日 本 標 準
February 21, 2001
前回、世界標準を研究し実践しているJFAの若きリーダー達が世に問うた日本サッカーのキーワードを、世紀
の節目に間に合わそうとして大急ぎで私流に概念化した。
結論から言えば、それは波浪、波動をモデルにした「ウエイヴズ・フットボール」でどうかな、ということになった。
その後、ジュニオール年代日本代表の西村監督が提唱してきた「ムービング・フットボール」の見事な要約記
事が朝日新聞夕刊SOCCER欄(1月24日)に載った。無断だが引用しないわけにはいかない。
西村監督は、ガンバ大阪ユースの監督として当クラブ出身の二川、古家を育てただけでなく、全日本ユース
大会で準優勝した時の采配で、私が思い描いていたサッカーの理想像を実現したことで、高槻FCに多大の
影響をあたえた恩人である。前にも触れたがその後買った練習ビデオで私は頭の中に概念としてだけあった
ものが練習方法としても実在することを知って驚愕し感動した。
≪アジアユース19歳以下チーム戦術で西村監督が掲げたキャッチフレーズは「ムービング・フットボール」。
球が動いて次の場面ができるまでの間に、選手は先を読んで動き、それを連続させる。攻撃でも守備でも同
じだ。 その結果、「どの試合でも作ったチャンスの数では日本が上回っていた。常にボールを奪いにいく守り
方もうまくいった」。
球を受ける前の「先取りした動き」は、トルシェ監督率いるA代表でも武器になっている。「日本のスタンダード
を確立したい。そしてそれが、世界のスタンダードになるようにしたい」。西村監督の野望は大きい」。≫
各年代の日本代表の活躍で日本のスタンダードがアジアや世界で注目されだしたのはありがたい。身体能
力で苦しいアジアが日本のスタンダードを消化して各国独自のスタンダードを確立していくのもそう遠くない。
身体能力で勝る世界が舞台となると風土も文化も国民性も異なる国々が機動力中心のフットボールを標準化
するとは思えない。もちろん各国スタンダードの相互浸透がますます進み、日本スタンダードが国際的に高く
評価されていくのはまちがいない。