4.矢内氏の実験結果
矢内氏はかなり試行錯誤、実験を繰り返しマイタケボトルに使用 されていた専増産フスマに目を付け、分析の結果これがポイント だと確信し、前記3種類の発酵マットを幼虫に与え次のような結果 を得た。

5月に初齢幼虫を450ミリリットルのマヨビンで飼育し7月に900 ミリリットルのマヨビン移し替えた。その時にオス幼虫の体重は 11グラムあり、こいつらは1ヶ月でたちまち900ミリリットルの マヨビンの餌を食い尽くしたため早くも8月に餌交換した。そのとき オスは全て20から23グラムあり現在も太り続けている。
7,8月頃の飼育温度は平均30度であり、これから徐々に温度を 下げて飼育している。

マットの比較だが、 a. b. においては全く成長の差は感じられ なく、途中からクヌギジャンボマットのみの餌を与えた個体もその後 の成長に差が出なかった。

粗いマットを使うのは、食った量が解ることと、大型の幼虫は酸素 を多く必要とする為、隙間を作り幼虫が摂取しやすいようにする2つ の理由からである。


5.亀有研究所での実験
矢内氏より専増産フスマと大塚氏のマットを分けてもらい8月29日 に発酵実験を行った。
大塚氏のマット4にクヌギ大王6の割合で混ぜ合わせ、小麦粉と フスマをそれぞれ容量比でマットの約5パーセントで添加して発酵 させた。

専増産フスマ



実際やってみると、撹拌してその日の内に熱を発し、やがて今まで 体験したことのないほどの高温となり、2週間熱を発し続け、9月末 にはおおかた発酵が完了した。
大塚氏の発酵済みマットと比べやや白っぽいが、これは木くずが粗いので 未だ発酵しきれていないところがあるからだと思われる。しかし、 握った感じ、においなどの性質は非常に似ており、程良く湿っている。

大塚氏は発酵途中でこれを幼虫に与える実験を行ったのだが、瓶は やはり熱を発し、それは暖かいを通り越してカイロのように熱くなって しまった。オオクワ幼虫は強く、しばらく頑張っていたのだが最後は さすがに耐えきれなかったとの事だ。

発酵中マット









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