タイ・クワガタ採集記

by HIDE


採集記
年の7月上旬、タイのチェンマイ地方でクワガタ採集する機会があったので報告します。
7月のタイは雨季の真ん中ですが、雨も一休みといった感じで晴れの日が続きます。 ときおりスコールの様に激しい雨が降りますが、1時間ほどでからっと晴れます。 そんな中チェンマイ近郊の某所で採集に行きました。
想像ではタイの林はジャングルとなっていて、草木をかき分けながらの採集となることを覚悟していたのですが、 実際には日本の林と同じように獣道がいくつも続いていました。
林の中は結構乾燥していて、木が密集しているのではなくがらんとしています。
さて、林に入ってまず思ったのが、日本のように樹液がたらたらと滴れてる木が全然無いことでした。 どの木も乾いており、クワガタなんて全然いないような林です。 しかもどのような木にいるかもわからず、とにかく樹液を探すことから始めました。

しばらくすると拳位の大きさの洞がある木を見つけました。ライトで照らすと中に甲虫がいることがわかりました。
さて、これを引きずり出すことの難しさは、みなさんも経験あることでしょう。
煙幕も酢酸エチルも無く、あるのは針金とドライバーだけです。とりあえず針金を曲げて引っかきだそうとしましたが、なかなか出てきません。 手も入れたいのですが、サソリか何かわからないのですが、刺されるとヤバイ何かがいるそうで結局針金が頼りでした。かなり粘った末(30分以上はかかってます)最初の1頭が採れました。 図鑑でしか見たことのないアンタエウス♂でした。この時の嬉しさは格別でした。 さらに探すと木にそのまま引っ付いてるアンタエウスもいましたが、ほぼ木の洞に入ってます。 引きずり出せないで木の裏から棒で叩くと自ら出てくる個体もありました。 採れた木はコナラの様な木肌の木や桜のような木肌の木でした。 結局私は初日にアンタエウス4頭採りましたが、全て♂だったので次の日も行くことにしました。 結局3人で3夜で全部で30頭位の収穫でした。その中には2ペアのクルヴィデンス がいました。しかしアンタエウスは♂が多く、♀は6頭のみでした。 その他には、ティタヌスやマルバネ系のクワガタや、ギラファーや羽が橙色のものがいましたが、興味ないので数頭だけ採りました。 残念ながら?コブラとかサソリなどは見ませんでした。 現地人の話しではクワガタは雨季に出てきて12月にはいなくなるそうです。


hide3 持込み記(フィクションです。)
て、これをどうやって持って日本に行くかが問題でした。 私はその前にタイに行った帰り、某空港の税関員に生き虫を持ってこれるか聞いてみたところ、 「土が付いてなければOK」とのことでした。 友達も某税関にクワガタを持ち込めるか聞いたところ同様の返事でした。 しかし、某ショップでは捕まると言われたので、ちょっと心配になったのです。一応友達と分けて別々に持ち込むことにしました。 私はドン ムアン(バンコク空港)で免税品を買い、その中にルアーケースに入れたクワガタを忍ばせ飛行機に乗り込みました。

飛行機の中で寝ていると、腕を73mmのアンタエウスが這って来ました。あわてて数を数えると1頭足りません。 周辺を探したのですが見つからず、他の客、特に女の人が発見して大騒ぎにならないかとひやひやしました。 幸い誰にも発見されずに日本に到着しましたが、持ち込む時はくれぐれも気を付けないといけませんね。

帰国して某空港の税関を通る時あっさりと「これはなんですか?」と聞かれました。 一瞬「ドキッ!!」としましたが、税関が良いと言っていたんだから・・・と開き直り中を見せると、 「クワガタですか・・・。いいですねえ。」と、あっさり通してくれました。 これで「クワガタは持ち込み出来るんだ・・・!!」と確信したのです。

それから2,3ヶ月経った頃、現地にいる従兄弟に、クワガタを採って貰い送ってもらったところ、 いきなり植物検疫所から電話があり、「クワガタは輸入禁止品です!!」と言われました。 これにはびっくりすると同時に怒りも込み上げてきて、「税関にどういう教育してるんだ!」などと怒りをぶつけましたが、 単なるうさばらしでした。 その箱には沢山のアンタエウスのメスが入っていました。現地の人の話では、メスは採りにくいのと発生が遅いのでは?とのことでしたが、 今年行ったところメスが多く採れました。


外国でのクワガタ採集ガイド
国に採集に行くには、現地の人に案内してもらう必要はあると思います。 ただ現地の人は「クワガタ」という単語を知らないのが殆どなので、必ず写真を持っていった方がいいでしょう。 今年カンボジアでは絵を描いてクワガタのこと聞いたのですが、持ってきてもらったのは蜘蛛でした。(^_^;) ミャンマーではゲンゴロウと勘違いしてたり(^_^;;)・・・やはり写真です。


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