2005宮城ヒメオオ採集記
- 子供と一緒にどこ行こう -

ishi


この原稿、実は前号へ投稿予定が挫折していたものですが(^^;自分なりに今シーズンの採集への景気づけに書き上げてみました。

9月4日
8月も後半に入り外灯での採集が一段落して、なかなか日中ヒメオオ採集に行く時間がなく悶々としていた頃・・・
(きっとくわ馬鹿の皆さん達も何かと制約のある中で時間をやりくりして採集されているのでしょうね)
クワ友のHIKAKAさんから宮城県内で50mmオーバーを含むヒメオオ採集の一報があり、一気に採集オフの運びとなりました。
当日はHIKAKAさんpikapika君親子、いとうさん親子、そして娘も一緒に3家族でのファミリーオフとなりました♪
ポイントへ向かう車中、いつもならそれは賑やかな子供達が、久しぶりの再会のせいか互いに黙り込んでズ〜〜〜っと一言もしゃべらないのが妙に可笑しかったりして(^^)・・・結局お昼を食べて採集に突入した頃からようやく騒がしくなりましたが(^^;
さて、採集地に着きヤナギを中心にルッキング開始!
やはりそういきなりは見つかりませんが、移動しつつチェックしているうちに、「とうさんが本日最初のヒメオオを発見!
その後もいとうさん、HIKAKAさんの2人が次々ヒメオオを見つけていきます。二人の眼の良さには本当に感心してしまいます。
特にいとうさんが枝の影から大アゴだけが覗いてる状態のヒメ♂を見つけた時には、自分が直前に同じ木を見逃していただけに、その「見え方」は非常に参考になりました。

本日最初のヒメオオ 悪条件の中コンスタントに採集 なんとかゲット!

自分はと言うと、なかなか見つけられずボウズというか一人焼き鳥状態で、すっかり同行カメラマンと化してました(^^;
我が愛機 "Canon PowerShot S1 IS"はカメラとしてはすっかり旧機種ですが、光学10倍ズーム、バリアングル液晶モニタ、IS手ぶれ補正機能、マニュアル機能、高倍率機の割に小柄なボディと当時では画期的でした。キャノンらしい素直な画質と合わせて今でもお気に入りです♪まさに採集写真を撮るために買ったカメラと言っていいでしょう!(一応子供の写真も(^^;)
下のヒメオオ写真は全く同じ立ち位置から広角−望遠に変えて撮ったものです(画像両脇カット)。右はトリミングしてみましたが300万画素では解像力はこんなものでしょう。
でもさすがにそろそろ新機種欲しいかなー(^^;

広角側(ヒメオオがわかりますか?) 望遠側(光学10倍) 更にトリミング(=デジタルズーム)

とは言いつつも、内心子供の手前「さすがになんとか1匹は採れないとまずいなぁ〜」と思っていた頃、何とか小さな♂を発見!
非常に採りづらい角度でしたがなんとか無事ゲットすることができました(ほっ)
結局全員で10匹以上のヒメオオを採集し予想以上の大漁でした!!
昨年は散々走り回ってなんとか1匹だけだった事を思えば、ポイントが違うとはいえこんなに採れちゃっていいの?って感じ・・・
まあ結局1匹しか採ってない自分が言えた立場じゃ無いんですが(^^;

採集結果:ヒメオオ11♂2♀(全員で)



9月18日
妻「休みは子供をどこか遊びに連れて行ってあげて」
私「よし、一緒にヒメオオクワガタでも採りに行こうか?」
娘(長女9歳)「別に、行ってもいいけどぉー(しょうがないから付き合ってあげるモード)」
完全に娘を“ダシ“にした格好ですが(^^;これはチャンスとばかりに気にせず出発!!
本当は一人で新規開拓に走り回りたいところなんですが、どうしても子供が一緒の時はついつい確実に採れそうな所へと向かってしまい、守りの採集になってしまうが親の見栄というか悪い癖というか(^^;;
で、結局先日のポイントへまずは行くことにします。

