ありきたりの採集記(韮崎)/クワ道の幼虫


98年9月19日(土)

今日は夏の鬱憤を晴らす為に韮崎に朽ち木採集に出かけることにした。
今夏は仕事にどはまりで8月なんか成虫採集に行くことも許されていなかったのである。
こんな気持ちの時は「朽ち木派*」所属の私としましては何もかも忘れて、没頭して、
集中して、疲れ果てるまで朽ち木をたたき続ける必要がある(と勝手に思っている)。

注*「朽ち木派」・・・夏の成虫採集も当然好きだが、オオクワを割り出したいと常々
思っている集まり。A〜さんなど典型的である。結構体力がいる。

今回は嫁を同行することにした。しかし埼玉県新座市に住んでいる私としては
天体観測好きな嫁にスモッグのない山梨の夜空も見せてやりたかったのである。
しかし薮が大嫌いな嫁は夜が来るまで甲府あたりで観光してもらうことにした。

AM7:30に新座を出発した。16号が多少混んだのだが、中央道は順調に進み
AM10:00過ぎには韮崎インターに到着した。嫁を韮崎駅でおろした。
PM6:00竜王待ち合わせとした。

まずは6月に見つけていた3〜4m程度のクヌギ立ち枯れの場所に行くことにした。
到着してみて我が目を疑った。台風による爪痕がすごいのである。
十数mの木が根こそぎ倒されて道を通行止めにしているのである。唖然。
しかたがないので車を置いて歩いていくことにした。
が、クモの巣が無茶苦茶多い。しかもかなりの強度を持っている。
顔に粘っこいものがまとわりついてなかなかはずれない。

10数分歩いてやっと台場クヌギがある場所までやってきた。
さすがに虫の数が少なくなっている。樹液が出ている木もあまり見当たらない。
実はオオクワが出てきていないか期待はしていた。数箇所洞も見つけていたのだが
スジクワ1ペアしか見つけられなかった。

成虫採集をあきらめ、クヌギ立ち枯れを探した。しかしいくら探しても見つからない。
絶対ここにあったという場所に行ってみると地面に穴が空いている。が〜ん!!
・・・どうみても人為的に引っこ抜かれた跡が・・・
結構見つかりにくいと思われるところで立ち枯れていたので削られていないだろうと
安心していたが、まさか持ち運ばれているとは・・・

でもまぁしゃあないかっと思い直し朽ち木探索を始めた。
しかしなかなか見つからない。しかたがないので泣く泣く削りあとだらけのクヌギ倒木を
叩いてみることにした。

カンッカンッカンッ。堅いの何のって。しかし一心不乱に乱れ打ち。
会心の一撃が入り、倒木が2つに割れた。割れた面を見てみると、食痕が走っていた。
丁寧に追っかけていくと頭幅7mm程度の幼虫が出てきた。
コクワかアカアシだろう。この倒木からはこの一匹しかでなかった。

場所を変えて新規開拓をすることにした。といってもなかなか見つけられないのは
わかっている。行ったことの無い雑木林を進んでいった。しかしなかなか朽ち木がない。
昼飯が食いたいなぁ〜と思いつつ諦めかけた所にカワラの生えた桜の切り株を見つけた。
しかしまたしても削り跡がある。が、とりあえず朽ち木派。カワラ付きは叩かないと。
2〜3回叩くと食痕が出てきた。今度は頭幅5mm程度である。
オオクワ期待できるかも・・・
その後、その木から頭幅5mm程度と1mm程度の二匹が出てきた。
少しがっかりした。1mmといえばオオクワではありえない為である。
5mmのやつらはコクワのメスかもしれない・・・

腹が減ったので途中で諦め昼飯を食いに行くことにした。時計を見るとPM3:00だった。
飯は竜王方面で食べることにした。

遅い昼食を清ませ、以前唯一採れた方面に行くことにした。しかしなまった体でこれ以上
腕を振り回すことが不可能になっていたので、次回の為の下見だけを行い待ち合わせ場所に
行くことにした。しかし疲れた頭では探せるはずも無く、成果があるはずもなかった。
次回がんばることにして終了することにした。


後書き

PM6:00に嫁を拾って夜空を見に行くことにした。
しかし韮崎周辺では曇っていて木星程度しか見えない。天気予報のうそつきっと嫁の機嫌が
悪くなってきた。しかたがないので20号をひたすら東京に向かって走った。
勝沼インター近くになってやっと星が見え始めた。側道に入り暗めの駐車場を見つけたので
そこで天体観測をすることにした。無茶苦茶感動してくれた。嫁対策は成功したみたいであった。
しかし来年になればこの駐車場で燈火採集してみたいなどと思っていることは知る由もないだろう。


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