北海道採集記2005(part1)
- 家族旅行編 -
ishi


今年の夏休みも函館への帰省にかこつけて採集と相成りました(^^)
今回は車で仙台から初めて一家揃っての帰省です。
(実は途中岩手にて新規開拓にチャレンジしたものの、カブト極小1♂とアカアシ1♀と見事に撃沈したのでした・・・)
まだ小さい子供もいるし、荷物の運搬も、経費的な面でもやっぱり車が一番楽チン♪なによりも新”採集”車でのドライブ自体が楽しいので、長距離の運転も全然苦になりません♪
さて、車・バイクで北海道へ渡るにはフェリーしかないのですが、船に弱い自分としては(^^;少しでも乗船時間を短くしたいのと、子供も大人も時間をもてあまし退屈してしまうので(^^;;青森大間−函館間を1時間40分あまりで津軽海峡を横断できるこの航路は自分的にベストです♪(※大間崎=青森下北半島の先っちょの所)

さあ北海道はもうすぐ♪

8月15日
今日はキャンプ場コテージへの宿泊です。
今回は 昆虫採集の合間を縫っての家族旅行 家族旅行の合間を縫っての昆虫採集となるので、計画をたててはみたもののどうなることやら(^^;
前日のぐずついた天気もすっかり回復し、外の空気がとても気持ちいい♪
車を降りるやブンブン飛び寄るアブに「キャアキャア」女性陣のなんとも賑やかなこと(^^;
妻「これって刺さないの?」
私「うん刺すよ。けどまあ大丈夫だけど」
娘「えーこわいーっ!!」
追い打ちをかけてしまったゴメンゴメン(^^;;

青い空、白い雲、緑鮮やか ラベンダーには蝶が舞う フォレスターも準備OK!

とりあえず荷下ろしも終わり騒ぎも一段落したところで温泉、買い出し、散策を兼ねドライブに出発!
途中あわよくばどこか林道に入ってルッキングでも・・・と密かに企んでいたもののそんな余裕はないのでした(^^;
仕方ないなとあきらめつつドライブしていると道路を横断する黒い物体が・・・
「あっクワガタっ!」
車がまたぎ越す瞬間に、ミヤマクワガタ♀がはっきり視認できました。
即Uターンして今回の北海道初クワゲットにおもわずニッコリです(^^)v
この1匹のおかげで気持ちも家族モードに切り替えて、その後は温泉と買い出しを兼ねてドライブドライブ。
といいつつめぼしいポイントは逃さずチェック!(あ、全然切り替わってないか(^^;)
温泉では初めて家族風呂なるものに入り、汗も流して家族全員スッキリ♪
我が家の場合、下の娘に発達障害があるので何かと周りに気を遣うところ誰にも気兼ねなく本当にの〜んびりくつろぎました(^^)
奥さんにも子供達にもこの家族風呂が一番好評だったみたいです♪
(毎度クワ採集に出撃して頭が上がりませんm(_ _)m)
その後は戻りがてら外灯が良さげな感じの橋などをチェックしつつ日が暮れていくのでした・・・

そして日没。
日中に環境チェックした際に目立った外灯は片っ端からカーナビに「地点登録」、さらに昨年林原さんと採集(くわ馬鹿2004年下半期号記事)したポイントも確認し、結構広範囲になりますが地図上での採集コースのイメージ作りはOK!
コテージで休んでるという家族を残し(娘にふられました(^^;)いざ出発!!
夜になっても蒸し暑さが残り、半月はうす雲に隠れ、羽虫の飛翔も多くフロントガラスがバンバン汚れますが、それだけ虫が飛んでるわけでこれは期待できそう!
狙いはやはり大型ミヤマ♂そしてここまで来たらオオクワもあわよくばと、勿論ノコ、コクワ、アカアシなんでも来いです(^^)

さて、ポイントの橋に到着してすぐ外灯下でガムシに混じって落ちているノコ♀を発見!
橋上をチェックしていると、犬を散歩中クワ採集な老人が渡ってきたので挨拶し、少しの間クワ談義を。
いつも犬の散歩がてら採集しているらしく「クワガタ採っても孫がいるわけでもないんだけどなぁ」とか言いつつも経験に基づく採集談にはなかなか感心するものがありました。そんな会話中にもミヤマ♀、ノコ♀が立て続けに目の前に降ってきます。
これはいい感じだぞっ!老人に会釈をして次のポイントへ。
途中明らかに採集車と思われる車が数台(なんかテールランプ越しに気合が伝わる感じ(^^;)こちらも気合いを入れ直します!!

イイ感じのアカアシ♂ 同じ場所で良型のアカアシ♀ 小歯ノコ♂

その後良いサイズのアカアシ♂♀、41mmのミヤマ♀(ちょっとドキッ(^^;)、ノコ小歯♂♀などなど短時間の間にも結構数は見ることができました♪
が、お目当てのミヤマは♀ばかりで♂は全くいません・・・死骸すら見当たらず・・・
やはり樹液じゃないと厳しいのかな(うーん)
あとなぜかコクワが全然見あたらない。ここ最近コクワのブリードに気合いが入っているので期待してたんですが・・・