ポイントに到着し、いつものことながらとにかく最初の1匹をなんとか見つけたいところです。
頼むからいてくれよ〜と内心つぶやきながらルッキングを続けてしばらく、ヤナギの根元の辺りに不自然な黒い塊が・・・
「よしっ いた!」
念願の第1号は♀のヒメオオでした。
直接手でも採れそうですが念のためタモを用意して無事ネットイン♪
「よし!やった!!」
ヒメオオを見つけた時のワクワク感!とネットインした時の充実感!
なんど味わってもこのヒメオオ採集の楽しさは最高!!ですね(^^)

ヤナギの根元付近でヒメ♀ ゲット! こちらはペアで

このポイントでさらに数匹追加し、娘にもクワの姿を見せられて気持ち的にも余裕が出た所で、以前から目をつけていたエリアに行ってみる事にしました。自分にとって今一番の目標はやはり自力での新規ポイント開拓なので、これからが本当の勝負!勝負!
なんとなく気分的にも新規ポイント発見の予感が漂います(本当か?)
地図上で目をつけていたエリアへ移動し、あとはひたすら走り、そしてヤナギを中心に目ぼしい木々をチェックして行きます。
今年から採集車がフォレスターになり、林道も安心して突入できます♪
さすがに一応新車なんでまだブッシュ突入はちょっと遠慮してますが(^^;
そんな感じで数時間・・・・全然いない・・・
「いないなぁ、探し方が悪いのかなぁ」・・・またまた不安がもたげます。
結局ヒメオオはもちろん、なんにも見つからず終了(撃沈!)
密かに期待が大きかっただけに本当にがっかり・・・う〜ん、やっぱり新規開拓は簡単に行かないもんですね。

一緒にヤナギを見上げて歩く娘の姿を眺めて、「いつまでこうやって虫採りに付き合ってもらえるのかなぁ?・・・」などと、あまりに長い空白時間にテンションが緩んだせいか、妙に感傷的になったりして(^^;
しかし娘はきっとつまんないだろうなと思うと変に焦ってしまう(^^;;
時間的にもそろそろ終わりという雰囲気が漂う中、帰りがてら先日のポイントに寄って行く事にします。

ポイントエリアに着きルッキングしてすぐ、ヤナギにつくペアを発見!!
「良かった、ちゃんと見えた」(ほっ)
しかも今回は採りやすそうな絶好のポジション。
せっかくなのでここは娘にチャレンジさせてみよう(^^)
採集の楽しさを是非娘にも味あわせてあげたい♪という親心のつもりが、娘は内心ビビっていたらしい(^^;;
一応タモを持たせて下からすくい上げる動作を練習させて「さあ大丈夫やってごらん」
娘が慎重に慎重にゆっくり下からタモを近づけていきます。
(よしよし、いいぞいいぞ)内心思いつつ、もしペアの片方が落ちても大丈夫なように隣からヒメオオをしっかり見張ります。
「あっ」
娘の声に振り返ると、タモの輪の部分が幹の出っ張りにひっかかった様子。
っと、視線を戻した瞬間、“ぴょぉ〜〜ん!”
タモを避けて見事に左右に放物線を描き散開!?するヒメオオ達・・・
まるで軌跡の残像が見えるようなそのシーンに見とれること0.5秒あまり・・・ヤバっ(汗)
とりあえず自分の方に飛んできた固体をあわてて草むらをかき分け探すとなんとかヒメ♂を発見。
しかしもう一方の♀は結局見つからず・・・
何とか採らせてあげたかったなー うーん残念!

