ノ ブ レ ス ・ オ ブ リ ー ジ ュ

王 者 の 風 格

June 30,2002

日韓W杯が王国ブラジルの勝利で終った。サッカーの技術戦術面では何の進歩も見られなかったが、サポー

ターのマナー、サポーター同士・選手同士の交歓には、21世紀最初のW杯にふさわしい進境が見られ、世界

の注目をひいた。

はじめての共同開催も良かった。日韓を対比して観察する習慣がついて相互理解が進み、スポーツの原点を

考え、クラブの理念を豊かにする反省材料が多く得られた。とりわけ高槻FCにとってはそうであった。

なかでも韓国とトルコの3位決定戦は高槻FCに進むべき方向性を北極星のごとくはっきりと指し示した。

両チームは、1対1の攻防をファウルしてでも制する汚いプレイがきわめてすくなかった。川渕チェアマンに

よると日本代表はその点でワーストワンの記録だった。

また攻めでは、柳沢のように競るたびに演技してころぶ、ファウル乞食もすくなかった。

真っ向から真剣勝負せよ! さもなくば1対1に勝つ技術も戦術も会得することなく、個人力の弱い選手で

終るだろう。

両チームは笛が鳴るまで死闘をくりひろげた。あくまでボールとゴールをめぐる攻防で、いさかいでも抗議でも

なかった。美しいサッカーの戦いだった。

終了を告げる笛と同時にピッチにうずくまる韓国選手、それを抱き起こすトルコ選手・・・感動的な光景が続い

た。両チームが肩を組んで観客の声援に応えて回った。シャツならよくあるが国旗の交換もあった。ラグビー

でいうノーサイドのW杯版だ。

かつて敵味方がこれほどまでに交歓し合ったW杯があったであろうか。われわれは両チームがまさにスポー

ツの真髄を見せてくれたことに感謝しなければならない。

スポーツの語源は日常性からの船出である。スポーツはハレの舞台で演じられる筋書きのないドラマだ。

それは喜怒哀楽の感動をあたえるが不快感だけはあたえてはならない。それはビューティフルの域に達する

のが望ましいがダーティであってはならない。

フェアプレイを体現せよ!フェアとは、公正で美しい、ということだ。

高槻FCの中学生はこの夏「全国」の舞台(Jヴィレッジ)に立つ。勝ち数で1番になるよりも好感度ナンバー

ワンのほうがすばらしく、値打ちがある。

かつて高槻FCの小学生はよみうりランドで準優勝し、フェアプレイ賞を受賞した。これまでに1,2位になった

チームは50チームを数えるが、多くの人々に感動をあたえて語り種になっているチームといえば高槻FCが

一番だろう。

高槻FCの全国的名声(フェアネイム)はそのときはじまった。高槻FCは王者ではないが名に恥じない社会

的義務・責任を果たさなければならない。王者の義務のことを欧米ではノブレス・オブリージュという。

そしてスポーツではそれは正々堂々と美しく勝負することだ!

ノブレス・オブリージュ 王者の重責、王者の風格、王者の寛容を伝統にせよ!

J‐ヴィレッジで伝統を確立しよう。

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