カブト馬鹿奮闘記/究極のトラップ

亀有カブト





うっとうしい梅雨も明け、アブラゼミも鳴きだしました。
カブトファンの皆様、お待ちどうさまです。
やってきました!暑いと言うか、熱ーい夏です!!
採取のベストシーズンです!!!
カブトなんかばんばん土の中から飛び出してくる事でしょう。

でもなんか涼しいんだよな。
雨も多いし。

まぁ、でもなんか取れるだろうってガキ共連れて茨城県の 古河ってとこで採取を敢行した。


茨城の古河には、オヤジの弟、私の叔父が住んでおり、ガキの頃から よく遊びに行き、カブト、クワガタをごっそり採ったもんである。
近くには小川が流れ、スナシジミなんかも居た。 普通のシジミではない。黒くなくアサリのような色をしたシジミである。
こいつでみそ汁を作ると、黒いのとは違ったさわやかな うまさがあり、私は結構好きだった。
残念ながら最近は、住宅が増え、まわりの農家では農薬を よく散布しているそうで、シジミはもう居ないし居ても 食えないとのことだ。

昔と違うのはシジミだけではない。カブトにも言える。
ちょっと前までは、野菜なんかの肥料に堆肥を使っていたが 最近は化学肥料がこちらでも一般的になり、堆肥の山は先ず 見かけなくなった。

従い、ほとんど堆肥の山を発生源としているカブトらは 生活の場を失い、激減している状況である。

しかし古河のとある場所は、昔ほど取れなくなったとは言え 盛期では今でもカブト、クワガタが雑木林一廻りで50匹以上取れ、 たまに見かけるたい肥の山などほじくろうものならごろごろと カブト幼虫が出てくる未だ豊かな自然がかろうじて残っている 所である。

叔父の家は古河のこのような残された自然がある場所のまっただ中 にあり、この前うっとうしいからって実は切ってしまったのだが、 庭に桃の木が在った頃は、桃にカブトがびっしりくっついて 朝早く起きると庭中にカブトムシがころがっていたと言う状況だった。

残念ながら、今回は桃の木がないのでガキ共とちょっと歩いて採りに 行く事になり、せっかくだからトラップを仕掛けてどうなるか 実験をすることにした。


先ず、普通のバナナトラップを前日から準備しておいた。
熟したバナナに昆虫ゼリーをまぶし、焼酎に漬けこんだ物である。
次に、前々からやろうと思っていた究極のトラップ。 カブトトラップを準備した。

カブトやクワガタを入れた虫かごを草むらに放り込んで置くと まわりにカブトやクワガタがひっついてくる事がよくある。
においなのか音なのか判らないが、餌だけではない何か特別な 引き寄せる物があるのだろう。

究極のトラップ、カブトトラップとは、あのにおいが発散している カブトの飼育ケースを丸ごとトラップとして利用する事である。
私は小プラケにカブトのメスやゼリーなどを放り込み、 寄ってきたやつが餌を食えるように工夫をし、 バナナトラップではない、この究極のトラップで楽に 採取をしようと企んだ。


日の高いうちにとことこガキ共と歩いて、ポイントに 到着。

鬱蒼と繁った古河の森



先ず樹液の出ている様子をチェックする。
しかし、なんか様子が変である。あまり出ていない。
どこを見ても樹液の出が悪かったが仕方なくトラップを仕掛け 日が暮れるのをガキの世話をしながら待った。


叔父はあまり採れないだろうと読んでいた。
叔父の話では、毎年この頃には樹液がじゅくじゅくで カブトがぞろぞろなのだが、今年は気温が低いので樹液の 出も悪く、カブトも未だ土に潜ったままであまり採れない だろうと言っていた。

あまりたくさん採れてもガキ共はせっかく採った獲物は逃がさないから それは私が困るからちょうどいいって事で20時頃に懐中電灯持って みんなで出かける。ガキ共ははしゃぐ。ちょっとした探検だ。

  

喜ぶガキ共



先ずすぐ近くの小さな雑木林に到着。
昼間スズメバチがいっぱい居たので数匹捕まえたポイントだ。
夜なので慎重に近づく。スズメバチの隣に小さなオスメス1ペア おりゲット。他でもオスメス1ペアゲットした。

少ないがここはあきらめ又少し歩いて結構深い森に入る。

うーむ。やはり樹液の出も悪く、虫も少ない。
トラップは....やはり駄目だ。バナナは全敗である。

さて、期待のカブトトラップは....うー、駄目だ。
こう出ている虫が少ないと、トラップにも引っかからない。

結局、十数匹追加して終わった。

そして結論。
樹液には絶対勝てない。
でもカブトトラップはバナナとか吊すより効果あると思うんだけどな。


これからもう少し暑くなればどんどん出てくるだろうから トラップでもきっとある程度の成果はあるだろう。
しかし、絶対に樹液には勝てないから、これからトラップ やろうとしている人は、面倒なことはやめて、樹液の出ている 木を探した方がよいですよ!






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