オオコクワガタ


かぶちん


今回、初めて投稿させて頂くかぶちんと申します。

本来は採集が主で、飼育に関しては素人同然の私ですが

オオクワガタ×コクワガタの交雑種「オオコクワガタ」の♂67mmが羽化いたしましたので

こちらで報告させて頂こうと思った次第です・・・

私が初めてオオコクワガタの存在というものを知ったのはパソコンを始めてまもなくの事でした・・・

毎日クワガタ関連のHPを読みあさっていた時に「オオクワガタ」の検索に引っかかってきたんです

その頃はまだオオクワガタを幾つも採れてない状態の初心者だったと思います

その頃は、私の友人のO氏と良く採集に行ってたのですが

そのO氏に「オイ!オオコクワガタってのがこの世に存在するらしいぞ!」

「俺・・・見てみたい・・・」なんて良く言ってたものです

しかし自然界では極稀・・・飼育下でも非常に難しい・・・との情報も仕入れていたので

見たい反面、諦めも強かったのは確かでした

ネット上のオオコクワガタの画像を見るたびに「いいなぁ・・・」なんてタメ息をついてたもんです


「一度は手にしてみたい・・・」


しかし採ることはまずムリなのではないか・・・ならば作るしかない!

いつの頃からかそう思うようになり、自分なりに色々と考えるようになっていったのです

親となるオオクワガタ、コクワガタ。それらのオス、メスの関係。サイズ的な問題。

交尾の問題。産卵させるための有利な条件。などなど・・・

一番の問題は「交雑種」というものを人為的に作るというプレッシャーでした

色々な問題が発生している現在の昆虫事情・・・

安易な考えや行動は絶対にしてはならないと自分の中にもあったからだと思います




37mm♀ 04-01-03の採集記


このオオクワガタの♀がキッカケでオオコクワガタ作りが始まりました

同じ年の04/06/14に羽化・・・もちろん未使用です

数ヵ月後には45mm程のコクワガタ♂と同居、産卵セットを組んだのですが見事にハズレました

そして冬場は越冬させて翌年に期待・・・




50mm♂ 05-06-11の採集記


この福島の灯下採集で拾ったコクワガタで再度の挑戦

2週間ほど同居させたのちセットを組むと直ぐに材を齧り始めました

「これは期待かな?」と、二ヶ月後に材を割ってみると、材からはいくつかの幼虫と卵が確認!

それよりビックリしたのはマット産みもしてたんです

オオクワガタがマット産みするのは初めての経験でした

とは言うもののオオクワガタを産卵させた経験も少ない私ですが・・・

マットからは5匹の幼虫と卵が数個見られました




卵は濡らしたティシュで孵化待ちしていたのですが孵化しないものがほとんどでした

無事に孵化したものもいるのですがスグに落ちてしまったり・・・

材を割った時も孵化してまもない個体が落ちてるのをいくつも確認出来ました

基本的に弱いのでしょうね・・・

というより本来あってはならない種な訳ですから当然なんでしょうか・・・




しばらくマットで飼育したのちに菌糸に移行です




頑張って大きくなれよ!

と、数週間・・・




やはり落ちてる個体がチラホラ見えます




無事に3令まで成長してくれた個体の数は6匹

トータルで卵と幼虫は22を確認出来たのですが

やっぱり難しいのですね

しかも生き残った個体は全て♂!

落ちていった個体達はみんなメスだったのでしょうか?

自然界というものはうまくできているんですね・・・きっと




オオコクワガタのアゴ




オオコクワガタの気門




そんな残った個体も同一条件で飼育を続けていたら

万が一があった場合に全滅してしまう可能性も考えられたので

うちとは条件の違う私の良き採集パートナー花さん宅へ3匹を委託したのはいうまでもありません

私が失敗しても花さんがうまくやってくれるだろう・・・と考えた次第です


プリンカップから500ビンに変えた時のサイズは8グラムがマックスでした

その後、1000ビンに交換した時は14グラム

初めのころの成長振りは勢いがあったのですが後半は伸びが落ちた気がします




ようやく蛹化

ネットで見る限りでは成虫のサイズは55前後がほとんどで

そのくらいかなぁ〜?という感じのサイズ

花さんとは「絶対に60オーバーを出しましょう!」と意気込んでいたのですが

実際はどうなのやら・・・




60mm超えたらそれはそれでまた凄いのでは?

と・・・期待するかぶちんでした・・・




で、羽化した個体

06/03/22の羽化した日にサイズを計ったんです

64mmありました

多少の縮みは出ると思いますが私には十分すぎるサイズ・・・

正直、嬉しかったです




アゴのアップ

私の中でのオオコクワガタというのは

「オオクワみたいなアゴをしたコクワ」という概念があったのです

今回のこのオオコクワガタはそれに近いものを持っていました

しかし

06/04/12に2匹目の羽化がありまして

4日後に取り出してみたのですが・・・




67mmでした

ここまでのサイズになると

「オオクワみたいなアゴをしたコクワ」と言うより

「コクワみたいなアゴをしたオオクワ」って感じがしてなりません

事実、幅や厚みもそこそこありますし

パッと見た目もオオクワでした



山梨産オオクワ68mmとの比較写真を撮ってみました04/12/12の採集記の個体です


左 オオコクワガタ67mm              右 オオクワガタ68mm



アゴの比較




全体の比較




斜め前から




斜め前から その2




並べて比較(上 オオクワガタ 下 オオコクワガタ)


2匹の細部の違いまでは詳しく分からないのですが

シロートの私でも分かる内歯の出かたの違い・・・

オオクワガタとコクワガタの両方の内歯の特徴が出ている様に思われます

いかがでしょうか?



一方の花さん宅でも60mmを超える成虫が羽化したとのことです。



06/04/16 羽化 62.5mm



まだ羽化してない個体は

一つはまだ幼虫、もう一つは蛹化したものの、足が縺れてしまい蛹化不全とのことです

私の所の最後の個体はまだ幼虫です

そちらも期待しながら、また機会があればご報告させていただきたいと思います。



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