◆タブ林のヒラタクワガタ◆

2005年1月吉日

なぉ


私は横浜に住んでいます。
横浜はコクワこそ採れますが、ノコやミヤマは難しい。
ヒラタとなると、ここ最近採れたというのを聞いたことがありません。
「近くでヒラタ採りたいなー」の気持ちが大きくなってきたときです。
横浜ではありませんが、沿岸部のタブ林で採れるという情報が!
しかも昼間の樹液にベタベタとくっついていたそうです。
早速、タブ林へ通ってみることにしました。

休日は家族サービスなんで、昼間はなかなか通うこともできず。
会社帰りに通うことにしました。
最初のうちはとにかくいないし、ポイントがわからない。
樹液こそ出ていますが、そこにヒラタはいません。
何度か通ううちにようやくヒラタを採集!
うれしくて、ドロだらけのヒラタと帰ってから一緒にフロに入りました。(爆)
そのうちポイントがわかるようになり、樹液採集シーズンに5♂を採集。
うち1頭は昼間にベタです。

♀が採れなかったこともあり、今度は一体幼虫はどこで育つんだいう疑問が湧きました。
そこでこの冬、タブ林に初の材割採集に行ってきました。

タブ林のヒラタは一体どこにいるのか?
行く前に考えましたがわかりません。
ヒラタと言えば根掘りですが…。
タブ林のような新陳代謝が遅い林では立ち枯れの木は少ないです。

結局、わからないまま到着。
木々はかなり伐採されていました。
とりあえず、目をつけていた樹種不明の立ち枯れの根部を掘りましたが、×。
さて、いきなり困りました。

生木はどうにもできないし…。
伐採された木でも見てみるか?
ということで、見て回ると…。
根こそぎ抜かれてしまった木がありました。
樹種は不明です。
するとその木の根部に大きな食痕があったのです。
食痕は古く、一応追いましたが、×。

そこで考えたのです。
この木も立ち枯れだったから切られたとも思えないし…。
生木の状態で食痕が残されたのではないのか?
とりあえず、他の根こそぎ抜かれた木を確認してみようと!

すると、根こそぎ抜かれたタブノキがありました。
かったい、かたい!
柔らかい所はないのかと探したら…。
出ました新しい食痕です。
そして大きい!

追って、追って。出ました。ヒラタ3令幼虫♀!
そして、ヒラタ3令♂を2頭追加!!
もうひとつ、食痕は見つけましたが、何しろかたくて追えません。
根こそぎ抜かれている木ももうありません。
暗くなってきたので、しょうがなく採集終了。

1本の根こそぎ抜かれた木で4頭確認。
昨夏確認したのが5頭だったことを考えると…。
想像しているより全然多く発生していそうです。

そして、これも想像ですが…。
どうも、まだ生木の根部でヒラタの産卵が行われ…。
幼虫は、その根部の柔らかい部分を食い進んでいるようです。
クヌギやコナラのようなおいしい木が無いとそういうことになっちゃうのか?
かたい木が好きな遺伝子が生き残れたのか?

さすがに生木を掘り起こしたりはできません。
それこそ出入り禁止になりそうです。
もし、これから先、根こそぎ抜かれる木があるのならば…。
調査していくことはできそうです。

家に帰って体重測定をしました。
大きい順に、♂5.4g、♂4.4g、♀3.5gです。
幼虫なので、一緒に風呂に入るわけにもいかず…。(爆)
みんなマットにもぐってもらいました。
せっかく採集したので、おいしいマットを食べてもらって…。
もっと大きくなってもらいます。(^_^)


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