さんざん走り回ったところで「この辺で少しポイントを変えてみよう」
昼間チェックしていた所、地図上で目をつけていた地域、まだまだ探してみたい場所がたくさんあります。
移動途中も目に付く外灯下でノコ、アカアシ達の姿をチェックしつつ、昼間の温泉帰りにチェックしていた橋の所へ来ました。
夜になって水銀灯も点灯しなかなかいい雰囲気です♪
早速橋に乗り込んでみてすぐ気づきましたが、全く虫の気配がない・・・
水銀灯にも地面にも全然虫の姿が見あたらない・・・
「うーん」正直期待はずれな心持ちで進んで行くと、路肩の一段高くなっている所にクワガタ♀を発見!
「いたいた♪」車窓からミヤマかなー?と眺めつつ、降りて近づくとミヤマにしてはうずくまっている様子がちょっと平面的・・・
ノコかなぁ?なんかちょっと違うかなぁ、近づいて見ると黒色の背中に光るスジが・・・

「オオクワ!?」

この時は意識から完全にオオクワが抜けていたので、本当に「意外」というのが率直な感想でした(^^;;

オオクワだ! ついにゲット!北海道オオクワ♀ ケースを眺めてしみじみ実感

「まずは写真撮らなきゃ」
滅多にない機会なので採集前に記念撮影を撮り、そしてゲット!!
こうなると流しながら見過ごした所も改めて再チェックしますが、やっぱり何もいませんでした(^^;
「オオクワかぁ・・・よかったなぁ・・・」
車に乗り込みパーツケースに収まるオオクワをしげしげ眺めるうちに実感とうれしさがこみ上げてきました♪
これも昨年に林原さんと採集をご一緒してなければこの結果はなかったと思います。
さっそく林原さんへ採集報告メールを携帯で送るや、すぐ折り返し祝電をいただきました。
「強運ですね!」の言葉どおり自分でもそう思います。「本当にありがとうございます(^^)」

思い返せば今から30年以上も昔に道南でオオクワ♀を採集したことがありました。
ただその当時子供だった自分にとって1番はミヤマ♂そしてカブトムシ♂(買ったの)が絶対的なヒーローでした。
オオクワは勿論当時でも大変珍しく(当時の昆虫図鑑には写真じゃなく♂の絵が載っていたし、分布に北海道が入ってなかったり、♀は博物館の標本でしか見たことがなかった)貴重な存在でした。
が、所詮子供にとっては♀のオオクワより大きい♂ミヤマの方が断然カッコ良かったりして(これは今も変わらないかも(^^;)今ほどの価値を感じていなかったと思います。
結局、標本も写真も何も残っていなくてそれが多少心残りになっていました・・・
2年前岩手県で思いがけずオオクワ♀を採集したのを機会に、自分にもオオクワ採集のチャンスがあるんだ!と、ならばいつかまた北海道で採れたらとは思っていましたが、まさか、本当にラッキーでした♪

時間は9時をまわったところ、まだまだオオクワに見とれてる場合じゃない! 次のポイントへGO!GO!
どうせなら♂のオオクワを一度採ってみたいなぁ(^^)などとちょっと図に乗ってみましたが、さすがに甘くないですね(^ ^ゞ
2匹目のドジョウとばかりに、オオクワ採集ポイントにも2度ほど戻って見ましたが、相変わらず全然虫の姿がなくアブラゼミが1匹いただけでした・・・
その後の採集でノコ、アカアシ、ミヤマの姿が見られましたが、どれも♀が中心で結局ミヤマの♂の姿は見られませんでした(残念!)

この日のノコ♂は全部小歯ばかり 外灯付近の桜に止まるノコ♀ キュウキュウ鳴声が可愛いシロスジコガネ

採集結果(確認分のみ)
オオクワ1♀、ミヤマ5♀、ノコギリ3♂7♀、アカアシ3♂4♀

翌日も昨日に続いての晴天!
さっそく娘に成果を見せると「おとうさん良かったね♪」と祝福してくれました(^^)
(どっちが親子の会話だか分からん(^^;;)
持ち帰る以外のクワ達は、同じキャンプ場で見かけた昆虫採集な男の子達にプレゼントしたらすごく喜んでもらえました♪
今日は一日ゆっくり行楽地で観光です。が、気がかりなのはこの日差し・・・。
北海道といえども真夏の日差しは強力車中でのクワ達が間違って蒸し焼きになったらシャレになりません(^^;
プラケースに湿ったマット(最近ペット用の針葉樹フレークを良く使ってます)を深めにいれ、タオルでくるみ、100円保冷袋に入れ、さらにバッグに入れた上で、トランクの真ん中に置き、前後左右と上を完全に他の荷物で覆って防温対策完了!!
炎天下での駐車はサンシェードや窓明けの暑さ対策もしたもののちょっと心配でしたが、クワ達は無事元気に帰宅しました(^^)

大沼だんごは昔から大好物! 駒ヶ岳もくっきり クワガタが飛来するという漁り火

さすがに今夜は採集を一休みして温泉でのんびりです♪
窓から見えるイカつけ船の漁り火が津軽海峡を明るく照らしてます。
時にはこの漁り火にクワガタが飛んでくることがあるそうですが、さすが100KWにもなる灯火の威力はスゴイ!
今回は家族旅行&クワ採集と欲張りな企画だったのですが、どちらも楽しめてよかったよかった(^^)
オオクワは本当に出来すぎでした(まさにワンチャンスでした♪)
きっと昼間に家族を放って林道にでも行ってたら、あの外灯をチェックすることもなかったかもしれない・・・(^^;
などと感慨にふけりつつ、思いは明日の採集へ募っていくのでした。

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