☆☆☆☆ Jimmy氏、編集長特別記念企画 ☆☆☆☆

「ついに暴かれる、九州隊の素顔」

『九州オオクワ探検隊 熊本採集オフ』

ヒラタの鉄人


 今回、我クワ友のJimmy氏が、編集委員という事で、ぜひ何か投稿して欲しいとの要請を受け、うーん!さすがに何か書かずばなるまいと思い、これまでの九州隊の沈黙を破り、ここに活動記を報告する。


 平成10年7月の最初の週末、広島クワガタ連合会長のクワガタマスク氏をゲストに招いて、九州オオクワ探検隊採取オフを行った。
金曜日の夜、最終の新幹線にて博多駅に着いたクワガタマスク氏を迎えに行った訳だが、長旅の疲れももろともせず、福岡近郊のポイントに行きたいという事で、朝5時頃までウオーミングアップ採取にはげんでしまった。結果、彼のお目当ての九州産ヒラタは、わずか1匹しか採れなかった(もちろん、ヒラタ以外のコクワ、ノコギリ等は、いても全く手をつけなかった)が、翌日の大会に備えて、早速私のマンションに戻り、就寝!起きたら昼の1時。そこに、隊長から電話が・・・「3時頃出発したいから、家に来てくれ」との事だったので、早速支度を・・・・

 するとクワガタマスク氏は、私のヒラタごちゃ混ぜ水槽(60mmオーバーヒラタを4、5匹入れてあった)に手を入れて、何やら一匹ずつ観察していた・・・・
すると彼が「こんな飼い方しとったら、いけんよ!ヒラタがかわいそうじゃ!ほらっ、みてみい!この♂、ぶち傷ついとるやんけー」と怒られてしまった。ううっ!わかっていても、飼育ケースが足らなくて、取れたヒラタを無造作に入れておいた私が悪い訳だが、彼は、更に産卵木までチェックし始めて、「卵発見!・・おっこっちも・・」と何だかうれしそう!

 だんだん産卵木を割ってみようか!等と言い出しそうな雲行きになって来たが、こんな事やっていては時間が無くなるし、ヒラタなんてコクワ以上に採れるので、「このヒラタ好きなだけ持って行っていいよ!」と言ったら、念入りに2、3匹程選んで、ケースにしっかりと入れていた


 本日の採取オフは、熊本にてバーベQ採取という予定なので、テーブル、イス、バーベQスタンド等を車に積み込み、いざ出発!
3時頃、隊長のマンションに到着!隊長の車に荷物を移し替え、いざ出陣!
途中木登り名人氏を拾い、一路太宰府インターへ!基山ICにて、水分補給がてら、ハーレー氏へ連絡!「今からいくから、熊本の出口で落ち合おう!」
午後6時頃、熊本にて、ハーレーさんと合流!ハーレーさん曰く、「炭とビールは用意しました」・・・
おー!じゃあ肉の買い出しに行こう!と、そうは問屋が卸さない所が、九州隊の良い所!暗くなる前に皆に「私のヒラタポイントを紹介しようか?」と言った所、一も二もなく賛同!

 私が、仕事(営業)の合間をぬって開拓していた、ヒラタポイントを車で廻ってみた。ノコギリ、ミヤマの小さい奴を始め、カブトもそこそこいた訳だが、そんなのには目もくれず、仕方がないから、ノコギリの形の良い(角がバリっと曲がっている奴をスイギュウと呼んでいる)奴と子供用にと、カブトを少々ゲット!

 それから、私が勝手に”土手下爆裂クヌギ”と命名しているポイント(直径10cmくらいの太さのクヌギが一本だけぽつりとある)に行くと、スズメバチがうじゃうじゃ!とりあえず、隊員2名程、土手下に下りてもらって下からチェックしてもらった所、「えーっと、ノコギリ4、5匹、コクワ5、6匹、ヒラタも2、3匹、カナブンぶりぶり!カブトも数匹いますよー!それにしても、樹液が幹全体から吹き出してますよー。こりゃースゴイですね!」とりあえず、小生もほっとした訳であった。

