりして(^^ゞ (まあどうということもない事ですが(^^;) 本日の成果 ミヤマ4♂(MAX67.5mm)8♀、コクワ1♂2♀ そして、これを書き忘れてはいけない。 発電灯火で一番気を遣うというか、面倒というか、煩わしいというか、なんというか、 最大のウィークポイントは、撤収時の後片付けに尽きるのではないでしょうか? 消灯した闇に浮かび上がる、無数の雑虫達がまとわりついた機材掃除にとりかかるには、 「さあ撤収だ!」と自らを鼓舞する気合いが必要です(ちょっと大げさでしたね(^^;) とにかくこ無数の蛾やらカメムシやらを車内へ侵入させたらもう大変! なにしろ普段から小さい蛾やハムシ1匹でも悲鳴を上げる妻の事を思うと、車内にそんな奴ら がウロウロしているなんて事は、万が一にも絶対に許されません! 即採集中止命令が出され、明るい採集計画に暗雲が立ちこめること間違いなし(汗) 当初シンプルなセットだし、ホウキ1本でそれなりに見た目駆除したつもりが、どこの隙間に 隠れていたやら(もしかして着衣に付いていたか?)帰りの車内は、結局蛾やらカメムシやら がそこかしこに・・・ 「まいったな」 と、いきなり運転中の目の前をヘビトンボが乱舞!? 「うぉっぉっ!」思わず大声出してびびるほど驚いたー。はぁ〜ふぅ〜(汗) あわてて路肩へ車を止め、ヘビトンボに即効ご退場願う。(ついでに車内駆除) しかし、間近に見るヘビトンボが乱舞する怖さはマジで洒落なりません!! ドライバーが妻だったら間違いなくショックで事故ってたかも・・・(おーやばやば)
その後、 ブロワー購入に走ったのは言うまでもありません(^^; このブロワーについては、クワ友のいとうさんが灯火撤収時にいつもその強力な吹き出しで 雑虫どもを吹き飛ばしまくっていた威力は見ていたのですが、自分のシンプルなセット には不要と思っていたものの、現実の厳しさを見せつけられた今、近所のホームセンターにて 見つけた特売品2980円を速攻で購入しました! ただ意外と電気を食うのでウチの発電機では水銀灯との併用はできませんが、どうせ撤収時に しか使わないのでノープロブレムです。 (後の採集では車内侵入する虫達を激減できました(^^)v) と、デビューを振り返ると最初から最後まで情けないようなお恥ずかしいような有り様でしたが(^^; 自家発電での灯火採集は確実に自分の採集スタイルを広げてくれました。 その楽しさが少しでも伝われば幸いです♪(逆に引いた人も多かったかも(^^;;) ishi:mail |
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