黒い固まり見つけた瞬間がうれしい♪ アップ! この後悲劇が・・・

でも1匹だけど採れたから良かったね(^^)と、娘を(自分を?)励ましつつ、再びヒメオオを見たことで気分を盛り返してルッキングを続行し、 その後も数匹のヒメオオに会えました♪
何匹か落としちゃいましたが、たくさん持ち帰ってもどうせ飼い切れないし逃げた者勝ちということで、ま いっか(^^;

さあ帰るぞーっと運転席に乗り込み、ハンドルに手をかけ前方を見た時・・・
向正面に見えるヤナギの枝の間から大アゴを覗かせるヒメオオ♂が目に飛び込んできました。(これは我ながら本当によく見えたものです)
見失わないよう木と枝位置を確認してから、車を降り、タモ網を持ち出し近寄ります。
裏側に回り込み確認すると、「う、デカイ!」明らかに今まで見ことのない大きな♂に思わず緊張が走ります・・・。
どの角度から採ろうか思案し、早速タモ網を慎重に伸ばし下からすくい入れようとしたものの、思いのほか踏ん張りが強く手こずっているうち、ズリッっ!タモを空振ってしまった・・・
「やばい、落としたぁ(>_<)」っと見直すと、しっかりその場に鎮座するヒメオオが(^^;
通常ならちょっと近寄っただけで飛び落ちるのにコイツはちょっと違うぞ!?
改めてタモを近づけると、なんと大アゴで威嚇し攻撃しようとする始末「コイツ怒ってる?」
次にはタモをかい潜り、幹から枝へスタスタ逃げ出した・・・しかも速い速い速い。
「こんなヒメオオ見た事無い・・・」驚くとともに、こんなスゴイ奴をなんとしても採りたい!なんとか採らせてくれ!
そんな祈りにも似た気持ちでこちらも必死です。
何度か突っついてみるものの踏ん張りが強くてなかなか枝から引き離せない・・・「なんだコイツは!?」
こうなたらもう開き直って「よし!逃げるもんなら逃げてみろっ!」
力を込めて「おりゃぁ!(心の声)」強引にすくうと−−−−−−−入ったぁ!!
時間にすれば数分の事だったと思いますが、なかなかの大捕り物でした(^^)
ちなみにサイズはなんと51mmもありました!(苦労して採っただけに余計に感動)

我ながら良く見えたものだ・・・ 大捕物の末ゲットしたヒメ51mm なかなかの成果♪

新規開拓失敗でちょっと凹んでましたが、これで気分は「敗者復活戦で銅メダル」って感じでしょうか♪
(もらったこと無いけど(^^;)

採集結果:ヒメオオ2♂5♀(他2匹落下・・・)



これまでの採集や情報で感じたのが、今年はヒメオオが多いのかな?
セミの場合多く発生する年が周期的に来ますが、きっとヒメオオも自然界では1年1化とは思えないので、今年がその当たり年なのかもしれません。
ただ明らかに採集とわかる人達も多く、中には山菜採りと思しきご年配の夫婦がしっかりヤナギを見上げているのを見て唖然(うーん、なかなか競争が厳しい・・・)

10月2日
この日は再びファミリーオフと言う事で、HIKAKAさん、いとうさんとご友人、yumiさんら5家族による採集オフになりました♪
シーズン終盤で雨模様というやや厳しい条件の中ですが、なんとか採りたいところです。
しかし、食痕ばかりが目立ちヒメオオの姿はなかなか見られません・・・。
眼の良いいとうさん、HIKAKAさんの二人でも見つけられないとなると本当にきびしいかな・・・
そんな中、長靴を履いていた自分がブッシュを掻き分けヤナギチェックすると、裏側の非常に見えづらい位置に黒い物体が・・・
いた!ヒメオオだ!!
お尻しか見えないので♂♀判別できませんが間違いありません。
さあ貴重なヒメオオなのでなんとか採集したいところですが、あいにくの雨に加え足場が悪く、さらに大小枝がたくさん張り出して採りにくい事この上ない・・・正直上手く採れる自信なし(^^;
一応落下対策に逆さに傘を広げ下に置き、さらに普通のタモ網じゃ寄せられないので“金魚すくい”に網を付け替えいざチャレンジ!
見えづらい中、邪魔な枝達を掻き分け何とか網を寄せ、下から“ツンツン・・・“ちょっと気持ち強引にすくい上げる動作を繰り返し、なんとか上手くネットイン♪
「やった!」
と思った直後、ガサっ!・・・どこにいたやら別のヒメオオらしき物体が傘をかすめて落下・・・あれれ
結局落下固体は逃亡しましたが、ネットインしたのはなかなかヒメオオらしいカッコイイ♂でした。(まずは一安心)