 スズメバチがあまりにすごいので、そこで粘って何とか採りたいと、駄々をこねる木登りさんに、「夜来れば、もっとスゴイから・・・」と説得して、退散!
早速肉屋に直行!しこたま買い込み、ハーレーさんに頼んでおいた、バーベQ場所へと向かった。
程なくその現場(河川敷)に到着。うっ、こりゃー肥やしの匂いだ!うーん!風向きが変わらないかな・・・・
等とぶつぶつ言いながら、バーベQの準備!そこへ、仕事が終わったドツキ棒氏が福岡から、また長崎から長崎支部長も合流!
肉を焼き始めた所にやってきた、ちょうどタイミングの良い2人にクワガタマスク氏を紹介!
更に本日結果報告の後は、もう飲みたい放題!食べたい放題!

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右から、ハーレーさん、長崎支部長、木登り名人、隊長、クワガタマスク氏、ドツキ棒氏


 夜の11時を過ぎた所で、隊長とドツキ棒氏が、「酔っぱらったー」と言いながら車に二人で乗り込み、何やら就寝に就いたようだ!「残った皆で、この二人は、九州モーホー隊だ!」等と冗談を言い合っていたが、
木登り名人氏だけは、さっきのポイントが気になって、仕方が無いようだ。
「時間がもったいないですよぉ・・・」と駄々をこねる彼を始め、クワガタマスク氏も、「せっかくだから、どこか採取に行きましょうよ!」とこの真夜中に・・・・

 「下手に茂みのある所はマムシ等がいて危険だし」と、小生もいろいろ悩んだ挙げ句、仕方が無い!熊本空港横のクヌギ林を案内してあげよう!という事になり、ハーレー氏の愛車にて、早速突撃!
熊本空港横クヌギ林は、かなり太くて穴があいていて、樹液もそこそこ出しているクヌギが延々と続いていて、下も手入れ(草も刈ってあって歩き易い)してあるので、昼も夜も(多分地元の)採取者達が押しかけてきている所である。早速懐中電灯を手に、それぞれクヌギをしらみつぶしに当たって行った。

 夜中の12時過ぎだというのに、我々以外にも、採取者達の懐中電灯の光があちこちでキラキラしていて、とても夜中とは思えない光景であった。これだけ広いと、手付かずのクヌギもあるもので、そういった木には、かならずスイギュウやらカブトやらがひっついていた。「まあせっかく来たのだから」と、大きいカブトとスイギュウのみ数匹ゲットしてバーベQ現場に戻り、早朝採取に備えて皆車の中で仮眠を取った。
翌朝、7時頃皆起きて来て、あとかたずけをして、いざ出陣!

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車の調子OK!さーて、行くぞー


 真っ先に向かうは、ハーレー氏御自慢の、ヒラタタコ取れポイント!
彼は、毎年そのポイントで70〜76mmのヒラタをゲットしているという。
田畑の中の小高い丘に車を走らせ、少し広くなった農道で車を停めて、徒歩にてポイントに向かう!

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広大なる自然の中を進む、九州隊・・・・撮影、私


 早速そのポイントをチェック!大きく、縦に裂けるように出来ている樹液ドクドクのクヌギ穴に懐中電灯を照らすと、「おっ!いたっ!ヒラタだ!」。60mm弱のヒラタが、穴の中でふんばっている!
皆でピンセットを駆使するも、なかなか出てこない!穴が奥に続いているわけではないので、ヒラタも「絶対に捕まるものか」と、必死の様子!

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まるで女体を観察するかのように、
懐中電灯で穴の奥深くまで調べるハーレー氏。

思わず、ズボンを脱ぐのでは・・・・とハラハラしました(^^);


 他の人はと見ると、あたりのクヌギに蹴りをいれていた!
コクワ、スイギュウ、ミヤマ(小)等は適当に落っこちて来たが、皆そんなものは無視!何とかこのヒラタを・・・・
10分くらい格闘の末、木の皮を剥がすわけにもいかず、「まあ、あわてなくても、ヒラタなんて腐るほど採れるから。次のポイントに行きましょう!」とハーレーさんの一声で、農道を更に100m程進んだ所で、またクヌギ林!さすがに草薮なので、誰も入ろうとしなかったが、木登り名人氏が果敢にも、草むらをかき分けながら、クヌギチェックをし始めた。
 
