2004年11月13日(土)へっぽこ遠征in八重山諸島(最終目)
沖縄県石垣島 曇り時々雨 27℃





美しい海
美しい海

朝食を取った後、散歩がてら海岸に行ってみると、エメラルドグリーンの美しい海(東シナ海)が広がっていた。考えてみれば“南の島”に来ているのだから、海水浴でも楽しむのが普通であろう。マルバネ以外頭に入っていなかったので、水着など持ってきてるはずが無い・・・。





亜熱帯ジャングル
亜熱帯ジャングル

せっかくのチャンスなので、“チャイロマルバネ”に挑戦する事にした。しかしながら今年のチャマルは、完全な大ハズレ年との事で、成果はまるで出ていないらしい。
それでも図鑑などで見掛ける“ススキに付くチャマル”の姿が観たく、採集を開始した。有望と思われる丘にて、時間を掛けて念入りに探索する。あちこち見て回るが、カミキリやセミ以外クワガタの姿は全く確認出来なかった。
大ハズレと言われている年だからこそ、あえて“ビギナーズラック”に期待していたが、“へっぽこ採集者”にとって現実は甘くなかった。念の為、林道の側溝なども確認するが、チャマルの姿は無かった・・・。






ベニトンボ♂
ベニトンボ♂

チャマル残念!の息抜きに水辺に行くと、関東では見掛けないトンボが居た。「ベニトンボ」♂である。本土で見掛ける「ショウジョウトンボ」より深い赤色をしている。水面の至る所で確認出来、♀は「ウスバキトンボ」の様な橙色をしていた。その他にも本土より黒く大きい、リュキュウギンヤンマ等も確認出来た。





八重山そば
八重山そば

クワガタ探索をしていると時の流れを忘れてしまう。ふと時間を確認すると、とっくに昼を回っていた。そう思った途端、腹が減り出した。
石垣島の場合、それほど島が大きくないので車で移動すれば、市街地までそれほど時間は掛からない。コンビニで簡単に済ませても良かったが、昨日から気になっていた「八重山そば」を食べる事にした。「沖縄そば」との違いが気になっていたが、肉のカットが少々違う程度で、ほとんど同じ様に感じた。ここのは美味しかった!





林道の下見
林道の下見

腹も満たしたので、後は思い切り採集を楽しむ事にした。とりあえず夜の為に、出来る限り林道の下見をする事にした。いつも“ボ〜ズ”が基本の採集なので、昨晩のヤエマル♀確認を果たしている現状としては、幾分余裕がある。
昨日行かなかった場所の探索や石垣島の大自然を満喫できる。





スジグロカバマダラ
スジグロカバマダラ

緑のある場所では「蝶の島」と言われるほど、蝶の種類と共に個体数も非常に多く確認出来る。とにかく様々な種類が確認出来る。かなりの個体数の為、場所によっては蝶だらけという程、良く見かける。蝶好きにとっても、非常に魅力のある島に違いない。





乾燥した場所が多い
乾燥した場所が多い

しかし良い事ばかりではない様である。この林道に限らず山の中は、かなり乾燥化が進んでいる様に見受けられる。雨が全く降らないという事ではないはずだが、土は乾燥している。昨晩かなりの降雨量があったはずの林道に行ってみても、昼過ぎには土の表面は乾燥していた。水分は流れ出てしまうのだろうか?倒木なども水分を含んでおらず、カラカラに乾燥している。今後のクワガタの生態系に影響がなければと危惧する。





居るのか?
居るのか?

下見を続けていくとスダジイらしい大木があったので、洞などを確認したがマルバネは潜んでいなかった。また、根元付近に幼虫が居るかと思ったが、幼虫を観ても判らないので、あえて掘り返すような事はしなかった。





オオシママドボタル
オオシママドボタル

そうこうしている内に、辺りはすっかり暗くなった。
一度下見をしている林道を改めて探索する。すると昨晩も気付いていたのだが、ホタルが多く確認出来る。“オオシママドボタル”であろう。20_程の大きさの「日本最大のホタル」で、見頃は10月頃から1月頃という“冬のホタル”と言われている。南国ホタルの幼虫は「水生」ではなく、基本的に陸上で生活する「陸生」で、水生のカワニナならぬ陸生のカタツムリを食すという、本土とは全く異なる生態を持つホタルである。






発見??
発見??

その後、林道を探索していると黒い物体が見えた気がした。今までの流れから行くと「こんな簡単には採れないはず!」という気がしていたので、また巨大ゴキブリだろうと思い、やり過ごそうとしたが「もしかすると・・・」と思い直し懐中電灯を再び当ててみると、黒い物体が付いていた。
2メートル程ある崖の上に生えているスダジイに付いているので、デジカメのズームを使い確認してみるとヤエヤママルバネだった。





ヤエヤママルバネクワガタ♂
ヤエヤママルバネクワガタ♂

クワガタまで距離があったので、長い枝を拾ってきて手元まで手繰り寄せた。拾い上げた個体はヤエヤママルバネクワガタ♂だった。小歯型44_という小さな個体だったが、昨晩の♀とはまた違った迫力のあるクワガタである。素直に嬉しい!まさか“へっぽこ”が二日連続でヤエマルを確認出来ると思っていなかった。

その後も林道の探索を続けたが、成果は得られなかった。

ふと、夜空を見上げると東京のモノとは比べ物にならないほど、石垣島は星が多く観える。「星が降る様だ!」とはこの様な事を言うのだろう。素晴らしい星空だ!日付が変わる頃、満足感と共に宿に引き上げる事にした。






美しい石垣島
美しい石垣島

楽しい時間は経つのが早い。もう東京に戻る日が来てしまった。
遠征前は、まさかヤエマルの♂♀が確認出来ると思っていなかったので、自分なりに堪能出来る石垣遠征となった。遠征前は、金銭面や休暇など様々な問題もあったが、やはり行動しなければ得られない感動があると感じる。来シーズンは遠征できるか分からないが、可能であれば美しい石垣島にまた足を運んでみたい。
“へっぽこ”に夢を与えてくれた石垣島に感謝しつつ、島を後にした。



成績ヤエヤママルバネ♂×1
(確認後、リリース)


へっぽこ採集記にお付き合い頂きまして、有り難う御座いました。

魔 琴
HP 「ミヤマの呪縛
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