U - 1 3 の 指 導

オリエンテーションの記録

May 1, 2002

小中一貫指導が望ましいが、選手は小学期と中学期では同じチームに所属することはまれである。

高槻FCは一貫指導をおこなっているが、一貫しているのは指導者であって選手ではない。8〜9割

の選手は他のチームから来た選手である。

U−13の指導は選手の観察から始まる。長所と短所を見極め、ポジションの適性を大まかに決める。

4月中に試合を通じてポジションを決め背番号を確定する。1学期はリセット期間、オリエンテーション

が指導の中心になる。

この間の指導は小学期の基礎の点検と新たな約束事を知らせることが主になる。心技体+戦術の

分野からまず精神的自立を取り出して強調する。試合、練習を休む届は本人自ら電話させる。

毎回飲食物を持ってこさせる。日帰り遠征はなるべく現地集散にして保護引率をすくなくする。

ついで技力体力指導では左右両足を使ってボールをコントロールするよう指導する。片足偏重は

体の歪みをきたし将来腰に障害を起こす。足腰と上体の柔軟性を高めるためコーンを使ったジンガ

の練習を週1回入れる。足腰を鍛えるために堤防ののぼりおりを毎回5回義務付ける。これは捻挫

の予防を兼ねている。

戦術練習は個人戦術にかぎって指導する。状況に合ったファーストタッチ、判断と気持ちを込めた

トラッピング、「最初にさわり最後も触る」ことを追求する1対1、視野の広さと深さ、ターゲットの優先

順位、ゲーム中のプレッシャーの下でのショートパスの精度、メッセージを載せたパス・・・

オリエンテーションだから高槻FC独自の様々なコンセプト、キーワードを徐々に入れていく。

上記に関する詳しい説明は当ホームページで検索していただきたい。

13歳の指導は1学期の間はおもに筆者自身がおこなっている。小学期に修得した良い基礎を活

かしながら将来飛躍するために必要なステップを踏ませる。これまでに身につけた、脳裏に焼き

付けた悪い習慣、癖、間違った理解を練習、試合を通じて正しながら、高槻FCの考え方、動き方

を注入していく ( リセット)。

したがって、このページは、そのつど更新しながら8月まで続く、リアルタイムの指導記録としたい。

動きながらボールを処理せよ・・・止まったままボールをとめるな。蹴った足を第一歩として動け。

プレイ中 すわるな、ねころぶな、突っ立つな・・・即きりかえて動きなおせ。

突破のドリブルにも強くなれ ・・・キープのドリブルは強いがそれだけだと敵は楽だよ。

GKはピッチでは始終 activeアクチヴであれ ・・・休めの姿勢は禁物だ。

アクチヴとは囲碁でいう「活 iki」の状態。ときどき「休め」の姿勢、直立不動の姿勢をとって
いる。つねに構えて声を出しながら動け。活火山になれ!

7月末のはじめての合宿では決められた時間に寝て仲間の睡眠を妨げるな ・・・これが守られなかった。

翌日頭痛と発熱により真夜中に30分離れた隣の市まで救急車で運ばれた選手がいた。今日まで
チームとスタッフに迷惑をかけてすまなかったという挨拶が本人から一言もない。日本社会から美徳
が消えつつある。明日皆の前で教えてやることにしよう。

8月末の合宿では 特定の選手をそしり仲間はずれにする兆候がみられた。いじめ、差別について学習した

ことのない選手も見受けられる。手をこまねいていたらチームががたがたになる。いじめはゆるさない。
いじめは陰湿な犯罪である。

このリセット期間に試みるが毎年ほとんど果たせなくて先送りする課題がある。時間空間相手かまわずやみ

くもにボールをもつ癖である。少年期の指導で技術を高めるためにTPOに関係なくボールをもつことをゆるし

たか、奨励した結果、ボールはもてるが効果的なプレイができない習慣が身に付いてしまったのである。

技力と脳力、ボールコントロールと判断力は同時に向上させるべきだ。さもないとそのアンバランスが後々

まで禍となる。

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