 我々は、農道を歩きながら、脇道の木をチェックしていると、突然、木登り氏の「ヒラタ発見!でかいッスよ!70mmはあるかなあ・・・」との声に、皆一目散に薮の中へ突入!長崎支部長(彼は、大阪出身)は、「うわっ!でっけぇ!こんなん始めてみたわ!」と、大感激!よく見ると、確かにガタイはでかいが、角が少し短い!ノギスで計ったら63mmの♂であったただし、ガタイだけから判断すると軽く70mmオーバーしていてもおかしくないような大きさだった。

 採取した木は、幹の横に穴が広がり、樹液がふつふつと湧いており、他にもヒラタ♂40mmくらいの個体が2、3匹入っていた。これは慎重にゲット!また、穴の奥(行き止まっていたが)に、♀が2匹いたが、ピンセットが届かず、断念!えーい!こうなりゃ、このあたりのクヌギを蹴ってやれ!とあっちこっち蹴りをいれていった。ドーン!と蹴りを入れると、バサバサっと落っこちてくる。落ちた地点に隊員が直行!「なあーんだ!スイギュウですよ!・・・・こっちはコクワです。いらないッスよね!」てな具合がしばらく続く!
まあ、10匹に一匹で、小さいヒラタもゲットできた。更に場所を変える為、更に農道を進む!おっ、またまたクヌギ林だ!

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九州根こそぎ隊が行く


 このクヌギ林はまだ攻略してない!とハーレーさん!よーし、こうなったら根こそぎ調査だ!
隊員達があっちこっちに手分けしてクヌギチェックを開始。程なく、あっちこっちで、「いたっ!スイギュウ!、ヒラタ発見!」の声が飛ぶ!「おっ、でっけえのが落っこちたぞ! なぁーんだ!カブトだよ」といった調子が続いて、あっという間にお昼!

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昼間、クヌギの樹液にいたスイギュウ。
こんな風景がいたるところに見られる


 クワガタマスクさんの帰りの新幹線(夕方7時)までに、博多駅に送らねばならない。とりあえず、熊本オフは終了!ハーレー氏と分かれて、一路久留米市へ!
せっかくだから、筑後川流域も少し探索してから帰りましょう!という事で、久留米市近郊のあるお寺方面へ向かった。そこはある隊員が仕入れたオオクワ生息ポイント情報であったが、皆で探してもオオクワのオの字もなく、いたのは、ヒラタ、ノコギリといったたぐいであった。そうこうしているうちに、もう3時!近くの公園で、今回採取したクワガタの山分けだ!

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いい年した大人が、いったい何を・・・じゃんけんかい?


 ヒラタクワガタは、遠方からはるばる来てくれたクワガタマスク氏に、好きなだけ持っていってもらうことになり、63mmヒラタ♂を筆頭に、59mm、56mm、以下、10匹程度、持って帰ってもらうことにした。
クワガタマスク氏は、ヒラタクワガタ専用?のケース(ちゃんと個室になっていた)にきちんと入れて、大事そうに頬擦りしていた。

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ヒラタだけは特別扱いされて、この私も感激デス!
中央が63mmヒラタ♂


 残りを、木登り名人氏、長崎支部長で分けて、カブトは、隊長の子供向けに・・・・
私と、ドツキ棒氏は、いらなーい!で無事終了。今回、オオクワはボーズであったが、ヒラタ好きのクワガタマスク氏に、九州産天然ヒラタのプレゼントができて、何よりであった。また、ほとんど採取しなかったが、ノコギリ、コクワ、カブトを根こそぎ採取していれば、軽く100匹は越えるくらいのクワ、カブトに遭遇できた。

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あーあ、ヒラタと扱いが違うやんけー、かわいそー!

でも小さいヒラタだって、いますね!
 クワガタマスクさん、持って帰らないの?


 夕方、隊長宅にて解散した後、クワガタマスク氏を博多駅に送り届け、また来年も合同オフ会をやりましょう!と固く握手して別れたのであった。
今回の採取オフは、模範採取者の大統領氏が参加できなかった(彼は女の樹液に群がっていたようだ)のが唯一残念だったが、またビシバシ採取オフを開催し、楽しいクワライフを送れればと思う。

以上ッス。


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