我が家のツヤクワガタ飼育記(成虫編)
みるみる

飼育は全て日本に環境の似た海外で行いました


魅力的なツヤクワガタ(ラコダールツヤクワガタ)

あっとーてきにクワガタの人気はドルクス属に集まっているよーですが、
個人的にはツヤクワガタにとても魅かれております。
色とりどりで個体変異も大きく種類も豊富です。
しかし飼育法等、なかなか情報がなく、試行錯誤しながらF1成虫の誕生まで
たどり着きましたので、私なりの飼育法を投稿いたします。

成虫編

一口にツヤクワガタ(オドントラビス)といっても種類が豊富で、図鑑によっては
マルバネクワガタまでオドントラビスと表記されている物もある位ですので、
私も、全ての飼育法が解るわけではありません。
今回私が飼育したのは、ダールマンツヤクワガタ、ラコダールツヤクワガタ、
ワラストンツヤクワガタ、キプルツヤクワガタ、ゾンメルツヤクワガタ、
ラティペニスツヤクワガタ、オニツヤクワガタの7種類です。タランドスオオツヤクワガタ
も飼育していますが、これはちょっと他のツヤクワガタとは違う感じがするので、今回は外します。


これはタランドス♂


まず成虫での飼育の目標は産卵です。
一昨年、最初全てドルクス属と同じような環境で飼育していましたが、
なかなか産卵がないので、環境を変えてみました。

♀の大顎に着目すると、どうもオオクワガタのように朽木をかじり、中に産卵するとは思えません。
また♀もかなり大きな身体をしていますので、硬い朽木のなかに潜り込むとも思えません。
そこでマットへの産卵であろうと仮定して、マットの水分を多めに、柔らかい産卵木を入れてみました。
マットはクヌギ100%のものを用い、産卵木にはポール鈴木氏より頂いた
例のカッパギエノキの柔らかい部分に、味の素をしみ込ませたものを入れてみました。

この環境でマットと産卵木どちらにも産卵したのはダールマンツヤクワガタだけです。
幼虫飼育でも、ダールマンは餌を選ばず、どんどん大きくなりますし、
ツヤクワガタのなかでも飼育が容易な種だと思いました。
カッパギエノキは強烈でボコボコになっておりました。


こなごなになりつつあるエノキ


卵は比較的、産卵木の辺縁よりに産まれていましたので、
♀はおしりだけ噛った産卵木に差し込み産卵したのかもしれません。
身体全体がはいるような、坑道はあいていませんでした。
産卵木を入れるならば、「柔らかい」というのがポイントのようです。

マットにのみ産卵したのは、
ラコダールツヤクワガタ、ワラストンツヤクワガタ、オニツヤクワガタ、です。
産卵はノコギリクワガタと同じ様な感じでした。
幼虫は、最少でラコダールが5匹、最多はダールマンで22匹とれました。
卵は全体に白っぽく、透明感が強いラスターっぽい感じです。


これはワラストンの卵

産まれた幼虫


しかしキプルツヤクワガタ、ゾンメルツヤクワガタは産卵をみずに☆してしまいました。
小型のツヤクワガタについては、さらに飼育を続け、産卵の環境を調べてみたいと思っています。

マットに産卵したものの、産卵数には不満が残りましたので、
現在産卵のマットに着目し、ラティペニスツヤクワガタで
PCファーブルのバイオマット(ピンク)とフジコンエノキ微粒子マットを試しています。


エノキフレークは高いがすごくいいかも…


本来幼虫飼育用として売られている物のようなので、価格が高いのが難点ですが
バイオマットはなんでもマルバネクワガタなど用に開発されたそうで、
南洋ガシ類を醗酵させているものだそうです。
醗酵マットを使うと産卵数が伸びると言われていますので、良い結果が得られるかもしれません。
エノキは、熱帯系の樹木組成に近いと言われていますのので、有効かと思っています。

成虫の寿命はさすがにオオクワよりは短いのですが、最長11ケ月生きた
オニツヤは野外品でしたので、新生虫を上手に飼えば1年以上は生きることと思います。
自分が飼った印象ではノコより長命でヒラタより少し短命って感じですか。
それに比べ小型種は短命でした。我が家では最長6ケ月でした。
比較的温度が高くない地域に(といっても冬はない様なところですが)
ぬくぬくと住んでいるらしいので、急激な温度の変化には弱いようです。




幼虫編(次号)へ続く

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