この後、さらに移動した所で奥まったヤナギの幹につくヒメオオペアを発見!
先程と違って今回は見えやすい位置なので、ヒメオオ初採集のyumiさん達にも生ヒメオオを観てもらえて良かった良かった♪
採集の方は♂をゲットしたものの、大きな♀は落っことしてしまいました(^^;
意外と難しそうな位置にいるヒメは採集できているのに、一見採りやすそうなヒメを落とすことが多いのはなぜだろう?
決して気を抜いてるつもりはないんですが・・・慎重なりすぎて弱気になるとだめですね。多少強引な位がいいのかも!

どこにいるかわかりますか? 大きな♀と小さな♂

その後全員でくまなく探すものの、食痕ばかりで肝心の主は見つかりません。
少し足を伸ばしてエリアを回ってみたのですが、今度は食痕すらなかなか見当たらず・・・

こんな時でも子供達は友達と一緒というだけでもう楽しそう♪赤トンボを追いかけたり、水たまりで遊んだりはしゃいでいるので、ちょっと親としては気持ち的にホッとするというかうれしいですね(^^)
結局その後はヒメオオの姿を見ることはできず、シーズン終了を感じさせる採集となりました。

採集結果:ヒメオオ2♂(他2匹落下…)




10月11日
10月の連休は家族で紅葉見物と紅葉狩りに♪
そんな思惑とは裏腹に例年になく紅葉が遅れ気味・・・ということで温泉旅行へ。
せっかく足を伸ばしたついでにどうせならと、渋り気味の妻をなだめていつぞやのヒメオオポイントへさらに足を伸ばしてみる事に(ちょっと無理があったかも(^^;)
ポイントについて、「じゃ5分だけよ」と言う妻に「おいおい5分じゃ何も・・・」との思いを隠しつつ「了解了解!」と生返事で家族を車に残し速攻でルッキング開始!
とにかく今まで感じた事の無いプレッシャーの中でのルッキングに、当然ながら全然集中できない。とにかく焦る焦る(^^;;
もはや食痕だけが残るヤナギをほとんど駆け足で見て行く中で、これまで採集してきた葉の細いヤナギとは違う、やや葉の丸い種類のヤナギに食痕があることに気づきました。
半ばあきらめつつ、これが最後だと決めたそのヤナギでふと上を見上げると・・・「ん!?」
ちょうど逆光と日陰でよく見えないが枝に何かついている・・・眼を凝らしてだんだん慣れてくると輪郭が、
「あ、いた!ヒメオオ!!」♂が1匹ついています。
どこかに♀がいないか念のためデジカメ撮影でも確認しますが、この1匹だけのようです。
テンション下がり気味のところ一気にエネルギーが溢れたかのように気合が入ります!

なにかいる!? ストロボで激写!! シーズン最後のヒメオオ♪

あわてて車にタモ網を取りに戻り、「これが今シーズン最後のヒメオオだ、頑張れよ!」と自分に呼びかけながら、慎重に、慎重に・・・無事ネットイン!(^^)
思いがけず10月中旬のこの時期に採集できたのはラッキーでした♪
そんな喜びを一人ささやかにかみしめつつ、家族を乗せたフォレスターは一路温泉へと向かうのでした・・・・

採集結果:ヒメオオ1♂



振り返ってみると、昨シーズンのヒメオオ採集はつくづくファミリーな採集だったんだなと思いました(^^)
ヒメオオ採集の女神?のおかげもあってか数もサイズも少ない機会の中では十分楽しめました♪
いつも付き合ってくれた娘よ感謝! さあ次はどこに行こうかな?

ishimail